高町なのはのIS学園見聞録外伝 我こそ、戦車道極めし者 作:ピロッチ
そして翌々日、遂に決勝トーナメントの第1回戦当日である。
試合会場である南方の島は既に参加者と観客が犇めきあっている。
「あれが今度の相手のサンダース側か…凄い数の車輌を持ってきてますね。
救護車にシャワー車、ヘアーサロン車まで有りますよ。」
「全国一の資金力は伊達じゃ無いですね。」
「まあ、去年度までの話だがな。
今の我等にはドクトル・シノノノの加護が付いているのだ、高が地方の一学園艦程度…。」
「ああ!あれ、サンダース側のチアリーダー部ですよ!
あんな人達まで連れて来てたなんて…。」
「聞けよ。」
日米ハーフや米系移民の子孫を多く抱えるだけあり、
全国一の資金力に物を言わせて圧倒的な後方支援機材や
人員を抱える様を見せ付けるサンダース。
「それに引き換えこっちは…って言いたい所ですが、
こっちはこっちでなのはさんがテレポートで全部運べますから、
一見地味ですが『必要な物を、必要な時に、必要な数だけ』を実現できる分、
効率はこっちが上ですの。」
「テレポートて(すとん」「えっ、なにそれこわい。」
「(ハイテク故のシンプル…なのかな?)」
そして、それもIS学園から見ればどんぐりの背比べに過ぎない事を
思い知った生徒会三役とみほであった。
「おーい、車輌の最終確認は終わったか?」
「「「「「はーい!」」」」」
「あんこう号、準備ヨシ!」「ウサギ号、準備ヨシ!」「カバ号も大丈夫です!」
「アリクイ号、準備完了!」「サメ号、準備出来てるよ!」「アヒル号、何時でもいけます!」
「レオポン号、準備完了!」「鉄人1号、準備ヨシ!」「鉄人2号も以下同文でス!」
「ご苦労様、では時間まで各自待機で。」「「「「「はい!」」」」」
今回の試合に備え、連合チームは森林迷彩に塗装を塗り替えている。
その中の1輛、鱈子唇の桃色鮟鱇を砲塔に記した隊長車の44Mタシュと並ぶ
IS-4を感慨深く仰ぐみほ。黒い五角形にIS学園の校章と白い五芒星*1と隊長車を示した
001のナンバーを記したなのはの隊長車だ。
「この試合を勝ったら、この人達は決勝まで戦線離脱か…勝ち残れれば良いなぁ。」
等とみほが物思いに耽っていると…
「あっ…砲弾忘れてたぁ!」「馬鹿ー!」「ちょっ…それ一番大切じゃん!」
「早く積み込まないと!」
何とここでウサギ号の乗員が砲弾を積み込み忘れた事に気付いて慌てて積み込みに行く始末。
なのは達が一時戦線離脱する事のショックがまだ抜けきっていない様だ。
流石のみほもコレには苦笑い。
「…………あの馬鹿共………。」
「呑気なものね。そんなんでよくリーグ戦全勝できたわね。」
と、そこに冷やかしに来たとしか思えない輩が約3名。
隊長のケイ・シマバラと副長格のアリサ・イサハヤとナオミ・マツウラだ。
「むっ!貴様等サンダースの手の者か?!何をしに来た!」
「そ、そんな警戒しないでよぉ…。」
「そうよアンジー、試合前に交流も兼ねて食事でもどうかと思ってさ…。」
「アンジー?アンジーって誰?」
「えっ?アンズだからアンジーなんだけど…。」
「あ~、そう言う事か。態々のご訪問どうも。」
桃は相手チーム主要メンバーの来訪に警戒するが、杏は好意的に接している様だ。
「どうもどうも。そんなことよりも、何でも好きなの食べていってね!OK?」
「オーケーオーケー…………おケイ!だけにね!」
「「「「「'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、(´∀`),、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`,、'`」」」」」
杏の駄洒落に一同乾いた笑い声を上げるのであった。
「あれ?そういえば、同盟相手のお仲間は?」
「おや?」「ありゃ?」「何処行った?さっき返事は聞こえたのに…?」
等とあちこち見回っていると、ISー4の内1輛の砲塔ハッチが開かれた直後…。
「やあ。」
「「「「「ギャーッ!!!」」」」」
何と一同の背後からなのはの呼び声が。思わぬ方向からの声に全員が一斉に悲鳴を上げる。
「ドーモ、ハジメマシテなの!私がIS学園戦車道部部長の高町なのはなの!!」
要するに、大洗側と初合流した際のサプライズをそのまま再現したのだ。
「またか…。」「い、何時の間に…。」「な、何が起こったのよ…。」
「………って!この人、今度ISの国家代表に任命された人じゃーん!」
「むほほほほほっ、良く気付いたの!!
