仮面ライダークウガ-青空と笑顔の戦士再び-   作:芹沢春輝

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五代雄介sideとは別の物語です。今回は別作品からゲストが3人?と、一匹?も。彼の決め台詞も登場。
はてさてお楽しみいただければ。



青空の旅立ち⑦一条カオルside

一条カオルside

 

翌朝、時刻は8時。僕と士はバイクにまたがり旅立とうとしていた。

「じゃあ行ってきます。」

博士、桜子、輝ちゃん、そして五代さんに見送られ、戦いに赴こうとしている。

「カオル!絶対!帰ってきてよ…?」

「わかってる。必ず」

桜子に笑顔で答える。

「五代さん、少しの間…お願いします、どうか怪我だけはしないで下さい。」

「カオル君もね、無理はしないこと。それと、これを。」

五代さんが僕に差し出したのは昨晩夕食後にみんなで撮った…集合写真だった。

「この写真…ありがとうございます五代さん!じゃあ行ってきます!」

僕は写真を胸の内ポケットにしまい、バイクのエンジンをかける。走り出す音と共に僕と士の旅は始まった、目線の少し先が波打つように揺れていた、これは涙ではない…空間が歪んだのか…?そう、世界を越えたのだ━━━━━━━━━━━。

 

眩い光の先に見えてきたのは、見慣れない町並みだった。

士がバイクからおり、辺りを見回している。

「どうしたんだよ士?」

僕もバイクから降り、士に駆け寄る。

「ちょっとな。」

尚も辺りを見回している士は声を張り上げて叫んだ。

「いるのは解っているぞ、夏ミカン!隠れん坊は無しだ!」

夏ミカン…人を捜していたのか…?

すると、物陰からひとりの女性が出てきた。

「…どうして解ったんですか士君。」

ムスッとした表情で現れたその女性はとても可愛かった。

「お前のことなら解る、俺だからな。何をしている?」

「それは俺から説明させてもらう。」

士がその女性に問うと同時にどこからか現れた青年が言い放つ。

「お前は…桜井侑斗…だな…?いや、仮面ライダーゼロノスの方が良いか?」

桜井侑斗と呼ばれた青年は一枚の写真を士に見せた。

「この写真の少年、名前はシュウ。この子を光夏実と調べていた。過去に飛んだりしてな。」

士はなるほど…と頷く。

「あのぅ…士君、話の途中ですみません、そちらの方は?」

光夏実と呼ばれた女性とチラッと視線が合い僕はドキッとした、これは浮気じゃないよ、浮気だめ絶対。

「ぼ、僕は一条カオルと言います、えっと…」

僕が口ごもるのを見かねて士が割って入る。

「一条カオル、仮面ライダークウガだ。ユウスケとは別の世界のな。」

士から聞いたことがある、小野寺ユウスケ=仮面ライダークウガ。今は旅をしているらしい…

「クウガ!?それはそれは!はじめまして、光夏実と言います、士君には夏ミカンと呼ばれてます、あっ、ちなみに私も仮面ライダーなんです。ね、キバーラさん。」

パタパタと白い何かが夏実さんの周りを飛んでいる。何あれ…鳥?

「それ鳥ですか?」

僕の問いにキバーラさんと呼ばれた白い何かが答えた。答えた!?

「失礼しちゃう、私は蝙蝠よコウモリ、オーケー?」

「しゃべった!?」

「キバーラさんは私の相棒さんなんです、改めてよろしくお願いしますね一条カオルさん!」

「あぁ…よろしくお願いします…」

「話が脱線したな、元に戻すぞー。」

士は桜井侑斗と呼ばれた彼に向き直る。

「で、ゼロノス殿?シュウの正体が分かったと?」

「あぁ、間違い無い情報…いや歴史だな、彼は…シュウは…すでに死んでいる。」

シュウと呼ばれた少年…昨日助けたあの少年はすでに死んでいる…?確かに触ったし話もしたが…

「なるほどだいたい解った、昭和ライダー達が敵対した理由もそれが原因だ、ふんっ、胸くそ悪い話だな。」

士は空を仰ぎ呆れているようだった。

「門矢士…いや仮面ライダーディケイド、これ以上あの少年シュウに肩入れはするな。これは警告だ。」

桜井侑斗は士に対しキツい口調で言う。

「子供を守るのが仮面ライダーだろう、俺はそう思うが、俺がその警告に反するというならどうする気だ、桜井侑斗?」

「ダメです士君、今回ばかりは…あの子を助けてしまうと…世界はバダン帝国の物になってしまいます!だからッッ!」

夏実さんが桜井侑斗と士の間に割って入り、何とか冷え切った空気を取り繕いでくれてはいるが…これはつまり…士と桜井侑斗の交渉は決裂したということか…?

