ありがたいことに、スレッド内で様々な方々に応援や閲覧をして頂き、リアルタイムで最後まで書きあげることができた作品でした。二次創作の文章作成は初めてながら、とても楽しく充実した時間を過ごすことが出来て、個人的にも嬉しい創作時間となりました。
この作品を作り上げるにあたり、スレッドを最初に立ててくださった方。
スレッド内にネタを書いたり、応援したりしてくれた方々。
最後まで閲覧し、絶賛してくれた方々。
色んな人がいて、作品というのは出来上がっていくんだなぁと改めてしみじみ思った次第です。
上記の方々を含む、この作品に関連した皆様方に感謝を。
ありがとうございます!
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前置きはこの辺にして、本編に入りましょうか。
この作品の主人公は、トリニティ自警団のスーパースターこと、宇沢レイサ。通常世界では、杏山カズサを筆頭に放課後スイーツ部の面々と交流してますね。
ただし──この作品では、もう一人の宇沢レイサが主軸となります。
それは──滅びを迎えた世界から来た、平行世界の宇沢レイサ。
通称『レイサ・スター』のお話になります。
また、書いていた当初、自分はまだ最終編を見ていない関係上、テラーなども含めての一部描写は、ブルーアーカイブ作品に対する独自解釈が混ざっております。ご了承ください。
それを踏まえたうえで、ご覧いただければと思います。
それでは、SSをお楽しみくださいませ。
──死にそうなほど、死ぬ気で戦った。
終わりの見えた世界、息絶えてしまった先生。
彼から頼まれたお願いを、私は聞き届けた。
私という聖剣の元、多くの人々を助けようと戦った。
しかし、救えなかった人も多かった。──長い付き合いだった、『彼女』もまた。
それでも、足掻いて、足掻いて、足掻いて──お願いを果たし続けたその先で、途切れた私の視界。
それが次に開けた時に見えたのは──青空の元、太陽の差す世界だった。
妙だ。
この風景を、私は暫く知らないはずだ。
もっと空は、赤く澱んでいたはずなのに──なのに。私は、この景色を知っている。
「…はは。お迎えが、来てくれたんでしょうかね・・・?それも『あの世』という世界の方からとは」
そう思って起き上がり──ふらふらと立ち上がる。頭の中では、さっきまで知らない声がガンガンと反響しており、まともな思考が上手くできずにいた。
「あれ、頭のヘイローが…こんなんでしたっけ?…まぁ、ここがどこかに比べれば、そんな些細なことは──」
──思考が、止まる。広がる景色に、目を奪われた。
あれほどまでに焦がれた、平和なトリニティの日常風景が──そこにあったのだから。
街の騒めき、人々の談笑。あと、時々聞こえるコミカルな銃声や爆発音。
随分と、懐かしい風景だ。
懐かしいものにしたくなかった、そんな風景だ。
──あぁ、成る程。そうか。そうなのか。
ここは──私の知るトリニティ。
そして──私の知らないトリニティ。
「・・・戦い抜いた挙句、辿り着いたのは──平行世界、ですか。神様も、粋な悪戯をするものですね」
服のほこりをぱんぱんと叩き、世界を一瞥する。
そして──見つける。
あぁ──『彼女』も、笑っているのがちらりと見えた。
「・・・杏山、カズサ・・・」
声をかけたくなって──その横を見て。
私は、この世界が『平行世界』だという確証を、得てしまった。
「・・・あ・・・」
私。
独りぼっちじゃない、私。
『彼女』と、彼女の側にいた3人の友達と一緒に笑っている、私。
その私が──そこに、もう一人。
──私の知らないその景色が、私の独りぼっちを、残酷に告げた。
「・・・はは。ここでは──そうなれたんですね、私は」
少し嬉しくなって、かなり寂しくなって。
ポツリと一つこぼした涙と引き換えに──それを無理やり振り払うように、私は彼女らに背を向けた。
そして考える。この世界も、恐らくは同じ脅威を迎えるだろう。それを知ってるのは、この世界の先生か、或いは──私か。
「・・・先生。あなたのお願いは──まだ、続いているんでしょうね」
この世界もまた、きっと救いを必要とするだろう。その時に、私はきっと必要だ。みんなの迷いを導き、誰もが見上げ、道しるべとする北極星。星の輝きは──遥か昔から、人々には必要だったから。
失ったものを数えている場合じゃないと、私は前を向く。一つ深呼吸して──決意を、固めた。
「私の世界は、残念ながら、ご期待に沿うことはできませんでしたが──私がここに来たのも、きっと運命でしょう。ならば──約束の続きを、果たしに行きましょう」
「このトリニティのスーパースター、宇沢レイサが!この素晴らしき世界を丸ごと、救ってみせましょう!」
「それが、あなたとの約束ですから──ですよね、『先生』?」
それから先は、無我夢中に駆け抜けた日々だった。
目についた、困っている人々のピンチヒッターとなり、悪事を働くものは見逃さない。だけどそれでも、優しさと思いやりは忘れずに。
いつしか私は、「救いの流れ星」として、「ポラリス」だなんて呼ばれ始めた。
「ポラリスですかぁ・・・なんだか、どこぞの誰かの『キャスパリーグ』みたいですね。まぁ、カッコいいから良しとしましょう!」
とか思いながら、独りぼっちの自警団は続く。それでも危機を乗り越えるには、沢山の人同士が、手をつなぐことが必要不可欠だ。
そこに私はいなくとも。導き手にだけ、私はなればいい。そもそも、私はこの世界の住人じゃないですし。
前にもまして、私は人々の間に立って、干渉や仲介をするようになった。無論、正体がバレないように努めたのだが、ただまぁ──やっぱり難しかったようで。
杏山カズサを筆頭に、色んな人に私の存在はバレてしまって──混乱はやはり引き起こされてしまった。
だけど、彼らも私を受け入れてくれて、図らずも私は照れくさく笑った。私がいた世界では、本音で話せるようになってましたから──隠し事が下手になったのかもしれませんね。
でも、それならそれで良いでしょう、ヒーローとは楽しく、明るく、朗らかでなければ!
