タイトル通りです。主人公とショタは別です。観賞用にリアルで純ドラメ組んだので記念にGPTに作ってもらいました。

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ほぼチャットGPT生成です


寝取らせ?

病室に入院してから、しばらくの時間が流れた。足の骨を折った自分にとって、病院生活は退屈そのものだった。スマホを弄るか、ベッドで読書をするか、そんな単調な日々の中で、相部屋の少年――10歳くらいの男の子と出会ったのは偶然だった。

 

 

 

その子は、名前を「タクヤ」と言った。お互いに特に話すこともなく、最初の数日はそれぞれの静かな時間を過ごしていた。ある日、タクヤが何やらタブレットでゲームをしているのを目にした。見たことのある画面。「遊戯王マスターデュエル」だ。

 

 

 

「お、君も遊戯王やってるのか?」

 

 

 

思わず声をかけてしまった。彼は少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに笑顔を見せた。

 

 

 

「うん。好きなんだ。お兄さんも?」

 

 

 

「まぁな。昔からやってるよ。最近はやれてないけど、遊戯王は今でも好きだな」

 

 

 

それが、俺たちの会話の始まりだった。タクヤと俺は、遊戯王の話をきっかけに少しずつ距離を縮めていった。病院という閉ざされた空間の中で、カードゲームという共通の趣味があるのは救いだった。

 

 

 

タクヤが使っているデッキは、「ドラゴンメイド」というテーマデッキだった。メイド姿のモンスターがドラゴンに変身するという少し変わったデッキで、可愛らしいキャラクターが多い。俺は、そのギャップを面白く感じつつも、どうしてこんなデッキを選んでいるのかが気になった。

 

 

 

ある日、俺はからかうように聞いてみた。

 

 

 

「なぁ、タクヤ。どうしてそんなメイドが出てくるデッキを使ってるんだ?もっとカッコいいドラゴンとか、強いデッキがあるだろ?」

 

 

 

タクヤはしばらく黙った後、少し戸惑ったように答えた。

 

 

 

「…お母さんに似てるから、かな」

 

 

 

その言葉が、予想外すぎて、俺は一瞬言葉を失った。

 

 

 

「え、どういうこと?」

 

 

 

「『ドラゴンメイド・ハスキー』って知ってる?そのカード、すごく強いしカッコいいんだけど…黒髪で、眼鏡をかけてて、お母さんみたいなんだ。背が高くて、賢そうで…お母さん、病気になる前はそんな感じだったんだ」

 

 

 

タクヤの声には、どこか切なさが滲んでいた。俺は、何も言えなかった。軽く尋ねたつもりだったが、そこには彼の深い想いが隠されていたのだ。

 

 

 

「お母さん、最近はもうお見舞いに来ないんだ。前は毎日のように来てくれてたんだけど、最近は全然…。転院することが決まってから、来なくなったんだ」

 

 

 

タクヤは、少しの間俯いていた。俺はその言葉にどう反応すべきか分からず、ただ黙って彼の話を聞くことしかできなかった。

 

 

 

「お医者さんは、もう長くないって言ってるんだ。だから、たぶん…お母さん、ぼくのことを諦めちゃったのかな。でも、ハスキーを見てると、お母さんが近くにいるみたいな気がするんだよ。だから、このデッキを使ってる」

 

 

 

彼の言葉は重く、そして痛々しいものだった。俺はそれまでの軽い会話が急に現実の重みを帯びてきたことに戸惑い、何も返せなかった。ただ、無力感が胸に広がるのを感じていた。

 

 

 

「そっか…」

 

 

 

それだけしか言えなかった。どうしようもない現実を前に、言葉が見つからない。タクヤが抱える重さに対して、俺は何もできない。ただ、彼が今ここにいること、その話をしてくれたことを、無言で受け止めるしかなかった。

 

 

 

その日から、タクヤとの遊戯王バトルには違った意味が込められているように感じた。彼の使う「ドラゴンメイド・ハスキー」は、ただのカードではなく、彼の心の中でお母さんを思い出す象徴だったのだろう。俺はそんな彼のデッキを真剣に受け止め、できる限り彼との時間を大切にすることにした。

 

 

 

やがて、タクヤの転院の日が近づいてきた。彼はいつものように笑顔で遊んでいたが、その後ろに隠された不安と悲しみを、俺は見逃さなかった。

 

 

 

