▼「トキサダ…ちっちゃ。」「長官の…ざぁ~こ☆」「長官サン…キモっ。」▼正義の心と慈愛に満ちあふれ、長官トキサダに全幅の信頼を寄せる超昂戦士たちが…なじる、蔑む、そして哀れみを!?▼そしてずたぼろのトキサダが、最後の寄りどころとすがるアカリさえも…!▼果たしてダイビートに何があったのか? そしてアカリはどんな言葉で長官を砕き散らすのか!?

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※ALICEの館35(2024年9月15,16日開催)内ステージ企画「アリスソフト放送局inアキバ&超昂大戦生アフレコ」と勝手にコラボしたSSです。
※具体的には「超昂戦士に心をえぐるひと言を言わせて、トキサダをドキドキさせよう!」という企画があり、そのアンサーとして環藍河(このSS作者)が書いた二次創作となります。
※特にネタバレ等はないはずですが、嫌う方は途中ストップを。


【ALICEの館35・アリスソフト放送局inアキバ&超昂大戦生アフレコ・勝手にコラボSS】

「…トキサダ。」

「エリス…?」

 

 「…ちっちゃ。」

 

 どぐんっ!!

 

「な…なっ!?」

「こんな小っちゃさで私に挑む、その無謀…呆れ果てました。」

大の字で空を仰ぎ、指一本動かせない俺。

仁王立ちでそんな俺を見下ろすエリスは…

 

 くいっ。

「うぶっ…?」

 しゃがみ込むと顎をクイっと引き寄せ、ジト眼でさらに俺をなじる。

「中は魔王でもこっちはよわよわ、そんなお子ちゃまトキサダを…

 このエリス・エクシリア、神に代わりて今、ここに討ち取ったり。

 くすっ。」

 

 がああああ……ん…!

 

凛としながらも、常に誰に対しても分け隔て無く慈愛を注ぐ…それが神騎エクシール。

だが今、戦乙女はその言霊で俺を無慈悲に鞭打つ。

四肢を大地になげうつ俺を囲む、4人の超昂戦士たち。その一番槍たる超昂神騎の神罰が、俺の胸を掻きむしった。

 

 

 ぐちゃっ。ぐりぐりぐりっ!!

「ふぐうっ!?」

「ホンット、長官こんな弱かったのお? 試し斬りにもならないわよ。」

 俺の下腹部を黄輝のブーツでぐりぐり踏みにじり、蹂躙の言葉を浴びせるトパーズ。

「あれえ? 感じてるの? あたしなんかの脚で無様に潰されて、感じちゃってるのお?」

 

 かああ……っ!!

 

エリスにだけじゃなかった。

ただでさえ小柄な、俊敏なだけと侮っていた戦士に、先刻俺は不覚を取り、屈服させられていた。

敗者は真上から勝者に見下ろされ、燦然と勝ち誇る笑顔を近づけられ、マウントを取られるばかり。

その屈辱が、俺の中で眠る被虐心に火を付けた。

 

 「…ざあ~こ☆」

 

ががああああ……ん!!

 

エリスに削られた心が、さらにトパーズの慰み者にされ、恥辱のメーターが一気に振り切れる。

ずぐん、ずぐんと胸が早鐘を打ち、惨めな自分を浮き彫りにしていく。

 

 

 じいい…っ…。

「な…何だ…?」

 問いかけには一切応じず、フェリニは俺の全身を舐め回すようにじろじろぐるぐると観察する。

 

「うっ…わあ…。

 長官サン、エリスさんとトパーズさんに惨敗して…、ホントに感じちゃってるんデスね…。」

 

 どきんっ!!

 

先の二人の勝ち誇りとは打って変わって、心の底からのドン引き目線。

「ち…違うっ…!」

「な~にを今さらあ。

 あ~あ、こ~んな惨めな長官サンをカッコよく見せるように、これから徹夜で編集かあ…。

 ダイビート広報の仕事とはいえ、気が重いデスよ…!」

 

違うんだ…違うんだ…!!

