仮面ライダークウガ-青空と笑顔の戦士再び-   作:芹沢春輝

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このお話から昭和vs平成の物語にリンク要素が増えます、客演キャラクターが増えていくんで、書き手としては楽しい限りです!!(テコ入れじゃないよ、ホントいやホントだってば)


青空の旅立ち④

翌朝、僕の目を覚ましたのは僕のスマートフォンへの一本の電話だった。

「ん。はい?おはようございます一条ですが」

「緊急だ一条君!栄水遺跡の近くにある住宅街の広場に怪物の群れが!」

声の主をスマートフォン画面にて確認することなく電話に出たためと、目覚めて間もないため声とその内容がほとんど脳に入らなかった。

「えーと、杉田さん?ごめんなさいもう一度お願いできますか?」

おそらく相手は杉田さんなのだろうが、電話の内容が解らない以上話が進まない、そろそろ頭が冴えてきてはいるがやはり僕の早朝の脳内は弱いらしい、

「怪物の大群が栄水遺跡の近くの住宅街の広場に」

まで言いかけた杉田さんの言葉はそこで音信が途絶えた。それは僕が電話を切り上着を羽織って仮眠室を飛び出したからであるほかない。

一瞬だった、僕の身体はもう先ほどのそれとは全く別物だった。

「おーっ!!カオルン!おはー。」

仮眠室を出るとちょうど寝起きのノーメイク状態…の輝ちゃんに出くわした。

「ひっ輝ちゃんごめん!ここを離れないでね!何かあったら杉田さんか僕に連絡忘れないで!じゃっ!」

「んえっ?何かあったの?」

「帰ってきたら話すからー!」

と、僕はその言葉を残して施設を飛び出した。

「何かあったのかしら?」

輝は眠気を帯びた目をこすりながら呟いてカオルの背中を見送った。

 

バイクにまたがり山を下り近くの住宅街の広場へ向かう。場所を特定し切れてはいないが(杉田さんにちゃんと聞けば良かった…)なんとなく予想は出来ている。

僕が昔、両親と暮らした家があるあの場所の公園、「亀山公園」という名の場所だ。遺跡からはそう離れていない、バイクなら5分もかからない。

そうこう考えている内に、人の悲鳴が聞こえた。

「誰か、誰か助けてっ!」

50メートルほど先に骸骨のような姿をした怪物…いや怪人と言うべきか…?が男の子を連れ去ろうとしていた。

「やめろーっ!」

僕はバイクを加速し、そのまま怪人にバイクごと体当たりした。

「イーッッ!?」

怪人が叫びながら吹っ飛んでいき、ワタワタしなががら痛みにもがいている。

僕はバイクを降り、男の子に話しかける。

「大丈夫?怪我はない?」

男の子は、コクリと肯き、

「お兄ちゃんありがとう。あっ!」

と、男の子の視線の先には先ほどぶっ飛ばした骸骨の怪人と…同じ姿をした怪人が1、2、3、4、5、6、7…それ以上に増えていた、正直気持ち悪い。

「早く逃げようお兄ちゃん!」

「いや、僕に任せて!」

僕が男の子の前に立ちふさがり、怪人達に対峙する。

「お兄ちゃん…?」

「イーッッ!」

男の子が不安そうな声で呟くと同時に、怪人達かけ声とともに僕めがけ走り迫ってきた。

「よしっ、行きますかっ!」

僕も少し駆け出した、そして。

「変ッ身ッッッ!!」

クウガへと変身した。

「お兄ちゃんも…仮面ライダーなんだ…」

後ろの男の子が何か呟いた気はしたが今は戦いに集中しなければ。

僕は「赤」へと変身しているため接近戦、主にカウンター攻撃で怪人達を相手した。

すると視線の横をあの男の子が走り去るのをとらえた。あれっ、なんか今あの子地面すり抜けた…気のせい…?それを怪人の数体が追う。

「あっ、ちょっと待ってよ!?君!!」

残りの数体に足止めを喰らい男の子を追うことが出来ない。

「だぁっもう!邪魔だっ!」

「イーッッ!?」

残る怪人数体を蹴り飛ばし、男の子と怪人を追いバイクにまたがる。

「見つけたっ!」

そこまで離れてはいなかったようで、再び僕は怪人達と男の子の前に立ちふさがる。

「急にいなくなっちゃだめじゃないか!君はどうして奴らに追われてるの?」

男の子は答えない。

前方を見ると怪人達がさらに増えていた、これはどういう事だ。この男の子はいったい何者なんだ…?

「その子を助けてはならんッッッ!!」

んえっ?その渋い声に僕は呆気にとられ変身を解いてしまった。

その声の主は、僕の後ろから聞こえてきた。

その声に男の子はびくりとなり再び走って逃げてしまった。

「だぁっもう!待ってよ!?」

僕は男の子を追おうとするが、目の前の怪人達をどうするかで悩み足が止まる。

「あの子を助けてはならない…」

先ほどの、渋い声の主が僕の目の前まで来ると、再びそう告げた。

「あの子は…一体…?いや、ていうかあなたは?」

僕の目の前にいる「男」は、黒い革のジャケットを身にまとい黒いサングラスをかけた、初老までは行かないか位のダンディーな人だった。その男がサングラスを取り、

「俺は、本郷猛。お前はライダー…のようだな。」

「ライダー…?あっ仮面ライダークウガって事ですかね?出来ればその…内密に…」

さっきの変身見られていたか…黙ってて貰いたいけども…

「貴様のようなひよっこも…ライダーと認めるわけにはいかんッッッ!!」

えっ、何、この人、いきなり何キレてるの?

