仮面ライダークウガ-青空と笑顔の戦士再び-   作:芹沢春輝

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更新滅茶苦茶遅くなりました。書く時間が無さ過ぎる…


青空の旅立ち⑩

五代雄介side

 

 

「えっと…五代さんが言ってる、その…闇の戦士クウガ?が…それが黒幕だと?」

「うん、黒幕…というのか、グロンギ出現の原因に携わってるのは間違いないよ。」

自然発火現象…もとい三体のグロンギ相手に戦った翌日の昼前、実加さんの研究所に来ていた俺と輝ちゃんは過去の資料を探しながらの会話に勤しんでいた。

「しかも五代さんと瓜二つなんですよね?」

「そう、こちらの世界の俺なんだと思う。俺の住んでた世界とこちらの世界は似てるから、たぶんそうだと思うんだ。」

「ふーん…なるほどなるほど…」

輝ちゃんはファイルをパラパラ捲りながら話していて、俺はと言うと、同じくファイルをパラパラ捲りながらたまに紐で纏められた書類や写真を眺めながら捜し物をしていた。

「見つかったー?2人ともー。」

そこに実加さんがやってきて、その後ろには桜子ちゃんが待機していた。

「全~然、実加さんも一緒に探して下さいよー。」

輝ちゃんが拗ねたように言うが、

「私はね、例のグロンギ討伐対策で杉田さんに頼まれ事されて忙しいの何の。」

実加さんは杉田さんから「ある事」を調べて欲しいと頼まれたようだったのだ。俺が聞いたところによると、「ある事」とはグロンギは古代にクウガだけでなく人間とも争ったようで、おそらく人間にも対抗しうる何かしらの方法があったのでは?と、実加さんが杉田さんに話したのが始まりで、遺跡関連の文献などから詳しく調べて欲しい、杉田さんはそれを実加さんに託したのだ。

それについては俺も引っかかっていた、ジョウから聞いた話に確かにグロンギに抵抗した人類がいたような事を言っていた節がある、ただしダイ、ジョウ=クウガが基本的にグロンギを討伐していたといった内容で、最後はダイとジョウ、グロンギ、人類は相容れぬ存在となり果て事態は収束した…つまり人類は少数でも生き残ったのだから、もしかすると何かしらの「生き残る方法」を見つけていたのかもしれなかったのだ。自らの命を守る術を。

「ちょっとー五代さん、手が止まってますよ。」

「あぁ、ごめんごめん。」

つい考えにふけってしまって、目的の「資料」を探す事を忘れてしまっていた。それを輝ちゃんから叱責されてしまったが、そもそもその「資料」が何かというと、海東と言う青年から預かった例の石版の欠けた部分の文字を調べるために「資料」を探していたのだ。

そしてこの石版は実加さんの元旦那さんの葛城喜太郎=鳴滝さんが海東青年に条件付で託させたものだと言うことだったが…

「あ、有った!ん…え?」

輝ちゃんが最初パァッとした顔で手に取った書類、そして写真の束。それらはファイリングされており、疑問を浮かべた表情の輝ちゃんの目の先は氏名欄にあり、そしてファイリングの氏名は「葛城喜太郎」となっていた━━━━━。

 

欠けた部分の文字は恐らくは重要なところを押さえている意味合いを持つようだった。

というよりも、その石版はちゃんと調べることにより今まで解読していた文章とは全く違う内容や、意味を持つ文献へとなり果てた。現代語として訳すと恐らく以下の通りになるようだ。

 

力は希望となり、絶望にもなる。

希望は受け継がれ対するように絶望も受け継がれることだろう。

ヒトは皆が光、ヒトは皆が闇。

対するものが受け継がれる限り悲しみは連鎖する。

悲しみを断ち切ることの出来る希望は、その悲しみの中に有る。

力を受け入れ、絶望に立ち向かい打ち勝つことが出来る者がヒトの希望になるのだろう。

 

