それでは、どうぞ。
「これはマズイな」
岸辺露伴は、現在ピンチだった。彼は現在、人気のない場所で十数人のガタイのいい男達に囲まれている。
帝都に来て何日かが経過したが、この街はとことん治安が悪くて、露伴は1日に1回は恐喝を受けていた。普段なら一人だけ、多くても2、3人程度だったのでヘブンズ・ドアーで切り抜けて来たのだが、今回は数が多すぎてスタンドを行使する隙も見当たらない。
「なぁ、僕は君達全員の腹が満たせるほど金を持ってないんだ。雀の涙程度しか持ってないんだよ。それでも強盗する気かい?」
駄目元でそんな提案を出す露伴だったが、次の男の言葉でその案は潰えた。
「ああ、お前からは金を貰うつもりはねえぜ。あんたの身がこれから金になるからな」
その一言が、すべてを物語っていた。こいつらの目的は人身売買だったのである。労働目的か、性奴隷か、それとも初日に会ったアリアのような趣味の人間に売るのか、いずれにしても捕まったらその時点で彼の人生は終わりだ。しかし、露伴自身はここで終わる気はさらさらない。
(さあ、どう切り抜けるか? セーフティロックをかけていたらその間に捕まるな。ヘブンズ・ドアーで一人を本にして、それに驚いている隙に逃げるのが一番確実だが……)
こういう場合、忌々しい東方仗助のクレイジーダイヤモンドのような直接戦闘向きのスタンドがあれば切り抜けるのも容易いが、この世界でスタンド使いはおそらく露伴一人。どこかで発現している能力者がいるかもしれないが、それに頼るというのは、今回の場合酷だろう。
「見つけましたよ、悪党ども!!」
すると、何処からともなく女性の声が聞こえたので、露伴も男達もその方を向く。そこに立っていたのは、オレンジ色の髪をポニーテールに結った二十代ほどの女性と、謎の生物がいた。動いているので生物と思われるが、見た目は犬のぬいぐるみがそのまま歩いている感じだった。
しかし、それ以上に目を引くのは女性の顔だった。それなりに美人だったものの、口角を釣り上げて血走った眼の、狂気的な笑みを浮かべている。
「なんだ嬢ちゃん。嬢ちゃんも俺達に売られたいのか?」
「お前達はもう人を売ることは出来ない。何故なら、私に断罪されるからであります! コロ!!」
女性が謎の生物の名前らしきものを呼ぶと、いきなりとんでもないことが起こった。
なんと、謎の生物コロが巨大化して元の面影を残していない怪物と化したのだ。
「私は帝都警備隊所属、セリュー・ユビキタス! コロ、捕食!!」
セリューと名乗った女性は、驚愕する男達に巨大化したコロを嗾ける。そして、男の内一人に頭から噛みつく。そのまま男は頭を食いちぎられて絶命した。
「ひぃ!?」
「に、逃げろ! 殺されるぞ!!」
「逃がさないでありますよ!!」
男達は逃げ出すが、セリューはいつの間にかトンファーを取り出して逃げようとする男達に飛び掛かる。そのトンファーには銃が仕込まれていたようでそれで男達を撃ちまくり、ひるんだ隙に次々と殴り倒していく。加えてさきほど巨大化したコロが静止を問わずに男達を次々に喰らって行った。そして、最後の一人になった。
「お、お願いだ! もうこんなことしないし、牢屋にも入る!! だから殺さないで!!!」
最後の一人は、セリューに対して命乞いをする。まあ、仲間が目の前で惨たらしい死に方をしたので、こうなるのは当然だろう。
しかし……
「悪は断罪するのみ。よって、生かしはしない」
セリューは変わらずに狂気的な笑みを浮かべ、無慈悲な返事を返す。
「か、金だってやるし拷問だって受ける!! だから命だけは「コロ、捕食」たs…」
それでも命乞いを続ける男を、コロは口の中に放り込み、そのままグチャグチャと音を鳴らして噛み潰す。
一方、それを目の当たりにしていた露伴は……
(猟奇殺人の漫画の題材になりそうだな。けど、流石にやりすぎじゃないか?)
