高町なのはのIS学園見聞録外伝 我こそ、戦車道極めし者 作:ピロッチ
視点・大洗女子学園聖王小隊・44Mイシュトヴァーン「カモ号」
「鮟鱇1、済まないがサーリアノ隊は5輛まで倒したけど、最後の1輛に振り切られた!
もしかしたらフラッグ車と合流して、そっちの背後に回るかも知れない!
こっちも今から合流に向かう!」
『了解、追撃隊は二手に分ける!聖王小隊はセモヴェンテ隊を奇襲せよ!
尚、聖王小隊は同士討ちを避ける為、攻撃は背後ではなく、側面から行う様に!』
『「了解!」』
『族長B小隊、これより本隊と合流する!アリクイ号、ウサギ号、トラに続け!』
『『ハイ!』』
早速小梅が率いる族長B小隊の3輛は森に突入し、本隊を探索する。
フラッグ車とペパロニ車が本隊の背後を衝く前に急いで見付けなければ成らない。
『生き残ったサーリアノがフラッグ車と合流して、本隊を襲う前に2輛共やっつけないと!』
『やっと撃てる!』
「アリクイ号、ウサギ号、優先順位は本隊との合流が第一なので、
敵を発見しても無理しての深追いは禁物です!何はともあれ、本隊を見付けましょう!」
視点・アンツィオ高フラッグ車・P43bis
その頃アンチョビは、大洗フラッグ車であるあんこう号の背後を衝くべく、
こっそりと森の中を進んで行く。
「兎に角単騎で突っ込むのは危険過ぎる。早くペパロニ車と合流しないと…。」
『姐さん、遅れてすみませ…あいとわ?!』
と、ここで漸く聖王小隊と族長B小隊の追撃から逃げ切ったペパロニ車が
P43bisを発見、合流した。どうやら急ブレーキで何処かぶつけたらしい。
「やっと合流出来たか!ペパロニ、今後の行動を教えるからしっかり聞けよ!
今敵フラッグ車はカルパッチョ隊が釘付けにしている!
だからその間に我々2輛が大回りして敵フラッグ車の背後を衝いて挟み撃ちにする!
これぞ分度器作戦だ!と言う訳で…続けー!」
『応!いくぞアマレット、アクセル全開だー!』「って、ストーップ!」『え?!』
「速度差考えろ速度差!30km/時も速度差があるんだから、
アクセル全開にしたら離れてしまうだろ!」
『…あっ!』
「あっ、て…兎に角、本車が先頭に立つから後に付いて来い!
さあ行くぞ!『茨城の魔人』にアンツィオは弱くない…
じゃなくて強いと言う事を見せてやれ!
目指せ悲願のベスト4進出。じゃなかった優勝だー!!」
視点・大洗隊長車・44Mタシュ「あんこう号」
「中々顔を出しませんね…。」
「見事に釘付けにされちゃったな…流石セモヴェンテ、隠蔽能力はこっちの遥か上だなぁ。
聖王小隊がこっちを早く見付ければ攻勢に出てセモヴェンテ小隊を仕留めてから
反転して残存車輌を袋叩きに出来るけど…鮟鱇4、カモ1は此方を視認出来たか確認を。」
「はい…此方あんこう、カモ1、現状は如何に?」
『此方カモ1、済まないがまだそっちを見付けられてないよ!何か目印はある?』
「…まだ見付けられてないだそうです。」
「そうですか…ここは奥の手を使います。」「奥の手?」
「はい、これを使います。」
そう言ってみほが手にしたのは優に20㎜を超える大口径の拳銃。
それはワルサー製の26.6㎜信号拳銃。みほは信号弾を発射して位置を知らせる積りだ。
「これで信号弾を打ち上げ、当車の位置を知らせます。
但し、先に相手フラッグ車に見付かる危険があります。」
「正に賭けですね。でも、ここは積極的に動いて良い頃合いかと。」
「(無言で頷く)…鮟鱇4、カモ1に信号弾打ち上げを知らせ!」
「はい!『此方あんこう、これより信号弾を発射するので、弾の見えた方向に進め!』」
『了解!』
みほはキューポラから上半身を出し、
真上に信号拳銃を向けて引き金を引き、信号弾を打ち上げた。そして、その直後…
視点・大洗女子学園聖王小隊・44Mイシュトヴァーン「カモ号」
『見えた!カモ1、あれが例の信号弾だ!』
あんこう号を探しあぐねていた聖王小隊だが、一か八かの信号弾打ち上げが吉と出た。
アヒル号車長の典子が信号弾の閃光を発見したのだ。
「よーし、あの光の方に向けて進め!
但し、さっき西住ちゃんが言った通り、敵セモヴェンテは横に回り込んで撃つよ!