「また、遊べるよな?」

 

 

 

そう問いかけると、タクヤは少し寂しそうに微笑んだ。

 

 

 

「うん、またね」

 

 

 

その言葉が最後の約束となった。彼が去った後、病室には静けさが戻った。けれど、俺の胸にはタクヤの言葉と、「ドラゴンメイド・ハスキー」の凛とした姿が深く刻まれていた。

 

 

 

彼にとっての「ハスキー」は、決してただのカードではなかった。

 

 

 

 

 

 

病室にいるタクヤと遊ぶ日々が続いていた。彼の「ドラゴンメイド」デッキと自分の使うデッキで、毎日病院の中で小さなデュエルが繰り広げられていた。

 

 

 

彼の使用デッキリストを見せてもらうと、【純ドラゴンメイド】【征竜深淵の獣ドラゴンメイド】【ホルスドラゴンメイド】【闇光龍ドラゴンメイド】【青眼ドラゴンメイド】とどれもこれもドラゴンメイドばかり。「ドラゴンメイド」は出はじめはまだしも今では多少型落ちでカードパワーの足りないテーマであるが、タクヤはあの手この手の混成デッキでどうにか使いこなそうとしているようだ。実情を知ると涙ぐましいものがある。

 

 

 

「あれ、【エルドリッチ】に【覇王EM魔術師】、【ユベルホルス】もあるじゃん」

 

 

 

「……それはデイリーミッション用だから使いたくないの」

 

 

 

「お……おう……」

 

 

 

俺は彼にキッとにらまれる。

 

タクヤは本当にこだわりが強い。

 

 

 

遊戯王が好きなタクヤは、いつも真剣な表情でカードを手にしていたが、その背後には、彼が抱えている重い現実が隠されているのを知っていた。

 

 

 

タクヤが「ドラゴンメイド・ハスキー」にお母さんの面影を見ていると知った時、俺は何も言えなかった。ただ、それを心の中で大事に思っている彼の気持ちを尊重したかった。それ以来、俺は彼とのデュエルを特別なものだと思いながら過ごしていた。

 

 

 

だが、ある日、タクヤが転院するという話を聞いた。いつも通り、タクヤは平然と振る舞っていたが、俺はその裏にある寂しさを感じ取っていた。時間が限られているのを悟り、俺はふと思い出したことがあった。

 

 

 

「そうだ…俺、昔『ドラゴンメイド』のデッキ持ってたっけ」

 

 

 

あのデッキは今、自宅のどこかに眠っているはずだった。タクヤが使っているデジタル版の「ドラゴンメイド」とは違い、実際にカードとして存在する紙のデッキだ。それも、公式スリーブに入った「純ドラゴンメイドデッキ」。久しく使っていなかったが、それを思い出した瞬間、俺は無性にタクヤにそのデッキを譲りたいという気持ちに駆られた。

 

 

 

彼にとって「ドラゴンメイド」は、単なるゲームやカードの枠を超えて、母親との繋がりを感じる特別な存在だ。だからこそ、彼が病院を去る前に、何か形に残るものを渡したい。そう考えた俺は、すぐに家族に連絡を取った。

 

 

 

「お母さん、お願いがあるんだけど、俺の部屋の棚の上の方に、昔使ってたカードデッキがあるんだ。『ドラゴンメイド』って書いてあるやつ。それを病院に送ってくれない?」

 

 

 

母親は少し不思議そうにしていたが、事情を簡単に話すとすぐに承諾してくれた。数日後、俺の手元に懐かしいデッキが届いた。(……ついでにR18のおねショタ同人誌が見つかったので隠しといたと言われた)封を開けると、そこには黒髪の「ドラゴンメイド・ハスキー」を始めとしたドラゴンメイドのカードたちが整然と並んでいた。カードは、思ったよりもきれいな状態のままで、俺はそっとそれらを眺めた。

 

 

 

「これ、タクヤに渡したら喜ぶかな…」

 

 

 

そう思いながら、俺は次の日、病室にデッキを持ち込んだ。タクヤはいつも通り、ベッドに座りながら遊戯王MDをしていた。

 

 

 

「タクヤ、ちょっといいか?」

 

 

 

俺はそのままデッキを取り出し、タクヤに手渡した。彼は一瞬キョトンとした顔をしたが、デッキの表面に描かれた公式スリーブを見た瞬間、その目が大きく開いた。

 

