仮面ライダークウガ-青空と笑顔の戦士再び-   作:芹沢春輝

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あけましておめでとうございます。
更新遅くなりました、すみません。「青空の消失」も残り1話になりました。そして今回と次回のお話に前回に引き続き「仮面ライダーW」より2人のゲスト出演があります。ではお楽しみください


青空の消失⑩

「緊急通報、栄水地区住宅街付近に数体のグロンギ出現!」

 

「またか!?」

ここ一週間毎日僕は数回にわたり戦っている。

緊急通達が会議室に響くと僕はもう、体が動きかけていた。

「なお、仮面ライダーが数体のグロンギ相手に応戦しているとの未確認情報有り。」

 

その通達で僕の体が止まり、士と目が合う。

 

「カオル…お前が行かなくても大丈夫じゃないのか?仮面ライダーとやらがいるらしいじゃないか。」

 

士は態度こそ荒っぽいがおそらく僕の体を案じているんだろう。

「それでも、僕はクウガだから。それに五代さんかもしれないし。」

士の優しさに僕なりに答えたつもりで、士は僕の言葉を聞いたかと思うと椅子から立ち上がる。

「…わかった、俺も見物にいこう。」

とだけ口にして、会議室を僕より先に後にした。

 

「じゃあ輝ちゃん、椿先生またあとで。杉田さん行きましょう。」

 

杉田さんと共に僕は士を追い会議室をあとにした。

「カオルン怪我したら、ちゅーしちゃうからね。」

何やら輝ちゃんの危険な言葉が聞こえた気がしたので足早に会議室を離れた。

 

現場には数体のグロンギを相手にしている「仮面ライダー」がいる。つまり僕や士以外の戦士に出会えるかもしれない。僕は独りじゃない、ただそう思いたいだけなのか僕は…違う、そうじゃない。

僕は、強くなりたい。色んな「仮面ライダー」に出会って、強さを学びたい。五代さんや士、この間共闘したカイトウ。僕は彼らのように強くなりたい。

ひとりでも多くの笑顔を守りたい、だから会ってみたい、たくさんの「仮面ライダー」に。

 

 

現場に到着すると、4体のグロンギが独りの仮面ライダーと対峙していた。

 

「ちょっと数が多いぜ…」

その仮面ライダーが呟いた。

目は赤く身体は黒…いや紫色か…その仮面ライダーが4体のグロンギに囲まれていた、そこである事に気付く。同時に現場に到着した士もそれに気付いたようで、

「全部同じ姿か、気持ち悪いな。」

士、確かにあの4体同じ姿だけど気持ち悪いって…

 

その士の言葉に反応したのか敵意の対象が紫色の「仮面ライダー」から僕と士に変わる、あっ言ったの僕じゃないよ、この人です!

4体のグロンギの姿は総て鳥のようなものだった。

 

「見物するつもりだったが…仕方ない、行くぞカオル。」

 

「あぁ、わかった。」

 

「「変身!」」

士はベルトを装着し、カードをベルトに装填するとディケイドへと変身した。僕も五代さんと同じあのお馴染みの動作で赤色のクウガに変身した。

 

すると4体のグロンギは自らの羽を武器にし攻撃を仕掛けてくる。いわゆる飛び道具だ。

 

僕とディケイドはそれをかわし、僕はとりあえず目の前の一体に攻撃を仕掛ける。

この一週間毎日戦ってきたせいか…いや成果と言った方がよいか、なんなく追い詰める。

ディケイドも剣を駆使しうまく立ち回っている、紫色の仮面ライダーも僕と同じ格闘スタイルでグロンギを追い詰める。

 

「さて、お片付けだ。」

 

紫色の仮面ライダーがメモリースティックのような物を腰に装填すると、不思議な電子音が聞こえた。

 

「決めるぜ、ライダーキック…!」

 

追い詰めたグロンギめがけ少し飛び上がり、右足で跳び蹴りを決めるとそのグロンギは爆発、跡形も残らなかった。

 

「僕も決めるよ、ライダーキック!」

 

僕は目の前のグロンギめがけ飛び上がり前に一回転し蹴りを打ち込む。グロンギは炎に包まれ爆砕した。

振り返るともうディケイドもとどめをさしていたようで、何やら周りを見回している。

 

「どうしたの、士。」

するとディケイドではなく、紫色の仮面ライダーが答えてくれた。

 

「一匹逃げちまったな…」

 

「本当だ…4体いたうち残り一体が…」

 

そう、いなくなってしまったのだ。そう遠くには行っていないはずだが…

鳥のグロンギ…空を飛んで逃げたか…?

