三階まで駆け上がり、辺りを見回すと先ほど外から確認した割れた壁と窓ガラスの場所だった。
それと数人の警官が出血し倒れている。
間違い無く…生きてはいないであろう…
その時、奥の会議室のような場所から発砲音が鳴る。
「今のは!?そっちか!」
倒れている警官達を踏まないように音のした方へ走る。
「杉田さんッッ!!」
僕が見た光景、剣のような物を左手に、そして右手は杉田さんの胸ぐらを掴み、持ち上げている…カブトムシのようなグロンギがいた。
「一条君…か…」
「ハァッッ!」
その声と同時に僕は一気にカブトムシのようなグロンギに間合いを詰め、そのまま体当たりしてそのグロンギのバランスを崩し、膝を付いたそのグロンギを蹴り飛ばす…その勢いで壁に打ち付けられたグロンギは少し気を失ったようだが…壁に穴が空いてしまった…まぁでも、杉田さんを助け出すのに成功したから良しとしよう。
「大丈夫ですか!?杉田さん!血が…」
見た所によると杉田さんの額から少し血が流れていた。
「助かったよ一条君…私は大丈夫だ、奴の攻撃をかわしているうちにぶつけてしまった程度の傷だからな…外にもグロンギが現れたらしいが…?」
「2体現れました、僕の…仲間…?が戦ってくれています。」
そう、あの謎の青年。士から聞いたあの言葉、おそらく「仮面ライダー」が。
「…仲間…か!良かった、何とかなりそうか…?」
と、杉田さんが壁に倒れ込むグロンギを見て問う。
と、その時そのグロンギが左手に持っていた剣を杖に立ち上がり始めた。
「何とかしてみます」
「わかった、おそらく奴の狙いはこの石板だろう…?これは私が匿う…他に私に出来ることは有るか?」
「じゃあそれを持ってここから逃げて下さい、道は僕が守ります。」
「わかった。」
杉田さんは足を引きずりながらこの場所から離れようと足を進め、それと同時に、剣を持ったグロンギが僕ではなく、杉田さん目掛けて攻撃を仕掛けた。
「させるか!」
グロンギと杉田さんの間、振り下ろされた剣の真下に入り、それを受け止める。
が、ダメージがかなり大きく、受け止めきれず、膝を付いた瞬間に蹴り飛ばされる。
「いてえ…」
杉田さんを逃がすのには成功した、が…
武器を持ったグロンギを相手にするのは初めてだ。
正直どう戦えばいいかわからない…
「武器を持っている分スピードがない、早さで補う…こちらも武器か早さどちらかを使えれば…」
その時僕の脳裏に、いつか見た夢の光景。色んな色をしたクウガと、そしてこの前1人で2体を相手したときのあの色の変化を思い出す。
「やってみるか…」
そう、五代さんからも聞いたことがある。
鉄やらで出来たものを色が変わったクウガで扱うとその鉄の塊は武器に変わると。
「スピード重視、もっと早く…もっと早くだ!」
やるしかない、やってみるしかない。僕を…クウガの力を信じよう。
僕は立ち上がり、意識を集中。
気持ちはただ「早く動けるように」だ。
「変身ッッ!!」
僕のその言葉と同時に僕の身体が赤から青になった。
「よし!行ける!」
スピードが上がった僕は素早く動き、グロンギに蹴りを入れるが…
「効いていない…?」
グロンギはかわす所か僕の攻撃を体に受け、それを耐えきった…
「赤の時より威力がないという事か!?」
その瞬間振り下ろされた剣をギリギリかわし、グロンギから少し間合いを取る。
「スピードが強化された分パワーが落ちていた…どうしよう…」
と、考える僕の目の前にコロコロと転がってきた鉄パイプが…
「鉄パイプ…鉄だけど…出来るのか?」
僕はその転がってきた鉄パイプを握ると…やはり何も起こらない。
「パワーが足りない分武器で補えれば…威力は少なくても…スピードでカバーできる武器…」
のっそりと歩み寄ってくるグロンギの右手に持ち替えられたその剣のダメージを次受ければまずいかもしれない。
「剣を相手に…あっ」
そうか、イメージができあがった。
そうじゃないか、力には力を。
スピードにはスピード。
目には目を、刃には刃を。
剣には剣を。
「!?」
歩み寄ってくるグロンギは少したじろいだのが解る。
「さて、本当の戦いは…こっからだ!ハァッッ!」
僕はスピードの上がった身体でグロンギに再び一気に間合いを詰め右手に持つ鉄パイプいや…少し細短い「短剣」を振るう。
「グッ…クソッ」
痛みからか、小声で声が漏れるグロンギ…ん…こいつ今喋った…?
