分割しなくてよくなったの忘れて消し忘れてました。
明日から春の天皇賞です。
阪神11Rの第57回大阪杯(4歳以上GI・芝2000m)は一番人気ヒシケイジ(石破志雄騎手)が勝利した。勝ちタイムは1分58秒7(良)。クビ差の2着に五番人気ショウナンマイティ、さらにハナ差の3着に二番人気エイシンフラッシュが入った。
ヒシケイジは栗東・早山正春厩舎の5歳牡馬で、父ヒシミラクル、母スウィートエルフ(母の父タマモクロス)。通算成績は17戦11勝。
以下、レース後のコメント
一着 ヒシケイジ(石破志雄騎手)
「陣営と一緒に準備して積み重ねてきた結果が、いい形で出たと思います。復帰初戦ではありましたが、大阪杯は期待されていることが多く感じられました。初めからあのような形(馬込み)になるのは分かっていたので、落ち着いてヒシケイジ自身がストレスを感じないように走れることを意識していました。
本当に早山調教師や厩舎スタッフの皆さんには頭が上がりません。陣営全体で(ヒシケイジが)走れるように準備してくれた分、勝たなければという気持ちでした。ヒシケイジも昨日のオルフェーヴルを意識したのか分かりませんが、闘志をむき出しにしたいい走りを見せてくれて、まさにヒシケイジという感じの勝ちが出来たんじゃないかと思います。
ゴールの後、ヨタヨタしてましたけど、大事はないようです。このまま春古馬三冠をいい形で走っていければと思います。今後も葦毛の豪駿をよろしくお願いいたします」
二着 ショウナンマイティ(真中 裕)
「枠も悪くなくて、ベストな形で思った通りの競馬が出来ました。初めから後ろで行こうという話はしていて、本当にイイ感じに揚がって、折り合いよく叩き合いまで持ち込めたので、ショウナンマイティにはありがとうという気持ちで一杯です。
ただその分、勝った馬にどう走れば勝つことができたのか、イメージできないのが悔しいです。でも、高い壁があるからこそ、ショウナンマイティはもっと成長して走れる馬になると思います。次のレースは、もっと期待できると思います」
三着 エイシンフラッシュ(ミルコ・ディムロス)
「海外遠征を前にエイシンフラッシュの美しいところを見せることは出来たと思います。早めの仕掛けも失敗だったとは思えない。ただ、勝ち馬の運に届かなかったのは残念です。次走はもっといいところを見せられると思います」
四着 ジャスタウェイ(伏名 久一)
「序盤から、レース中盤まで悪くない動きが出来たと思います。最後ちょっとコースがふさがってしまったところで、伸び負けしてしまう形になったのが残念です。ジャスタウェイには少し不利なレースでしたね」
五着 ローズキングダム(梧桐 剛鬼)
「非常に思った通りにレースを運ぶことが出来ましたが最後一歩伸びませんでした。ローズキングダムがハミを噛んでくれた時、今日こそは行けるという気持ちになりましたね。今日のように上手く脚を貯めることが出来て、チャレンジできる機会がまた来てほしいです」
六着 ナカヤマナイト(芝田 慶福)
「ガッツリ行く馬の先行争いが多くて、厳しい競馬でした。最後思ったよりも速いレースになって全体のイメージについていけませんでした。ただ途中、ローズキングダムの仕掛けに乗らなかったのは、正解だったと思います」
七着 トーセンラー(文字が滲んでいる……)
「普段通り中団のいいところを取れればと思ったのですが、今日は前が良くない形(馬込み)になってしまいました。途中、ちょっと行きたがる所があり、早仕掛けになってしまいました。いい形で運べるレースがあれば十二分に勝てると思います」
八着 トーセンジョーダン(大牧 太子)
「馬の調子は良かったのですが、僕の意識が逸って折り合いを欠く結果になってしまいました。トーセンジョーダンがいい調子だったのに残念です」
九着 ヴィルシーナ(打田 博士)
「大外枠な上にレース前から大分興奮していましたが、今日はヴィルシーナがやりたいようにやらせてあげたい気持ちがありました。限界まで全てを出し切った形になったので、次回はもっと折り合いよく行けると思います。今はとにかく完走できてよかったという気持ちで一杯です」
十着 ダークシャドウ(沙希 啓人)
