それぞれの想いを持ち、クラス代表決定戦が始まる。セシリアは自身の心情の整理、一夏は絆に対しての妬み。そして、絆に迫る実験の行方。
これは、3人の一回戦の話。
『第1回戦は…セシリア・オルコットVS新川絆!!』
「オオオオオッ━━!!」
盛大な歓声。1-Aのクラス以外も集まってる様だ。…織斑さんの姿がない。何かあったのだろうか。
…今は気にしない方がいいな。
「新川、行けるか。」
「大丈夫です。闘い方は彼女以下かもしれないけど…。」
千冬さんは未だに俺が心配な様だ。…大丈夫。俺は覚悟してるんだ。
そう思いながら、視界に映るモニターを展開する。打鉄は…剣がメインだな。
「ふぅ…。行くぞ、打鉄。俺と共に…立ち向かうぞ。」
その言葉と共に、自身の腕とリンクして打鉄の腕を動かす。微かに重い。だけど、走るんだ。傷付いても…俺は前へ歩くんだ。
打鉄の身体を動かし、俺を空に飛ばす。身体にぴっちり当たるスーツで空気が伝わる。目の前に、彼女がいる。
「来ましたか…。」
「ああ、お前がお望みの…敵さ。」
そう言葉を出し、打鉄の鉄剣を出す。ISの大きさと同じくらいの長さだが、細い。その剣に対し、彼女の武器は、青の銃。…もし、ここで負ければ、俺は実験に落ちるのだろうか。
そう冷や汗が出てくる。
「オルコットさん。貴方はクラス代表になった時、何を望む。」
「何を…ですか。そうですね…、私は貴方に謝罪が欲しい物です。」
「そうか、確かに…品がないと言ったのは良くなかった。」
「…今ですか?」
「いや、前言撤回する訳ないだろ。俺からすれば、日本にいるのに、馬鹿にした候補生に謝る理由がわからない。」
正論を出すと、オルコットさんは青の銃を向ける。怒りだろう。だが、自分だって分かってる。彼女を止めるには彼女自身だ。だが、彼女の…友が止めてから分かるんだ。
━━自身がどれだけ間違ったのかと。
「オルコットさん、貴方に負けたとしても、俺は…貴方を掴む。貴方に否定されても…俺は前へ歩く。」
『第1回戦……スタートッ!』
その言葉と共に、オルコットさんは青の銃を俺に向けて連射する。
その攻撃に俺は…受けながらも、数発、剣で弾く。
「…エネルギーが…半分か。」
打鉄は第二世代。だが、俺はオルコットさんの第三世代を…止めなければ…。
『何で止めるの?』
「え…。」
その声に止められた時、打鉄はボロボロになるまで、撃ち抜かれた。
その時の光景は、煙に巻かれてよく分からなかった。けれど一つだけわかる。
誰かが、俺の腕を掴んだ感触があった。
『しゅ、終了ぉぉっ!勝者はセシリア・オルコット!!』
「貴方の
そう皮肉が聞こえる。だが、何故か声が出せない。
「あ…ああっ…。」
負けた。負けたんだ。もし、また負けたら…。俺は、あの場所に行かなきゃいけない。
「たす…けて…。」
その言葉と共に、俺は目を閉じた。
「山田先生…。彼の容態は。」
「精神が不安定になっています。彼に何かしらのショックが生じたとしか思えません。」
「そうですか…。」
倒れた彼の姿は何も言えなかった。あの打鉄はもう動かせれない。満身創痍の域だろう。オルコットもそれを見たのか、やり過ぎたと反省している。だが、少し安心してる自分がいた。
もう何もできないって、抱擁欲が出てきたのだ。
もしかしたら、一夏以上かもしれない。…私は彼に執着を続けてる。
「織斑さん。私はここにいますので、織斑くんを頼みます。」
「…分かった。」
山田先生に代わりたかったが仕方ない。彼奴の姉なのだ。それに5年も話してない。…ああ、仕方ないんだ。
「織斑。」
「ち、千冬姉。」
「今は…まぁいい。私と篠ノ之だけだ。今回は許してやる。」
私は一夏を見る。まだ一夏の顔を忘れられない。いや、一夏のあの顔だろう。彼奴の顔は
「これが…俺の
「これで、彼奴を倒せば…。」
その言葉と共に、私は意識を取り戻す。…一夏の顔は…あの姉さんの様に見えた。
…一夏は彼と出会って何かが壊れてる。いや、違う。千冬さんと会ってから何か歯車が合わなかった。
『箒は、あの時どうしてたんだ。』
その言葉は、私に対しての質問。価値観を決める答えだったんだ。だから、一夏は…安心したんだ。
…私は彼を、新川絆という価値観を否定したんだ。
「山田…先生?」
「新川くん!?動かない方がいいですよ!?」
「でも…、織斑さんとの戦いが…。」
「それでもです!」
『織斑さん。問いましょう、貴方は何を望んでるんですか。』
『俺は…、彼奴を倒して、分からせる。彼奴は俺には勝てないってことを…!!』
その言葉が聞こえた。モニターに映るソレは織斑さんの顔。
ああ、彼奴は俺を否定したいんだ。…彼の許せない範囲に俺が入ったから。
「…山田先生、俺、彼を止めます。止めさせてください。」
「何を言ってるんですか!貴方は怪我人なんですよ!」
「でも、俺は…彼を助けたいんだ。」
その言葉と共に、ブザー音が鳴る。試合終了のお知らせだろう。
「…山田先生、彼を行かせてくれませんか。」
「織斑先生!?でも…。」
「彼を行かさなければ、彼奴はこのまま彼に負けを味あわせようとします。…大丈夫ですよ、彼なら。」
織斑先生に顔の包帯が取られる。…少し痛みがあるが、我慢しなきゃな。
「…やっぱり、助けたいんだな。」
「はい。」
「なら、その力を使って勝つんだ…。公に出すとしても…お前なら正せれるんだ。あのバカ弟を。」
そう伝えられて、俺は試合会場である第一ホールに向かう。
『ガヴッ!』
「ああ、絶対に勝って、彼奴を止めるぞ。ガヴ。」
━次回予告━
「死ねよ、新川ぁぁぁぁ!!」
「織斑一夏を助ける。それが、俺の正義だ。」
『ジューシー!!』
Type-04 正しさの闘い