仮面ライダークウガ-青空と笑顔の戦士再び-   作:芹沢春輝

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青空の破壊者④

 

 

 

 

 

 

飛蝗のような触角の有るグロンギと

 

 

 

 

 

狼のような風貌のグロンギ。

 

 

この2体のグロンギに僕は圧倒されていた。

 

 

飛蝗の方は脚力=スピード、狼の方は剛力=腕力。

 

 

つまるところ、手も足も出ない。

 

 

「このままじゃ…」

 

 

息が上がり少し間合いを取る。

 

 

すると飛蝗のグロンギが呟く。

 

 

「もっと楽しもうぜ…」

 

 

狼のグロンギも呟く。

 

 

「リントの戦士よ、楽しませてくれ。」

 

 

 

なんだ…普通に話せるんじゃないか、

それよりも…

リントの戦士…五代さんが言ってた気がする。

つまり人間の戦士…僕か。楽しむ…?

人を痛めつけて殺して、血が流れて…それが楽しい?

娯楽だというのか…この戦いが…

目の前で倒れているあの人達の流れる血や涙が…

そんな事の為に流れるのか…

 

 

「楽しいのに、流れるのが血なのか…それがお前らの楽しいってことなのか?僕が知っている楽しいってのは笑い声と笑顔、そして普通に流れる時間…喧嘩したり悲しいことがあって流れる涙が有っても、いつかまた笑いあえる時が来る!その時間を…この世界を…もうこれ以上壊されて…破壊されてたまるか!」

 

 

 

僕は意を決し、どちらか一体でも倒せば勝機が有ると信じ、前に走り出す。

 

 

僕が一か八かにかけ、先に倒すべきは飛蝗の方だ。スピード対決で体力を削られるのはまずい、

よって奴を先にねらう。しかも本当に一か八かの蹴りにに込めて。

 

 

 

飛蝗のグロンギめがけ高く飛び上がり、両足に力を込める。両足が炎に包まれ、そのまま飛蝗のグロンギにその片方の右足で蹴りを入れる。

 

が、

 

 

「甘い…」

 

飛蝗のグロンギは呟きながら少し後退…

 

少し浅いヒットになったため、飛蝗のグロンギは再び立ち上がる。

 

 

「そっちこそ甘いんだよ…人間を舐めるなよ…ハァッ!!」

 

 

僕は着地した瞬間、後退したグロンギに向かってダッシュ。

飛蝗のグロンギが立ち上がろうとする無防備になる瞬間を待っていた。

高く飛び上がったとき、僕は「両足」に封印するための力を込めたのだ。

 

 

飛蝗のグロンギが立ち上がろうとする時には僕の「左足」が待機していた。

その左足で顎の当たりを蹴り上げ、宙を舞う飛蝗のグロンギと共に僕も飛び上がり、

落下しながら再び右足で腹部にけりを打ち込む。

 

「グァォッッ!!」

 

苦痛の叫び声をあげる飛蝗のグロンギ。

 

僕の右足に踏みつぶされながら地面に落下した飛蝗のグロンギはその後爆発し消滅した。

 

 

 

「はぁはぁ…」

 

 

僕の息は完全に上がっている、

狼のグロンギがもう目前まで迫ってきているのに、

僕の身体は僕の言うことを聞いてくれそうにもなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━五代side━━━━━

 

 

 

 

「変身するつもりか?」

 

 

門矢士が五代に問う。

 

 

「行くよ、俺は。クウガだし。」

 

 

淡々と応える五代の目線の先にはカオルが変身したクウガと2体のグロンギ、そして犠牲者も見える。

 

 

「自分が自分じゃなくなるかもしれないんじゃないのか?」

 

 

「確かに…そうだね。でもカオル君一人に辛い思いはして欲しくないよ。」

 

 

そう言っていると、後ろから声をかけられる五代。

 

 

「たぶんカオルも五代さんと同じ事考えてますよ。きっと。」

 

 

声の主の桜子ちゃんとその母親の夏目博士がそこにいた、そして桜子ちゃんは続ける。

 

 

