レイサ*スター放浪記   作:GGenbuu

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【8(Fin)】

「・・・宇沢ッ!」

ゆっくりと、目を醒ます。顔に浮かんだ玉のような汗を拭いながら、彼女──レイサ*スターは、友達と先生の顔を見上げる。

「・・・ははッ」

憑き物が落ちたような顔から、零れた笑顔は。彼女の旅路が、無事に終わったことを告げてくれた。

それと同時に──弾けるような、歓喜の声が上がる。

 

抱き合って喜ぶ、ヨシミとアイリ。

つられてジト目のまま、万歳をするナツ。

『流石私ですね』と言わんばかりの、もう一人の私。

優しくこちらを見守るスズミ。

同じく、私の側で並んで笑う先生。

 

そして──

『お帰り、宇沢。待ってたよ』

そう言って微笑む、杏山カズサ。

 

「──えぇ。只今、戻りました。宇沢レイサ、帰還いたしました」

その微笑みと一緒に──私も、屈託のない笑顔で、笑った。

笑うことが、できたのだった。

 

 

 

 

それから、一週間後の風景。

今から垣間見るのは、彼らが至った世界の姿である──

 

 

「いましたね・・・見つけましたよ、杏山カズサァ!今日という今日こそ、決着をつけてやりますよォ!」

「だから!あんたは!!いい加減!!!話を聞けって言ってんの宇沢ァ!!!!」

 

「さぁ!行きますよ杏山カズサ!あれは開発済みですよね、放課後スイーツ部の偉大なる研究員!」

「ふむ、勿論。最新鋭の技術を結集させてできた人智の結晶。それがこのドライバーだ」

「いやどうみてもおもちゃのベルトなんですけど!?」

「うぉ~~~~変身だぁ!」

「あんたたちまとめて、後で覚えてなさいよ・・・!」

 

 

そんな、どこかの世界でも、繰り広げられていた会話が。

だけど──その『世界』は、違った。

真昼の空に──彗星は、人となったのだから。

 

「はぁ・・・全く、こっちの私は元気ですねぇ・・・」

「あ、やっときたわね!レイス(レイサ*スターの略称らしい)、あんたこいつどうにかしなさいよ!!!」

「そうですね・・・そんな風に、挑戦状を乱暴に渡しながら、杏山カズサに宣戦布告するものではないですよ──」

 

そうして彼女は、レイサ*スターは、宇沢レイサの肩に、ポンと手を置き──

 

懐から、挑戦状を出した。

 

「──は?」

 

「相手がちゃんと受諾するまで、待つのが礼儀でしょう。挑戦状は──このように渡すんです」

そう、レイサ*スターは──この世界の宇沢レイサとは、全く違う様相だった。

一言で言えば、紳士──ジェントルマンのような風貌。

 

黒い燕尾服を鮮やかに着こなし、手には綺麗な白手袋。

言うなれば──ちょっと男装のそれに近く、人によっては見惚れてしまいそうだ。

 

まぁ、今その彼女が挑戦状を懐から出してるわけなのだが。

「そういうわけで、杏山カズサ──挑戦を受けて頂きましょうか?」

 

 

 

 

「~~~~~~~~~ッ~~~~~」

「やっぱこいつ宇沢だわ!!!!!!」

 

 

「こういう所は、やっぱこいつ変わんないわね!」

「ひゃぁ~いつ見ても似合うなぁ」

「うむ。男装イケメン女子は、ある者たちにとってはまさにご褒美」

 

 

「あんたたち!!!

まとめて!!!!

後でぶっ飛ばすッ!!!!!」

 

・・・と。

もしかしたら、想像とは違ったものになったかもしれないが。

しかし、彼女は。この世界は。恐らくは、もう大丈夫だろう。

もう彼女は、独りになることはない。独りに、なろうとはしない。

きっとみんなで──この世界という『居場所』を、勝ち取っていくのだろうから。

 

 

そう、つまるところは──

 

「私たちの戦いは、これからだ!!!」

「いやナレーションを奪うな!メタいわ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───それじゃ、バイバイ。

頑張ってね──レイサ。

 

私たちの、スーパースター。

 

 

Fin.

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