良識的なことを思いつつ、同時に漫画のことも考えていた。流石とでもいうべきか。
「おらぁあ、くたばれえ!」
しかし直後、セリューの背後からスキンヘッドの男がナイフを手に飛び掛かっていた。まだ隠れていた仲間がいたらしく、殺された仲間達の敵討ちが狙いと思われる。
「はひぃい!?」
「え?」
しかし、いきなり男の顔が本のページのように捲れていき、そこにひとりでに文字が書かれていった。書かれたのは、日本語で「警備隊詰所に出頭しろ」だった。
すぐさま顔が閉じられて元に戻ったかと思うと、男はいきなり走り出した。
「流石に、助けられたからこれくらいする義理はあるかな?」
男は露伴のヘブンズ・ドアーを食らわされたらしい。いくら奇人変人の類に分類される露伴でも、これくらいの義理人情は持ち合わせていたようだ。
「なるほど。ロハンさんは絵物語を描いているんですか」
「ああ、その取材中にあの連中に絡まれてね。一応自衛は出来るんだけど、数の差があったから助かったよ」
その後、露伴はセリューと話しをしているのだが、彼女は先程の狂気的な笑みが嘘のように天真爛漫な笑顔を浮かべている。
ちなみに、露伴は自分の能力についてセリューに話している。
「ところで、二つだけ聞きたいことがあるんだが」
「なんでしょうか?」
すると今度は、露伴からセリューにある質問をぶつけてきた。
「まずはこのコロという犬?についてだ。君に追従しているが、これは能力か何かかい? 僕のヘブンズ・ドアーとちがって物に力が宿っているみたいだけど……」
「帝具でありますよ。コロというのは愛称で、正式名称は魔獣変化ヘカトンケイルといいます」
帝具
セリューによると、今から千年前に帝国の建国者である始皇帝が国家安寧のために希少な材料や失われた技術で作らせた48の超兵器なのだという。帝国がいくつか保有しているらしいが、ナイトレイドや一部の犯罪者などの凶賊にも流れているとか。
(下手をしてヘブンズ・ドアーが帝具の一種だと間違われなければいいんだが……)
サヨたちやこのセリューにはスタンドについて説明しているので心配はないが、もしも他の警備隊やナイトレイド達にでも見られたら、帝具と勘違いして仲間に引き込まれるか殺して奪いに来ないか、という心配がある。露伴としてはどちらも遠慮したいところだった。
「なるほど、親切に教えてくれてありがとう」
「いえいえ、これくらい減る物ではないので。それで、もう一つの質問は……」
「あ、ゴメン。忘れるところだったよ。さっきの連中だが、勝手に殺してしまって大丈夫なのかい?」
「? ロハンさんはあの悪を庇うつもりなんですか?」
その質問を聞いたとたん、セリューの雰囲気が変わった。表情が消え、先程と同じ悪党連中を皆殺しにした時の狂気を纏っていたのである。しかし、露伴は冷静だった。
「ナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナアナア。そうじゃない、僕だって一歩間違えたら売られてたんだよ。それで彼らを許すだなんてお人好を通り越してただの馬鹿だよ」
「それもそうですね。ならなんでそんなことを?」
露伴の言葉を聞いたセリューは、すぐに狂気を引っ込める。そして、質問の真意について尋ねた。
「彼らはやっていることがことだけに、捕まっても死刑、もしくは一生牢屋行きは確実だ。庇う気はないし庇い様も無い。けど、裁判にも通さずに君の独断で彼らを裁いて、君の立場が危うくないのかい?」
「はい。皇帝陛下から警備隊に許可が下りているので、悪は見つけ次第皆殺しですよ」
セリューはあっけらかんとした顔で、物騒極まりないことを言ってのける。あまりの様子に、露伴も茫然としてしまう。殺人犯・吉良吉影のような明らかに人格破綻者がスタンド使いには多いが、寄りにも寄って司法機関の人間がそうだと、明らかにこの国は取り返しのつかない段階に進んでしまったと、露伴も思ってしまった。
