インフィニット・仮面ライダー   作:鏡蓮

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━━前回のあらすじ━━
五反田食堂に来客として現れた謎の男性・新川絆。彼と出逢い、五反田蘭は一つの恋が二つへと変わっていく。そんな心を知らない五反田弾は、彼を送っていく為、蘭を連れて歩く。
ISの抵抗運動が活発になっていく世界で、彼らは何を見る。世間の厳しさ?それとも、後ろにある誇りか?


Nonber_03 自己の正義、世間の正義

『新川絆を見つけ、捕縛しろっ!』

「大丈夫なのか?こんな道を歩いて。」

「私たちの隠し通路だよ。新川さん、同姓同名なんだから、証明書見られたらマズイでしょ?」

 

そう告げる彼らは、前へ歩く。確かに騒音は聴こえない。ただ、何か嫌な視線を感じる。殺気?いや、違う。物珍しい視線?

そう思っても、俺は歩くしかない。歩いて、俺の知るべき事。やるべき事を知るんだ。

 

「新川さん。」

「ダン?どうした?」

「いや…もし、新川さんが何をしたいか分からないんです。どうして、IS学園に向かおうとしてるのかって。」

「…そうだな。確かに、説明していない。でも、今は気にするな。説明するとしても…今するべき事じゃない。」

 

そう告げて、俺は歩く。ダンは少し疑念を持つ目をするが…言えないのだ。あの姿を見せれば、予想くらい出来る。彼らは俺を…当事者ではなく、巻き込まれた他人。

力を持つ新川絆を危険と思ってる人。

━━それでいいの?憎くないの?苦しくないの?許せないよね?貴方は…。

そんな言葉が脳内を巡っていく。違う、苦しい、けど…それは主観だ。客観からしてみれば、俺は彼らからすれば犯罪者であり、そして…。

 

「根本的な原因…か。」

「どうした?新川さん。」

「ダン…。少し話をしよう。蘭もいいか?」

 

そう告げると、彼らは立ち止まり、俺の方に後ろを向く。彼らの目は驚きと好奇心の目、疑心の目を向ける。

 

「もし、新川絆が君たちの思う奴じゃ無かったらどうする?」

「それは…分からない。だけど、一夏の言う通りなら…。」

「ダン。それはただ…他人に感化された人だ。お前自身の目で言え。彼を許すか、許さないか。」

 

そう告げた時、ダンの後ろに大きな影が見えた。その目に映ったのは…。黒のIS。

 

「ダンッ!!」

 

俺は彼の身体を押し、ISの剣を腕一本で弾き飛ばす。

 

「…やはり、貴様か。」

「ダン、蘭!逃げるぞ。」

 

彼らの手を引っ張り、走る。彼らを巻き込めば、被害が増える。そして、恩人を殺すという罪悪感を抱きたくない。そう自己保身の様に逃げる。

 

「な、なんで…ISの剣を弾けたんですか。」

「━━ッ!!」

「そうだよ、なんで…生身なのに。」

 

そう言われて、俺は押し黙る。言えば、彼らは俺を許さないかという恐れ、そして許すのか。という疑念、許してくれる。という希望が生まれる。

だが、俺は…。

 

死ねぇぇーー!!

変身ッ━━!!


「えっ…?」

 

私は困惑の声を出す。私の前に現れた彼は…『世界を敵に回した犯罪者』。なのに、何故、彼は私たちを助けたの?

何故、助ける?何故、ISと闘う?何故、嘘をついた?という疑いすら出てくる。

そんなに自分は恐いのだ。彼は彼は…『仮面ライダー』という悪の仮面を持つ人間なのだから。

 

ポッピンググミー!ジューシー!!


「お前か…。一夏が変わった原因は━━!!」

「一夏…?なんでその名前を知ってる!」

 

ガヴは黒のISに搭乗する眼帯をした少女を見つめるが、銃を向けて…そのトリガーを押し込む。

 

「人を殺す…。それが、お前の選択かっ!!」

「うるさいっ…!!世界の異物がッ!!

 

少女は彼に標準を向けるが、後ろに隠れた一般人を見つけ…ニヤッと笑った。

 

「お前は人を捨てれるか?」

 

その言葉と共に、彼女はトリガーを押し込み、銃弾を放つ。その行動を理解したのは…彼か?それとも彼女か?だが、彼が盾になっても、時間は過ぎ去る。

 

「がっ…!?」

 

肩に突き抜ける痛みを自身の力で緩和し、彼等を守る。死ぬという恐さを持っても、彼は動かない。

 

「新川さんっ…!」

「逃げるしかないっ…!」

 

彼は痛みを耐えて、彼等の身体を抱えて、逃げ去る。後ろからの銃弾を耐えながら…自分の身体を犠牲にする。それが、どれだけ怖くても、どれだけ愚かでも、どれだけ狂っていても、彼は走る。自身の力は、この為に使う。人を守る力なのだから。

 

「チッ…。…ああ、見つけた。教官。IS学園から逃げた…()()()()が。」


「一夏?何を調べてる。」

「えっ。ああ、新川の事を調べてるんだ。」

 

この2ヶ月、一夏は変わっていた。何かを見据えた。いや、目標を見つけた様な目になっていた。だが、私からすれば何かが違う。一夏は…。

 

「新川は…絶対に何かがあった。」

 

新川に対して、執着をしてる。いや…私もそうか。

 

「千冬姉は、ラウラの見守りしないのか?」

「…ああ、大丈夫だ。彼奴には外出だけを許可した。」

 

そう真実()を言う。新川と束は何かの繋がりがある。そう思いながらも、私は彼との関係は悪いものじゃない。

もし、ラウラと彼女が知れば、彼は逃げれない。だから、気付かない様に嘘を言う。真実など隠してる。ジョーカーの様に奇術師を演じるしか、役目がない。いや、ソレを望んでる。

 

『なんで、俺たちを助けたんだよっ!!』

 

言葉しか聞こえない無線機をイヤホンで聴きながら笑う。彼に味方など…いない。世間は彼を()()としか見てないのだから。




━━次回予告━━
「人々の平和と自由を守るのが…当たり前でも、走ってやる。」
「…何を信じればいいんだよ。」
「俺は現実から逃げない。それが、罪でも…挽回してやるさ。」


Nonber_04『正義を謳うのは、己のみ。』
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