 

 

「これ…『ドラゴンメイド』のデッキ…?」

 

 

 

「うん、俺が昔使ってた紙のデッキだよ。タクヤ、これお前にやるよ。お前が『ドラゴンメイド』を大事にしてるの知ってるし、これは俺が持ってるより、お前が持ってたほうがいい気がするんだ」

 

 

 

タクヤは驚いた顔をしながら、そっとデッキを受け取った。彼の手が、ゆっくりとカードの上を滑らせていくのを見て、俺は何とも言えない満足感を感じた。

 

 

 

「…本当に、いいの?これ、お兄さんの大切なデッキなんじゃないの?」

 

 

 

タクヤが心配そうに顔を上げる。俺は笑って首を振った。

 

 

 

「俺にとっても大切だったけど、もう観賞用以外に使い道ないからな」

 

 

 

タクヤはしばらくデッキを見つめた後、涙を浮かべながら「ありがとう」と小さな声で呟いた。彼がそのデッキをどれだけ大切に思っているかが、その一言に詰まっていた。

 

 

 

その後、俺たちは紙のカードを使って、久々にリアルなデュエルを楽しんだ。ウチの母さんが気を利かせて別の紙のデッキも持ってきてくれたのだ。タクヤは慎重にカードをプレイし、笑顔で「ドラゴンメイド・ハスキー」を召喚してきた。彼の目は真剣そのものだったが、そこには確かに幸せが見えた。

 

 

 

タクヤが転院するその日まで、俺たちは何度もデュエルを楽しんだ。彼は紙のデッキを本当に大事に扱い、毎日それを使って自分の好きな「ドラゴンメイド」と向き合っていた。

 

 

 

そして、タクヤが病院を去る日。彼はデッキを手に握りしめ、俺に最後の笑顔を向けてくれた。

 

 

 

「お兄さん、本当にありがとう。このデッキ、ずっと大事にするよ」

 

 

 

俺はそれを聞いて、少し照れくさそうに笑った。

 

彼の「ずっと」がそう長くないことを想うと少し切ない。

 

 

 

「またいつか、どこかでデュエルしような。MDでフレンド登録もしたんだし」

 

 

 

タクヤは元気よく頷いて、病院を後にした。彼が去った後の病室は、いつもより少し広く感じた。でも、俺の胸には、タクヤが喜んでくれたこと、そのデッキが彼の手に渡ったことが、確かな温かさとして残っていた。

 

 

 

彼の手に渡った「ドラゴンメイド」デッキが、いつまでも彼のそばで、彼を支えてくれることを願いながら、俺は布団にくるまり……盛大にふて寝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

退院してから数か月が経ったある夜、俺は不思議な夢を見た。

 

 

 

目の前には、現実離れしたメルヘンチックな世界が広がっていた。豪奢な屋敷、古風な家具、窓から差し込む柔らかな光。すべてがどこか幻想的で、まるで童話の中に迷い込んだようだった。その中心には、タクヤがいた。

 

 

 

タクヤは豪華な椅子に座り、あの「ドラゴンメイド」たちに囲まれていた。彼は夢の中で、無邪気に笑いながら手元のタブレットを見つめ、「遊戯王マスターデュエル」で真剣にデュエルの戦略を練っている。彼の周りでは、ドラゴンメイドたちが目を輝かせ、タクヤを取り囲んでいる。少し紅潮した顔、興奮気味の微笑み。彼女たちは、まるで宝物を守るようにタクヤに寄り添い、その身体に触れたり、さりげなく寄りかかったりしていた。

 

 

 

「タクヤ様、カードの勉強は順調ですか?」

 

「こちらの【天盃ドラゴンメイド】デッキの構築はどうなさいますか? きっと素晴らしいプレイができるはずですわ」

 

 

 

メイドたちは、まるで母親が子供を褒めそやすように、タクヤに話しかけている。ティルルやパルラは特に熱心で、しきりにタクヤにお菓子を差し出したり、肩に手を添えたりと、彼を甘やかすことに夢中になっていた。彼が真剣にカードを持つその小さな手に、ティルルはそっと手を添えて微笑み、パルラははきはきとアドバイスを送りながら、嬉しそうに彼を見守っている。

 

 

 

「タクヤ様、素敵です…もう少しだけお菓子を召し上がってください」

 

 

 