なおもスピードとその素早い剣術でグロンギにダメージを与える僕。
「パワーが足りないなら手数で補えばいい、それだけだ!オリャッ!」
ついに膝を付き肩で息をし始めたグロンギ。
「あとは…どうやってしとめるか…か…」
正直、「赤」に戻って蹴りで封印の力を撃ち込めばいいが、この「青」でもおそらく方法は有る。
その時、握っている短剣が光り輝きだし、熱を帯び始めた。
「そうか…!」
僕はその短剣に自分の力を全て注入する(イメージ)
それをクナイを投げるように槍を投げるように、グロンギ目掛けて全力投球。
立ち上がりかけていたグロンギの胸をその短剣が貫通し、その貫通した場所が炎に包まれる。
そして「赤」の時と同じ様にグロンギ目掛けて走り、空中で一回転。
その炎目掛け「青」のまま蹴りを打ち込む。
「ライダーキック!!」
士が命名したその名と共に。
次の瞬間、グロンギは炎に包まれ消失した。
消失する瞬間、そのグロンギから「なぜだ」という声が聞こえた気がしたが…
「ふぅ…やれば…出来るもんだな…五代さん、僕やれましたよ…あ、手伝いに行かなきゃ」
外で戦ってくれているであろう青年は2体を相手にしている、早く行かなければ。
と、立ち上がろうとしたとき、
「いやー、ほんとよくやったね、すごいすごい。」
その声の方を向くと馴染んだ顔の彼がそこにいた。
「五代さん…?どこ行ってたんですか!?探しましたよ!?」
五代さんがそこに立っていた、服装がいつもと違う様な気がするが。
「なぁ、君はさ、なぜ戦うんだっけ?」
五代さんが外を見ながら呟く。
「えっ?なんでそんなこと…?」
「なぜ、守ろうとするんだい?」
「えっ?」
五代さんの様子がおかしい、ような?
「どうしたんですか?五代さん?」
「ほんとさぁ、誰かのためにとか…笑えるよ。もう、笑い方忘れたけど。」
「五代さん…?」
「さて…出来るかな…君に、…変身」
その言葉と同時に五代さんがクウガに変身する。
ただし…
「黒い…クウガ…?」
今、僕の目の前に夢で見た恐怖の象徴、全身が黒いクウガが現れた、五代さんはなぜ変身したのか?
「五代さん…変身出来るようになったんですね!?でもその姿…なんで変身したんですか?あっ、外の奴ですか?」
眼も黒く染まり闇に包まれた姿形のクウガ。
「いや、君を倒す為さ。それと…俺は五代さんじゃない。」
その言葉と同時に五代さんが僕を殴り飛ばす。
壁に打ち付けられ一瞬気を失いそうになる。
「えっ、なんで…五代さん…?」
間違いないあれは五代さんだろ?でもだからなんで?わからない、なぜ僕は五代さんの攻撃を受けた?五代さんはなぜ僕を攻撃した?思考回路がショートしそうになるくらい混乱した僕の頭を誰か助けて下さい。
「俺は五代という名ではない…はじめまして、二代目の戦士クウガ。俺の名はダイ、よろしく。」
その言葉と同時に今度は壁ごと蹴り飛ばされ、三階から地上に落下してしまう。
落下するとき何とか致命傷を負わずにすんだが…思考回路はショート寸前でそして落下の衝撃で士の言っていた言葉を思い出す。
「五代雄介にそっくりな奴を見た」と言う言葉。
「まさか…彼が…この世界の五代さん…!?」
三階を見上げると、黒いクウガが僕を見据えこう話す。
「俺と同じぐらいに強くなったときに改めて殺してやるさ、それまで地獄の日々を味わいな、戦いの日々を。」
それだけ言うと砂煙の中に姿を消し消えた。
「僕を殺す…?」
なぜ…クウガ同士が戦う必要が?