「世界の破壊者ディケイド、もう一度警告する、あの子を助けてはならない。即刻身を引け。」

「断る、俺は自分が信じた自分の生き方を変えるつもりはない、シュウは必ず守る、そしてバダン帝国は俺が…いや俺達平成ライダーが叩き潰す、お前は昭和ライダーの差し金なのか?」

士ははっきりした口調で言い切った。

夏実さんがワタワタとして慌て始めているが…

「時間は自然に流れるから美しい、俺は時を守るためなら何でもするのさ。平成だの昭和だのそんなのはどうでも良い、歴史を改編する物は敵と見なす、俺はそれだけだ。」

2人は詰め寄り、今にも戦いの幕が上がりそうだ…僕は…

「僕は…2人の言い分はよくわからない。」

「「なに…?」」

桜井侑斗と士の声がシンクロし夏実さんはキョトンとした目で僕を見ている。

「桜井侑斗、君が言っている歴史改編は、つまりシュウが死んでいるはずなのに今何故か生きていることを指すんだろ?」

あぁ、と桜井侑斗は返事をする。

「士、バダン帝国とシュウはどう関係しているのかちゃんと調べた?」

「有る程度はな、シュウは特殊な状況で蘇ったらしい、それをバダン帝国が利用しようとしている。」

「なるほど…と言うことは僕が思うに…なんだけど、二人の意見は決裂してないと思うんだけど…?」

僕は続ける。

「バダン帝国はおそらく生きているものと死んでいるものをひっくり返そうとしている、士は昨日夕食の時教えてくれたよね?昭和ライダーの話も聞いた。平成ライダーがシュウを助けたことによって生み出されたのがバダン帝国だと昭和ライダーは主張しているって。この一連はさ、自然に流れてない…?」

「なるほど確かに…」

士は頷く。

「桜井侑斗、君が主張する、シュウを助けてはならないという話、つまりはバダン帝国にシュウを渡してしまえと言うこと…?違うでしょう?」

桜井侑斗はハッとした顔で僕を見ている。

「君はおそらく、シュウが死んだ時間で何か見たんじゃない…?夏実さんも。」

夏実さんも少しハッとした顔で僕を見ている。

「シュウの父親が…バダン帝国の中にいる…」

桜井侑斗は呟いた。

「なるほど…これでだめ押しだ、士は…たぶん気付いているんじゃない?昭和ライダーの目的を。」

「おそらく、昭和ライダーはシュウを見殺しにつもりはなく、シュウを泳がせてバダン帝国の目論見を探っている…?」

士も頷く。

「よし、だいぶ落ち着いてきた、これで最後。僕たち仮面ライダーの現状、敵となる存在は…?」

「「「バダン帝国」」」

僕の問いに三人が答える。

「そう、時間を元に戻すにはまずバダン帝国の目論見を絶ち、シュウがどう関連し、何故狙われるのかを調べることだ、倒すべきは平成ライダーでもない昭和ライダーでもない、バダン帝国でしょ?」

三人が黙って聞いている。

「そしてこれは僕の憶測なんだけど。たぶん昭和ライダーは僕たち平成ライダーとあえて敵対し僕たちを泳がせて、バダン帝国のねらいを探っているんじゃないかな。バダン帝国に潜入したりしてるかもね。」

「何故そう思う?」

士は僕を睨むような目つきとともに話す。

「本郷猛…という人に出会ってね、シュウを助けるなと言って僕の前に現れたんだ、昨日ね。」

「なんだと!?」

士は驚き桜井侑斗と夏実さんは黙っている。

「僕はシュウを怪人から守るために戦っていた、そこに助けるなと言い現れた男が、僕にやるべきことがあるだろう、と催促し先に行かせ、シュウを守るように怪人と戦っていた、それが本郷猛という男だった。たぶん昭和ライダーなんだろう、とそのとき思ったよ、平成ライダーだのひよっこだの散々言われたからね。僕達は監視でもしてるんじゃない?昭和ライダー達に、同様にバダン帝国も間近で監視するくらいやってのけそうだけど。」

「それは有り得そうだな…ふんっ胸くそ悪い。」

士は再び空を仰いだ。

「つまり俺がシュウについて調べるのも把握されていたということか、とんだピエロだな。」

と、桜井侑斗が呟く。

「シュウを助けることで時間が歴史が元に戻ることを願ってるのは昭和ライダーもきっと同じなんだよ、策を練ってるんだろうね、きっと。それに気付かないで戦っている平成ライダーもいるかもしれない、だから僕たちにできることは…仲間を集め共に行動し、バダン帝国を叩き潰す、それだけさ。」

