クラス対抗戦が始まる1ヶ月前、突如来校した織斑一夏の2人目の幼馴染・「凰鈴音」はある約束を一夏と結んでいた。それは「告白」。ソレを成功させる為、絆は協力する事となったのだが…、彼女は1-2のクラス代表となった事で、話が変わってくる事になる。
「それで…織斑さんは俺と鍛錬をしたいと?」
「ああ!箒との剣道もいいけど、次のステップ行かないとな。」
かつて闘っていた彼らは、廊下を歩きながら話をする。織斑一夏と新川絆の噂を聞いてる彼女らからすれば…奇妙で不可思議な状態かもしれない。
だが、彼女らが見ていない所で、一夏なりの贖罪があった。だが、秘めている奥の心は彼という正義を否定したいのを抑えて。
「新川は、その力があるだろ。だから、俺も、零落白夜の力の使い方を知らないといけないと思ってな。」
「そ、そうか…。でも、俺とお前では力の使い方は違うぞ?」
「…そうか。」
目を伏せる彼。何か奥に潜む邪悪な空気を感じたのか、新川は心配を掛ける。だが、その光景は親が子を宥める姿である。
「じゃあ、代表候補生に頼む事にすればいいんじゃないでしょうか。」
「え、お前は…。」
「そう、このセシリア・オルコットによる
そう伝え、彼女は彼の手を引く。一夏は唖然としながら、彼女の力を許すまま歩いていく。そんな姿を見送り、チラッと新川はゴチゾウを見つめる。
「そういえば、グミ以外のゴチゾウ作れてないよな。お菓子を食べても、何もない…。」
そう言葉を出すと、肩を叩かれる。後ろ姿を見た時、彼は驚く。その目に映るのは、篠ノ之束…。ここに存在しない筈の彼女の顔が見えた。
「篠ノ之束…。」
「え…?」
「あ、箒さん
そう笑い、彼女の顔を見る。篠ノ之束と同じ
「な、なぁ。これって、お前のか?」
「これって、アイスのゴチゾウ…。なんでここに。」
「あ、いや…そのな、お前が人影に向かって走る時に、ポトリと落ちたんだ。」
氷の様な水色と少しカチカチという音が鳴りそうなアイスの塊が見える。
それを不思議そうに見る彼を、箒はジッと見つめる。何かを怪しんでる。そう見える彼女の顔に、少し彼は何か気に障ったのかと戸惑う。
「なぁ、新川。剣道場って知ってるか?」
「え、ああ。知ってるけど。まさか、今行くって言わないよな。」
「そのまさかだ。さぁ、今日はクラス対抗戦の練習期間だ。お前も強くならないとな。」
「え、待てって!?俺、剣道は少しだけだって!」
「なに、教えるから、一石二鳥だろう?」
逆方向に歩く彼女を、俺は少し呆れながらも歩いていく。だが、俺は侮っていた。力任せでは…相手には勝てないと。
「初心忘れるべからず。相手を侮るな。常に慎重に状況を判断しろ。」
「それが、貴方の弱さを見せるのです。私は確かに、貴方に負けました。ですが…それは、時の運なのです。」
「それが…どれだけ、強くても、憎くても、前へ歩くしかないのですわよ。」
「
確かに、俺は零落白夜に依存し切っていた。エネルギー調整、判断能力、経験が…セシリアを強くしたんだと。
だけど、俺の正義は彼奴の正義を認める筈ない。存在しない彼奴の力を…性格を全て恨むしかないんだ。それがどれだけ愚かしくても…彼奴が俺の手を離さなくても。
「俺はお前が嫌いなんだ…。」
そう言うしか、俺の弱さを覆うしかないんだから。
━次回予告━
「すぐ人は死を見れば自分の生を実感すると。」
「一夏…。一夏ッ…!!」
Type-09 正義という名の呪縛