「で、僕を連れてきた英雄王様はいったいどういうご用件で?」
いつもの部屋に連れて来られた僕はソファに腰掛け、機嫌を悪くしつつ肩肘着いて目の前で寛ぐ英雄王へと視線を向ける。
英雄王は相変わらずのドヤ顔で目の前にあるバイクの模型を眺めていた。これが先程言っていたハーレーなのだろう。見事に黄金色で統一されたフォルムに英雄王らしい拘りを感じる一品。確かに出来は凄いけど宝具になるわけがないじゃないか
「まあよいではないか。王の戯れに付き合うのも家臣の役目なのだとわかっていよう?」
横には笑みを浮かべて緑茶を啜る聖杯戦争の監視者。先ほどまでの衛宮たちとの会話に愉悦を感じたのだろう。どことなく上機嫌だ
「僕は家臣になった覚えは無いんだけどね。」
英雄王はそう呟く僕に満足気に頷いている。僕はそれを見た後湯呑みにお茶を注いでいる神父へと目を向けた
「で、あれはいったいどういうつもりなんだい?」
「あれとは?」
「ランサーだよ。あんたのサーヴァントだろ?どうして一般人の衛宮士郎を襲わせたんだ?」
僕の言葉にふっと笑い湯呑みを傾ける。やっぱこいつ腹が立つな
「あれはランサーが勝手にやったこと。私の意思ではない」
「どうだか」
嘘か本当かわからないのがこいつの厄介な所だ。まあいい、こいつへの口撃は殆ど無意味だ。効果的なのは
「まあ、次に変なことしたらアンタの麻婆豆腐が甘くなるだけだしね」
その言葉に麻婆神父は咳き込み、静観していた英雄王はニヤリとその口角をあげた。
こいつに効果的なのは英雄王をこちらの味方に付けること。英雄王が愉悦に感じ、なおかつ麻婆神父に被害が出る話題が出れば自然と追い詰められる。
「それは些かやり過ぎではないか?麻婆豆腐とは辛くあるべきのものだ。それを甘くなど」
" "
「よいではないか。我も賛成だぞ?なんなら今すぐ用意してもいいくらいだ」
やはり英雄王もあの真っ赤な麻婆豆腐には思う所があったのだろう。すごく嬉しそうだ
「お戯れを」
「王の戯れに付き合うのが家臣じゃなかったっけ?」
僕の言葉にグゥっと唸り、言葉に詰まる麻婆神父。こんな姿は中々見ることが出来ない。
「良い事を言うではないかシンジ。自身の言葉には責任を持つべきであるぞ?言峰。犬が帰って来次第買いに行かせろ。なに、糖類をほんの20kgほど買いに行かせれば良い。我の宝具で1人前の麻婆豆腐に見合う量へ圧縮してやる。」
愉悦部の活動とは、愉悦を楽しむ事である。
そのためになら部員を愉悦の対象にすることも厭わない。
桜以外の愉悦部員はその日、夜通し騒いでいた。
短いですがここまで
次から物語は加速する
多分