そんな幸せそうなタクヤの姿を見て、俺は胸に何とも言えない感情が湧き上がってくるのを感じていた。喜ぶべきなのか、嫉妬すべきなのか、判断がつかない。タクヤがこんなに愛され、メイドたちに甘やかされているのを見ると、俺はまるで何かを失ったかのような、微妙な喪失感を感じた。タクヤは俺の目の前にいるのに、まるで手の届かない別の世界に住んでいるようだった。

 

 

 

その時、不意に背後から声がした。

 

 

 

「あら、ごきげんよう、『元』マスター」

 

 

 

振り返ると、そこには「ドラゴンメイド・ハスキー」が立っていた。彼女は長い黒髪を揺らし、理知的な瞳で俺を見つめている。その表情には、どこか満足げな微笑みが浮かんでいた。

 

 

 

「あなたがここに招かれたのは、タクヤ様のおかげですわ。彼が亡くなった時、あなたから譲られた紙のデッキと、彼の深い愛情が依り代となり、タクヤ様はこの精霊の世界にたどり着きました。彼の魂はここで永遠に私たちと過ごし、私たちはそのことに心から感謝しています」

 

 

 

俺は、ハスキーの言葉に息を呑んだ。タクヤがここで生き続けているということは、つまり…彼がもう現実には戻れない存在であるということを示していた。それでも、タクヤがここで幸せに暮らしているのを見ると、何とも言えない安堵感があった。だが同時に、タクヤがこの夢のような世界でメイドたちに囲まれ、甘やかされ続けている様子に、俺はどこか複雑な感情を抱いていた。

 

 

 

タクヤがメイドたちに囲まれて、楽しそうにカードをいじりながら笑っている姿を見ていると、俺の胸に一瞬、温かさと共に妙な寂しさが広がった。彼は明るく、無邪気にメイドたちの声に応じている。だが、その笑顔は、俺に向けられることはない。まるで、俺の存在には気づいていないかのようだった。

 

 

 

「なあ…タクヤは俺のこと、見えてないのか?」

 

俺は少し戸惑いながら、隣に立つ「ドラゴンメイド・ハスキー」に問いかけた。

 

 

 

ハスキーは、ゆっくりと俺に目を向け、いつもの穏やかな笑みを浮かべた。彼女は軽くため息をつき、静かな声で答えた。

 

 

 

「そうですわ、タクヤ様は今や、私たちと同じ精霊の世界にいらっしゃいます。彼の魂はここで永遠に安らいでいますが、あなた――生者である『元』マスターとの交わりは、もう叶わないのです」

 

 

 

その言葉を聞いて、俺の心にズシンと重い現実がのしかかってきた。ハスキーは一瞬も目を逸らさず、俺の反応を見守りながら続けた。

 

 

 

「ここは精霊の世界です。そしてタクヤ様は、肉体を持つ者ではなくなりました。彼はもう、この世界に存在する私たちと同じ『魂』の存在。あなたがここにいらっしゃるのは、私から感謝を伝えるためですわ。ですが、タクヤ様にあなたの姿は見えておりませんし、あなたの声も届かないのです」

 

 

 

俺はその事実に戸惑いを覚えた。目の前にタクヤがいるのに、彼は俺のことに全く気づいていない。俺が声をかけても、反応することはない。俺たちは、もう完全に別々の存在なのだと、ようやく理解した。

 

 

 

「でも……俺は、彼に会いたいんだ。タクヤと話がしたいんだ」

 

 

 

俺の言葉は、切実だった。だが、ハスキーは優雅に首を横に振り、その瞳に深い悲しみと共に、優しさを湛えた。

 

 

 

「そのお気持ちはわかりますわ。でも、それは叶わないのです。タクヤ様は、この世界で私たちと共に幸せに過ごしておられます。彼がここで幸せに暮らしていることだけを、どうか見守ってくださいませ」

 

 

 

その時、タクヤが「ドラゴンメイド・パルラ」と笑顔でおしゃべりしている声が聞こえた。彼は何も知らず、ただ純粋に楽しんでいた。俺の存在が届かないこの場所で、タクヤは自分の「母親」たち――ドラゴンメイドたちに愛されながら、何も不自由なく、心の平穏を得ている。

 

 

 

俺はその光景を見つめながら、胸の中で複雑な感情が交錯していた。嬉しいはずなのに、なぜかぽっかりと何かが欠けているような感覚。タクヤにとって、俺の存在はもう必要ないのだと突きつけられた気がした。