という内容の意味になった。

俺はこの文章を読んで確信した事が2つあった。

「実加さん、この文章…たぶん杉田さんから頼まれた件の役に立つハズです、俺そんな気がします。」

これが一つ目。

そしてもう一つ。力とは何か。不思議な力を持つ石の話をジョウから聞いていたが…

クウガにこそなれなかったが、不思議な力を持つ石を体内に宿し、グロンギと同等の力を手に入れグロンギと戦った者がいたとしたら。

力に負けてグロンギとなり果てる者もいたとしたら。その「同等」の力を持つ両者はヒトからすれば希望と絶望の両極になるのだろう。ヒトのために戦う者が希望なら、絶望なる存在は単に殺し合う者達ということなのだろう。

つまり、グロンギにも善と悪、光と闇、希望と絶望の二種が存在していたということなのでは?

そして、これはあくまで仮定だが。

人類の「生き残る方法」の一つが「力を受け入れる」=グロンギとなり心を失わずに戦い抜いた…ということにならないだろうか…?そこまではジョウに詳しく聞いてはいなかったが…

人類がグロンギに対抗しうる術=グロンギとなり心を失わずに戦う、クウガと同じ様に。

心優しき者、ヒトがグロンギとなりヒトのため戦う、それは希望と言えるのではないだろうか…

もしそうなのであれば…遺伝子的な意味で、現代の人間にグロンギ族の「力」が受け継がれ、現グロンギ大量出現の理由も納得がいく。

クウガが復活し、グロンギが現れ、恐怖や混乱に満たされた現状にグロンギの遺伝子が作用して人を変化させてしまう…とすれば。

全ての辻褄…ピースが当てはまるのだ。

 

「喜太郎の奴、調子良いことしてくれるわね、今度会ったら、私は貴様をムッコロス。」

実加さんはそんなこと言いながらも、ファイリングされた写真を大事そうに眺めていた。

 

「ん、五代君。携帯、鳴ってる。」

実加さんの指摘通り、カオル君から預かったスマホ(使い方が難しい)がブルブル震えながら、重い荷物を~枕にしたら~とか歌が流れている、カオル君の着信音のセンスに何故か思わず涙が出そうだが、画面に出ている相手の名前を見て急いで電話に出ることにした。

電話主が杉田さんだったのだ。

「はい、五代です!」

「五代君、緊急だ!東京都内でグロンギが大量に出現したらしい、私も今向かっているところだ!秋葉原で多数の死者が出ているようだ!」

「わ、わかりました!急ぎます!」

俺は電話を切ると、上着を羽織り急ぎ足で外へ走る。実加さん達が俺のあわてぶりに何事かという顔になっていたが、状況を何となく察してくれたらしい。

「五代君!これ、鍵!」

実加さんが俺に投げてくれた鍵は車の鍵だろうか?

「杉田さんがね、移動手段としてスポーツバイクを五代君にって、今朝新しいのを置いていったの。だから早く!」

実加さんはそういうと俺を見送ってくれ、そして桜子ちゃんと輝ちゃんも見送ってくれた。

ここから東京秋葉原まで全速力で飛ばしても一時間はかかる一刻も早く行かなければ…

たくさんの人が犠牲になってしまう。

守るんだ、誰かの笑顔を。カオル君の分まで━━━━━━━。

 

「くっ…数が多すぎる…」

10、20、30?いや…これは秋葉原に到着してから倒した数か…目の前、後ろ、周りにはあと20体はいるであろうグロンギ達に俺は取り囲まれている。

警察隊の人達も多数犠牲になったようで、杉田さん達は現場に取り残された人達を避難させるのに尽力していた。

これはかなりまずいパターンだ…数が多すぎて対応し切れていない。昔俺が戦ってきたグロンギ達は基本的に単独で行動していたようだったから、戦闘もマンツーマンで行えた。逆に言えば俺は複数相手の戦闘にはなれていない。むしろカオル君の方がクウガになってからの期間は短いが、複数相手にはなれているだろう。

そうこう考えながら、目の前のグロンギを一体…また一体ととどめを刺していくが…体力の限界はもうすぐそこまで来ている。膝を着いて肩で息を始めた俺の意識が遠のきそうになった、

その時だった。

「さーて、そろそろ…俺もお邪魔させてもらうよ?