「イーッッ!!」

怪人達も何か叫んでる。あぁ僕もう男の子追いかけていいですか?杉田さんの所にも行かないと。

「そこのショッカー怪人共は俺が相手をする。」

僕はふと思った、この人…もしかして…もしかすると…

「お前はこの先でやることがあるだろう、ここは俺に任せて早く行け…」

尚も男はそう言うが、

「いや…でもですね…」

「そういうところがひよっこだというんだッッッ!!」

あはは、もう何か面白いよこの人。

「イーッッ!!」

遂には怪人達が襲いかかってきた。

「おのれショッカーッッッ!!俺が相手だ!!フンッ、ハァッ!!トウッ!!」

男は生身で怪人達とやりあっている。滅茶苦茶強いぞこの人…

「早く行けッ!!」

「ぬぁぁッッッ?!ハイッ!」

僕はバイクにまたがり先を急ぐことにした。

そして…

「ライダー…変身ッッッ…トウッ!!」

男は「変身」した。やはりか…やはり彼は「仮面ライダー」だったか…直感的にそんな気はしていたが…

彼の戦う姿を見ることなく僕はバイクで走り出す━━━━━━━━

 

「とどめだッッッ、トウッ!!ライダーキーックッ!!」

その男の名は本郷猛、またの名を仮面ライダー一号という、伝説の戦士。

「平成ライダー…だと…甘ったれたひよっこ共に…仮面ライダーという称号は、渡さん…」

その男はショッカー怪人を倒し終えるとどこへ向かうのか…どこかへ歩き去っていった━━━━━━━━

 

 

公園にたどり着くと、先ほどのショッカーと呼ばれていた怪人達や、グロンギの他に数体の怪物達が杉田さん達率いる警察部隊と対峙していた、ショッカー怪人達は警官が多勢でかかると何とかなるのか…ギリギリ何とかなっている状態…でもなさそうだが…あの男の子は…いないようだ。

とにかく、僕が行かなきゃ!!その思いと同時に身体が「赤」のクウガに変化した。

だいぶ変身も様にはなってきたかな。

「皆さん下がって!僕に任せて下さい!」

僕は怪人達に飛びかかり、警官達の前に立つ。

「一条君!すまない、あの白黒の怪人達は私たちに任せてくれ!ほかを頼む!」

杉田さんの指示が聞こえたので、白黒…ショッカー怪人の事だろうか?それ以外のグロンギ達の前に僕は立ちはだかる。

多勢に無勢は何度目か…?とにかくやるしかない。

そもそもこの怪人達の軍団はあの男の子を追っているのか?それさえもわからないが…今は戦うしかない。

「行くぞ!」

僕はグロンギ2体を相手に戦い始めた。

蜘蛛、蟻、の姿に近いその2体を相手に。

少し戦ってみると解ったのは蜘蛛の方は糸を吐いて相手の動きを封じて攻撃するタイプで蟻の方はとにかく俊敏で攻撃自体は弱いが逆にこちらの攻撃が当たらない。これは相手の組み合わせは最悪で最高と言える、動きを封じられ、動いても当たらない、中々厄介な組み合わせできたものだ…

「赤がダメなら…青だっ!ちょっと借りますよ、警官さん!」

そばにいた警官から警棒を借りるとそれを手に取り構えながら叫ぶ。

「超変身ッッッ!!」

僕の赤い身体が青へと変貌し、警棒は短剣へと姿を変えた。

とにかくスピードで接近戦に持ち込んで、致命傷を負わせて、「赤」でしとめるしかなさそうだ。

「ハァッ!!」

まず僕が取った行動は、蟻のグロンギに攻撃を仕掛けることだった。

「勝負だッッッ!!」

僕は蟻のグロンギに真正面から短剣を振るいながら挑む。

手数で攻める、所謂「乱舞」のような立ち回り。これは五代さんや士には無い、僕だけの先頭スタイル。とにかくパワーよりもスピードと攻撃の手数で相手を仕留める。

しかし、中々僕の短剣が蟻のグロンギを捕らえることは出来ない、「当たらなければ」意味がない。

スピードが蟻のグロンギの方が上回っているせいだ。そして、遂には攻撃してこなかった背後にいた蜘蛛のグロンギが僕めがけ糸を吐いた。

「ここだっ!」

蜘蛛のグロンギが糸を吐いた瞬間、僕は横に転がり、その糸を避けた。そしてこれは僕が今か今かとこの胸で震えんばかりに祈っていた絶好の好機でもあった。そう、蜘蛛のグロンギが吐いた糸は僕ではなく、僕の前にいた蟻のグロンギを捕らえたのだ。

