-全体視点-
そして、杏山カズサもまた──その流れに、加わろうとしていた。
暴動を起こそうとする人々を抑える面々の元に、彼女もまた到着した。
「ごめん、待たせた!まだ間に合う!?」
「あぁもう、こいつらしつこいのよ!?全然話聞いてくれないし!」
「・・・全く、ここまで来ると烏合の衆と言わざるを得ないな」
「お願いカズサちゃん、レイサちゃんが独りで頑張ってる!」
「レイサさんから言伝を預かっております。ここは私たちに任せて、彼女の方へ!」
「分かった。ミネ団長、スズミさん、みんな、もう少し堪えて!もうすぐ先生も来る、あとは私たちが何とかする!」
「「「「「任せ(まし)た!!!」」」」」
-宇沢レイサ視点-
高揚と、衝動。
神秘と、冷気。
辺りは、転がった薬莢の音が絶え間なく響き、地面にはその痕が無数に広がる。
「・・・ゲホッ・・・成る程、幾重もの世界線を渡り歩いた私ですか・・・道理で、強いわけですね・・・」
リロードしようと、次の弾に手を伸ばし──無いことに気づく。
その時、向こうはすでに、銃口をこちらに構えていた。
「──やれやれ、平和ボケ、とでも言うんですか・・・?」
『笏?笏?縺昴≧縺ゅl縺溘i縲∫ァ√b縺ゥ繧後□縺題憶縺九▲縺溘→諤昴▲縺ヲ縺セ縺吶?』
「そう、ですか・・・でしょうね」
相手の銃のトリガーに、指が触れる。放たれたショットガンの散弾は──跳んできた残骸に、防がれた。
『??シ』
「…やっと、来ましたね・・・遅いですよ──杏山カズサ」
そうして、崩れ落ちそうになった体を──杏山カズサは、ゆっくりと支えて、地面に横たわらせてくれた。
結果的に、私は消えゆく意識の中で──彼女の後ろ姿を、じっと見ていた。
「やるじゃん、宇沢──んじゃ、そこで休んどいて。こっから交代」
-杏山カズサ視点-
『窶ヲ譚丞アア繧ォ繧コ繧オ縲ゅd縺ッ繧翫?√≠縺ェ縺溘′譚・繧九s縺ァ縺吶?縲』
「・・・私もだけど・・・ほら、もう一人」
『??シ』
「やぁ、レイサ。君にとっては──いつぶり、だろうね」
そこで私は、先生と一緒に、『アウストラリス』──別世界の宇沢レイサと、対峙するように立った。
「全く──あんたはいつもそうだよ。人助けだ何だと街中を翻弄する割に、自分のことになった途端無頓着。典型的な、他人を頼れない駄目ヒーロー。ちょっとは自覚持ったら?」
『窶ヲ縺ゅ↑縺溘↓縲∽ス輔′蛻?°繧九s縺ァ縺吶°縲る?シ縺」縺ヲ繧ゅ?∝勧縺代r蜻シ繧薙〒繧ゅ?ゅ←縺?@繧医≧繧ゅ↑縺九▲縺滂シ∽ス輔b螟峨o繧峨↑縺九▲縺溘ャ??シ?シ
邨仙ア?迢ャ繧翫⊂縺」縺。縺ァ謌ヲ縺?@縺九↑縺九▲縺溘s縺ァ縺吶h??シ?シ√§繧?↑縺?→笏?笏?』
「──随分と言ってくれるじゃん。じゃあ、あんたは──この世界の私たちに、ちゃんと助けを読んでから、試さなかったわけ?」
『??シ』
「一回こっきり、『みんなでやろうとして、失敗しました。はい、ちゃんちゃん』って。あんたね、スーパースターだなんだと言ってるけど──そんなことで、人間不信になってちゃ、元も子もないっての。──ちゃんと試しなよ。そんくらい、私たちされても、何も問題ないって」
「ごめんね、レイサ。この件に関しては──カズサの、言う通りかもしれない。君は、独りに慣れすぎてしまったんだ。──君は、みんなと一緒にいるべきだよ」
『笏?笏?縺?≠縺ゅ≠縺√=縺√=縺√=縺」??シ』
「・・・やっと、ガキっぽくなったね。さぁ──いつまでそこでうだうだしてんのさ!本当は自分でも分かってるんでしょ、あんたも自分はもう限界だって!──もういいって、私があんたに言ってあげるから。まずは──落ち着きなよ、宇沢。
宇沢、レイサ」
「それまでは…付き合ったげる。こうなったら、私もとことんやるからね。──『キャスパリーグ』の本気、見せてあげる。先生──指揮を、お願い」
「あぁ──彼女の抱えた全てを、受け止めよう」
「──はい!」
先生の指揮のもと、私と宇沢の──最終決戦の、幕が上がった。
傷と、傷。
弾と、弾。
救いと、救い。
願いと、願い。
同じようで違う、違うようで同じ。
どっちが正しいかなんてない、意地と意地の張り合い。
そう、それは──あの頃と同じ。
中学の頃の、私たち。
喧嘩に明け暮れ、幼稚な高揚感に包まれては吠えた獣と。
それを打ち負かさんと鍛錬を積んだ、負けん気なナイト。
さぁ、思い出そう。疲労と痛みの中で、どこからか湧き上がる快楽と一緒に。
私たちのデュオは、ダンスは──互いがないと成り立たない。
「さぁ、全部ぶつけなよ、宇沢!
その全部ひっくるめて、受け止めてやるからさ、今だけは!」
そしてその勝負は──物騒で派手な、執念と執着の舞台の幕は、彼女の正体の顕現によって、幕を閉じた。