クラス代表を決める戦いの第1回戦。新川絆は隠し持つ力を使わず、セシリアのIS・ブルー・ティアーズに一方的に負けてしまう。
第2回戦である一夏とセシリアの戦い。一夏の専用機・白式のファーストシフトによる段階に変わり、諸刃の剣である「零落白夜」でブルー・ティアーズを貫き、新川絆を倒す事を表明する。
その姿を見た新川絆が、「世界を変える兵器」を使用する事を覚悟した。
『第3回戦、織斑一夏VS新川絆!!』
私には勝敗を目にみても驚く自信がない。…あの一夏を止めるの術なんてないに決まってる。
それに、千冬さんに説明された「零落白夜」は、自分のエネルギーであるシールドの3分の1を削って出す特殊技。
それを超えるのなんて、打鉄に出来ない…。
『な、なんと…新川絆、単身で乗り込んできた!?これはルール違反ではないのでしょうか!?』
『それか、戦いに降伏した可能性があります。』
ああ、やはりお前も身の程を弁えてる。…私は後悔してるんだ。あの時、頷かなければ、私はお前を少し理解できたのだろうと。だが、出来るわけない。
お前の様に勇気を持つ事なんて…。
「なんだ、逃げるのか?ま、敗北を知ったらそうなるよな?」
「…何を言ってるんだ?」
「はぁ?ISを持っても俺に負けるんだろ。それに、オルコットさんにも負けたんだ。逃げればいいじゃないか。」
そう当たり強く言う。彼奴は新川を何故か嫌っている。それは私にも理由は分からない。だけど、新川は何故か、平然としてる。何をしたいんだ?新川は。
「まぁいいか…。さぁ、降伏したんだ。勝ちでいいだろ?」
『は、はい。それでは…。』
『グミ!』
その言葉を聞いた時、何か可笑しいと思った。だけど、俺は無視したんだ。彼奴に何も力が無いって…。
『アアアアアアッ!!』
その言葉を聞いた時にはもう遅かった。俺のISスーツを攻撃するかの様に…彼奴は跳んだ。
「なん…だ。」
『ポッピンググミー!ジューシー!!』
俺の目の前に居たのは、紫のパワードスーツの仮面を持った…俺の嫌いな正義だった。
「ぐぅぅぅ…!!」
俺は衝撃を受け、ブレーキを掛ける。だが、その攻撃にドンッ!と壁に打ち付けられる。
この重さ…、俺のISの力を超えてる!!
「お前…その力はなんなんだよ!!」
「……お前を助ける為に使う力だ。」
その言葉を聞いた俺は、少し顔を歪ませる。だから、気を遣うなって、言ってるんだよ!!
「オラアアアアッ!」
「……。」
俺は勢い良く拳を向けるが、彼奴は俺の言葉に動じない。だが、それとは逆に白式の腕の上を飛び越えた。
「チッ…!!」
「俺はお前を知らない。でも、俺は今のお前を助けるんだ。それが…許されない事だとしても。」
「うるさい!!」
彼奴に攻撃を向けても、彼奴は俺を笑うかの様に避ける。うるさい…うるさい…!!
俺が正しいんだッ!!
「俺は確かに織斑さんとオルコットさんに悪い事をしたのかもしれない。でも、それを続けて、何を得るんだ?」
「哲学なんて聞きたく無い!!」
「じゃあ、答えてくれ。お前は俺をどうして嫌う。」
「…それは。」
答えれるわけ無い。そんな答えが単純な事を。
「…俺はお前を助けるのが正しい事だと思ってる。それが、俺の正義で、正しいと思ってるんだ。」
「…それなら答えろ。俺の何が好きなんだ。」
「俺はお前の事を好きとは言えない。でも、関わって信じる事にした。」
「お前は、優しい奴だって。」
「…ッ!!」
俺の持ってた銀剣は一瞬揺らぐ。違う、彼奴は、俺を知るはずない。俺と彼奴は他人なんだ。関わったとしても…。
「…死ねよ、新川ぁぁぁぁッッ!!」
「絶対に、お前を助ける。それが…俺の出来る事だ。」
『だ、第3回戦……か、開始ぃぃ!』
白式の銀剣を彼奴の身体を斬ろうとする。だが、彼奴は銀剣を避けて、俺の腕を蹴る。
「クソッ!!」
「もう止めろ。もう、お前に残るエネルギーは…。」
「あるんだよ…。零落白夜ぁぁぁ!!」
俺の秘技を使って、彼奴を思いっきり斬る。それが、俺の勝利になるんだッ!!
速く動く俺を見て、彼奴は立ち止まったまま、俺を見る。
「…それが答えなら、手加減はしない。」
『キッキングミ!』
『Charge Me!Charge Me!!』
『アアアアアア!!』
『キッキングミ!フィニッーーシュ!!』
突進した俺の上を跳ぶ彼奴を見上げた。その時、太陽が見え、目を瞑った時には…。
彼奴の
「ぐ…アアアアアッッ!!」
「お前の負けだ。織斑。」
その言葉と共にオレンジ色の蹴りが膨らみ、俺の胸に衝撃を与える。それと同時に、俺のISスーツが貫かれた。
「あ、ああ…。」
「大丈夫だ。お前の中にある内臓は貫いてない。ただ、少し眠りにつくだけだ。」
「あ、新川…。」
その言葉と共に、俺は目を伏せた。
『だ、第3回戦、勝者・新川絆ーー!!』
「織斑、この闘いを忘れてくれ。俺の勝利なんて、忘れればいいから。」
狂気に堕ちた彼の顔を、俺は慰める様に撫でる。その姿は、親と子の様な家族に見えるくらい、自然な空気に見えた。
━次回予告━
「なんでヒトだと思ってるの?」
「お前、なんで俺を代表にしたんだ?」
「私は、新川さんの事を…。」
Type-05 一時の憩いの場