天魔さまの日記   作:M0.9のツバメ

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投稿遅れて本当に申し訳ございませんm(_ _)m
色々と忙しく遅々として進みませんでした……
本来なら5月に投稿する予定のこの話、何故か8月の終わりに投稿しております


時間が。時が早すぎる




〇月××日

地底は想像より何倍も明るかった

想像していたのは薄暗い洞窟のような空間だったが……地上の日中と変わらない程の明るさがあった

 

いや、まぁ地上から妖怪が移住するのだから地上と同じ位の明るさなのは当たり前と言えば当たり前だが……

気になって壁……というより岩肌を軽く調べて見たところ、何らかの術が貼られていた こんな事するのはYAKUMOだけだよなぁ

安心、安全、胡散臭いの3点セット YAKUMO

 

 

 

 

 

〇月□×日

今日はスイカ=サンと久しぶりのアイサツとセツブンを兼ね、豆を撒きに行った

 

家に入ると同時にスイカ=サンとアイサツを交わした その瞬間、周囲から無数の鬼達が飛びかかってきたのだ!

本来ならばアイサツを交わさずの交戦はシツレイにあたる……しかしそれが多対一ならば頭領のアイサツのみでもシツレイには当たらないッ! まさに万事休す! しかし、ここで本来なら敵であるはずのユウギ=サンが加勢してくれたのだ! 敵同士の協力、それは王道であり至高……古事記にもそう書いてある

 

 

 

 

 

 

 

〇月△〇日

鬼を始めとした地底移住勢の妖怪が引越しの準備を始めている…

鬼がもう酒に酔って暴れないんですか! もう余計なサビ残しなくていいんですか! やったー!

…この書き方だと鬼も仕事も戻ってきそうだな

 

こいしちゃんやさとりんともお別れかぁ…寂しいな

そうだ! 寂しくないように羽を使ったアクセサリー的なのを渡せば良いんだ!(迷案)

 

 

 

 

 

〇月□□日

本格的な地底への移住が始まった

一応地底に向かう妖怪達は記録しているが…事前の予想通り、嫌われている妖怪が殆どだ

 

さとり達との別れ? もう泣き過ぎて覚えてない…ヨヨヨ

いつもの部屋も、どこか暗く寂しいように見える 今日はもう寝ようかな

 

 

 

 

○月✕️○日

明日は博麗神社(仮)の視察に行こうと思う 書類や報告を聞く限りでは順調らしいが、どうにも上手く行き過ぎているように感じる……という事で天魔直々の監査だ

 

……組織の上に立つものとしての義務だから監査するだけで、俺は俺の育てたこの山に不正など無いとは信じたい

 

 

 

 

 

〇月〇〇日

いやー、高速飛行なんて久しぶりだな もう飛び方も覚えていないや、博麗神社は右だからこっちか………ウワァ! 前から人影が!(逆走爺並感)

あんな高高度で何やってるんすかレティさん…… まさかこの広い空でぶつかるとは考えもしなかった

 

現代日本の文化が懐かしいなぁ 逆走爺か……いや、え……もしかしなくても人間の人生3回分生きてる妖怪っておじいちゃんだったりする? いや、肉体的にはおばあちゃんか… じゃ、俺よりも生きてる紫さんはくそば

 

───ここから先は血が付着していて読む事が出来ない

 

 

 

 

○月✕日

地底との不可侵条約が、結ばれたらしい 藍さんから先程、調印書を渡された

理解が追いつかない

 

 


 

 

 

 

 

 

私は八雲藍、幻想郷にて賢者を務める紫様の忠実なる式にして、しがない九尾の狐だ

何時もなら結界の管理や橙の世話などをしている時間だが、今日はとある用事で妖怪の山に出向いている

 

先日結ばれた地底と地上における不可侵条約の内容とそれが正式に調印された事の通知だ

 

 

そして私の目の前でわなわなと震える手で紙を持ち、顔から血の気が引いてしまっているのは白い羽が特徴的な天狗の長、白鴉雫だ

まぁ、無理もないだろう 家族とも言える態度で接してきた妖怪と二度と会えなくなると宣告されているに等しいのだから それも、この条約自体が彼女らを引き離す為に画策されたものだ

 

 

 

建前上、この条約は地底側が地底にて新たな建築物を作ることを条件に、地上へ侵入する事を禁ずる条約だ

何故建物を建てるのに許可が居るのか? という点であるが、地底に潜った妖怪や元々居た妖怪というのは存外多い 元からある施設では収容不可──というより収容不可になるよう調整した──なのだが新たに立てるとなるとかなりの規模の街となってしまう──というより規模が多くなるように調整した──のだが、となると怖いのは地底の妖怪が団結することだ