変身。」

唐突だった、そんな声がした瞬間、周りにいたグロンギ達が燃えだしたのだ。自然発火現象その物だった。

「…ダイッッ!?」

俺の驚きの声と共にそこに現れたのは、紛れもなくこの世界のクウガだった。ただし全身、目でさえも真っ黒な闇に満ちた…究極の闇の戦士クウガ。

「なーにへこたれてんの?」

一歩ずつ俺に近づいてくるダイ。その間にもグロンギ達は焼失していく。

「現代語覚えるの苦労したんだよ?」

また一歩、また一歩と俺に近づいて、また一体また一体と焼失していくグロンギ達。

恐ろしさのあまり、一体のグロンギが凶変し、黒いクウガに襲いかかる。

長い爪で黒いクウガ…ダイの胸の辺りを切り裂こうとするが…

「笑えないなー。」

ダイはその言葉と同時に、グロンギの爪を腕ごとつかみ、その腕を引きちぎった。

「んッッっギアアアッッ!!!?」

辺りに鮮血を飛ばしながら転げもがくグロンギの腹部に右足をかかと落としのように振り下ろすダイ。

その瞬間紋章と共に焼失していくグロンギ。

「はぁ、つまんねー。で、そろそろお前は俺を楽しませてくれるくらい強くなった?五代雄介君。」

ダイは俺の名前を呼び、焼失したグロンギを確認することなく俺の前までやってきた。

辺りの気配からすると、他のグロンギも焼失したようだ。このたった一瞬で。ダイは、それを実行したのだ。

「なぁ?」

ニヤリと少し笑ったような声で俺を見下ろすダイ。

そして、次の瞬間殺気を感じ立ち上がらずそのまま横に転がる。

「おー、やるね。」

ダイが再びニヤリと少し笑ったような声で言ったその場所は黒い炎に覆われその中をダイは平気そうにただ立っていた。

「これはどう?」

次に俺を待っていたのは、ダイが手から放つ黒い炎の塊の連弾だった。

「いッッッ!?」

何とか転がり直撃は免れたが、脇腹を少しかすめ激痛が俺を襲う。

傷を見ると、その部分が「焼失」していた。

直撃していたと思うと…恐怖しかわいてこない。

「なんだ、弱っちいままか。もう一人のクウガ…一条カオルだっけ?そいつはどうしたよ?」

淡々とダイは俺に語りかける。

淡々と、眈々と。

「カオル君は…違うところで戦ってる。」

「はぁ?なんだそれ。」

俺は痛みを堪え立ち上がり、心を落ち着かせる。

「だから…今ここで俺は倒れるわけにはいかないッッ!!!ジョウのためにもッッ!!!カオル君のためにもッッ!!!超変身ッッ!!!」

意識を集中し、俺はいつぶりかの「禁じ手」を解放する。

「おー。それそれ、あ?なんか少し足りないな。」

ダイは俺の姿を見て尚も淡々と話す。

俺は「黒いクウガ」に変身した。しかし究極の闇の一歩手前の姿だった。

「まぁ、それでもいいや。楽しもうぜ。」

次の瞬間、ダイは俺へと駆け出し、そして俺もまたダイへと駆け出し、互いの拳、瞬足の蹴りが相殺し(少しばかり俺は圧されている)ぶつかり合う度に…あの時、一条さんと別れた…雪山での戦いの事を思い出す。