心の中で何度念じても、今の俺の痴態では何一つ説得力を持たない。

 

 「…キモっ。」

 

 ずががががあああーーーーん!! 

とどめにも等しい寸鉄が、心の亀裂にくさびとなって撃ち込まれた。そして…

 

 …じわっ…。

 

潤む瞳が抑えられない。

喧嘩に負けた子どものように、全身に屈辱の炎を巡らせ、辛うじて大人の理性で駄々こねを歯がみして自制するしかできない。

 

 

「…長官…。」

「あっ…!」

 

アカリ…? …アカリ…!!

最後に、少し困ったような笑顔を寄せるのは、ダイビートでいちばん優しい超昂戦士。

 

「◯△□…」…?

ずたぼろの身体と心に、染み渡るはずのアカリの声が届かない。

涙が滲んで、聖母の表情が見えない。

少しだけ頭を上げて、耳を寄せ、今度は聞こえ…た…?

 

「◯◯◯◯◯……△△……

 ×××××××××…?」

 

 ぱりーーーん!

 

時が、止まった。

俺の胸は痙攣し、最後にずぐんと高鳴り…

そして、壊れた。

 

聖堂のステンドグラスがかち割られるように、アカリの言霊が俺の最後の希望を粉々に砕き…

俺の意識は、そこで途絶えた。

 

…………

……

 

「うわあああああーーーーーーっっっ!?」

 がばっ…どくんっ、どくんっ、どくんっ…

(はああっ…はあっ…はあっ…)

 

靴も脱がずに倒れ込んだ、自室のベッド。

徹夜仕事が午前一杯長引き、やっと全ての書類を捌き終えたのは正午過ぎ。

食欲よりも睡魔にねじ伏せられた。

微かに鳴る腹時計よりも、蒼・黄・緑・赤…四色の天使に屍肉を貪り喰われる悪夢で目覚めた。

 

「…もう、昼過ぎ…か…」

悪い汗が滲む全身をシャワーで清め、遅めのランチへと基地を後にした。

 

このときの俺は、知らなかった。

正夢というものが、予知夢というものがあることを。

 

…………

……

 

「…長官…?」

アカリは、眼前のらしからぬトキサダの姿に、呆然と立ち尽くしていた。

「どうしちゃったんですか…?」

 

つい先刻。

「はい、アカリです。…え? お店に?

 はい、大丈夫ですけど…。」

午前のトレーニングを終え、アフターランチの休憩中、ダイビート隊員の専用回線ではなく、プライベートの回線で受けた呼び出し。

アカリもよく知る喫茶店に呼び出すその声は、らしくない緊張でうわずっていた。

「…え? …い、いえ、長官がそう言うなら、大丈夫ですけど…はい。」

 

『誰にも知られないように』、

『なるべく早く』。

この2つの指示だけなら、サプライズデートのお誘いと胸ときめいたかもしれない。

もしかしたら、そのままホテルでサプライズDチャージ…?

 

だが、3つ目の指示がアカリの心を曇らせる。

『サイフを持って』。

 

…少女を呼び出した上司は、喫茶店のテーブルで撃沈していた。

大海原に沈むトキサダを取り囲む、黄金の機雷の群れは…

食べかけのオムレツの皿、皿、皿。

 

「はあ…アカリさん、申し訳ありません。」

「エリスさん…?」

「トキサダってば、入店して私を見るなり、

『勝負だ。ここのオムレツ、全制覇するぞ。』なんて言い出して…。」

「…はい?」

 

「…エリスの食べっぷりが痛快で…俺も行けそうな気がしたんだ…」

「だからって、『メニューのここからここまで!』は無謀でしょ…継彦。」

「うっ…!」

「おまけに、財布を忘れたなんて…。私もさすがに、オムレツ十皿分の持ち合わせなんてありませんし。」

「あ…私、それで呼ばれたんですね…?