私こそ、日本国代表IS操縦者にして三千里5km狙撃の張本人…おや?」
サンダース側は一斉に逃げ出していた。
「…………何なの?」
そんなこんなで、サンダース側が持ち込んだ屋台で腹拵えも終わり、
いよいよ試合開始の時間が来た。
電光掲示板には両チームの隊長、みほとケイが向かい合っている。
「それでは、大洗・IS学園連合対サンダース大学付属高の試合を始めます、一同、礼!」
「いよいよ本番ね…何をするか分からない相手、心して掛かりましょう。」
「「「「「応!」」」」」
「IS学園の皆が安心して渡米出来る様に、私達がしっかり戦わないと…
皆、頑張りましょう!」
「「「「「はい!」」」」」
そして、全員の準備が整い、試合開始の号砲が響き渡った。
視点・サンダース隊長車T29
「先手必勝、急いでキリングゾーンに向かうわよ!アリサ、ナオミ、後に続け!
キメラ・ジャンボは2輛ずつ両側の崖に控え、残る3輛は後方を警戒!
敵主力が集まった所で離脱して大回りで後ろに回り込んで、囲んで袋叩きにするわよ!GO!」
「「「「「イエス・マム!」」」」」
試合開始と同時に2輛のT28を従え、ケイが乗り込むT29が
平原地帯から立て籠もりポイントの谷間へと向かう。
兎に角聖王対策で持ち込んだT28が最高速度16km/時ととてつもなく鈍足で
残るT29と
大急ぎで向かわないとあっという間に囲まれて逆に自分達が袋叩きにされる末路が待っている。
その代わり、装甲に関しては連合チームのISー4を除きサンダース側が遥か上を行く。
なんたってどの車輌も数の上の主力タシュの主砲では正面からではびくともせず、
谷間に入り込まれて側面と背後を塞がれればもう手も足も出なくなるのだ。
視点・大洗・IS学園連合隊長車「あんこう号」
「敵は地図上のここにある谷間に立て籠もる算段である!
極度の鈍足のT28を持ち込んだ当然の結果と言えよう!
動く気が無い敵等、何程の事も無し!立て籠もって一安心した所で…
■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」
「「「「「了解!」」」」」
一方、連合チームは例によって相手の作戦の穴を衝き、
隙を見せた所に全火力を叩き込む鬼皇流の基本ドクトリンに準拠した作戦を採る構えだ。
『鮟鱇1、それにはまず、何処に向かうにしても
邪魔なキメラ・ジャンボを擦り減らさないといけないの!
T28とT29が金床に成っている内に背後に回り込む気なんだろうけど…』
『………如何にも。ならば、向こうから来て貰わないと。』
『その通り、では…始めるの!』
遂に始まった決勝トーナメント1回戦。
果たして連合チームは無線工作のカウンターの用意があるサンダースに
どんな反撃を仕掛けるのか?
シベリア黒連盟の双頭鷲紋をIS学園校章に書き換えた物。
原作未登場のAFV紹介 その21
T29重戦車・サンダースカスタム
Ⅵ号E型対策でM26を開発している途中でⅥ号B型の情報が入り、
そちらの対策として開発、試製された重戦車。サンダースは東雲特車からの寄贈後、
主機を900馬力にチューンアップし、変速機にも手を加えて速力を改善した。
※下記の数値は作中世界でのみ通用する数値で、史実と同一とは限りません。
寸法 車体長7.62×車幅3.81×全高3.226㍍
機関 フォード製V型12気筒ガソリンエンジン
「GAC・サンダースカスタム」750馬力→900馬力
最高速度 32㎞/時→45㎞/時
重量 64.2㌧
乗員 6名
武装
主砲:65口径105㎜砲「T5E1」×1
機銃:12.7㎜機銃「M2」×3
7.62㎜機銃「M1919A4」×1
装甲(単位:㎜ 小数点以下四捨五入)
防盾 279
砲塔 前面 側面 後面 天板
178/ 127/ 102/ 38
車体 前面 側面 後面 天板 底板
70~102/51~76/19~51/13~25/13~25