ようやく過去のカオルの両親関連の出来事と現在の遺跡関連の謎が繋がる話に入ります。キーパーソンはズバリ、ゴダイ です。何故この表記になるのかは…読んでいただければ後々解ります。現にこの作品の登場人物で1人だけ限りなく「答え」に近づいた人物がいました。これ以上は…止めときます(笑)
僕は何回目かの夢を見ていた。
赤い目の体が黒いクウガになり、
吹雪の中あの「一条さん」に見送られ
戦いに赴く五代さん。
その後雪景色の中血を吐きながら戦う五代さんと…
そういえば、相手はずっと笑っている?
五代さんが戦っているグロンギは…笑っている。
嬉しそうに笑顔で戦っている。
五代さんは…泣いていた、血と涙を流しながら…
そうだ、僕はこの夢を見たからクウガに…なれたのかもしれない。
こんな事はあってはならない、そう思ったから。
五代さんは言っていた、戦う相手によって身体の色を変え戦いやすい形状にしていた、と。
僕は今の所、白、赤。そしてあの時のあれは…
たぶん僕は五代さんが変身するクウガとは少し違うんじゃないだろうか…?
そんな気が薄々している。
五代さんは戦う相手によって形態を変化(そういえばまだ赤しかみていない)し、僕は…
たぶん…感情で変化するんじゃないか…そう思うんだけど…
血を見ると赤色になった。
何か、こう何というか。心の底に火がつくというか、
こういう感情になると白から赤色に…
何故そう思うか、その理由はあの時の「混合二色」だ。あの時僕は、自分一人で血を流してでも、という強い決意の思いと、グロンギのあいつらのせいで…という怒りの感情がせめぎ合っていた。正直、「殺してやる」と…思った。
紫色は赤と青の混ざった色。僕の中では、赤=血。
そして青=青空…笑顔の五代さんというイメージ…
自分が血を流して戦いの辛さがあっても笑顔を失わない五代さんを僕は助けたい、こう思った。
だから赤と赤と青の混ざった紫…になった?
怒りの感情は…おそらく「黒」になってしまう原因…いや…方法だと、思う。
「黒」は危険だと五代さんから聞いた、いや…夢の中でそれは経験した。
自分ではなくなる。
戦うだけの存在。
では、この夢の五代さんは何故「黒」でも自分でいられたのか…
今の所何も解らない。
グロンギやクウガ、古代遺跡関連…それらはまだ殆どよく理解できていない。
霊石の見つかった古代遺跡関連は僕の亡き両親が長く調査をしていたらしく…
ん?
そうか…
そうじゃないか!
父さんと母さんの遺留品や関連の調査書類なり調べれば色々出るんじゃ…実際、博士達が僕の両親の調査書類によって解読した石版(五代さんが博士に渡した)も有るし…確か「世界の破滅」について書かれていた。
だからやっぱり僕の両親がヒントをくれる。
「そうだ!!」
僕は眠りから目覚めた━━━━━━━━。
病室で眠っているカオルの看病を桜子に任せ、五代は夏目博士と研究所に戻り調べ物をしていた。
「五代君、見てこれ。」
「これは…」
夏目博士が五代に見せたもの。
それは過去にカオルの両親が発見した霊石の写真だった。
「これと似たものが君や一条君の腹部に有るんだね?」
「そうです。」
博士は続ける。
「実はこれは棺に入っていたミイラの腹部に装着されていたそうで、最初はそのままの状態で調査が開始されて、でその後…その霊石をミイラから外そうとした…これをやっていたのが一条君のご両親な訳ね、しかも2人の最後の仕事になってしまった…」
五代は固まってしまう…
「まさか…カオル君の両親が行方不明になったのはその時…」
「書類にはそう書いてあるし、私が知っている限り間違いない。」
五代は自分の元居た世界のあの戦いの「始まり」を思い出す。
つまり…カオル君の両親がグロンギの封印を解いた?
士君が俺が原因だと言っていたのとは全く違う展開だ。
いや…カオル君がクウガになる原因を作ったのは俺だ…俺があの時止めていられれば…
「そういえば、そのミイラはどうなったんで…ん?まさか…」
五代は途中で口を閉ざす。
「何か気付いたみたいだね?たぶんそれは当たってる、君の思っているとおり…」
五代は頷き、続ける。
「小田桐さんが言っていた、霊石が盗まれた…あれは盗まれたんじゃない…霊石を装置したミイラごと消えた…?カオル君の両親と共に…?」
夏目博士は頷きながら、
「そう…かもしれない。もしかしたらミイラはミイラではなく…まだ生きていた可能性がある。クウガとして。つまり霊石の力でね。」
棺に封印されていて…そのミイラ=クウガ?は眠っていた?そして棺が開放され眠りから封印から目覚めた…?
そしてそれをやってしまったのは、カオル君の両親。
それをきっかけにグロンギ復活に至ったのだとしたら…
「おかしいと思わない?五代君。」
「確かに、カオル君の両親が亡くなったのは10年ほど前なんですよね?だとすると…しっくりきませんね。」
「御名答、その10年間の間、クウガやグロンギ、それらは全く確認されてない。」
まさに未確認だ。夏目博士は続ける。
「ここ2、3週間だよ。怪物やら怪人やらと言われ出したのはさ。でね、それが君がこの世界に来た辺りと重なるわけ。」
「つまり…えぇっと?」
五代は解らない。
「これは推測だけど…君がここに来るのを待っていた…叉は一条君がクウガになるのを待っていた奴がいた、そいつが、10年前のあのミイラだとしたら…何かあり得そうな展開じゃないかなぁと。そう思ってるんだけど。」
「となると…確かに…10年の間何もなかった理由にはなりますね…でもそれだと…」
「それだと?」
「俺が来なければ…どうなっていたのか…とか思います。いや…待てよ…?これは…これから話すことは推測ですよ。」
「ふむふむ訊こうか。」
「俺はその(何者か)に呼ばれた?そしてこの世界に俺は…と言うことです。」
「なるほど…」
丁度その時、夏目博士の携帯が鳴る。
「ありゃ?桜子だ。はいはいもしもし。うん、あらそう!目ぇ覚めた!了解!五代君と輝ちゃんに伝えとくわ。えっ?検査?ふーん。えっ刑事さんも一緒?へー、うんわかった、一条君に宜しく。じゃね。」
夏目博士は五代に目を向ける。
「一条君目を覚ましたって!丸一日寝てるって相当体力の消耗があったのね…何かとりあえず刑事さんが付き添いで身体検査がこれから有るみたい。」
「大丈夫そうで良かった…」
五代は安堵のため息を付く。
「あっ、私輝ちゃんに電話するね。あの話はまた後で。」
五代は笑顔と共に相槌をうつ。
もし、この世界に俺を呼び出した何者かがいるのなら、会ってみたい、話してみたい。何故俺を呼んだのか。何故棺に居たのか?
グロンギの復活がその何者かの仕業だとしたら、色々な事が結び付いてくる。
が、まだまだ謎だらけで推測の域を出ない。
カオル君、無事で良かった。とりあえず今はそれだけで良い、ただそれだけで良い━━━━━━━━━━。