僕の言葉に三人は納得してくれたようだった。

「そうこう言ってるうちに敵のお出ましみたいよ~?」

キバーラさんがパタパタと飛んで見やる方に目を向けると、昨日戦った奴らと同じ格好の骸骨みたいな…えーっとショッカー怪人だっけ?が100…いや200はいるだろうか?僕たちを取り囲んでいた、中には少し強そうなゴツゴツした怪人も数体見受けられる。

「カオル、行けるか?」

士は僕の肩に手を乗せ問う。

「もちろん。」

胸ポケットに入った写真に手を当て言う僕。

「士君、私も久しぶりに戦います。キバーラさんお願いします。」

まかせて~とパタパタと飛ぶキバーラさん。

「勝手にしろ、怪我だけはするなよ。」

「つれないですねー、でも私頑張ります!」

士と夏実さんは付き合ってるのかなとかちょっと思ったり思わなかったり。

「ゼロノス殿?相棒のイマジンがいないようだが戦えるのか?」

士は桜井侑斗に問う。

「ふん、あいつがいなくても戦える、カードは使わなきゃ意味がないからな。」

とどこからかベルトと緑色のカードを取り出す。

同時に士もベルトを装着しカードを取り出した。

夏実さんの手にはキバーラさんが。

…僕も行こう。

「「「「変身ッッ!!」」」」

四人同時に変身し、四方に分かれて怪人達に駆ける。

僕の目の先には40ほどのショッカー怪人と、それを仕切っているのか一体の全身灰色の鰐のような風体の怪人がいた。とりあえずショッカー怪人が先か…

赤で充分やれるが、スピード勝負にも慣れておきたい…と、目の前にある鉄の手すりを蹴り落とす。

「超変身ッッ!!」

青に変身すると同時に蹴り落とした手すりが短剣へと姿を変える。

「一気に決めるッッ!!」

青特有のスピードでショッカー怪人を圧倒し確実にしとめていく。

数分で、20体は倒せただろうか。

士達は…と周りを見回すと、その姿を確認できたのは桜井侑斗、もといゼロノスだけだった。

「戦いの途中で余所見とはなめられたものだなッッ!!」

「なッッ!?」

鰐のような怪人の手痛い一撃が僕の顔面炸裂し体ごと吹っ飛ばされる。

「いてー…」

たぶん、口の中が切れたのだろう…少し血の味がする。

「お前等は下がれ、俺が…クロコダイルオルフェノク様が相手をしよう。」

「イーッッ!!」

ショッカー怪人たちを下げ、さしで勝負をしてくれるようだ。

「ははっ、僕もなめられたもんだね、1対1で勝てるつもりか?」

「ふん、その減らず口、体ごと吹き飛ばしてやるわッッ!!」

僕は立ち上がり、青の体のままクロコダイルオルフェノクに飛びかかる。

「ハァッッッ!!」

短剣を舞の如く振るい、相手に攻撃をさせる隙を与えない。

「そらッッッ!!」

切りかかると見せかけ、跳び回し蹴りを顔めがけ放つ。

「小賢しい…」

「何ッッ!?」

僕の跳び回し蹴りを難なく受け止め、掴まれた右足ごと放り投げられる。

「くっ…スピードよりもパワーが必要な相手か…」

赤か…赤で行くか。

「超変身ッッ!!」

再び立ち上がり、クロコダイルオルフェノクの真上に跳び体を一回転し、右足に力を込める。

「ハァッッッ!!ライダーキーックッッ!!」

僕の右足はクロコダイルオルフェノクに炸裂した…が…

「軽いわッッ!!ハァッッッ!!」

固い腕の鱗に弾き返されてしまう。

「嘘だろ…」

赤でもだめ…青でもだめ…緑は銃を杉田さんに返してしまったし…無理だ…

「ははは…降参でもするか?」

少しずつクロコダイルオルフェノクは僕に接近してきている、どうする…パワーが足りない、スピードもだめ…両方を同時に使うのは一度やって危険だと解っているし…切る攻撃がもう少し強ければ…あの堅い腕を切り落として、腹部に蹴りを撃ち込めれば勝機はある…かもしれないが…短剣では力が足りない…どうすれば…

考えているうちにクロコダイルオルフェノクの攻撃が始まり、防御に徹するしかなくなった僕は…ただひたすらに受け流し、カウンターを少し繰り出すが効いていないのも目に見えている。