 

 

 

「彼のために、できることはもうないのか…」

 

 

 

俺は静かに呟いた。

 

 

 

ハスキーは一瞬だけ微笑みを浮かべ、ゆっくりと俺に近づいた。

 

 

 

「あなたがすでにしてくださったことこそ、最大の贈り物です。タクヤ様にドラゴンメイドデッキを譲ってくださったおかげで、彼はここに来ることができました。そして、彼は私たちに甘え、永遠に幸せに過ごしています。あなたの役目は、もう十分に果たされましたわ」

 

 

 

「……わかったよ」

 

 

 

 

 

俺はハスキーの言葉を理解しながらも、心のどこかにわずかな未練を感じていた。しかし、その現実を受け入れるしかなかった。

 

 

 

 

 

「タクヤは、「遊戯王マスターデュエル」でデュエルをしているみたいだけど…それに何か意味があるのか?」

 

 

 

俺は疑問を口にした。(この際なんで精霊界で普通にタブレットが使えるのかは無視した)

 

デュエルをすることに、何か特別な意味があるのだろうか。それとも、ただの娯楽に過ぎないのか。

 

 

 

ハスキーは微笑みを崩さずに答えた。

 

 

 

「実際のところ、特に意味はありませんわ。タクヤ様には、『これは大事なお仕事』だとお伝えしています。彼が真剣に取り組む姿を見ると、私たちも彼をさらに愛しく感じるのです。タクヤ様が何かに夢中になること、それが彼にとっても、私たちにとっても喜びなのです」

 

 

 

「……なるほどな」

 

 

 

俺は少し納得したような、まだ腑に落ちないような気分だった。タクヤにとって、デュエルはただの遊びではなく、ここでの生活の一部であり、彼の精神の安定を保つための「仕事」になっているのだろう。だが、それを超えた深い愛情を感じるハスキーとメイドたちの様子に、俺はどこか不安を覚えていた。

 

 

 

「それにしても……タクヤ様、本当にお可愛らしい方ですわ」

 

 

 

ハスキーは突然、熱っぽく語り始めた。

 

 

 

「あのけなげな姿、純粋な心…毎日、私たちはタクヤ様の全てに心を奪われております。彼が真剣にデュエルの戦略を練る姿、少し考え込んだり、困った表情を浮かべたりするたびに、私たちはどうしても側にいてお世話したくなってしまうのです。彼がカードを見つめる、その瞳の輝きは、まるで宝石のようですわ」

 

 

 

「ああ、タクヤ様…なんてけなげで、なんて愛らしいお方なのかしら。彼の存在そのものが、まるで光のように私たちを包んでくださるんですのよ。あなたも、そう感じません?」

 

 

 

突然、俺に話を振ってくるハスキー。俺はちょっと戸惑いながらも答えた。

 

 

 

「え? まあ、確かにタクヤは頑張ってるし…愛らしい、っちゃ愛らしいけど…」

 

 

 

しかし、その答えはハスキーの情熱をさらに燃え上がらせてしまったようだった。

 

 

 

「そうでしょう? 本当に、タクヤ様は何から何まで完璧なお方なのです! まずあの純粋な瞳…私がこうしてそばに立っていると、時折デュエルの合間にチラリとこちらを見てくださるのです。あの瞬間、まるで世界が一瞬止まってしまうかのような、心がときめくような気持ちになるんですわ! あなたには分かりますか、この感覚?」

 

 

 

俺はどう答えていいのか分からず、ただ無言で彼女を見返した。ハスキーは一人でどんどん話を進めていく。

 

 

 

「ああ、タクヤ様…なんてけなげで可愛らしいお方なのでしょう!」

 

ハスキーは目を細め、愛おしさに溢れた声で語り始めた。

 

 

 

「彼が初めてこの世界にいらした時、その小さな身体でどれだけの苦しみと寂しさを抱えていたか、私たちはすぐに感じ取りました。けれども、彼は決してそれを表に出そうとはせず、いつも私たちに微笑んでくれたのです。まるで、自分の痛みよりも、私たちを喜ばせようとしているかのように…。その姿に、私たちは胸を打たれました。

 

 

 

