高町なのはのIS学園見聞録外伝 我こそ、戦車道極めし者   作:ピロッチ

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第49話  準々決勝、佳境です!

視点・アンツィオ高サーリアノ隊・M16/43サーリアノ ペパロニ車

 

 一方その頃、戦う前からマカロニ作戦が看破されていた事にも気付かず、

サーリアノ6輛は当初の作戦通りに大回りで大洗側の背後に回り込もうとしていた。

 

「よーし、ちゃんとメモ通りの数を設置したな?

これで上手く行けば、連中が騙されて脚を止める筈だ!後はその隙に背後に回って…」

 

「あ、あの?!」「あん?」「その…大洗の連中、総出でこっちに来てます!!」「はぁ?!」

 

 ペパロニが操縦手のアマレットこと甘利廉(アマリレン)の声で砲塔ハッチを開けて確認すると、

確かに大洗側の車輌が聖王3輛を先頭に押し立て総出で雪崩れ込んで来ていた。

 

「ゲゲェーッ!!まさか作戦がバレたのか?」「ど、どうするんですか?!」

 

「えーと、こう言う時は…全員逃げろー!!」『『『『『マンマミーアァーーーー!』』』』』

 

 ペパロニの声でサーリアノは一斉に反転して全速力で逃走した。

 

 

 

視点・大洗高隊長車・あんこう号

 

「あ!敵の主力だ!」「反転してる!尻尾巻いて逃げる気だ!」

 

「矢張り書き割りに気を取られてる隙に回り込む気だったみたいですね。」

 

『今日も西住ちゃんの読みが大当たりってね!』

 

「早速追いかけましょう!」

 

「ええ、でも逃げ足は向こうが上なので深追いは伏兵の待機場所に誘き出される危険があります。私が族長A小隊で対処するので追撃はカモ1()の指揮の下、残りの人に任せます!

カバ号とサメ号はあんこうに、残りはカモ号に続け!」

 

 みほはカバ号とサメ号を連れてセモヴェンテ及びP43bisの捜索を行うべく別行動に。

 

 

 

視点・アンツィオ高フラッグ車・P43bis

 

 その頃、アンチョビ自ら乗り込むフラッグ車のP43bisでは

ペパロニからの報告が一向に来ない事を怪しがり、無線でペパロニを呼び出す。

 

「おいペパロニ、マカロニ作戦はどうなった?」

 

『あ、姐さん!丁度良かった!今それ所じゃないんです!』

 

「え?」

 

『いやー、その…実は回り込もうとしたら、

逆に大洗の連中が総出でウチ等の前に回り込んでて、今追われてる所ッス!』

 

「はぁ?!追われてるだと?!何やってたんだ?!!

ってか予定地にちゃんと書き割り立てて来たんだろうな?!」 

 

『勿論ッスよ!メモにP43bis1輛、セモヴェンテ3輛、サーリアノ6輛って

書いて有ったんでその通りに設置したんですけど、何かバレちゃったみたいでして。

ああそれと、族長が3輛別行動を取ったんで、もしかしたらそっちに向かうかも…。』

 

「何ィィィイイイイイーッ?!」

 

 作戦がとっくに看破されていた事に漸く気が付いたアンチョビ。 

 

「馬鹿ー!そう言う事はもっと早く言えー!!ええい、こんな簡単に作戦が見破られるとは!!

こうしては居られん、マカロニ作戦は中止!!発進だー!サーリアノ隊と合流する!

カルパッチョ隊も付いて来い!」

 

 所が、当のカルパッチョからは思わぬ返答が返ってきた。

 

『敵襲!セモヴェンテ2号車が被弾!』

 

「げっ!」

 

 

 

 視点・大洗隊長車・あんこう号

 

 アンチョビがサーリアノ隊との合流を命じた直前…

 

「セモヴェンテが見えた!鮟鱇2、探りの一発!」

 

「はい!」

 

 華がセモヴェンテに8㎜同軸機銃を放つ。銃弾は戦闘室に命中し、金属火花が散る。

 

「金属火花が…? 当たりです、本物です!」

 

 当然、残りのセモヴェンテが気付いて動き出す。

 

「見付けた!西側へは絶対に進ませるな!サーリアノ隊と合流される!

護衛の少ない今の内に、P43bisを仕留めろ!

カバ号とサメ号、陣形を縦隊から横隊に変更する。両車、前へ!」 

 

『『了解!』』

 

 

 

 視点・アンツィオ高サーリアノ隊・ペパロニ車

 

「逃げろー!!兎に角逃げ続けて、本隊と合流だー!」

 

 一方大洗からの総攻撃に対し、サーリアノ隊は街道を全力で逃げながら砲を後ろに向け、

パルティアンショットで反撃する。だが、ここで問題が。

 

「くっそ、弾がまた弾かれた!!」

 

 アンツィオが保有するサーリアノは写真でよく見る試作車の40口径47㎜砲では無く、

量産型で搭載が予定されていた34口径75㎜砲を搭載している。

これに今年から使用可能となった成形炸薬弾を使えば

どんな距離でも10cmの装甲を射貫けるので 

16tの小兵ながら攻撃力は相当高い。しかし、族長の合計200㎜の砲塔正面や

75㎜とは言え傾斜により見かけの厚さが倍増した車体前面を射貫くには到底足りない。

ましてや、大洗側は聖王を前面に押し立てている。

族長と同じ傾斜角で厚さ120㎜の聖王の正面装甲相手では

どう撃っても豆鉄砲にしか成らない。

 

「どうするんですか副長?!サーリアノ隊は今日EPSしか積んでないから、

これが効かなかったらもう振り切るまで逃げ続けるしか無いですよー!」

 

「正面がダメなら横だ!速度を落として聖王に横付けしろ!