 …たはは…。」

 

 かちゃっ…。

 くいっ、もがっ、ぼぼっ。

「むむーーーーーっっ!!」

大さじの銀のスプーンでありったけのオムレツをすくったエリスが、敗者の顎をクイっと引き上げ、グロッキーの頬袋にそのままねじ込む。

「全く…これで魔王だなんて。

 こんなちっちゃな胃袋で、私に大食い勝負の単騎決戦なんて…。」

「もごおっ! ひゃ…ひゃはったっ。

 もうひはいっ、はんふぇい、ふるはらっ…!!」

降伏をもごもご宣言するも、エリスは無言でオムレツを注ぎ続ける。

 

ぐじゅっ! ぐりぐりぐりっ! がぼおっ!

「ひゃめて…ひゃめてふれえええーーーっ!!」

 くすっ。

「ダメです。この程度で赦しては、制裁にならないでしょう?」

天使のアルカイックスマイルは、無間地獄への片道切符。

「ふぁ…ふぁくまっ…!!」

「悪魔は貴方でしょう? しかとその胸に、そのお腹に刻みなさい。

 そお~んなよわよわ胃袋で、神騎エリスに刃向かった己の愚かさを…!」

「ひっ…ひいいいいーーーーっっ!!」

 

 

…はあ。

「…私も手伝いますよ。オムレツ完食。」

「えっ…アカリ?」

「頼んだものは最後まで、責任を持ちましょう。食べきれなければお持ち帰りで。」

 

 かちゃっ、ぱくっ。

「…うん、美味しいです。」

 

そんなわけがなかった。

半熟チーズオムレツはすっかり冷めきり、作り立てのとろふわシルクの舌触りも香ばしさも、今やガチガチとねちゃねちゃの泥沼に変わり果てていた。

そんな混沌のオムレツ…いや、かつてオムレツだった何かを、アカリは繰り返しスプーンを運び、流れ作業でお腹に収めている。

 

呼び出すべきは、アカリではなかった。

ユーノに後でなじられようが、ツケ払いにしておけばよかった。

せめて、イノリに貸しひとつ、くらいの最小限ダメージにしておくべきだった。

オムレツが大好物のアカリに、俺はとんでもないことをさせてしまったのだ…!

…トキサダは、己の人選ミスを悔やんだ。

 

…………

……

 

「ああ~っ、ちょうどいいっ!」

 びくんっ!

「長官っ! 試してみたい必殺技があんのよ!

 あたしに付き合いなさいっ!」

「なっ…うらら…?!」

ツイてないときは、とことんである。

膨れる胃袋と萎れる心をなけなしの気力で引きずり、基地に帰ってきたトキサダは…

ダイビートいち空気を読まない超昂戦士に捕まった。

「定期検診が終わったら、午後のトレーニング、リルカもクチナワさんも、みーんな終わってるんだもん。練習台…ごふんごふん、スパーリングの相手がいなくて困ってたのよっ!」

「い…いや、俺も残務整理が…」

 

「オムレツ、腹パンになるまで食べたのに?」

 どきいいんっ!!

 

「な…何故それを…?」

「エリス師匠に聞いたわよお。アカリにも助けられたんですって?

 じゃあ、腹ごなしは大切よねえ。いざ尋常に、あたしの挑戦、受けなさいっ!」

 

(練習台になってくれたら、長官のカッコ悪い話を拡散するの、ナシにしたげるっ!)

 

うららのしたたかな交換条件だった。

是非も無く、トキサダはトレーニングルームへ連行された。

 

……

 

「ブライトネス・エスカレーション・弐式いっっ!!」

 ざしゅざしゅざしゅざしゅっ!

「ぐはああーーーーっ!!」

 がばっ…どさっ、ごろごろごろっ。

 

「あははははーーーっ!! 思った通りよっ!