と、その時。
「何を座り込んでいるんだ?その姿…上の奴が済んだなら手伝ってくれたまえよ、2対1より2対2の方が楽しめそうだ。」
士が変身した「仮面ライダー」に似た姿形をしたしかし色は違う、「先程の青年」の声が聞こえる。
「あ、ごめんなさいお待たせして!」
とりあえず謝っておく。
「君はあの鞭を持っている方のグロンギを頼む、接近戦の方が君は良いだろう。」
「オーケー!」
僕は「青い」クウガのまま戦うことにする。
「あの、君の名前は?」
「こんな時に自己紹介かい?感心しないな、まぁいい、僕は海東大樹、仮面ライダーディエンド、覚えなくて良いよ。」
「ディエンド…か。よろしく!!」
「よしてくれたまえ、どこかのお人好しと一緒で僕も馴れ合いは好きじゃないんでね。さ、おしゃべりはここまでだ。クライマックスといこうか。」
どこかのお人好し…ね。
「うん、わかった。」
僕の視線の先に2体のグロンギが現れる。
鞭を持った方のグロンギに僕は対峙する。
鞭を持ったグロンギが僕めがけ突進してくる。
僕も一気に忍者さながらのスピードで間合いを詰めながら途中落ちていた金属棒を拾い短剣に変化させ、その短剣で攻撃を仕掛ける。
先程の戦いでなれ始めたのか、戦いは早く収束を迎えられそうだ。
「ハァッッ!」
少しグロンギから間合いを取り短剣をグロンギへ投げ、その短剣は今度は貫通せず胸元に突き刺さる。
もがき苦しむグロンギに間合いを詰め空中で一回転。
そして右足で蹴りをその短剣に打ち込み、その短剣が鞭のグロンギから貫通し、ディエンドが戦っていたグロンギに突き刺さる。威力が強かったのか、ディエンドが戦っていたグロンギは不意を付かれ、そのまま封印の力を注入され消失し、もちろん僕が戦っていた鞭を持ったグロンギはとっくに消失していた。
「…なかなか汚い攻撃だねえ、でも嫌いじゃない。」
その言葉と同時にディエンドは青年の姿に戻り、僕も変身を解除。
「ありがとう。」
「いや、感謝の気持ちはいらない。僕が欲しいのはお宝だけさ。だか…いていくよ…」
最後の方は聞き取れなかったが…その青年はその言葉を残し、どこかに消えていった。
その直後
「一条君!」
頭に包帯を巻いた杉田さんが、焦り顔で僕に駆け寄ってきた。
「あっ、杉田さん大丈夫ですか?けがの方は。」
「そんな事より!盗まれた!」
「えっ、何をです?」
「石板だよ、例の石板!」
「ええっ!?」
あっ、
「だから頂いていくよ…」
犯人は。
間違いない…彼だ。
そもそもあの石板はいったい…?
そして、ダイと名乗った彼…
僕は彼と戦わなければいけないのか…?
僕が強くなったときに…
彼は僕を殺す…
クウガがクウガを殺す…?
五代さん…
教えて下さい。
あなたならどうしますか?
僕は、
それでも誰かのために強くなって戦います。
五代さん。
いったいどこ行っちゃったんですか━━━━━━━━━━━━
カオルの新フォームのイメージは五代雄介の「流れる水の如く敵をなぎ払う」のあのフォームにロッドではなく、小太刀位の長さの剣で忍者のような戦いを主体とします、台詞にもある「手数で」ダメージを与える的な。
必殺技のイメージは仮面ライダー電王のロッドフォームの必殺技のイメージです。
そして黒幕、もうひとりの五代雄介=ダイ。笑顔を失った黒き闇の戦士クウガはとりあえずチョーTUEEEEE設定で行きます。
ディエンドさん今後も少しでます、重要なキャラクターになりますので…
次回、今回のお話から一週間後の所から始まります。
青空の消失も終盤に差し掛かってるんで、もっと頑張ります、次回、お楽しみに。