「トドメだッッッ!!」

動きを封じられた、蟻のグロンギ。そのスピードを生かすことが出来ない、僕にとっての絶好のチャンス、存分に生かさせて貰おう。

「喰らえッッッ、ハァッ!!」

右手に持つ短剣を蟻のグロンギめがけ投擲し、横腹に命中した。その場所に封印の文字が浮かび、僕は蟻のグロンギめがけ駆け出し少し飛び上がり一回転。

「超変身ッッッ!!」

そして、

「ライダーキーックッ!!」

僕の赤色の身体になった渾身の蹴りが横腹に突き刺さる。

「グヌッッッ!?」

悲痛の叫びとともに蟻のグロンギは消滅した。

「さあ、次はお前の番だ…」

僕は蜘蛛のグロンギを見据えそう呟いた。

あとは、「赤」でやれる気がする。僕は確信していた。この蜘蛛のグロンギの決定的な弱点を。そして過信していた、己の確信を。

「さぁ、勝負だッッッ!」

僕は蜘蛛のグロンギに、接近戦で対処した。離れれば離れるほど、糸を吐かれるリスクがある、近くにいれば吐かれる前に攻撃を仕掛ければいい。それ自体が蜘蛛のグロンギの弱点だ、そう考えて僕は接近戦闘に持ち込んだ。

腹部にストレート、脚部に蹴り、色々なバリエーションで相手に攻撃をさせない先手先手の戦闘スタイル、これは士の戦い方に近いかな。

そろそろトドメをさせるだろうか?そう思った瞬間、足が急に動かなくなった。

「え、何!?」

僕は右足が「何かに」捕らわれそのまま倒れ込んだ。

よく見ると、蜘蛛のグロンギが吐いた糸が足元にへばりついていた。

「何で!?あっ、まさか…」

おそらくこの糸は、戦いの序盤に蜘蛛のグロンギが吐いた糸だ…それに足を取られた、いや違う、目の前のことに集中し過ぎて、周りに意識が行かなかった己の確信の過信の結果だ…これはまずい…

「カオル!!大丈夫か!今行く!」

「えっ!?」

僕に声をかけたのは、いつの間にか参戦していた仮面ライダーディケイド=門矢士だった。

「士!?危ない!後ろ!」

「なっ!?クソッ!」

ディケイドも多勢を相手しているため、中々助けには来られない状況…

蜘蛛のグロンギはゆっくりと近づいてきている、手の爪が一段と鋭く延びて、僕にとどめを刺そうとしている。くそっ…何か…くそうっ…もうダメなのか…

 

「させるかァーッッ!ウォリャーッッ!!」

 

懐かしく久しぶりに聞いたその声は澄み渡る青空から舞い降り、光と共に蜘蛛のグロンギを粉砕した。

まさか…まさか…

「おう、ナイスタイミングだな。」

ディケイドが僕に駆け寄り 、空から舞い降りた救世主に呟く。

「間に合って良かった。」

その青空の救世主とディケイドは僕の手を取り、再び僕は立ち上がることが出来た。いつの間にか変身が解けていた。

「さて、俺たち三人がいればこいつらなら相手は余裕だろう。」

士が残る怪人や怪物達を見据え、宣言する。

「杉田さん、警察部隊の皆さん、下がって下さい。」

僕の声に杉田さんが反応し警察部隊は後ろに下がる。

「それで、カオル君、怪我はない?」

青空より舞い降りた救世主は僕の身を案じているようだ。

「大丈夫ですよ!あなたこそもう大丈夫なんですか?」

彼は笑顔で答えた、と思う。

「俺は自分の場所に帰るために、もっと強くなりたいから!」

その答えで僕は十分だった。

「ははっ、大丈夫そうで良かった。あっ、そうだった。」

僕の顔を見て首を傾げる彼。

「どうしたの?」

彼は答え、士もこちらを見ている。

「お帰りなさい、五代さん!」

「ただいま、カオル君!」

僕と五代さんは右手を握りしめ親指を強く立たせあい、それを士は少し笑いながら見ていたと思う。

ようやくたどり着いた、対等に戦えるこの場所に、僕はようやく…たどり着いたんだ。

「行こう、五代さん!士!」

「あぁ!」

「お前に言われなくてもな!」

三人の男が並び立つ、その男たちは、まさしく仮面ライダーだった。

「「「変身ッッッ!!」」」

今ここに2人の仮面ライダークウガと、仮面ライダーディケイドが並び立つ、

父さん母さん、博士、輝ちゃん、そして愛する桜子、僕は、仮面ライダーだから!クウガだから!

「行くぞーッッッ!!」

僕を筆頭に三人の仮面ライダーは敵に走り出した━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。

 

 




以前予告に登場予定だと告知していた仮面ライダー一号=本郷猛、そして五代さんの復活、同じ一号同士の登場も小ネタとして考えてました、さて次回以降はストーリーが人物の視点によって別々のストーリーが展開予定です、お楽しみに~。(更新はかなり遅くなりますごめんなさい)
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