後輩から手紙を受け取った日の、ツンデレ幼馴染の反応。




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チクタクと、時計の針の音が静かなリビングに響いていた。

食卓には美味しいそうな料理が並び、食欲を掻き立てる香りが部屋の中を漂っているというのに料理を囲む俺と、目の前の彼女に会話は無い。

箸と食器が擦れ合う音だけが妙に大きく耳に響いている。

少女は一口目の肉じゃがを頬張り、二口目を頬張り、三口目を頬張る。

俺も箸を進め、彼女の手料理を口に運ぶ。

相変わらず美味しい料理だ。

初めて彼女の料理を食べた時と、今の彼女が作る料理は味が少し変化している。

俺が料理を食べるたびに彼女は味の感想を聞いてくる。それもかなり詳しく。

その度に味が少しづつ変化していくのが分かった。

少しづつ俺の好みに近づいていく。

昔にの味も美味しい事には変わりがないが、今の彼女の料理の方が好みだった。

味はもとより、俺の為に手間暇をかけて作ってくれるこの味が好きだ。

だから今日も彼女に、今日の料理の感想を話そうとしたのだが……

 

「ねえ……」

 

先に口を開いたのは彼女の方だった。

彼女は箸を置き、手を膝の上に置いて俯いたまま俺へと話しかけてきた。

明らかに何時もの彼女と様子が違う。

普段の彼女は俺に対してつんとした態度をとり、話す時も素っ気ない態度をとる事が多い。

だけど今は……

 

「何?」

 

俺が答えると少女は俯いたまま声を絞り出した。

 

「アンタさ、今日手紙渡されてたよね……」

 

彼女は俺の反応を伺う様に、チラチラと俺の顔を見ては俯き、また俺の顔を見ようと顔を上げ……を繰り返した。

 

「手紙って……ああ、あれの事か」

 

今日、放課後に校舎裏で渡された手紙を思い出す。

ハートのシールが貼られた可愛らしい封筒。相手の宛名も可愛らしい丸文字で書いてあった。

 

「……あの子誰なの?その……手紙の子の事」

 

俺に手紙、ラブレターを渡したのは後輩の女の子だった。確か一年の間で有名な女の子だった筈だが、あまり彼女の事を知らない俺は名前まで分からない。

 

「あの子か?よくは知らないが、一年の女の子だな。可愛い子だったぞ」

 

彼女が俺の返答にビクリと肩を震わせる。

 

「そ、そうなんだ……。でもなんでその子がアンタの事を好きになったんだろうね……。アンタの事なんてほとんど話した事も無いだろうしね……。アンタなんて女の子にもてる要素なんてないし……。顔も普通だしね……。頭だってそんなに良い訳じゃないし……、運動もそれ程でもないしね……。うん……。なんでその子はアンタの事好きになったんだろう……」

 

彼女がボソボソと小さな声で呟き、最後は独り言の様にぶつぶつと話しだした。

彼女の言葉に俺は苦笑する。

 

「辛辣な物言い有り難う。まあ、俺がモテないのは自覚してるよ」

 

そう答えると、彼女は顔を上げ、俺の顔を見ながら言った。

 

「いや……、そんな事無いと思うし……。別にモテなくても良いと思うけど……。私は別にモテてもモテなくても……どうでも良いし……。むしろモテてた方が困るかもだし……」

「困るのか?」

「だって……、ほら……。あの子がアンタにラブレター渡して、告白とかするんでしょ?そうなったら……アンタはその子の告白に応えるんだよね……?だから……困る……」

 

彼女が俯いて小さく呟く。

 

「俺が彼女を受け入れると困るのか?」

 

俺が彼女の言葉を復唱すると、彼女はバッと顔を上げて俺を睨みつけた。

 

「困らないけど!困るけど!困ら……い……。いや……。困るよ……。だって……アンタの好きな人とか……好きな人が出来たら……。アンタは私と一緒に居る時間が無くなっちゃうよ……。それに……」

 

彼女はまた俯いて下を向く。

 

「……私と違って、あの子には……、あの子みたいな可愛い女の子が傍に居たら……良いなって……。思うから……。だから困って……。その……」

 

彼女が再びボソボソと小さな声で独り言を呟く。

俺はそれを聞いてクスクスと笑った。

このまま彼女の可愛らしい独り言を聞いていたかったが、そろそろ意地悪をするのは止めてあげた方が良さそうだ。

 

「実はな、あの手紙は俺宛てじゃないんだ」

「えっ……?」

 

俺が発した言葉に彼女が驚いて顔を上げる。

 

「あの手紙は俺宛てじゃなくて……恭介宛てだったんだ。俺は渡して欲しいと頼まれただけだ」

「……恭介……って、あのバカの……」

「バカって……確かに馬鹿だがアイツはモテるんだよ」

 

俺の友人である鈴村恭介はとにかくモテる。バレンタインの季節には恭介のロッカーがチョコで埋まり、げた箱には郵便ポスト並みに沢山のラブレターが届いていたりする。

いくら恭介と言っても読み切れる筈がない量だ。そもそも教師が見つけたら処分されるようなものまで混ざっていたりするのだから困ったものだ。

なので確実に恭介に届くようにと、俺に託されるのだ。

 

