高町なのはのIS学園見聞録外伝 我こそ、戦車道極めし者   作:ピロッチ

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第48話  準々決勝、開戦です!

 そして大洗の二回戦当日。

 

「それでは、第94回高校戦車道全国大会、準々決勝第四試合。

アンツィオ高校対大洗女子・IS学園連合の試合を始めます!」

 

 観客席には試合を見届けるべく、既に敗退したサンダースのケイ達や、

ベスト4進出を決め黒森峰との対決を控えた聖グロリアーナのダージリン達も訪れている。

 

「Wow、本当にIS学園のIS重戦車が見当たらないわね。」

 

「確かに。族長が1輛増えてるけど、結局1輛減った事になるから定数割れ起こしてるわね。」

 

「はぁ~…ここでウチ等がぶつかってたらまだ戦えてたのに。」

 

 

 

「矢張り、装備転換訓練と代表操縦者同士の合同演習で渡米したというのは本当の様ですね。」

 

「まあアンツィオは決して強いとは言えないから、IS学園勢抜きでも勝算は充分ね。

でもここの勝者が次に当たるのは前回優勝校のプラウダ高。厳しい戦いになりそうね。」

 

「そのプラウダですが…大洗が勝てる確率は…ダメです。データ不足で計算結果が出ません。」

 

「…アッサム、彼女達はそのデータを超えて来る存在よ。

ハードは同じでも、中身は1試合毎に別チームレベルで変わってくる。

大洗が此処を乗り越えた場合、プラウダもタダじゃ済まないわよ。」

 

 

 一方、試合の当事者達はと言うと…。

 

「着きました、ここが両校の合流地点です。」

 

 車輌を運搬するトレーラーの車列に続き、バスで試合場入りした大洗の一同。

 

 みほ達がGPSで確認していると、そこに1台のオープントップの四輪車が。

WW2当時の伊国製偵察四輪車AS42だ。

当然、乗っているのはアンチョビ、カルパッチョ、ペパロニのアンツィオ上級生トリオだ。 

 

「おー、又会ったなチョビ子。」「誰がチョビ子だ、アンチョビと呼べ!」

 

「そうかそうか、じゃあ安斎で。」「本名止めろ本名!洒落にならんから!」

 

 一体何処で面識があったのか、矢鱈アンチョビに馴れ馴れしい杏。

 

「あ、あの角谷さん?いつの間に向こうの隊長と面識を?」

 

「いや、戦車道再建の為方々に声を掛けててね。

こいつも隊長候補生だったって話さ。で、改めて聞くけど何の用?」

 

「そんなの、試合前の挨拶に決まってるだろ!

私はアンツィオの総師アンチョビ。そっちの隊長は?」

 

「何が総帥だ、こっちは家元だぞ!ほら、家元。お呼びだぞ!」

 

「アッハイ…。ど、ドーモ。私が鬼皇の流祖西住みほです。」

 

 桃に呼ばれて出てきたみほが一礼すると、アンチョビは何か戸惑った様子でみほを見ていた。

 

「え?あの鬼皇流流祖が?いや、TVで見たから顔は知ってるが…こんな…普通だったか?

もっとこう…何か…絶対相手したくないオーラが出てた様な…。」

 

「…それ、なのはさんですよ。IS学園の。あの人の殺気と言うか殺意の波動が近くにあるから、

間近の私も危ない人に見えてたのかなーって…。」

 

「殺意の波動って…。」「○鬼ですか?豪○なんですか?拳を極めちゃったんですか?」

 

「戦車道なら極めました。(キリッ」「極めたのかよ?!」「まあ…極めてるんでしょうね…。」

 

「確かに…社会人チームを3分の1の数で一蹴した事が有るんだからな。」

 

「ふん!相手が自分で流派を興した天才だろうが魔人だろうが絶対に負けない…じゃなくて、

アンツィオの悲願ベスト4進出の為にも絶対に勝つ!」

 

「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

 

 とまあ、こんな感じで試合前の挨拶も終わり、各々が各車に戻って行く。

 

「本当にIS学園の連中は来ていないみたいだな。」

 

「みたいですね。と言っても舐めてかかったらあっという間にやられますけどね。

トンデモ狙撃手の陰に隠れてますけど、聖王の主砲は虎Ⅱと同一品。

族長の主砲も貫通力は大元帥の90㎜砲と同等以上ですからね。

P43Bisは正面装甲なら距離次第でワンチャン弾けますが、

まあ基本的にどれも一発当たれば即死と思って良いかと。」

 

「でも鉄人4が来なくて良かったッスよ。バソットのEPSもP43の90㎜弾の直撃も耐える

超カッチカチの奴が2輛も襲ってきたら、もうそれだけで一巻の終わりッスよ。」

 