おそらくは皇帝が例のオネスト大臣にたぶらかされて作った法なのだろう。しかし、これでは自身の首を絞めかねないので、この国もそう長くはないと思われた。
(こりゃ、出来るだけ早く杜王町に帰らないと命が危ないな。かといってこの街から離れるのも、危険っちゃ危険だしな……)
この世界には危険種という、ドラゴンや巨大昆虫といった、RPGのモンスターのような生き物が群生しているらしい。いくらヘブンズ・ドアーの能力が強力でも、野生生物である以上はこの世界のいたるところにいるため、直接戦闘能力の低い露伴だと対抗するのは難しいだろう。
あれこれ考えていると、セリューが露伴にある提案を持ち掛けてくる。
「そうだ。ロハンさん、よければ警備隊に入ってスタンドの力を活かしてはどうでしょう?」
「へ?」
「その力があれば自分よりもはるかに強い悪を、すぐにでも捕え、殺すことが出来るはずです。正義は悪に屈しない、これをより完全な物に出来るはずです!」
彼女の言い分は尤もだ。露伴は仕事にありつける上に、帝都の警察勢力である警備隊が敵に回らない。露伴にとっていいこと尽くめだ。
「なるほど。そうすれば僕はこの国での生活を楽にできる、国も平和になる、双方にいい話っていう訳か」
「はい。それで、どうですか?」
セリューは期待しながら露伴の返事を待つ。
しかし
「だが断る」
露伴はそう、即答したのだ。
「え……なんで?」
「僕は漫画家、つまり絵物語の作家をやっているのは作品を読んでもらいたいからであって、えらくなったりしたいわけじゃないんだ。そして僕は、漫画家としてある物を何より優先している」
キョトンとするセリューを尻目に、露伴は言葉を続けた。
「それは、リアリティだ」
「リアリティ、ですか?」
「そう。僕は漫画に登場人物を出す際、色んな人間を観察してその人間の思考とかを理解して、漫画にするんだ。
その登場人物が善人だったら善行をして善人の気持ちを知ろうとする。対して悪人を出す場合は、悪行をこなして悪人の気持ちを理解しようとする。だから僕はどっちつかずの存在、絶対正義の君とは同じ仕事をしても相容れないのさ」
そのまま露伴は自分の価値観について、包み隠さずセリューに打ち明けた。
「じゃあ、僕はそう言うことだから行かせてもらうよ」
そしてそのまま別れを告げ、その場を去ろうとするが……
「コロ、捕食!」
いきなり背後からセリューの声が聞こえたので振り返ると、コロが巨大化して露伴に迫ってきていた。露伴は間一髪で回避に成功、セリューの方を見ると、先程の表情に憎悪が加わった、おぞましい形相をしていた。
「セリュー君、何のつもりだい?」
「つまり今の話をまとめると、ロハンさんは悪行を行ったことがあるんですか?」
「藪から棒だね? ああ、そうさ。蜘蛛を漫画に出すために生態を調べた後で、殺して死体を味見したこともあるし、ヘブンズ・ドアーで本にした相手が面白い体験をしていたら、その体験に関する記憶を抜き取って手元に置いたこともある。友人の頼みで密漁だってしたね」
露伴はそのまま、過去の自分の悪行について堂々と語り出した。ちなみに、密漁を頼んできた友人というのは杜王町で料理店を営んでいるスタンド使いのイタリア人”トニオ・トラザルディー”のことだ。
「そうですか……ロハンさん、自分はあなたが悪人で残念です。けど、悪は裁かねばなりません……」
セリューは話しながら、目を瞑って歯ぎしりをしている。彼女は悪そのものに対しての憎悪を抱いているのか、纏っている雰囲気がどんどん禍々しい物になっていく。
「よって、ロハンを今この場で断罪するであります!!」