奴等に横は撃てないから一方的に攻撃できる!!」

 

「Si!」

 

 早速サーリアノの1輛が聖王に横付けしようと横に逸れて速度を落とすと…

 

 BLAM!!

 

「ギャーッ!ヤラレター!」

 

 呆気なく車体尾部に被弾、撃破判定を受け脱落した。 

 

「な、何だぁーっ?!」

 

 

 

 視点・大洗族長B小隊隊長車「トラ号」

 

「やっぱりそうすると思ってました!正面装甲が射貫けない程強固な駆逐戦車を

正面に押し立てれば、向こうは死角に入り込もうと絶対に横付けしようとする。

いくら快速が売りのサーリアノとて、どう動くか分かってるなら怖くも何ともありません!」 

 

 サーリアノを仕留めた砲撃の正体は聖王の後から付いてきた族長B小隊。

隊長車のトラ号が横付け狙いで脇に逸れたサーリアノを仕留めたのだ。

 

 ここに鬼皇流と他流の違いの一つがある。西住流・島田流を始めとした既存の流派は

「この状況なら相手がどんな手段を使おうが確実に勝てる」と考え

そうなった状態で初めて戦いを挑むのだが、鬼皇流の場合は

「この状況なら相手はこうするに決まっているからこうしよう」という思考を前提に戦うのだ。

予想が当たれば無類の強さを発揮するが外れれば目も当てられない。神経を使う戦い方である。

 

 

 

 視点・アンツィオ高サーリアノ隊・ペパロニ車

 

「横に逸れたら族長が援護射撃かよ!だったら足元だ!

履帯を吹っ飛ばして走れなくしてやる!」

 

「副長!こうも左右にゆらゆら動いたら、上手く照準が…!」

 

「バッキャロー、こうしなきゃすぐに狙われっちまうだろー!」

 

 今度は足元を狙って攻撃しようとするが、狙われにくくする為

互いに左右に揺れながら走っているので中々上手く狙えない。

スタビライザーがあればこうはならないが、サーリアノはそもそも制式採用されていないので

史実で搭載予定がない物とされ、積むに積めない。

中の人間が頑張って目視で照準を付けるしかない。但し、向こうも条件は同じだ。

一方、隊長車とその供回り同士の戦いはと言うと…

 

 

 

視点・アンツィオ高フラッグ車・P43bis

 

「(やっぱり『茨城の魔人』相手にこの程度の作戦で挑んだのは間違いだったか?

とは言ってもウチの戦車道部員は頭を使わないから、こんな作戦しか出来ないんだよな~。)

カルパッチョ、2号車の被弾状況は?!」

 

『当たったのは機銃弾なので、損害は無し!』

 

「ドゥーチェ、敵の別働隊を視認!あ!真ん中の車輌がフラッグ車です!」

 

「何?!フラッグ車が別働隊を率いてるのか?!

と言う事は『茨城の魔人』本人のお出ましと言う事か!

(むむむ…こっちの供回りは3輛だが、向こうは2輛。

但しこっちは駆逐戦車なので逃げながらの反撃は出来ない。となると…)

セモヴェンテでの機動戦は分が悪い!ここは退却だ!予定通り合流し、正面決戦に持ち込む!」

 

 合流しての正面決戦を図るアンツィオと、ここで決着を付けたい大洗、

果たして、この試合の結果はどっちだ?




原作未登場のAFV紹介 その5・改

M16/43 サーリアノ・アンツィオカスタム

 史実でP43bisに搭載計画があったと言われるソ連製ディーゼルエンジン
Vー2ー34のデッドコピー品のサーリアノへの搭載許可が日戦連から下り、早速換装。
出力重量比が毎㌧26.25馬力→31.25馬力まで増強され、
舗装地でのトップスピードは80km/時の大台に到達した。



※下記の数値は作中世界でのみ通用する数値で、史実と同一とは限りません。

寸法   車体長5.8×車幅2.8×全高2.0㍍
機関   ハリコフ機関車工場製 V型12気筒ディーゼルエンジン
     「Vー2ー34・フィアット製デッドコピー品」500馬力
最高速度 82㎞/時
重量   16㌧
乗員   4名

武装
主砲:34口径75㎜砲「da 75/34」×1
機銃:8㎜機銃「ブレダM38」×1

装甲(単位:㎜)
防盾 35
砲塔 前面 側面 後面 天板
   30/25/25/15
車体 前面 側面 後面 天板 底板
   30/25/25/15/15
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