タクヤ様はお優しいお方です。彼が私たちをどれだけ大切に思ってくださっているか、わかりますか?どんな時でも、ゲームの合間に私たちに話しかけ、微笑んで、時には少し照れながらも『ありがとう』って言ってくれるのです。その言葉ひとつで、私たちの心がどれほど満たされることか…!その純粋な気持ち、けなげな心。誰だって、タクヤ様に心を奪われてしまいますわ!」

 

 

 

ハスキーは少し恥ずかしそうに頬を染めながらも、さらに話を続けた。

 

 

 

「彼が真剣にカードを見つめている時の、あの可愛らしい真剣な表情。ちょっと眉を寄せて、唇を噛んで考え込む姿は、本当にたまりませんわ。そして、タクヤ様が夜に『おやすみ』と言ってくれる時、少し疲れた表情をしながらも、私たちに甘えてくれる。その時の彼の姿はまるで小さな子猫のようで、私たちがしっかり守ってあげなければ、と思わずにはいられません。彼が少しでも不安そうにしていると、すぐに寄り添って背中をさすってあげたくなるのです。私たちに頼ってくださるタクヤ様の甘えん坊な一面…それはもう、本当に愛おしくてたまりません!」

 

 

 

ハスキーは夢見るような表情で話し続けた。

 

 

 

「でも、ただ甘えるだけではありません。タクヤ様はとても真面目で、時折『もっと上手くなりたい』と言って一生懸命に練習を続けています。そんな彼のひたむきな努力を見ていると、私たちもつい、もっと応援したくなってしまうのです。彼が一生懸命頑張る姿、それはもう、どれほど美しいことか…。タクヤ様が頑張るたびに、私たちは彼のために何でもしてあげたいと思うのですわ」

 

 

 

「そして、何よりも…彼が私を『お母さんみたい』と言ってくれた時、あの言葉がどれだけ私の心を温かくしたことか。あの一言で、私はタクヤ様を生涯守り抜く決心をしたのです。タクヤ様は、私たちにとって唯一無二の存在です。彼のけなげさ、純粋さ、そしてその優しい心。私たち全員が、タクヤ様にメロメロになるのも無理はありませんわね」

 

 

 

ハスキーはそう言い終えると、満足そうに微笑み、再びタクヤのいる方へと視線を戻した。彼女の目には、タクヤへの深い愛情と慈しみが溢れていた。

 

 

 

「…うん、そっか」と俺がどうでもよさそうに答えるが、ハスキーは気にする様子もなく続ける。

 

 

 

「そして、タクヤ様が勝利した時のあの輝かしい笑顔! あの瞬間の喜びを分かち合えるなんて、私たちは本当に幸せ者ですわ。彼がガッツポーズをする度に、私の胸はキュンと締め付けられるんです。ああ、タクヤ様の一つ一つの動作が、私たちをときめかせる。そんなお方は、他にはいらっしゃいません!」

 

 

 

「はいはい、タクヤ様、タクヤ様ね…」

 

俺は少し呆れ気味にそう返す。ハスキーのタクヤへの愛情表現は、まさに溢れんばかりだった。

 

 

 

「本当に、どこまでもタクヤ様…」そう呟きながら、彼女はさらに語り続ける。

 

 

 

「タクヤ様が夜、寝ていらっしゃる時の姿も愛らしいんです。寝顔があまりにもかわいらしいので、つい私も添い寝をしたくなってしまいます。彼が穏やかに眠りながら、時折小さな寝息を立てる音が本当に可愛くて…。彼が寝ている時も、私たちは彼のそばで見守っていたいと思ってしまうのです」

 

 

 

このあたりで、俺は少し居心地が悪くなり、ハスキーの熱意を聞き流すようになっていた。しかし、他のメイドたちの反応も見逃せなかった。

 

 

 

「はいはい、ハスキー様のタクヤ様語り、始まりましたね」と、小声で呟いたのは「ドラゴンメイド・パルラ」だ。彼女はタクヤのそばで笑顔を浮かべながらも、明らかにハスキーの長話には飽き飽きしている様子だった。

 

 

 

「ほんとに、いつもタクヤ様のことばっかり…」

 

「ドラゴンメイド・ラドリー」も同じく呆れたような顔をしている。彼女は少し生意気な口調で、

 

「タクヤ様は確かにかわいいけど、ハスキー様、そこまで熱く語らなくてもいいんじゃない?」

 

と軽く文句を言いながらも、まだまだ続くであろう話に、ため息をついている。

 

 

 