目をカッと見開いたセリューは、明らかに目が狂気一色に染まっている。そして、コロを嗾けようとするが……
「な!?」
いきなりセリューの顔がめくれ、そこに「ヘカトンケイルを止めろ」と書き込まれる。そして、直後にセリューは自身の意志に関係なくコロを止める指示を送り始めた。
「コロ、止まれ! って、いつの間にスタンドが……」
「君にはスタンドが見えない。そこを活かして、ヘブンズ・ドアーをあらかじめ近くに待機させていたのさ」
露伴は種明かしをしながらセリューへと近づいて行く。
「さて。僕も自分の命が惜しいから、君にもうちょっと書き込ませてもらうよ」
「貴様、やっぱり悪……」
セリューは喋っているのを遮られ、再度顔を本に変えられる。
「さて。折角だから彼女の過去でも見させてもらうか」
そのまま露伴はページをめくり、セリューの過去について調べ始めた。
「成程。父親の最期の言葉『悪に屈してはいけない』を、曲解してしまったのか。それにしても彼女の頭の中、正義と悪って単語がゲシュタルト崩壊を起こしてるな」
セリューが正義に固執する理由が判明したが、そこに行きつくまでの彼女の思考は「絶対正義」「正義は負けない」「正義は悪を滅ぼす」「悪は皆殺し」「悪は滅せよ」etc,etc……
とにかく、正義と悪に関することで溢れ返っていた。
「彼女も憐れだが、僕の生き方を正義の為だけに全否定する考えはいただけないな。少しお仕置きをしてやろう」
そして露伴はある指示をセリューの頭の中に書き込む。その際、『岸辺露伴なんて知らない。例え会っても岸辺露伴を見ることさえない』と書き、セリューと二度と会わない措置も完了した。
「じゃあ、やることもやったしお別れさせてもらうよ」
露伴が去ってすぐにセリューは目を覚ますが、その時は既に彼の記憶は消え失せていた。
その日の夜
「コロ、狂化!!」
セリューはナイトレイドのメンバーである、マインとシェーレという少女達と戦っていた。その際、コロを狂暴化させて二人に嗾ける。そして、コロがそのままマインをとらえてしまう。
「コロ、握りつぶせええええええええ!!」
そのままセリューはマインを殺すために指示を送る。
「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァ!?」
そのままマインは激痛から絶叫する。全身の骨がきしむ音が生々しく響き、マインは死を予感する。しかし直後……
ダンッ
「「え?」」
直後、セリューが腕に仕込んでいた銃でコロに発砲したのだ。その際、シェーレだけでなくセリュー本人も驚いていた。
「……って、今がチャンスです!」
しかしシェーレは咄嗟に我に返り、持っていた鋏の帝具”万物両断エクスタス”の刃を発光させる。そして、それによってセリューとコロの眼が眩んだ隙に、コロの腕を切り落としてマインを救出した。
この発光現象やコロの狂暴化は、奥の手という帝具ごとの必殺技のような物だ。
「シェーレ、ありがとう。助かったわ」
「ええ。ですが、彼女は一体なんでヘカトンケイルを……え?」
マインを助けた直後、シェーレはセリューの急変について考えようとするが、いきなり発砲音と同時に右肩に強い衝撃を感じた。
見てみると肩からは血が流れ、正確に関節部を撃ち抜かれていたのだ。
「うぐ!?」
シェーレはようやく自身が撃たれたことに気づき、そのまま痛みを感じる。死線を音のした方に向けると、セリューの口から銃口が見えていた。どうやら人体改造で仕込んでいたらしく、これでシェーレを撃ったようだ。
「 正 義 執 行 ! ! 」
そのまま昼間に賊を殺した時のようなおぞましい笑みで叫ぶセリュー。そして直後にコロがシェーレへと迫ろうとする。
「シェーレ!!」
(拙い、避けられません!!)