 

 

 

地底に行く妖怪とは疎まれている者や嫌われている者、迫害されている者が多い 地底の管理者たる地霊殿の主もまた迫害されている者だ

となると、纏まってある程度の力がついてしまえば、恐怖が薄れてしまえば浮かび上がるのは「どうしてこのような苦痛を受けねばならぬ」という不満や怒りだ それらはいずれ自分を地底に追いやった地上の妖怪に向くだろう

そうなれば喧嘩好きの鬼を筆頭に地上へ復讐戦争を仕掛けるに違いない 特にこの条約を推進していたもの達は地底へ向かった妖怪たちをいじめていた過去があるからな、復讐が怖いのだろう

 

 

 

勿論、ただ地上へ行かせないと紙に書いた所で意味は無い この条約の肝は地底側の代表が地霊殿であること、地霊殿の主は地上の推薦によって決まったという事、そしてこの条約締結前に地底へ向かった者は例え"地上に主"が居ようと地底のものとして数えられるという点だ

 

 

 

例え、地底で復讐の念が強まり、条約を無視して地上へ出ようとすれば地霊殿とその主は条約に基づき彼ら彼女らを静止しなければならない となると、最初は彼ら彼女らは表向きは地霊殿に従うだろう 一応地底のトップなのだから たが、心の中で確実にこう思うはずだ「我々が復讐出来ないのは地霊殿が結んだ条約のせいだ」とね

あとは条約前に送り込んだ式や従者を使ってある事ないこと囁けばいい 「地霊殿は地上と繋がっている」や「地霊殿の主は我々を差し置いて地上の甘い蜜を吸っている」と

 

そうすれば彼ら彼女らの矛先は「地上」から「"地上との内通者"である地霊殿」に向かう

 

あとは勝手に地底で潰しあってくれて地上に火の粉は降りかからない、一生安泰という具合だ

 

 

 

 

つまるところ、この条約は地上の妖怪たちが地底の復讐を恐れて結んだ条約である

 

 

 

が、これはあくまでも建前であり、カバーストーリーとして流布しているものだ

 

実際は目の前の天狗の長と彼女が贔屓にしているさとり妖怪を永遠に引き剥がすために紫様が提案なされたものだ

 

 

この謀略において大事なのは彼女が統べる妖怪の山は幻想郷において最大とも言える巨大なコミュニティであり、分厚い紫様の支持層であるという事だ

 

先にも言ったように迫害されている者に力を手に入れられると困る、という勢力は幻想郷に少なくない

特に多種多様な妖怪が集まる妖怪の山ではまた差別も多い そんな幻想郷にて、"迫害されている者"がそんな権力者の側にいるなんて知れわたったらどうなるか

 

最悪、報復や復讐を恐れたものたちによって彼女とその贔屓しているさとり妖怪は引き摺り降ろされるだろう

その際に困るのが妖怪の山の次のトップが誰になるかという点だ

 

 

彼女、白鴉雫の時は幻想郷が正式に計画される前の時であり干渉もまた弱かった

が、しかし今の情勢──結界を多重に張り外と幻想郷を隔てる紫様派と、保守的な反対派──では最大勢力たる妖怪の山を巡り熾烈な争奪戦が起きるだろう

 

紫様の高尚な考えを理解出来ぬとは全く愚かなものである その点、目の前の天狗にはとても好感が持てる

 

 

妖怪の山は紫様の支持を表明している ここで失えば今までの計画もパーになりかねない

紫様はそれを憂いておられる 無論、紫様単体での反対派の制圧と幻想郷の成立は可能だろう 何しろ紫様だ

 

しかし、そこには完全管理された箱庭ができるだけであり、人工的な美しさしか残らないだろう

紫様は自然な、生物の意志を尊重した美しさをお望みでいられる

 

 

 

永遠に残る造花よりも一と月で散る桜の方が美しいのだ

それを守るために紫様はこの謀略をなされたのだ

 

残念だが紫様の計画の為、この天狗には辛い思いをこれから何度もさせるだろう が、これは致し方のない犠牲だ

もしこの天狗が倒れようものなら、花の一つは捧げてやろう

 

 

そう考えながら、私はその場を後にしたのだった

 




尚、当の紫様はもっと単純な理由で結んでいたりする

好きな人と一緒に作った愛の巣に好きな人に纏わりつく虫がいたら嫌だよねってことです そういう事です
このストーリーはハピエンです安心してください


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