 ジャイロ回転で斬り込めば、長官のガードだってかいくぐれるうっ!」

 

トパーズの実験台は、百戦錬磨のトキサダにも、思いのほか身体にこたえた。

消化不良に喘ぐ胃袋を、前後左右と天地からの不規則アタックでシェイクされ…うかつにも嘔吐寸前の下っ腹に気を取られ、ガードを躱されてしまう。

 

「がふっ…ううっ…!」

 びくんっ! どくんっ、ぴくっ…!

 

当たり所も悪く、剣の束が顎先をかすめ、脳震盪を起こしてしまった。

制御を失った両手両脚は情けなく床に投げ打たれ、脊髄反射でカエルのようにびくんびくんとのたうつ。

 

「ちょ…ちょっと、長官?

 これくらいでぶっ倒れないでよねっ!」

「かはっ…あううっ…!」

 

実際は、トパーズの技よりもオムレツの消化不良のダメージが大きかったのだが…

 

「なっ…さけないわねえ。それでもダイビートの長官なのお?!

 立ちなさいよっ、まだ試したい技があるんだからっ!」

……。

 

(…あ、あれえっ…?

 な、なんか、今日の長官…)

 

 ぴくっ。…がくがくっ、ぶるぶるっ。

 

(もっといじめたら…どうなるんだろう…?)

 

 がばっ。

「ねえ…恥ずかしくない? あたしなんかに倒されて、中途半端な必殺技でのされてさあ?」

しゃがみ込み、ついに馬乗りになったトパーズ。

ハムスターのような愛嬌と外見で、敗残者を嬲り物にしてサディスティックに挑発を囁く。

「ぐっ…、…ううっ…!」

それでも、回復しない脳震盪と、敗北の悔しさに悶え、呻くばかりのトキサダ。

「あうっ…。」

 

 どきんっ!!

(や…やだっ…! ダメよ、トパーズ…!

 あんたは正義のヒーローでしょ…。

 弱きを助け、倒した相手にも手を差し伸べる、ヒーローなのよっ…!)

 

 ぴくんっ。ぐぐっ…がくっ。がくがくっ。

 

(!! …~~っっ!!)

 どくんっ! どきっ、どくんどくんどくんどくんっ…!!

(ああっ…ダメっ、いけないっ…!

 こんなの、正義じゃ、ないのにいっ…!!)

 

「悔しかったら立ちなさいよ。どうなの? ダメなのお?」

「ぐううう~~っ!!」

理性と裏腹に、口を突いて放たれる罵詈雑言。

その嗚咽が、敗北を刻まれたその五体が、勝者の加虐心をそそり勃たせるのか…!

 

 がくっ。

(はあっ…はああっ…ああっ…!)

 

 すっ…!

 

煌めく黄輝の超昂戦士は、無様な敗者の耳元に唇を寄せ…

 

 「ざあ~~~こ☆☆☆」

 

誇りをへし折る言霊を、烙印とばかりに囁くトパーズ。

そのまま立ち上がり、きびすを返してトレーニングルームを後にしたトパーズは、もうトキサダを振り返ることはなかった。

 

(……あああああああああああああ~~~っっっ!!!

 コレ絶対、明日思い出して悶えるヤツだあああ~~っっ!!)

 

トパーズは理解している。今の自分がどうかしているのを、理性では認めている。

それでも最後まで加虐心に身を委ね、トキサダをいたぶり抜いてしまった。

 

「…トパーズ?」

「ひゃ…ひゃひいいいいーーーーーっっ!!?」

「きゃあっ!」

変身も解かずにふらりと彷徨うトパーズをいぶかしんで、声を掛けたアカリ。

「し…知らないっ! 長官なんか、知らないんだからああーーーっ!!」

 

 だだだだだだだだっ!!

 

不意打ちにおののき、余計な言葉を残してトパーズは遁走した。

※なお、自室に戻ったうららは、ハムスター枕をかき抱き、ベッドで一晩中のたうち回ったらしい。

 

「…長官? 長官が、何か…?」

 

 ……!!

