「そうだッ!」
「うぇっ、えっ、何?!」
ビクッとなりながら開口一番の僕の方を見る桜子。うぇっ、は女性としてどうだろうか、とか思うけど。
「あぁ!カオル!目が覚めたのね!良かった!あっ、先生呼ばなきゃ、あとお母さん達に電話!」
「桜子、僕どれくらい眠ってた?」
「えっ、昨日の夕方から…今何時だっけ、あっ20時間近くかな、たぶん?」
「そうか…」
つまりグロンギ2体相手に今の僕1人で戦うと、その後は20時間ほど戦えない、今のままじゃ…ダメだ。
それとなるべく混合二色はやめた方が良い…リスクが多すぎる。今もちょっと身体が重たい気がする。
「とりあえず先生を呼び」
「失礼するぞ。」
桜子が言いかけた所に病室に来訪者が現れた。
「あっ、昨日の五代さんといた方ですね。警察の方ですか?」
「あぁ、だいたいまぁそんな所だ。」
例のいけ好かない(あいつ)だった。
「一条カオル君にちょっと訊きたいこと…検査というか、があってな、勝手だが来させて貰った。」
「そうですか、じゃアタシその間に先生呼びに行ってきますね。カオルをお願いします!」
「あぁ、わかった。」
桜子が病室から出るなり、椅子に腰掛けるいけ好かない(こいつ)が語り出す。
「お前、随分無理してるようだな。身体の方は?」
僕はベッドに座り込みながら話す。
「身体はまだちょっと、だけど別に…無理はしてない。ただ出来ることをやろうとしてるだけさ。」
「出来ることを…ね…。」
「で、えっと?門矢士だっけ。僕に何の用なんだ?」
(あいつ)(こいつ)こと門矢士は怪訝そうな顔をして語り出す。
「俺だって人間だ、人の心配くらい人並みにはする。まぁ、確かに…お前に用が有ってきたわけだが…」
「それで?」
「この世界の謎が少し解けそうだ、というより俺は少し解けた気がしている。」
「どういうこと?何か遺跡関連で解ったことが?」
士は単独で調べていたのか?
「いや…遺跡関連は俺はノータッチだ。ただ一つ、ある可能性を見つけ出した。」
「可能性?詳しく訊かせてもらおうか。」
軽く士は頷くと続ける。
「俺はたくさんの世界を旅してきた…いろんな物を見てきた…でだ、この世界は(五代雄介がクウガではなく、存在さえもしない)ifの世界だ、と俺は思い込んでいた。」
「うん、だから五代さんはこの世界の住人ではないと、別の世界から来たって…エッ、思い込んでいた…?」
「あぁ、違った、間違い無く違う。」
士は断言した。
「えっとつまり、ええっと?」
よく解っていない僕によく解る日本語でお願いします。
「この世界の(五代雄介)を俺は見た、いたんだ、この世界にも。昨日のお前の戦いを遠くから見ていたようだった。俺に気付いたあいつは姿を消した。あの顔、姿方、間違い無く(五代雄介)だった。」
この世界にもいたんだ…五代雄介という存在が…
「この世界の五代さん…」
「あぁ、間違い無くな。遺跡関連を調べるより、この世界の五代雄介を探して話を訊いた方が案外答えを…この世界の謎を解明できるかもしれん。それと唐突なんだが、お前に頼みたいことがあってな。」
急に話題を変える士に少し怪訝な顔になる僕。
会って間もない人物に士は何を頼み事するつもりなのか?
「実はこの世界と五代雄介の元居た世界、以外の世界で大きな戦いが起ころうとしている。」
「大きな戦い?」
「あぁ、大集合って所だ。で、その大集合、に近いうち、お前にも協力して貰いたい。」
「戦えって事?別の世界で?僕が?いやいや、この世界がグロンギっていう謎の生命体の脅威に晒されてるのに、そんなの無理だし、それに…本当は戦いたくなんかないよ、僕は…きっと五代さんも、戦えるのが僕だけだから戦っているってだけで…その大集合ってのが何なのかよく解らないし。」
「まぁ、そう言うとはだいたい解っていた。まだ猶予があるんでな…俺も今は仲間集めをしている所なんだが。」
「仲間集め…?戦える存在が他にも有るってこと…?…やっぱり士、君も戦えるのか?そういうことだろう?」
「あぁ、そうだ。これを使ってな。たくさんの仲間たちに出会ってきた。」
士はベルトの様なものとカードを数枚取り出した。
「へぇ…これで戦うのか…」
どうやって使うのだろうか?
「まぁ、いずれ俺も戦わなきゃならんだろうからな…その時に御披露目してやる。で、どうだ?協力の方は。」
正直、無理だ。この世界を何とかしなきゃいけない、五代さんの世界も危機が迫っている。
「そもそも、士。君はこの世界に五代さんを連れ戻しに来たんじゃないのか?」
「あぁ、そうだ。で、大集合に協力して貰おうと思っていた、五代雄介にな。」
「なるほどそういうことだったのか…士、君はいったい何者なんだ?」
僕はずっと気になっていた…
「俺か?俺は通りすがりの仮面ライダーだ、覚えなくていい。」
士は外を眺めながらただ呟いた。
「まっ、また近いうちにお前に会いに来る、その時返事をくれたらいい。今から俺は他の世界の仮面ライダーに協力をしてもらえるよう頼みに行こうと思ってな、今回は…探偵のあいつの所にでも行くとしよう。じゃあまたな。」
そう言いながら病室を後にする士。
「仮面ライダー…って何だろう。」
この後僕は医者の検診を受けることになるが、士の言った、(仮面ライダー)という言葉が脳裏を離れることは無かった。
あっ、ちなみに無傷で済んだ僕を興味深そうに舐めるように見ていた男性医師(椿先生だったか?)の名前と顔は
たぶん今後脳裏を離れることはないと思う。
たぶん、いや本当に恐怖心とかじゃないから、うん本当に。
カオルが眠っている間だ門矢士は別の世界で仲間集めを再開、そしてまたやってきたという…
次回は五代&カオルの特訓パートに入ります。