「オラオラどうしたッッ!?」

クロコダイルオルフェノクのアッパーが見事に決まり何度目かのダウンを取られた。

正直大ピンチだ…どうすればいいか見当もつかない、でも諦めない、まだだ…まだいける。

「暇は与えないぜ?オラァッッ!!」

ひざを突いた僕めがけクロコダイルオルフェノクの右ストレートが僕の胸部をえぐる。

「ッかはッッ…」

吹き飛ばされ勢いのまま壁に打ち付けられる。

「…何か…何か方法は…」

少し先を見ると、ゼロノスが怪人たちにとどめを刺していた、剣から放たれた斬撃が矢のようになり跳び道具と化していた。

剣から放つ跳び道具…

「あれしかない!!」

ボロボロの体を何とか起こし立ち上がり、辺りを見回す。

「あった…!!あのサイズならッッ!!」

壁に打ち付けられた衝撃で建物の鉄柱が地面に転がっている、それを手にしイメージをする。

「攻撃特化…跳び道具…斬撃…よしっ!!」

クロコダイルオルフェノクがのそりのそりと迫っている。

赤がダメなら、青がダメなら、緑がダメなら、今度は━━━━━━━━

「超変身ッッ!!」

僕の体の色が赤から紫へと変化した、どうやら成功したようだ、両手で構える大剣を確認し、改めてそう感じる。

「ハァッッッ!!」

大剣を両手で大きく振るい地面を叩ききると、少し地割れが起こった…このパワーなら…いける!!

「どこを狙っている?気がおかしくでもなかったか?フハハハッッ!!」

クロコダイルオルフェノクは僕をあざ笑う、その次の瞬間徐々に割れた地面が輝きだした。

「何ッッ!?何だこれは…!?」

クロコダイルオルフェノクは驚愕していた。

「新しい僕の力だ。行くぞッッ!!ハァッッッ!!」

割れた地面から無数の光の矢が飛び出しクロコダイルオルフェノクを包んだのだ。

「何ッッ!?これはいったい!?」

尚も無数の光の矢に撃ち抜かれ少しずつ灰化し始めるクロコダイルオルフェノク。

「とどめだ。」

腹部に力を込めると霊石が輝きだし、その光が両手に持つ大剣に集まり始める、それを大剣からクロコダイルオルフェノクへと打ち込むべく大きく振ると放たれた光の波がクロコダイルオルフェノクを貫通、もう一ちょっ行っときますか。

「超変身ッッ!!」

大剣を捨て、赤に戻りクロコダイルオルフェノクへと走る。

光の波が貫通した場所がまだ輝いている、そこにめがけ渾身の蹴りをくれてやる。

「…ライダーキック…ウォオリャーッッ!!」

「ヌァァッッ!?」

蒼白い炎と共に燃え尽きていったクロコダイルオルフェノク…強かった…正直…危なかった…

辺りを見ると士と夏実さんはやはりいなかったが、全て片が付いたのか、変身を解除しながら桜井侑斗が歩いてくる。

「なかなか手強い相手だったみたいだな、あんた結構強いんだな。」

桜井侑斗は笑みを浮かべながら、称えてくれた。

「君こそ強いんだね、僕はまだまだだよ。」

「まぁな。最初で最後に言っておく。俺はかーなり強い!!とりあえず俺は今から別行動をとる、色々やることがあるからな、じゃあな。」

軽く手を振り桜井侑斗は去っていった。

「仮面ライダー…ゼロノスか…」

時を守ると言っていたけど…歴史の番人か何かなのかな…

「あのぉ…桜井侑斗を見ませんでしたか?」

声がした方を見るとカラスみたいな怪人が話しかけてきていた。

「げっ、怪人!?まだいたのかッッ!?へんし」

「ちょっちょっと待った待った!?待ってくれ…俺は怪人じゃないイマジンだ、デネブと呼ばれている、桜井侑斗を見ませんでした?」

カラスみたいな怪人=デネブは桜井侑斗の関係者…?

「桜井侑斗ならあっちに歩いていったけど…」

「アァッ!?そうですかありがとうございます、あっこれ、デネブキャンディーですどうぞ。」

デネブはどこからか取り出したキャンディーを手渡すとそそくさと桜井侑斗を追いかける。

「アァッ!桜井侑斗をよろしくー!!」

振り返り大きな声でそう叫ぶと、消えていった。

デネブ…あいつ何なんだろう。

「とりあえず…俺…これからどうしよう…」

デネブに貰ったキャンディーを頬張るとどこからともなくそう呟いてしまった。

「いきなり士とはぐれるとは…さい先悪いよ…デネブキャンディー旨いなー…」

士のバイクは見当たらないし別の場所に移動したのだろうか…とりあえず辺りを探して見るべく、バイクを渋々走らせる僕であった━━━━━━━━━

 




さて次回更新はいつになるやら…
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