一方、「ドラゴンメイド・ナサリー」は、そんなハスキーの長話を特に気にすることもなく、穏やかな笑みを浮かべていた。

 

 

 

「ハスキー様のタクヤ様への愛情も素敵ですよ。タクヤ様は本当にお優しい方ですから、誰でもあのように感じてしまいますわね」

 

ナサリーは、タクヤを保母のように見守り、彼の頭を撫でるような仕草をしながら微笑んでいる。彼女はタクヤを甘やかすことにかけては、他の誰にも負けない。

 

 

 

「まあ、そうかもしれないけどさぁ…」

 

と、パルラが再びため息をつき、肩をすくめる。

 

 

 

「それにしても、ハスキー様はタクヤ様を褒めすぎよねぇ」

 

と、「ドラゴンメイド・ティルル」も苦笑しながら彼女に同意する。「確かにタクヤ様はかわいいし、よく頑張ってるけど…お菓子をあげてる時の方が一番かわいいわ。だからハスキー様も、たまには甘やかすだけじゃなくて、他の面も見てあげたらいいのに」

 

 

 

ティルルの赤い髪が揺れながら、彼女は再びタクヤに近づいてお菓子を差し出した。

 

「ほら、タクヤ様、またお菓子をどうぞ。甘いものを食べると、もっと力が出ますわよ」

 

 

 

「ティルル、またお菓子? タクヤ様に無理させないでよ…」

 

と、パルラが呆れ気味に言うが、ティルルは一向に気にしていない様子だった。

 

 

 

その一方で、ふわふわした白髪の「ドラゴンメイド・チェイム」は、そんな騒ぎの中であくびを一つしていた。彼女はおっとりとした口調で、特にハスキーの話にも興味を示さず、ただタクヤのそばでぼんやりと座っていた。

 

 

 

「タクヤ様、今日もお疲れですか? 良い夢が見られるように、私がまたそばでお休みしますわ…」

 

チェイムは、すぐにでもタクヤに寄り添って眠ってしまいそうな勢いだ。タクヤが寝ている間にそっと添い寝する癖があることは、すでにメイドたち周知の事実だそうで、彼女の無頓着さに俺は思わず苦笑する。

 

 

 

一方、ハスキーはまだまだタクヤの可愛さを語り続けていた。

 

 

 

「あの可愛らしい小さな手でカードを扱う時の所作も、とても美しいのです! タクヤ様がカードを引くたびに、私の心は…」

 

 

 

「もう勘弁してくれ…」

 

俺は頭を抱えたくなった。タクヤは相変わらず何も気づかずにデュエルに集中していたが、俺や他のメイドたちは、ハスキーの尽きない愛情語りに振り回されるばかりだった。

 

ハスキーの情熱的な語りに、俺はますます困惑していた。すると、そのやり取りを聞いていた「ドラゴンメイド・ティルル」が笑いながら口を挟んできた。

 

 

 

「ハスキー様は本当にタクヤ様にメロメロですわね。まあ、タクヤ様の可愛さには誰も抗えませんけど…さあ、私ももう一度タクヤ様にお菓子を差し上げなければ!」

 

 

 

ティルルは燃えるような赤髪を揺らしながら、またお菓子をタクヤに運んでいた。彼女もまた、タクヤを甘やかすことに夢中だ。そして、隣で「ドラゴンメイド・パルラ」も笑顔を浮かべ、タクヤとの会話を楽しんでいた。

 

 

 

「タクヤ様、本当に真剣に取り組んでいらっしゃるんですね。次はどんなカードを使いますか?」

 

 

 

メイドたちはみんな、タクヤに対して全力で甘やかし、そして彼を愛していた。それは純粋な愛情であり、彼に尽くすことで自分たちも満たされているようだった。だが、その光景を見続けるうちに、俺はどこか寒気がするような、不思議な感覚に襲われた。

 

 

 

タクヤがここで幸せに暮らしていることは間違いない。俺は彼の幸せを願っていたはずだ。けれど、その彼を取り囲む愛情の渦の中で、俺は何かを奪われたような気持ちを拭えなかった。……元は俺のデッキだったのに。

 

 

 

この感情が何なのか、俺にははっきりとは分からない。ただ、タクヤがここで満たされていることが分かった今、俺はその事実を受け入れるしかなかった。

 

 

 

 

 

「タクヤ様は、私たちと過ごす中で、毎日幸せを感じていらっしゃいます。それだけで、私たちは十分ですわ」

 