僕がふと青空を見回すと、少し自分の視覚に異変が起こる。

 

「あれっ…見えた…?」

 

今、上空を飛んで逃げる鳥のグロンギが見えた気がした。

そして身体の外観にも異変が起こり始める。

「背中が何か…あれ…?」

 

気付いたときには背中に羽が生えていた。

 

「カオル、行けるか?」

 

ディケイドが、僕に語りかける。

「やってみる…よしっ、イメージオーケー!」

 

「あとはあんたに任せるぜ。」

紫色の仮面ライダーも僕に託してくれた。

僕は頷いてこう叫ぶ。

 

「超変身!」

 

五代さんが教えてくれたこの言葉、使わせてもらいますね五代さん。

 

すると僕の身体が緑色になり羽が羽ばたき身体が中を浮く。

 

「行ってきます!」

 

「ちょっとまった一条君!これを。」

 

行こうとした僕に到着した杉田さんが有る物を渡してくれた。

 

「杉田さんこれは?」

「対グロンギ用の神経断裂弾入りの拳銃さ、試しに使ってみてくれ。」

「ありがとうございます!じゃ行きます!」

 

僕は羽ばたき遥か上空にいるグロンギを追う。

 

 

「見つけたよ!」

 

グロンギを見つけた瞬間、手に持っていた拳銃がライフルのような武器に変化した、これもクウガの霊石の力だろうか。僕は弾を放ち、直撃したグロンギは降下し地面に倒れ落ちる。

 

「仮面ライダーは空も飛べるのか…!?」

 

その姿を追い、とどめを刺そうと近づくと、こちらに気付いたグロンギが言葉を放つ。話せるなら話そうじゃないか。

「どうして住宅街で暴れた?」

僕の問いに鼻で笑い答える。

「話す替わりに見逃してくれ!頼む!えーとな栄水遺跡の辺りにな、力を与えてくれる石があるって噂があってよ、それをネットの掲示板で知り合った奴らと興味本位で探しに行ったんだよ、そしたら男に出会ってその瞬間から体に変化が起こった。そしたらこのざまだ。力が手に入ったんだからどうせならと、力の石を手に入れようと仲間と探そうと思ったんだが…他の奴らが仲間割れしだした。そこにあんたら仮面ライダーの登場というわけさ。」

 

つまり、何者かの力で体が変化し、力の石を奪い合っていた?ということか。力の石…他にもあるのか?

「頼むよ、見逃してくれよ!誰もコロしてないンダッよ、タノムヨタノムヨアレナンカカラダガオカシイナ…」

そのグロンギの言葉が片言になり始め、何やら危険な気がして間合いを取るため少し離れると…

「アハハハアハハハハ」

 

そのグロンギは立ち上がり、先ほどまでの自我を失ったかのような、そんな状態でふらついている。

 

「アークウガミッケゲゲルカイシー」

 

その言葉と同時に僕の身体めがけ羽をとばしてくる。それをかわしながら銃で応戦するが…

 

「大丈夫かカオル!?」

 

後ろを見るとディケイドと、そして紫色の仮面ライダーが隣にいた。

 

「大丈夫、僕ひとりで大丈夫だから!ここは僕に任せて欲しい。」

 

僕の後ろの仮面ライダー2人はただ頷き僕を見守ってくれるようだった。

 

仮面ライダー三人相手に分が悪いと思ったのかグロンギが羽ばたき宙に消え、その姿を追って僕は意識を集中し気配を追う。

 

「…いた。」

 

この緑色の身体は…たぶん飛びたいという気持ちと連動しているようだ。意識を遠くまでとばし視覚と聴覚を最大限に生かす、感覚に優れた身体。

 

僕は翼で再び飛び上がり空を舞う。

加速し一気にグロンギを追い詰め、間近に迫ったところで手に持つ銃の引き金をグロンギめがけ引いた。

「ギャァァッッッ」

 

銃弾を受けたグロンギの身体が地面に降下し始める。

そのグロンギに再び銃弾を放ち、当たった場所が炎に包まれ始める。

 