「あの赤色の…あれがカオルなんですか?」

 

 

「そう。あれがカオル君、必死に戦っている、辛いはずだよ。あっ、」

 

 

その時カオルが一体のグロンギに攻撃を仕掛ける。

 

 

「ほう…」

 

 

士は呟く。

 

 

 

高く飛び上がったカオルを見つめながら五代も呟く。

 

 

「カオル君…」

 

 

次の瞬間炎を纏った右足の蹴りがグロンギに炸裂するが…

 

 

「外したか…」

 

 

士は呟く。

 

 

「いや…違う。あれは…」

 

五代も呟く。

 

カオルはグロンギが再び立ち上がろうとする瞬間に炎を纏った「左足」で蹴り上げた。

 

 

そして蹴り上げたグロンギより少し上を飛び、再び炎を纏った右足で蹴りを入れともに落下する。

 

 

 

「ほう…なかなか考えたな。」

 

士が頷きながら少し感心している。

 

 

落下したグロンギは爆発し消滅、しかし…

 

 

 

「カオル君はもう戦う体力は残ってない、もう俺が行くよ。」

 

 

 

五代が一歩踏み出す、その時。

 

 

「待って、五代君。」

 

 

「えっ」

 

 

五代を呼び止めたのは、夏目博士だった。

 

 

 

「彼を…一条君をもう少しだけ戦わせてあげて…見守ってあげて。」

 

 

「私からもお願いします五代さん!たぶんまだカオルは大丈夫だと思います…たぶん」

 

 

夏目博士と桜子ちゃんは続ける。

 

 

「一条君から頼まれたの、君をなるべく戦わせたくないから引き止めてって。」

 

 

「五代さん…調子良くないんですよね?カオルが刑事さんに連れて行かれる前に言ってたんです。なるべく僕が戦うって…だから…」

 

 

「カオル君…やっぱり気付いてたのか…」

 

 

膝を着き肩で息をするカオルにもう一体のグロンギが迫っている。

 

 

「さぁて、五代雄介。あんたはどうしたい?」

 

 

 

 

士は冷徹で冷酷にしかし冷静で静寂な声で問う。

 

 

 

「俺は…」

 

 

 

その時、膝を着いていたはずのカオルがゆっくり立ち上がり、いきなり叫んだ。

 

 

 

「五代さん!!この世界のクウガは僕です!!だから僕が出来るだけ戦って、みんなを守ります!!だから五代さんはみんなの笑顔を守って下さい!!五代さんの帰りを待つ人達のために今出来ることをして下さい!!」

 

 

「カオル君!!」

 

 

五代も叫ぶ。

 

 

 

「だからまた見てて下さい!!僕の変身ッッ!!」

 

 

 

 

 

その叫び声と共にカオルの姿が赤色と紫色の身体に変異する。上半身が紫色、下半身が赤…何とも奇抜だが…

 

 

「あれは…あの色は見たことがない…」

 

 

五代は驚きを隠せない。

 

 

混色のクウガは狼の姿をしたグロンギ目掛け走る。

 

 

同じく狼のグロンギもクウガに向かい走る。

 

 

 

お互いの拳がぶつかる瞬間凄まじい爆発と火柱が舞いグロンギは消滅し混色から「白」に戻ったクウガが取り残され、次の瞬間には、変身が解けながらカオルが地面に倒れ込む。

 

 

 

「カオル君!!」

 

 

「カオル!?」

 

「一条君!!」

 

五代、桜子、夏目博士はカオルの下へ走る。

 

 

 

少し違う気配を感じ、

一人違う方向を向く士の目線の先には、

 

 

 

「あいつは…?何故だ…どういう事だ…?」

 

 

驚愕の人物がいた。

 

 

 

「待てッ!」

 

 

士は呼び止めるがその人物は去っていった。

 

 

 

「どうやらこの世界のことを少し勘違いしていたのかもしれんな…」

 

 

士は青空を見上げ呟くのだった…




オリジナル設定、二色に変身するクウガ、あっさり描写ですが、、、今後重要になる予定です。
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