 

その後。

アカリはトレーニングルームで大の字に気絶するトキサダを発見。

哀れなことに、トパーズの必殺技研究のため、記録映像がバッチリ残っていた。

敗北シーンから言葉責めまで…トキサダの醜態はアカリに全てバレてしまったという。

 

……

 

「あ…あのっ、長官…?

 まだ私、エナジー、残ってますから。今日無理しなくても…Dチャージ、パスしても大丈夫ですよ…?」

(……。)

 

 ぎゅっ。

「アカリ…アカリっ…!」

「…長官…?」

 

全く良いところがない、天中殺の一日。

寄りにも寄って…今日のDチャージはアカリの番だった。

 

「くっ…ううっ…。」

(あ…長官…やっぱり…。)

 

いつもの繊細さが無い。

アカリを気遣い、呼吸を重ね、ときにアカリを導いて、昂ぶる瞬間を一緒に作る。

…いつもは、そんな強く温かいDチャージ。

だが今夜は…歩み寄りもいたわりも無く、どこかささくれ立つような荒削り。

むしろ、エリスとトパーズにもて遊ばれた悔しさをアカリの中に吐き出すような…独りよがりと八つ当たりをありありと含む、雑な動きばかり。

普通の女の子なら、突き飛ばされて部屋から追い出されても文句を言えない、無様なDチャージだった…。

 

だが、アカリは優しかった。優しすぎた。

(…ううん、いつもは私が長官に護られているんだ。

 今日くらいは、私が長官をリードしないと…!)

 

獣の欲望の受け皿でもいい。

砕けかけのプライドも、私が絆創膏になれるなら構わない。

…そんなアカリの献身をトキサダは知ってか知らずか、徐々にエスカレートし…

 

「ああっ…あんっ! あふっ、うくうっ…」

「ううっ…アカリ…、アカリっ…!」

「いいですよ、長官…。来て、ください…!」

 

 ずずっ…ぐぐっ…

「あっ…」

「…うううっ…ぐう…っ!!」

 

「…長官?」

 苦渋の表情は…狭路へ踏み込む痛みをこらえる、いつもの表情とは違い…!!

 

 「…おっ、おぶっ、ごぶっ…」

 (…えっ?)

 

 ごぼぼぼぼぼぼぼっ!

「おえええええっっ!!!」

 ぶしゃあああああーーーーっっっ!!!

 

 ばしゃしゃしゃしゃああああ…っ。

 

 ………。

 

何が起こったか、アカリは事態を飲み込むのに時間を要した。

 

オムレツはとっくに消化されていた。

だが、蓄積した肉体的ダメージと、失態を恥じる精神的ストレス。

そして、うまく主導権を握れないDチャージに焦り、ついにプレッシャーが限界を超えた。

 

アカリは汚された。

胃液、胆汁、膵液…ありとあらゆる消化液を頭のてっぺんから浴びてしまった。

つんと鼻を突く酸の匂いの中、虚を突かれたアカリは呆然自失。

 

 ふらあ……っ。(えっ…?)

 

 …どしゃっ。(………?)

 

トキサダが、アカリの胸に顔をうずめた。

…もとい、崩れ落ちた。

 

 ………!!

 

…………

……

 

「…うっ…!」

「あっ…起きましたか、長官サン。」

「…フェリニか…?」

メディカルルームのベッドに横にされ、治療を受けていた。

 

「ワタシ、『週刊ダイビートNEWS増刊号』次回放送の取材中だったんデス。

 毎週、いちばん輝いた超昂戦士を切り抜き配信!」

「ああ…同接数もアーカイブも順調に伸びているな。神州アマツに並ぶ日も近いな。」

「そしたら、長官サンが緊急搬送だっていうじゃないデスか!

 ルビーさん、全裸の長官サンをシーツでくるんで…」

 

……

 

 ぴいーーっ!!