後ろから撃つと外したら同士討ちになりかねない。かーしま、徹甲弾込めろ!」
「応!」
「柚子、族長B小隊にもあの光の方に向かえと伝えて!」
「はい!」
何処へ向かえば良いのか大まかに分かった事で、俄然やる気が高まった聖王小隊。
早速エンジン全開で光の方向へ急行する。
だが、信号弾を打ち上げたと言う事は相手にも位置がばれると言う訳で…
視点・アンツィオ高フラッグ車・P43bis
『ん?何だあの光は?』
「まさか罠か?いや、考え過ぎか?…いや、何はともあれ、何かがあるのは確からしい。
よーし、あの光に向かって前進だ!ペパロニ、後に続けー!」
『おおー!』
そしてそのまま進む2輛の前に、Ⅴ号戦車によく似た3輛の戦車の姿が。
「やった、先に着いたのはウチ等だ!こちらアンチョビ、今敵本隊の背後を取った!
カルパッチョは合図したら奴等がこっちに気を取られた隙に背後から…」
先に合流できたのはこっちだと確信したアンチョビ。
ここぞとばかりにカルパッチョに背後からの強襲を命じようとした所で…
BLAAAAM!!!
『や、ヤラレター!』
「え?」
セモヴェンテの1輛が被弾、撃破判定が下る。コレの意味する所は一つ。
聖王小隊もセモヴェンテ隊を射程圏内に納めていたのだ。
「げっ!拙い、早くフラッグ車を殺るぞ!他の奴には手を出すな、撃てー!」
号令一下、P43bisが90㎜砲を発砲。ペパロニ車も続けて75㎜砲を射掛ける。
幸先良く、90㎜弾が族長の1両に命中した。が、何かがおかしい。
「当たった!あ、あれ…?」
「何だ?何も起こらんぞ?族長も聖王も矢鱈尻が硬いが、*1何で90㎜喰らって無事…」
それもその筈、被弾した族長ことあんこう号を良ーく見ると…。
『あ、姐さん?!相手のフラッグ車…こっちを向いてるッス!』
「は?!ちょっと待て、じゃああいつこの状況下でセモヴェンテ隊に
背を向けてたのか?!」
『多分そうッスよ。あいつ味方を壁にして後ろを…。』
何とあんこう号は僚車を背面の壁にして正面、つまりアンチョビ達の方を向いていたのだ。
当然、族長の車体前面装甲なら90㎜弾など難なく跳ね返せる。
「か、完全にこっちの考えを見破ってるのか…。何て奴だ、何て…。」
流石のアンチョビもこれには恐れ戦くばかり。
これが3倍の社会人リーグ優勝チームを一方的に蹴散らす「魔人」を敵に回すと言う事なのだ。
『ドゥーチェ、御命令を!本小隊は9時方向から強襲を…ぷぎゃん!』
等と震えている場合ではない。カルパッチョ車もここで聖王小隊に側面を衝かれて脱落。
このままではフラッグ戦なのに殲滅負けを喰らってしまう。
「や、ヤバい!向こうの残った奴等が集まってきた!
えーい、突撃だ!今生き残ってる奴総出でやられる前にフラッグ車をやれー!」
もうこうなったらあんこう号を最短で仕留めないと勝ち目がない。
残ったサーリアノ、セモヴェンテ、P43bisが
一斉にあんこう号に向けて攻め寄せる、だがもう遅かった。
『姐さーん!右、右ー!!!』「え、右?…あっ。」
その直後、新手の族長3輛が右手方向から襲いかかる。
小梅率いる族長B小隊が視界にP43bisを捉えたのだ。
「撃てええええええええええええいっ!」
小梅の号令一下、族長B小隊が主砲を斉射。
80㎜徹甲弾は3発共P43bisの側面を直撃。呆気なく撃破を示す白旗が上がった。
『アンツィオ高校、フラッグ車撃破判定!そこまで!大洗・IS学園連合の勝利!!』
「ま、マンマミィア~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
かくして、準々決勝第4試合は連合チーム…
実質大洗女子学園の勝利で決着が付いたのであった。
倍近く重いⅥ号B型でも一律80㎜なので、重量を考えると相当硬い。
原作未登場のAFV紹介 その4・改
セモヴェンテ Da75/46・アンツィオカスタム
非力だったエンジンを何とかチューンアップして40km/時まで改善した。
しかし変速機には手が回って居ないので速力改善の余地はまだある様だ。
※下記の数値は作中世界でのみ通用する数値で、史実と同一とは限りません。
寸法 車体長5.1×車幅2.88×全高1.74㍍
機関 フィアット製 V型8気筒ガソリン
「15TB M42・アンツィオカスタム」250馬力
最高速度 40㎞/時
重量 15.7㌧
乗員 3名
武装
主砲:46口径75㎜砲「アンサルド C.A.Mod.1934」×1
機銃:7.92㎜機銃「グロスフスMG42」×1
装甲(単位:㎜)
防盾 100
戦闘室 前面 側面 後面 天板
100/70/45/15
車体 前面 側面 後面 天板 底板
50/45/25/15/15