令呪によるブーストにより、繋がりが強くなったことが感じられた。これなら問題なく"召喚"できる。
僕は、自身のサーヴァント。いや、岸波白野の器へと指示を送る。
これより、SERAPHへのアクセス権を行使。その身に岸波白野の意識を定着させた後、サーヴァントの召喚を行う。
僕のサーヴァントはサーヴァントといえない存在だ。ただそこにあるだけで意識は別の場所…SERAPHにある。
このサーヴァントが出来る事といえば一つ。ムーンセルへアクセスすること。
それには魔力が必要となり、僕くらいの魔力で、やっとリミッターのかかった状態のサーヴァントを1体召喚出来る。
しかし、その魔力に比例しアクセス権は絶大になる。
相応の魔力であればムーンセル・オートマトンの使用も出来るとのことだ。
さらにもう一つわかっていることはある。
岸波の意識は僕にはつながっていて、それを通してサーヴァントへ指示を送ることも可能だということだ。前回召喚したセイバーは弱体化しているものの、岸波の指示によりランサーと打ち合っていたのだ。
眼前には魔力のブーストに少し戸惑ったバーサーカーの姿が見える。だがすぐにこちらへ攻撃してくるだろう。でも、もう遅いんだよね
岸波の器が現界し、僕達の目の前に魔法陣が展開される。
魔法陣から発せられた光に目がくらむ。その大きすぎる光はエントランスを照らし、ほのかな暖かさが感じられた。
そして現れたサーヴァント
【剣を携えた男装の少女】
【赤い外套に身を包んだ武人】
【妖艶な半獣の女性】
そして-------
「…久しぶりだね。岸波」
「ああ、久しぶりだよ。慎二」
【学生服の少年】
目の前に4体のサーヴァントが召喚された。
「慎二に一つ謝っておくよ。エリザベートとライダーをあの短時間では見つけることは出来なかった。俺と繋がりのある3人で精一杯だったよ」
「別にそれくらいなら怒らないさ。」
気にしなくともいいさ、居ないからといって困るわけでもない。まあ、居てくれたほうが楽だってのは確かだけどさ
「何よ、いったいあなたのサーヴァントは何者よ!!そんな高ステータスのサーヴァントを複数召喚するなんてありえないわ!!」
まあ、確かに反則臭いけどさ。こっちは令呪を消費しなきゃこんな召喚は出来ないんだよ?これにも時間制限はあるんだし
そんな情報はわざわざ言わないけどさ。
「再会出来るとは思っても見なかったけどさ、取り敢えずはあのサーヴァントをどうにかしないとね」
「ああ、そうだな。慎二…いや、マスターは何か策があるか?」
「マスターはよしてくれ。まあ策としては、僕が相手マスターを足止めしている間にバーサーカーを倒してくれ。その端末に不備はないだろ?」
「確かに、寧ろ以前の物よりも高性能だよ」
「なんたって英雄王製だからね。色々とぶっ飛んでるのはわかるだろ?」
「それもそうだな。」
気分が高揚する。声は届いていたけど面と向かって話しているわけでもなかった。
再会出来るとは思わなかった分、感じるものは大きい。
「何故サーヴァントを召喚出来たのかはわからないけど、もう一つ解せないわ。何故リンのアーチャーがいるのかしら?さっきよりも高ステータスになって」
「なに、簡単な話だ。私とあの者とは器は同じでも別人なのだよ。それにマスターも違うときた。ならステータスに多少の差異は出ても仕方あるまい」
「意味分かんない。まあいいわ、確かに貴方達は強いようだけど私のバーサーカーには敵わないんだから!」
アインツベルンの言葉に苦笑しつつも岸波はサーヴァント達に目を向けた。
「というわけで、召喚されて早々だけど、目の前のサーヴァントを倒したい。協力してくれるか?」
「うむ!奏者の為なら余は力を使うことは惜しまないぞ」
「ああマスター。今一度君の為にこの身を剣として戦うとしよう」
「正直私一人でも十分ですけどね!玉藻ナインの次は赤い皇帝に赤い正義の味方ですか。真っ赤っ赤ですね。本当に、あまりお痛はいけませんよ?ご主人様」
僕は3体のステータスを確認する。岸波のステータスによって強化されている3人はアインツベルンが驚くほどのステータスを持っているようだが…
【セイバー】
マスター:岸波白野
筋力:A+
耐力:A+
敏捷:A+
魔力:A
幸運:A+
【アーチャー】
マスター:岸波白野
筋力:A+
耐力:A+
敏捷:A+
魔力:A+
幸運:B
【キャスター】
マスター:岸波白野
筋力:B
耐力:B
敏捷:A+
魔力:A+
幸運:A+
確かに凄まじいステータスだ。
これが月の聖杯戦争の優勝者のステータスなのか。
で、肝心の岸波の方は
【マスター】
マスター:間桐慎二
筋力:E
耐力:B
敏捷:E
魔力:B+
幸運:A++
どうやら岸波はイレギュラークラスのようだ。まあ、確かにやることはマスターのそれだけどさ。
ステータスは中々なもの。異様に幸運が高いようだ。
「じゃあ、3人で協力するのは初めてだけど、精一杯やろうか」
バーサーカーは岸波に任しておいて……
「こちらも始めようか。アインツベルン」
「私を倒せると思っているのかしら?」
「流石にそこまでは自惚れては居ないけどさ。あんま余裕かましてると、足掬われるぜ?お前」
「なにを…」
「shock(64)」
「ぐっ!!」
僕の魔術を喰らっちゃったね。甘く見てるからだよ。
対サーヴァント用だからさ、マスターには強力なんだよね。
しかもマヒ効果付き。これならどんな魔術を使うにしてもろくに使えないだろうさ
「いったい…何をしたの?」
驚いた。意外に話せるんだ。威力は高めのはずだけど
「お前の知らない魔術だよ。僕が作ったわけじゃあないけど、魔術師相手には有効的だろ?」
「でも…まだまだ…甘い」
鳥が現れた。
恐らくはアインツベルンの魔術。媒体は髪…か
こちらの媒体は劣化版携帯端末だけだ。これに気づかれない限りは上手くやれるだろう。
それにしてもろくに身体が動かない状態でよくやるよ。
それくらいは認めてやるかな
「さて、気張るとするかな」
サーヴァントのステータスはCCCのレベルMAX時のを引用
岸波の方は耐力は某イベントシーンより、魔力はレベルMAXより、幸運は慎二補正+岸波補正により強くしました。
これを予想してた人正直いると思ってる。
セイバーさん一度も慎二の事マスターだとも奏者だとも言っていませんでした。