「確かにな。尻はワンチャン貫けそうだが、

言い換えればそこを隠されたらもう詰みって事だからな。」

 

「そもそも後ろに回れませんけどね、噂じゃ篠ノ之博士自らのチューンアップと魔改造で

Tー34並みの脚だって言われてますし。」

 

 専用車に向かう車中でこんな風に会話している上級生トリオ。

流石にIS学園の超超長距離狙撃のインパクトに隠れた強みを分かってはいる様だ。

そして、3人は皆こう思っていた。

 

「(果たして奴等にマカロニ作戦は通用するのか?)」

 

 そして予定通り、試合開始の時刻を迎え、両校は号砲に合せ一斉に発進する。

 

「総員、前へ!」「アヴァンティ(進めぇ)!」

 

 尚、今回も双方共に隊長車=フラッグ車だ。

 

 

 

視点・アンツィオ隊長車・P43bis

 

「サーリアノ各車は予定地に急行しろ!くれぐれも相手に見付かるなよ!!」 

 

『『『『『『Si!』』』』』』

 

 アンツィオ側はP43bisからのアンチョビの檄に応じて6輛のサーリアノが急加速。

相当チューンアップを頑張ったらしく未舗装地ながら60km/時近い高速で駆け抜ける。

 

『ペパロニ、間違っても数を間違えないで下さいね。

数はさっき渡したメモに書いて有りますから、その通りの数を設置して下さいね。

少ないのはまだ許せますが、間違えて予備まで設置してバレたりしたら

今年一杯パスタとピッツァ抜きってドゥーチェが言ってました。』

 

『ヒェーッ!お前等聞いたな!えーとメモメモ…

P43bisは1つ、セモヴェンテは3つ、サーリアノは6つだ!

今言った通りの数を予定地に並べろー!』

 

『『『おぉー!!』』』

 

 同級生からも阿呆の子扱いのペパロニであった。

 

 

 

視点・大洗隊長車・44Mタシュ「あんこう号」 

 

『こちらトラ1、警戒区域の十字路まであと1km、これより更に間合いを詰める。』

 

「了解、500まで間合いを詰め、伏兵の有無を確認せよ。

但し此方が見えると言う事は敵も此方が見えると言う事なので、

くれぐれも視界の開けた地形に入らない様注意せよ。」

 

『了解!小隊、もう500㍍前へ!』『『はい!』』

 

 先鋒の赤星小隊(以下、族長B小隊)から警戒区域に接近の報を受け、

更に間合いを詰めての偵察を命じる。暫くして、先鋒が予定地点に到達。本格的な偵察にかかる。

 

「十字路まであと500㍍。小隊各車、ハッチ開放して外部視察を行え!」「「はい!」」

 

 ペリスコープで見る限りでは特に異常は見当たらないが、

本格的に偵察するならハッチを開放して双眼鏡での視察が欠かせない。

程なく各車から敵車輌発見の報告が届く。

 

「あ!セモヴェンテが居る!」「こっちにはサーリアノが!」「あそこにも居る!」

 

『全部で5輛か、恐らくは偽兵ですね…。

トラ1から鮟鱇1へ、セモヴェンテ2輛、サーリアノ3輛を確認。十字路近辺で待ち伏せ中。』

 

 だが、事前偵察で偽兵と推測していたみほ達は予め

「ベローチェの遥か上を行く高速が売りのサーリアノが脚を止める等有り得無い。

よって止まっているサーリアノは無視。それ以外は念の為機銃で真贋確認」

と決めていたので、これしきでは動じない。

 

「矢張り先行していたか…こちらの予想通りです。先鋒隊、事前に通達した通りに対処せよ。」

 

『了解。セモヴェンテに機銃での射撃敢行。偽兵と判別次第、直ちに離脱、合流する。』

 

「とは言え、向こうは既にここに来ているって事だよね。」

 

「確かに。サーリアノは元々舗装路なら無改造で70km/時以上出せるとも言われてるので、

チューンアップでもっと速くしてる事を考えると…、

こっちもチューンアップで未舗装地でも50km/時は出せますが、

追いかけっこに持ち込まれるとこちらに不利ですね。」

 

 あんこう号の中で、沙織と優花里がそう話し合っていると、

小梅からセモヴェンテも書き割りの偽物だったと連絡が入った。

 

「よし…総員に告ぐ!敵は狙撃或いは包囲狙いで戦力を分散している事は明々白々!

我が方は全車集結し、敵の分力を各個撃破する!族長B小隊は聖王小隊と先鋒を交替!

これより、試合場の要所となる街道に突入する!」

 

『『『『『了解!』』』』』

 

「それでは…全車、あんこうに続け!」

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