「おー、いいねー。でもやっぱまだ足りねえわ。」

ダイの回し蹴りが俺の胸を捉え、そのまま吹き飛ばされ壁にめり込んでしまう。

痛みが尋常ではなく、恐らくは肋骨が数本折れたのではないだろうか。

壁から抜け出そうと力を込めるが、よく見ると変身が解けているようで、「焼失」した傷口から血が滴り落ちているのが解った。

声が出ない、手足に力が入らない。

死ぬのか俺は。

そんなの駄目だ…絶対に…

「よし、決めた。俺、一条カオルだっけ?が戻るまでお前を殺さない。」

ダイは何故かそんなことを言い出した。

「…な…ぜだ…ダイ…。」

ギリギリの意識と声で俺はダイに問いかける。

「あー、だってその方が楽しいじゃん?」

意識が消えかかっていた俺は、ダイのその言葉を最後に完全に意識を失ってしまうのだった━━━━━━━━。

これを一言で表すなら。

「敗北」なのだろう━━━━━━━━━━

 

 

 

 

一条カオルside

 

「さて、決めさせてもらおう。」

フィリップ君もとい仮面ライダーサイクロンが怪人たちを一掃すべく、腹部のメモリースティックを腰の辺りに装填し、空高く舞い上がる。

「…これが、僕の。…ライダー…キック…ッッ!」

舞い上がった仮面ライダーサイクロンの周辺には強烈な風が立ち込め、竜巻のごとく仮面ライダーサイクロンを包み込んだ。

包み込んだと同時に、竜巻の上部から一気に仮面ライダーサイクロンが怪人たちめがけ急降下する。

広範囲に広がる暴風は竜巻へと吸い寄せるかのような強いもので、戦闘中の僕こと一条カオルも竜巻へと吸い寄せられた。

「って、ちょっと、待って!?それ僕も巻き添えになるからね!?」

咄嗟の判断で、怪人たちを盾に風をうまくかわし難を逃れる僕。

「さぁ、お前の罪を数えろ。」

着地した後の仮面ライダーサイクロンは一掃した怪人たちにそう告げて、変身を解除。と同時に怪人たちは爆砕していった。

「フィリップ君、とりあえず君も罪を数えた方が良いんじゃないかな!?(僕を巻き添えにしようとした罪を)」

変身を解除し、フィリップ君に盛大なツッコミをいれておく。

「なるほど、君はツッコミ担当という奴だね?」

「それ答えになってないよッッ!?」

フィリップ君もなかなかの強者のようだ…

 

戦いから数分して息を整えた僕とフィリップ君が次にとった行動は、情報の整理だった。

「昭和ライダーは平成ライダーを敵と見なした。バダン帝国は生死をひっくり返す装置を作った。シュウという少年を狙うバダン帝国の中にその父親がいる。昭和ライダーはシュウを助けた平成ライダーを敵と見なした、つまりシュウが今回の件の中心というわけだね。ふむふむ…さて」

フィリップ君はどこからともなく「本」を取り出し、そっと目を閉じた。

「検索を始めよう。」

「検索…?」

「あぁ、これから僕たちが向かうべき場所を検索するんだ。」

「んー?あ、士が言ってたあれか!」

フィリップ君は尚も目を閉じ続ける。

「キーワードは【昭和ライダー】【平成ライダー】【バダン帝国】の3つから始めよう。」

僕はただフィリップ君を見守るしかない。

「ふむ、まだけっこうな量の情報数だ。絞り込むには…」

そこで僕は一つのキーワードを伝える。

「仮面ライダーフィフティーン。」

「仮面ラはさイダーフィフティーン…?なんだいそれは?まぁ、一応検索してみよう。」

少し間を置いてフィリップ君は再び口を開いた。

「一つだけ情報が残った…これは…シュウという少年はすでに死んでいて、何かしらの方法で生き返り、その技術と成果を確かめるべくバダン帝国はシュウを狙っている。そしてシュウの父親が仮面ライダーフィフティーンとしてシュウを追っている…?」

「そうか…そう言うことか…!行こうフィリップ君。」

「…?説明してもらえるかい?」

「そうだね、でもとりあえず移動してから話をしようか。」

「ふむ、まぁそれでも構わないが…」

フィリップ君は少し考えた素振りを見せたが、僕に従ってくれるようだった。

僕たちが向かう先、それは━━━━━━「風都」。

 

 

 




次回もお楽しみに。
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