「で……、あの手紙はどうしたの……?」

 

彼女が俺の返答を待っている。

 

「ああ、アイツに渡しておいたよ。……頭を抱えてたけどな」

 

ついに一年までか……と腹を痛めていた。

 

「そうなんだ……。なら良かった……」

 

俺が彼女の質問に対する答えを述べると、彼女はホッと安堵の溜息をついた

「俺宛てじゃなくて安心したか?」

「えっ?……いや、違うから!」

 

俺の問いかけに彼女が慌てて答えるが、顔が赤いので照れているのはバレバレだ。

彼女のこういう所がとても可愛いと思う。

俺は彼女の頭を撫でてやる。

 

「なっ!?」

 

彼女は頭を手で押さえながら驚いた表情を浮かべる。

 

「心配してくれて有難うな」

 

俺は彼女に笑いかける。

彼女は俺の言葉に顔を赤くしながら、

 

「べ、別にアンタの事なんて心配してないんだから……」

 

と言いながらも満更ではなさそうだった。

 

「ああ、ありがとう」

「っ……」

 

俺の言葉に彼女はまた顔を赤くする。

 

「さて……と。そろそろ食器を片付けるか」

「えっ?……あ、ああ……そうかも……」

 

俺が食卓の上の食器を持ち上げて、食洗機に向かおうとすると、彼女が慌てたように食卓の上に置いていた自分の皿を持ち上げた。

 

「手伝うから……任せて……」

 

そう言って俺の手から皿を受け取り、流しに持っていく。

俺はそんな彼女の後姿を見て、

 

「奥さんが出来たらこんな感じなのかな」

 

と、小さく呟いた。

 

「えっ?……な、なんか言った?」

 

食洗機の前で食器を片付けていた彼女が振り返り、俺に向かって聞いた。

 

「いや、奥さんが出来たらこんな感じなのかなって」

 

「だっ!?だっ!?何言ってんのよ!!バカじゃないの!?バカなんじゃないの!?」

 

俺が言った台詞に彼女が顔を真っ赤にして慌てふためく。

 

「冗談だよ、冗談」

 

俺は笑いながら答えるが、彼女はまだ赤面したまま食洗機の前で立ち尽くしている。

俺は彼女に近づいてその小さな体を抱き寄せた。

 

「ちょっ!!……何すんのよ!?このバカっ!!」

 

彼女は俺の腕の中で暴れて抗議する。

暖かい。

俺はこの温もりに幸せを感じていた。

彼女が居る日常が俺の幸せだ。

俺が彼女に伝えたい気持ちはそれだけだった。

 

「好きだよ、理緒」

 

俺は彼女の耳元で愛を囁く。

 

「なっ……!?」

 

彼女はまた顔を赤くして暴れたが、今度は抵抗はしないようだ。

やがて彼女は抵抗を止めたかと思うと、

 

「……バカ……」

 

と、小さい声で呟き、

 

「私も好き……」

 

と、また小さい声で言った。

俺はその可愛い彼女の耳元に顔を寄せ、

 

「ん?」

 

と、聞き返す振りをする。

 

「っ……!…………す、好きって言ったのよっ!!」

 

彼女が顔を真っ赤にして大きな声で叫ぶ。

 

「そうか。俺も好きだよ」

 

俺はもう一度囁いた。

 

「バカッ!!聞こえてたのなら最初からそう言いなさいよ!!」

 

彼女は顔を真っ赤にして怒る。

 

「すまんすまん」

 

俺はそう言って謝るのだが、彼女が怒った顔でも可愛いと思ってしまうのは仕方のない事だ。

だって彼女が怒っていても、その可愛らしい表情が台無しにしているのだから。

 

「全く……。アンタは私をからかおうとするから……。バカなんだから……」

 

彼女はそう言いながら俺の胸に顔を埋めてスリスリと甘えてきた。

俺はそんな彼女の頭を優しく撫でながら言った。

 

「そういうの反則だぞ」

「だってアンタが悪いんだもん」

 

彼女の可愛すぎる仕草に、俺の胸はドキドキと激しく音を立てていたのだった。

そして、俺は彼女にこう告げる。

 

「好きだ。理緒」

 

俺は彼女が居ないと生きられない程に彼女の事が好きだった。

理緒は顔を少し上げると、真っ赤な顔で恥ずかしそうに俺を見ながら言うのだった。

 

「……私も好き」

 

彼女がそう言った瞬間、彼女の小さな体がギュッと抱きしめられる。

彼女の体は小さく、抱きしめれば折れちゃいそうな儚げなものだったが、俺はそれが愛おしくて仕方ないのだった。

俺はそのまま彼女の唇に自分の唇を重ねたのだった。

彼女の柔らかな唇から伝わる温もりに俺は幸福を感じていたのだった。

この温もりこそ俺が求めていたものなんだ……。

彼女の温もりこそが俺にとっての最上の一時なのだと……。

彼女の唇は俺を癒し、心を満たしていくのだった。

 

「愛してるよ。理緒」

「んっ……」

「ずっと一緒に居るよ」

「……うん……」

「これからもよろしくな」

「……うん……」

 

俺達はお互いの唇を重ねたまま、永遠のようにも感じられる幸せな時間を過ごしたのだった……。

 






脳死で書いてしまった……



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