「スタートから思いっ切りいい競馬ができたばっかりに、自分のミスでポジションを悪くしてしまったのが残念です」
十一着 ダイワファルコン(西村 弓一)
「序盤からポジションを取りたかったのですが、ヒシケイジに見とれ過ぎました。ただ最後、盛り返す走りはできたと思っています」
十二着 サダムパテック(ワンダー・龍神)
「先頭集団が居る中で、悪くないポジションに付けることが出来て、いい形で競馬できたと思ったのですが、馬にはどうしても無理をさせる形になってしまいました。作戦負けになってしまいファンには申し訳ないです」
十三着 アスカクリチャン(ダルトン・ヴァルジョ)
「進路がスムーズに開かず、探しながらの競馬は苦しかったです。最後伸びを感じることは出来たのが、良かったです」
十三着 オーシャンブルー(富士田 銀司)
(コメントなし)
十五着 ヒットザターゲット(TAKUYA)
「前走のようなキレを見せたかったのですが、メンバーの熱気に乗せられてしまいました。馬自身は良い経験をできたと思います」
十六着 ジャガーメイル(詩依 宇佐美)
「あんまり食らいついてくれなかったのが残念です。もう少し時計がかかる馬場ならいけると思います」
◆◇◆
夢だ。
ヒシケイジは夢を見ていた。
入道雲の立ち上るどこまでも続くターフの上を走っている。
一度目ではない、二度目だから分かる。
そう思った直後、ヒシケイジは脚を止めた。
まだこの先に行くべき時ではない。
そのことが分かっているから、脚を止める。
「ヒシケイジ、ヒシケイジ」
その声を聞いて見上げると、相変わらずそこに居たのは頭上には埋め尽くすほど巨大な馬の頭の仏様がいた。
「どうですか、GⅠ六勝目を果たした気分は――」
あ、そう言えば――
『あと、G1を四勝するまでは、頑張りましょうね』
『えっ、四勝……は、厳しくないですか……』
なんてやり取りもしていたっけ――
「ええ、来るところまでは来ましたね。ヒシケイジ――でも、言いたいことは分かりますね」
「はい、俺は、まだ――本当の意味で『自らの生きた意味を見出すこと』はできていません」
馬頭観音の優しい言葉に、俺は瞳を閉じて思いを巡らす。
俺はまだ、戦うべきレースが残っている。
勝負を誓ったゴールドシップがいる。
連覇を望まれる凱旋門賞がある。
何よりも――アイツが居る。
俺にとってのライバル、オルフェーヴルが未来で待っている。
「ですから、まだもっともっと、あなたは走らなければいけません――ですが、今の貴方なら、きっと……」
そうだ、今の俺ならきっと“楽しく”走り続けることが出来る。
相棒と共に走って走って――きっと走った先に答えはある。
「ブヒ……」
その日、2013年3月後半――
サプリメントの継続的な摂取によって、なんとかヒシケイジのコズミは回復の傾向にあった。
それは、全力をほぼ常に出し続ける走りの弊害であった。
体重540kgのヒシケイジの十分に発育した骨格と筋肉を以てしても、ヒシケイジの肉体は己の限界を超えてしまうのだ。
「おお、ギョロ早起きだなぁ」
「ブヒィ……」
「めっちゃ、今日は調子よさそうだな……」
「ブヒッ!!」
「四月からは、緩い練習を長くやるからさ……早々、辛いことにはならないぜ」
「ブヒィ~~」
「ま、走りたい気持ちは分かるけど――無理のし過ぎは禁物だからな」
「ブヒ……」
「その分、春の天皇賞は連覇がかかってるからな、頑張ろうぜ!!」
「ブヒヒヒヒ……」
俺は土井さんに曳かれながらゆっくりと、少しずつ調子を上げていった。
そうだ。
春の天皇賞――俺はゴールドシップ、お前に恥じないレースをしよう。
こうして4月、たっぷりと休養と負担の少ないプールトレーニングを繰り返したヒシケイジは4月24日。
皐月賞で掲示板に入り青葉賞に挑むヒシテンケイとの最終追い切りを行い、馬なりではあるが調子のいい時計を残した。
そして、来る2013年4月28日。
前日に全弟ヒシテンケイと青葉賞を勝ち抜いた相棒、石破 志雄を鞍上に――
ヒシケイジは、2012年無敗の三冠馬“不沈艦”ゴールドシップとの決戦に臨むのであった。
誤字脱字、感想お待ちしております。
明日も1800投稿予定です。