織斑は知りたくない。新川に信頼を寄せてる事を。
新川は恐怖がある。それは、実験の真相を知るのを恐れてるのか、はたまた、されるのが怖いからか。
セシリアは前へ向く。自身の弱さを受け止める為、これからの事を。そして、絆という少年の隣に立つ為に。
「今日は、新しい候補生が来るらしいぞ。」
「よく知ってるな。織斑先生に聞いたのか?」
「いや…噂でな。」
春も終わり、初夏になる頃、篠ノ之箒と新川絆は新しいワークを取って来ていた。
そんな学級委員の2人の様な男女は、片方が生真面目で、もう片方は子供心と好奇心旺盛というミスマッチの姿だろう。
「あ、後で何か買ってこようか。」
「確かに時間はあるが、いいのか?」
「大丈夫だって、アイスを食べるくらい、織斑先生も呆れるくらいだろ。」
「ならいいが。」
そう言って、私に笑顔を向ける彼は…一夏以上に明るく見えた。太陽の様に燦々で、私という陰を照らす。
…だが、そんな顔を見て、私は自分を憎々しく思った。一夏が好き。その感情はあるのに、彼に情を持ってしまう。
「それでさ…箒さん?」
「あ、ああ。すまない。」
もし、私が先に彼と出逢えれば、こんな想いなど無くなったんだろうか。そう私は私に傷をつけていく。
「アイスの食べ方、変だぞ。」
「しょうがないだろ。冷たいんだから。」
ワークを渡し終え、彼と話す。一夏のあの姿を見て、私は少しずつ彼の手を払いたい想いが強くなってきた。だけど、お前は彼の手を離さない。
「織斑さんって、自分が嫌いなのかもな。」
「…そうかもな。」
そう諦めてる様な顔を見せても、諦めてる様には見えない表情を見せた彼を欲してる。
「ん?」
箒さんと話してる最中、人影が見えた。何処に行くか迷ってるみたいだ。
俺はアイスを舐め終え、校門前に留まる人に向かって歩いていく。
「君、どうしたんだ?」
「え?私に言ってるの?」
「そうでしょ。IS学園の校門に入ってそのままって、何か悩んでるの?」
ツインテールの髪をした女子は何か悩みながらも、答えを出す。IS学園の職員室が何処か知りたい様だ。
「なら、場所を教えるから、付いてきて。」
「え、いいわよ!初対面だし、信用できないわ!」
確かに…そうかも知れないな。最近は挨拶したら変人扱いだし、助ける事なんて出来ないし、信用しづらいな。
「なら、迷ったら、誰かに聞きなよ。」
「ええ、それならいいわよ。」
「ここの玄関に入ってから、右に曲がってからずっとまっすぐ行って、6列目の右を曲がるんだ。そこで真っ直ぐ行けば職員室だ。」
「6列目…。」
そう言って、ツインテールの女子は歩いていく。迷わないだろうから、自分たちは戻る事にするか。
「箒さん、戻るぞ。」
「ああ、そうだな。」
「オリムーって2人目の幼馴染がいるのー?」
「あ、ああ。まぁ中学からだけどさ。」
「それ…幼馴染じゃなくない?」
「確かに…。」
そんな1-1の教室内、織斑一夏と周りはフードを被った布仏本音と相川清香が話している。
本来、IS学園は女性だけの為、珍しくはないが、織斑一夏は篠ノ之箒と新川絆しか話さないため、物珍しい顔をされている。
「セカンド幼馴染…序列みたいだな。」
「そう…だな。」
そう傍観してる彼と少しホッとした彼女。そんな姿は見られてない。だが、篠ノ之箒の中にある新川絆は大きくなっていた。
「なぁーー!?」
「鈴!?」
「な、なんで、ここに居るのよ!一夏ぁぁ!!」
より一層騒ぐ彼らに、絆は少し苦笑いして、織斑の方に歩く。落ち着かせる為だろう。
━━話、終わってしまったな。
少女は彼との話が終わったのに少し寂しさを覚えてるとは知らずに。
━次回予告━
「この凰鈴音に、出来ない物なんてないわ!」
「貴方、笑いに来たの?」
「いや、勘違いはするだろ。」
Type-07 鈴は鳴り響く