「はい、ユーノよ。アカリちゃん…?」

《長官が倒れました! このまま治療室に運びますっ!!》

「えっ…トキサダが?」

《フラックスプロージョン・ビート・エヴォリューション!!》

「…って、アカリちゃん、ちょっと!?」

最強最速のアステライズフォームで、エスカ・ルビーは長官を救急搬送。

吐瀉物まみれになりながら、お姫様抱っこで基地の廊下を全速飛行した。

 

……

 

「そ…そうだったのか…」

「後でルビーさんにはお礼なりお詫びなり、しっかりスジを通してください。

 …ところで…」

(…?)

「次回増刊号、こんな見出しになっちゃいますよ…?」

「…? …ぶっ!!」

 

 【神騎エクシール、オムレツ大食い勝負で長官を撃退!】

  【長官も敵わない!? エスカ・トパーズ新必殺技への道!】

   【夜更けのご乱心! エスカ・ルビー、汚されても長官のために…!】

 

 がたがたがたがたがた…!

 

「長官サン…?」

フェリニのジト目は、エリス・トパーズの勝ち誇る目線とは一線を画する、幻滅のシグナル。

「ダイビート広報として…いや、ひとりの超昂戦士として、コレは抗議しマスよ!

 特に最後の! アカリさんは、絶不調の長官サンを絶対に気遣ったはずデス!

 それなのに長官サン、強引にDチャージして、あげく寝ゲロなんて…!

 こんなの…あまりにもかわいそうじゃないですか!」

 

 ばんっ!

 

手持ちの取材用バインダーを叩きつけ、潤む瞳で詰問するフェリニ。

トキサダは返す言葉も無く、俯くしか無かった。

 

「長官サン…。」

 すっ。(…?)

 

 突如立ち上がり、去り際、ベッドのトキサダを見下ろす目線から…

 

 「明日からしっかりしてくださいネ。

  今日の長官さん…とっっても、ダっサいですから。」

 

 がががあああんっ!

 

…ぱたん。

 

…………

……

 

 ぴんぽーん。

「…夜遅くにすまない。ひと言だけ伝えたかったんだ…。

 運んでくれて、ありがとう。お休み。」

《…長官。》

 

 居住棟の廊下は、緊急出動もない現在、常夜灯のみがぼんやり足下を照らす。

 インターホン越しにアカリへの感謝を、謝罪の思いを込めて伝えると…

 

 

 《あの…こういうのは、もう今日だけにして下さいね。あははっ…。

  …お願いします。》

 

  ぷつん。

 

……。

…………!!

 

(あっ…、ああっ…!!)

静けさの中、悔恨が渦巻く。

 

扉を開けてもらえなかった。

インターホンを、アカリから切られた。

 

これだけなら、ただの塩対応。

でも、アカリは誰にも優しく、決して怒らない超昂戦士。

そんなアカリの塩対応は、彼女の最大級の拒絶のようで…!!

 

 …がくっ。

「…うっ。…ううっ…。

 ……~~~~~!!!」

 

トキサダは力なく崩れ落ち、今日という日をやり直せないことを、激しく呪うばかりだった。

【End.】




作者の環藍河です。最近はネットラジオ「アリスソフト放送局」でちょくちょく採用をいただいております(2024年9月現在、放送6回中3回)。
ルビー推しすぎ常連サンとして、他の方の熱い投稿を遮らない程度に今後も投稿を続けます。
さて、リアルイベント「超昂大戦生アフレコ」に弾丸ツアーで参加しました!…が、その際「超昂戦士に心をえぐる酷いひと言を言わせて、参加したトキサダたちをドキドキさせよう!」という企画がありました。
エリス・うらら・フェリニがそれぞれSDDDを25%ずつチャージする中、最後の満タンチャージを務めたアカリは「あまりひどいことを言わない方が、かえって彼女らしくてドキドキする」というディレクションがありまして…。
それをアカリ推しすぎ環さんが解釈してできたのが、こちらのSSであります。
解釈違いでしたら申し訳ありませんが、当日の昂奮の片鱗が、あの日あの場に僕と一緒にいた方にも、そうでない超昂大戦ファン・アリスソフトファンにも伝わりますように…!!

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