シェーレはそのまま己の最期を予感し、恐怖から身動きが取れなくなってしまう。もはや絶体絶命……
「コロ、足を食え! 殺すな!!」
「え!?」
しかし、いきなりセリューは指示を送りだす。しかも、即死させることが出来る状況の中、何故かすぐには死なないような攻撃を指示したのだ。
そしてコロはそのまま、指示の通りにシェーレの足に噛みつき、勢いよく食いちぎった。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
シェーレは痛みから絶叫し、其のまま転げまわる。
「シェーレ! あいつ……」
マインはシェーレの心配をすると同時に、セリューに憎しみの籠った視線を向ける。
「あれ? 何で殺すチャンスだったのに、わざわざあんな指示を……」
「え?」
何故かセリューは茫然とした状態で膝をつきながらそんなことを呟いており、マインもつい呆けてしまう。
実はここで、露伴が去り際にセリューの頭の中に書き込んだ指示が発動したのだ。
『だけど殺しは生理的に受け付けない』という指示が。
「あ、悪は許してはいけない。断罪しないといけない。でも、殺しはだめ。私は殺しそのものは嫌い……あれ? どっち?? どっちが私の本心なの??」
そのままセリューは、膝をついたままブツブツと呟き続ける。
「これは一体?」
「マイン!」
直後、マインの名を呼ぶ声が聞こえたかと思うと、サヨが茶髪の少年と共に駆けつけてきた。この少年こそが、仲間のタツミだった。
「マイン、シェーレ、無事か?」
「アタシは大丈夫。でも、シェーレの足が……」
「酷い……シェーレ、ちょっとエクスタス借りるよ」
直後にサヨはエクスタスを掲げ、奥の手を発動する。そして、その光に紛れてどうにか脱出することに成功した。
その後、駆けつけた他の警備隊員たちがセリューの方に駆けよる。
「おいセリュー、どうし……!?」
声をかけようとした警備隊の男性は、思わずギョッとしてしゃべるのを止めてしまった。
「悪は殺さないといけない。でも、殺しはダメ。え、でもそれじゃ今まで殺したあいつらは……イヤ、悪だから死んで当然。でも、私は殺しは嫌い。え? じゃあ何で今まで殺しが出来たの??」
セリューは頭をかきむしりながら延々としゃべり続けてきた。今まで抱き続けた価値観と、露伴に植えつけられた価値観の双方が、せめぎ合いを起こしている状態だった。
「悪は滅ぶ。でも、殺しはダメ。いや、正義が悪を滅ぼすのは当然。だめ、殺しは嫌いなのに。でも、正義が……いや、悪を裁…正義を執行しn……殺したくない。じゃあ誰が悪を裁くの? あれ、悪を殺すのはだめなの???? それとも、いいの???? ねえ、どっち??????」
「セリュー、落ちつk…」
「ねえ、どっちなの??」
止めようとした警備隊員は、直後にセリューに肩を掴まれて質問をぶつけられる。頭を見てみると、かきむしりすぎて所々に禿げたところがあった。
「どっち? どっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっちどっち?????」
「みんな、セリューを抑えろ!!」
その後、セリュー・ユビキタスは精神病院に入れられた。しかし、彼女の眼からは光が消え失せ、人に会うたびに「どっち? どっち?」と質問攻めになるという完全な人格崩壊を起こしていた。幸い、必要最低限の食事と睡眠はとったため死にこそはしなかったが、一生の隔離入院は確実だろう。
シェーレはというと、両足を食いちぎられた上に撃たれた右肩は神経を抉られてしまったため、一生右腕と両脚が使えなくなってしまった。そのためナイトレイドを実質引退、エクスタスはそのまま奥の手が使えたサヨに託されたのだった。