 

 

ハスキーのその言葉には、深い愛情と母性が滲み出ていた。タクヤを慈しむ彼女の姿に、俺は少し胸が締め付けられる思いがした。彼がこの場所で、メイドたちに囲まれ、愛されていること。それが良いことなのか、悪いことなのかは分からない。ただ、タクヤが今ここで幸せに過ごしているのは確かだ。

 

 

 

 

 

 

 

そんなタクヤの姿を見つめながら、俺はゆっくりと意識が遠のいていくのを感じた。次の瞬間、目が覚めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベッドの上で目を開けると、現実の冷たい空気が俺を包んだ。夢で見た不思議な屋敷とタクヤの笑顔が、まだ鮮明に残っている。俺は、頭をかきながら呟いた。

 

 

 

「なんだったんだ、アレは…」

 

 

 

タクヤがもうこの世にいないこと、その魂がどこかの世界で幸せに過ごしていること。すべてが夢の中の出来事のようで、実際にそうだったのだろう。しかし、俺の胸の中には、彼がどこかで幸せに暮らしているという安心感が確かに残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで退院してからしばらくの間、タクヤとの思い出がふとした瞬間に頭をよぎることがあった。病室で一緒に遊んだデュエル、彼が「ドラゴンメイド」デッキを使う理由、その無邪気な笑顔。だが、現実は冷たく、俺はタクヤが転院した直後、彼が亡くなったという知らせを聞かされた。心の中にぽっかりと穴が開いたような感覚だった。

 

 

 

それ以来、何かが変わったように感じた。タクヤの死は現実だったが、心のどこかで彼がまだそばにいるような気がしてならなかった。

 

 

 

ある日、俺はふとタクヤと最後にマスターデュエルでフレンド登録していたことを思い出した。亡くなった今も、彼のアカウントはどうなっているのだろうか。軽い気持ちで彼にデュエルを申し込んでみることにした。

 

 

 

――デュエル申し込みを送信しました。

 

 

 

少し待って、予想通り何の反応もないだろうと考えていたその時、画面が動いた。

 

 

 

「デュエル承諾」

 

 

 

一瞬、心臓が止まりそうになった。驚きで手が震えたが、すぐに冷静になろうと深呼吸をした。「タクヤのアカウントを誰かが使っているんだろう」と自分に言い聞かせた。彼の家族がアカウントを残していて、それを使っているのかもしれない。そう考えることにした。

 

 

 

デュエルが始まると、相手は迷いなく「ドラゴンメイド」デッキを使ってきた。懐かしい、タクヤが得意としていたあのデッキ。まるで彼が目の前にいるかのように、巧妙にカードを操り、いつものように一生懸命プレイしている。

 

 

 

俺は不安を感じながらも、タクヤとのデュエルを懐かしむようにゲームを進めた。結果は、僅差で俺が勝ったが、デュエルの内容は彼らしい戦略に溢れていた。まるで、あの病室で一緒に遊んでいた時と何も変わらないようだった。

 

 

 

それから何度か、俺はタクヤのアカウントにデュエルを申し込んだ。驚いたことに、毎回、必ず「デュエル承諾」の通知が届いた。そして、いつも同じように「ドラゴンメイド」デッキが使われていた。まるで、彼がそこにいるかのように、俺の申し込みに対して一瞬の迷いもなく応じてくれる。

 

 

 

しかし、その度に俺の背筋に寒気が走った。亡くなったタクヤがデュエルに応じるはずがない。にもかかわらず、彼のアカウントはいつでも俺のデュエルを受け入れ、同じデッキを使い続けている。

 

 

 

「誰が…?」俺は考えた。タクヤのアカウントを他の誰かが使っている可能性も頭をよぎった。だが、タクヤのように「ドラゴンメイド」にこだわり、あの独特のプレイスタイルでデュエルをする人物に、俺は心当たりが一人しかなかった。

 

 

 

それは、タクヤ以外に考えられなかった。

 

 

 

「まさか……」

 

 

 

タクヤは、確かにこの世を去ったはずだ。しかし、精霊の世界でメイドたちに囲まれて永遠に幸せに暮らしていると、夢の中でハスキーは言っていた。もしかしたらあれは俺の夢ではなくて、タクヤはその世界から俺とデュエルを続けているのかもしれない。

 

 


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