この世界中の人と手をつないで、あんな危機なんか一捻りにしてしまえば、きっと──
だなんて。
「────────なんで」
外から来た存在一つで、世界の運命というのは、簡単には変わらない。
世界には、辿り着く『終わり』までの、修正力というものが存在する。酷く強靭で、それでいて柔軟。
私一人の介入で──変わることは無かった。
「また、こうなってしまった、とでもいうんですか」
愕然とする頭の中。黒く光沢が増すヘイロー。
彼女が遺してくれた、ボロボロのジャージの裾を、震える手で握りしめる。
「───ごめん、なさい、先生───いや、まだです。まだ、この世界はまだおわってなど──」
そこで再び途切れた、私の視界。
それが次に開けた時に見えたのは──
青空の元、太陽の差す世界だった。
「──え?」
まさか。いや、そのまさかだった。
私の神秘って──まさか。
==========
Game Over
▶CONTINUE
END
==========
星。
人々の上で輝くそれは、いつだって私にとっての指標であり、希望の象徴だと思っていた。
調べて分かった。遥か昔では、星は希望どころか──凶兆として見られていたと。
つまり、流れ者の私は──私は、この世界では──
「──そんな冗談、信じませんよ。絶対に」
黒くなったヘイローが、再び光を増す。どうやら、一つの世界を越える度、黒の色が増していくようだ。まるで、「お前が救いたいんじゃない、お前が救われたいんじゃないか」と言わんばかりに。
うるさい、知っていますよそんなこと。私を救えるのは私だけだし、この世界を救えるのも私だけです。
はぐれモノの私が来たから、この世界が滅びる?言いがかりもほどほどにしてくださいよ。またあなたは、そうして私が救いたかったものすべてを奪う気ですか。
「そうですか──分かりました。あなたという『世界』がそう言うなら。
私から、あなたに『挑戦状』を。これは、私なりの証明です。お願いを──守ってみせましょう。えぇ──今度こそ、は」
今度は、ひたすら影に徹することにした。もし本当に、世界を救いたいなら──甘さは捨てなくては。誰かと手をつなぐ間に、裏では滅びへの道が進んでいる。止まっている暇はない。ヒーローに休みは無いのだと、改めて自覚する。
同じ自警団だったスズミさん、杏山カズサや放課後スイーツ部のみんな、先生──親しい者とは、全くコネクションを取らないことにした。バレて、よりを戻せば──私はまたきっと、みんなに甘えてしまうから。
その時間や余裕なんて、私には無いのだと。愛銃を片手に、走って、走って、走って──
足掻いた結果は、同じ結末だった。
「──────嘘、ですよね」
一つ滅びの筋を断ち切っても。別の滅びの修復線が、やってくる。
それを、切って、切って、また切って。
切り続けて──押し寄せた波に、身体を取られてしまった。
みんなでやっても、駄目。
独りでやっても、駄目。
そして、世界が言う。
『この世界を実験台に、救い方を試してみて、結末はどうだ?』と。
「────ふざ、けるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
滅びのすぐそばに迫った世界で、私は手に持った武器を地面にたたきつけた。
「諦めない、諦めるもんですかッ!私たちをなんだと思ってるんですかッ!?そんなにも、私の大事な人を殺したいんですか!?ただ流れ着た先で、破滅を見てろと!?
ふざけんのも、大概にしてくださいよッ・・・!!!」
所かまわず、辺りを蹴り飛ばす。
大事な人は、また死んでいく。
どれだけ手を尽くしても、また無常に離れていく。
ここが私の世界じゃなくても、私を知らない誰かだとしても──私が守りたかった人々なのに。
==========
Game Over
▶CONTINUE
END
==========
そこでまたもや途切れた、私の視界。
それが次に開けた時に見えたのは──
青空の元、太陽の差す世界だった。
頭の上から、金属音が脳内で反響するような、嫌な音がする。
頭痛がひどい。ずきずきと痛む脳内で、小さな虫がのた打ち回っている気がした。
堪らず走り出した先の、店の窓を見て──背筋が凍る。
「ヘイローに──罅が──」
黒いヘイローが、割れ始めていた。
そうだ、戦いに明け暮れ、限界なんてとっくに超えた時点で忘れかけていた。
人の能力には、限界がある。エネルギーには、限度がある。
ゲームの続行には──次のコインが必要だ。
この神秘が、無制限ではなく──自分を削ることによる、制限型だとしたら──
「──あと、どれだけ。戦えるんですか──私は」
まだだ。
まだ──残っている。
足掻かないと。先生とのお願いを──
『約束』を──果たさないと。
彗星は、流れる。
世界を、渡る。
星に近づき、星と邂逅して──スイングバイをしながら──次の星へと渡る。
終わる星々を巡り巡る。また駄目だったと、悲しみと悔しさを押し殺し、サヨナラの先へと進む。
さながらそれは、見果てぬ目的地へと流浪を繰り広げる、開拓者でもあり、宇宙探査機のようでもあったかもしれない。
XXXX/XX/XX、通信続行。
彗星は未だ枯れず。
救いたい、救われたいと、独り寂しく応答を願う。
周回軌道のその先、スーパーノヴァから放たれて。
壊れかけた黒い身体を、無理やりにでも軌道に乗せて──
その果てに──ある星へと、不時着した。
その星は──かつて彼女が打ち上げられた、あの星と──瓜二つだった。
────そんな、星の中にて。