「…今日は新しい生徒を紹介する。ニュースにもなったが、知ってる人はいるか?」
「はい。」
「…オルコットか。なら、安心だ。
スーツ服の千冬姉は、何か思い込んだ顔をしてる。そういえば、2人目の男って誰だったか、覚えてない。
ただ、ここに入るなら、俺も嬉しく感じる。全員が女性だと、少し疲れるし、同性とも話したい気分もくる。
「入って来い。」
「はい。」
その言葉と共に、1-1に入ってくる。その姿はただの平凡な男子。ただ、少し何か違ってる様に見えた。
「俺は新川絆。これからIS学園で、出来る限りISの事について学べるようにし、難しい事もありますが、手伝ってくれたら嬉しい限りです。よろしくお願いします。」
そうお辞儀する彼。俺の様に戸惑うことは無い。早く終わらしたい様な…焦りが見える。
「それでは質問を受け付ける。」
「はーい!私は...!」
色々な質問されていくが、彼奴は何事も動じないかの様に言う。というのは少し語弊があるな。少し言葉を濁したり、少し考えたりする顔もするから、機械的な風じゃない。
でも何故か、少し違和感が残る。
「それでは質問を終える。」
その言葉と共にシンッとなる。新川絆…。何かを隠してる。まだ初心な俺でも分かるくらい…何か隠してる。
「織斑さん…だったよな?」
「あ、ああ。どうしたんだ。」
確かに千冬さんの弟だ。だけど…なんだ。執着を感じる。千冬さんも同様だが、お互い異常に執着を感じる。
多分、俺の勘違いだろうし、普通に話すくらいなら問題ないか。
「ああ、この学園では俺と君しか居ないからな。一応、話した方がいいだろ。それに、お互いを知った方が、喋りやすいだろ?」
「そうだな…。なぁ、新川はISの事について分かるか?」
「いや、まだだな。俺はまだ教科書の確認なんて出来てないしな。」
「そ、そうなのか。」
何か安心した様な目を見てる。だが、持ってて
「なぁ、織斑さんの左の二つ隣の人って知り合いなのか?」
「え、ああ…箒のことか?」
「箒さんって言うのか。何かチラチラこっちを見るからさ。何か用がいるんじゃないのか?」
そう言うと、箒さんは織斑さんの前に立つ。…ぐいぐい行くタイプじゃ無いのか。
でも、織斑さんに用があるみたいだ。
「俺は邪魔だな。少し学校を探索してくるよ。」
「え、俺も…。」
「箒さんは君に用があるんだ。邪魔は出来ないさ。」
そう言って、俺は教室を出る。そして、ワイヤレスイヤホンをかける。ああ、俺もぐいぐい行けないな。でも、箒さんの目は俺は見てない。
「あ、織斑先生。」
「…新川か。」
「…そうか、やっぱり俺は…。」
「どうした?」
「いえ…、ただ元の生活に戻れないんだな。って。」
元の生活の方が楽しかった。俺の周りは人が多くいた。でも、今はゼロだ。
「…ほんとに執着してるのは俺の方か。」
人に執着してるのは俺の癖に、何、人に執着してるって言えるんだ。…でもそれしか方法がないんだろうな。
「あの、織斑先生。」
「…今度はなんだ。」
「俺は、もう何もしなくていいんですか。」
「…そうだ、それがお前のやる事だ。」
そう言う千冬さん。だが、彼女の目は、やはり…何かに執着してる。
ああ、何かをした方がいいんだろう。…千冬さんの想いを裏切っても、俺はもう後ろへ向けないんだから。
一つ時刻を過ぎて、IS学園のクラス大会の代表決め。
「織斑一夏でいいか?新川絆は諸事情で出来ないからな。」
「ちょっとお待ちくださいまし!何故、男性が代表になるんですか!」
イギリス代表候補生・セシリア・オルコットさんの言葉と共に喧騒が始まる。だが、誰も止めない。いや、止めれるはずない。
だけど、誰かが止めなければ…。違う、俺は…。
「それに、日本の猿が…。」
「なんだと!?イギリスだって食べ物が…!!」
「待て!」
「2人とも言い過ぎだ。まず、オルコットさん、ここは日本だ。ここでそれを言うなら、イギリス代表候補生として、品がないのでは?そして、織斑さん。君はどうして、イギリスを侮辱する。それが君の正しい事ならいいが、人としてはどうだ。最低だと思わないのか…?」
その言葉と共に、織斑さんとオルコットさんは俺を睨む。ああ、まだ落ち着かないのか。そう、俺は少しうんざりした様な思いが来る。
「なんだと!?お前だって、諸事情だからって参加しないんだろ!」
「関係ない人は黙ってください!!」
「……わかった。なら、千冬さん。俺を参加させてくれ。」
その言葉は千冬さんの想いを裏切った。だが、俺からすれば遅い。
…彼らを止めるにはISのクラス代表を決める戦い。それでも、俺に矛先を向かなければ…止まらない。
「…いいのか。」
「はい。俺は逃げません。」
それが。1週間後に始まるISクラス代表決定戦の…始まり。そして、俺の一歩だった。
━次回予告━
「俺は…貴方に恩返ししたいんだ。」
俺は彼奴に弱味を見せる訳にはいかない。
彼を倒したとして…私の心は晴れるのでしょうか。
Type-02 彼らの前夜