「トドメだ!」

 

僕は落下するグロンギに急降下し蹴りの体制に入る。

「ライダーキック!」

 

僕の右足も炎に包まれグロンギに直撃、真下が海面であったため、僕はすんでの所で飛び上がり、水しぶきが舞い上がり、同時にグロンギも海底で爆発したようだ、が…

 

直後、人間の姿をした男性が海面に浮き上がってきた。

 

「今のグロンギが…人間…?」

 

そういえば前に遺跡で人間に化けていたグロンギがいたっけ?僕が初めて変身したあの時の…そんなことよりとりあえずこの男性を運ばなきゃ。

 

僕は浮き上がってきた男性を抱えて、ディケイド達の元へ戻る。

 

そこには杉田さんもいた。

 

「一条君!無事で何よりだ!その男性は?」

 

「もう息はないんですが…おそらく僕が戦ったグロンギだろうかと思います。」

 

杉田さんは携帯を取り出しなにやら電話をかけだした。

 

「一条君、私はその遺体を椿の所に運ぶ。君はどうする?」

 

「僕は2人に話がありますんで…」

 

と、2人の仮面ライダーを見て杉田さんに促す。

 

「わかった、会議はまた後日に。」

 

「はい。」

 

僕はその遺体を杉田さんに預けると同時に僕の身体は人間のその姿に戻る。

遺体をパトカーに乗せどこかに走り去る杉田さんを見送ると、2人の仮面ライダーも元の姿に戻った。

 

「あんたが、噂のクウガか?」

 

紫色の仮面ライダーだった男性が帽子をかぶりながら言う。

「僕は一条カオルです、よろしく!その…クウガです、はい。あなたは…」

 

「俺はしがない探偵…左翔太郎、仮面ライダージョーカー。相棒を探すついでにディケイドに会いに来たんだが。」

 

そこで、士が間に入る。

「大戦に協力してくれる気になったのか?」

 

左さんが首を横に降り、

 

「相棒がいない今、風都を守れるのは俺だけだからな、無理だ。」

 

「サイクロンの方が行方不明とは…何があった?」

 

「俺にも解らねえよ、ただ何か調べてたら変な場所に出たとか最後言っていたな。」

 

「変な場所?」

これは僕の問いだ、士は黙って聞いている。

「あぁ、光に包まれた不思議な場所だとか言ってたが、10日ほど前から連絡が取れない。」

 

「そういえば五代雄介も行方不明とか言ってたが…」

と、士はポケットから写真を取り出す。

 

「あ、それ!あっ、輝ちゃんが言ってた探偵って左さん!?その写真を士に届けたのも!?左さん!この写真はどこで取られたんです!?」

僕はちょっと熱くなっていた。

 

「まぁ、落ち着きな。それは風都で数ヶ月前に撮られた写真さ。この男は何やら怪しい情報を垂れ流す奴らしい。」

 

「というと?」

 

そこで士が口を開く。

 

「力が欲しい奴は栄水遺跡へ行け。」

 

「ご名答。だから栄水遺跡に行けば相棒もいるかと思ったが、まさか戦う羽目になるとはな。」

 

つまり、この写真の五代さんは五代さんじゃない。ダイは数ヶ月前から活動していた。

何のために?

 

「とりあえず俺は風都に戻る、またな一条カオル。仮面ライダークウガ。」

 

左さんはヘルメットをかぶりバイクに跨がると走り去っていった。

 

仮面ライダージョーカー、左翔太郎。

 

その相棒はどんな人なんだろう。

 

今は戦いの疲れよりもそのことが少し気になる、そしてそれよりも気になるのは。

 

「士、五代さん自分の世界に帰ったのかな?」

 

「お前、本気でそう思ってるのか?」

 

「何で?」

 

「お前に笑顔が無い以上、五代雄介が何もせず帰るわけ無いだろう。」

 

 

そうか…そうだね。

 

僕は士の言葉を飲み込み、澄み渡る青空を見渡すと、夕焼けがもうすぐそこまで迫ってきていた━━━━━━━━━━━━━━━

 




今回のお話は「昭和vs平成」の時系列内での出来事という設定です、フィリップが序盤参戦しなかった理由と言いますか…次回をお楽しみに!
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