インフィニット・仮面ライダー   作:鏡蓮

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━━前回のあらすじ━━
それぞれの想いを持ち、クラス代表決定戦が始まる。セシリアは自身の心情の整理、一夏は絆に対しての妬み。そして、絆に迫る実験の行方。
これは、3人の一回戦の話。


Type-03 彼等の価値観

『第1回戦は…セシリア・オルコットVS新川絆!!』

オオオオオッ━━!!

 

盛大な歓声。1-Aのクラス以外も集まってる様だ。…織斑さんの姿がない。何かあったのだろうか。

…今は気にしない方がいいな。

 

「新川、行けるか。」

「大丈夫です。闘い方は彼女以下かもしれないけど…。」

 

千冬さんは未だに俺が心配な様だ。…大丈夫。俺は覚悟してるんだ。

そう思いながら、視界に映るモニターを展開する。打鉄は…剣がメインだな。

 

「ふぅ…。行くぞ、打鉄。俺と共に…立ち向かうぞ。」

 

その言葉と共に、自身の腕とリンクして打鉄の腕を動かす。微かに重い。だけど、走るんだ。傷付いても…俺は前へ歩くんだ。

打鉄の身体を動かし、俺を空に飛ばす。身体にぴっちり当たるスーツで空気が伝わる。目の前に、彼女がいる。

 

「来ましたか…。」

「ああ、お前がお望みの…敵さ。」

 

そう言葉を出し、打鉄の鉄剣を出す。ISの大きさと同じくらいの長さだが、細い。その剣に対し、彼女の武器は、青の銃。…もし、ここで負ければ、俺は実験に落ちるのだろうか。

そう冷や汗が出てくる。

 

「オルコットさん。貴方はクラス代表になった時、何を望む。」

「何を…ですか。そうですね…、私は貴方に謝罪が欲しい物です。」

「そうか、確かに…品がないと言ったのは良くなかった。」

「…今ですか?」

「いや、前言撤回する訳ないだろ。俺からすれば、日本にいるのに、馬鹿にした候補生に謝る理由がわからない。」

 

正論を出すと、オルコットさんは青の銃を向ける。怒りだろう。だが、自分だって分かってる。彼女を止めるには彼女自身だ。だが、彼女の…友が止めてから分かるんだ。

━━自身がどれだけ間違ったのかと。

 

「オルコットさん、貴方に負けたとしても、俺は…貴方を掴む。貴方に否定されても…俺は前へ歩く。」

『第1回戦……スタートッ!』

 

その言葉と共に、オルコットさんは青の銃を俺に向けて連射する。

その攻撃に俺は…受けながらも、数発、剣で弾く。

 

…エネルギーが…半分か。

 

打鉄は第二世代。だが、俺はオルコットさんの第三世代を…止めなければ…。

 

『何で止めるの?』

「え…。」

 

その声に止められた時、打鉄はボロボロになるまで、撃ち抜かれた。

その時の光景は、煙に巻かれてよく分からなかった。けれど一つだけわかる。

誰かが、俺の腕を掴んだ感触があった。

 

『しゅ、終了ぉぉっ!勝者はセシリア・オルコット!!』

「貴方の円舞(ワルツ)、ちょっと楽しかったですわよ。」

 

そう皮肉が聞こえる。だが、何故か声が出せない。

 

あ…ああっ…。

 

負けた。負けたんだ。もし、また負けたら…。俺は、あの場所に行かなきゃいけない。

 

「たす…けて…。」

 

その言葉と共に、俺は目を閉じた。


「山田先生…。彼の容態は。」

「精神が不安定になっています。彼に何かしらのショックが生じたとしか思えません。」

「そうですか…。」

 

倒れた彼の姿は何も言えなかった。あの打鉄はもう動かせれない。満身創痍の域だろう。オルコットもそれを見たのか、やり過ぎたと反省している。だが、少し安心してる自分がいた。

もう何もできないって、抱擁欲が出てきたのだ。

もしかしたら、一夏以上かもしれない。…私は彼に執着を続けてる。

 

「織斑さん。私はここにいますので、織斑くんを頼みます。」

「…分かった。」

 

山田先生に代わりたかったが仕方ない。彼奴の姉なのだ。それに5年も話してない。…ああ、仕方ないんだ。


「織斑。」

「ち、千冬姉。」

「今は…まぁいい。私と篠ノ之だけだ。今回は許してやる。」

 

私は一夏を見る。まだ一夏の顔を忘れられない。いや、一夏のあの顔だろう。彼奴の顔は(おぞ)ましかった。何かを恨んでるというより、妬んだ様な笑みだった。

 

「これが…俺の白式(びゃくしき)。」

これで、彼奴を倒せば…。

 

その言葉と共に、私は意識を取り戻す。…一夏の顔は…あの姉さんの様に見えた。

…一夏は彼と出会って何かが壊れてる。いや、違う。千冬さんと会ってから何か歯車が合わなかった。

 

『箒は、あの時どうしてたんだ。』

 

その言葉は、私に対しての質問。価値観を決める答えだったんだ。だから、一夏は…安心したんだ。

…私は彼を、新川絆という価値観を否定したんだ。


「山田…先生?」

「新川くん!?動かない方がいいですよ!?」

「でも…、織斑さんとの戦いが…。」

「それでもです!」

『織斑さん。問いましょう、貴方は何を望んでるんですか。』

『俺は…、彼奴を倒して、分からせる。彼奴は俺には勝てないってことを…!!』

 

その言葉が聞こえた。モニターに映るソレは織斑さんの顔。

ああ、彼奴は俺を否定したいんだ。…彼の許せない範囲に俺が入ったから。

 

「…山田先生、俺、彼を止めます。止めさせてください。」

「何を言ってるんですか!貴方は怪我人なんですよ!」

「でも、俺は…彼を助けたいんだ。」

 

その言葉と共に、ブザー音が鳴る。試合終了のお知らせだろう。

 

「…山田先生、彼を行かせてくれませんか。」

「織斑先生!?でも…。」

「彼を行かさなければ、彼奴はこのまま彼に負けを味あわせようとします。…大丈夫ですよ、彼なら。」

 

織斑先生に顔の包帯が取られる。…少し痛みがあるが、我慢しなきゃな。

 

「…やっぱり、助けたいんだな。」

「はい。」

「なら、その力を使って勝つんだ…。公に出すとしても…お前なら正せれるんだ。あのバカ弟を。」

 

そう伝えられて、俺は試合会場である第一ホールに向かう。

 

『ガヴッ!』

「ああ、絶対に勝って、彼奴を止めるぞ。ガヴ。」




━次回予告━
「死ねよ、新川ぁぁぁぁ!!」
「織斑一夏を助ける。それが、俺の正義だ。」
『ジューシー!!』

Type-04 正しさの闘い
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