ワートリ×ストレイドッグス   作:ささき96

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織田作と香取ちゃんの回


13.勧誘

 

01

 

 夏休みに入ると、大抵のボーダー隊員は防衛任務が増える。

普段学校へ行っている時間も惜しみなくシフトを入れることができるため、希望を出せば容赦なく朝から防衛任務だ。

 C級隊員は防衛任務はないが、ランク戦に使える時間が増えることになる。

 要するに、夏休みはボーダー隊員にとってパワーアップ期間なのである。

 織田作之助も期末テストを終え、無事夏休みに入った。

 

「よう、織田ァ」

「お疲れ様です」

 

 弓場拓磨はそんな織田作之助とラウンジで待ち合わせをしていた。

 織田作之助は、弓場拓磨の師匠だ。最初は非常に驚かれたが、今では受け入れられている。

 それというのも、弓場のランク戦の勝率が、織田に師事してから右肩上がりになったからである。

 弓場の戦法は元々、近距離からシールドを削り切って殺す、攻撃手のような銃手だった。

 勿論それも非常に脅威だったのだが、織田に師事してからはそれに加え、シールドを掻い潜る弾や旋空孤月を避けながらの弾が飛んでくるので手に負えなくなったのだ。

 

「今日は誰の服着てんだ?」

「今日は、多分二宮さんのだな」

「また背ェ伸びてんなお前…」

 

 少し前までオーバーサイズに着ていた服が、少しずつ合い始めている。

二宮も着れなくなった服を織田に与えたという。そのうちこの服も着れなくなるのかもしれない。

 

「そういやお前の従姉妹、もうB級に上がったらしいじゃねェか」

「ああ、葉子は器用だからな。このままマスタークラスまで上げるらしい」

「お前が教えてんだってな。一回戦ってみてェもんだぜ」

「弓場さんに勝つ腕は、まだないと思うが…」

 

弓場は一度だけ香取葉子を見たことがあった。確かに今はまだ荒く拙い部分も多い。

しかしどことなく、戦い方に織田作之助の指導を感じさせた。このままそれを極めるなら、強くなるだろう。

 

「実はその葉子のことで、弓場さんに相談があるんだ」

「相談?その件で呼び出したのか?」

 

ああ、と織田は答える。

弓場と織田が会うのは、大抵訓練の時だった。訓練以外も弓場から誘うばかりで、織田から呼び出されるのは初めてだった。

 

「弓場さんは、自分で隊を作ったんだよな?」

「おう。それがどうした?」

「他の隊に勧誘されたりしたか?」

「よく覚えてねェが、いくつかされたと思うぜ。だが俺ン時はまだチームも多くなかったからな」

 

それがどうした?と尋ねる弓場に、織田はため息をつく。

 

「実は葉子の隊に入るのを断ったんだ。そしたら三日ほど無視されている。どうしたらいい?」

 

「……アァ?」

 

 

織田作之助は、落ち込んだ様子で三日前のことを話し始めた。

 

 

 

 

 

02

 

 

 ことの始まりは、私が迅に隊について相談したことだった。

 東さんに隊に入ってはどうかと勧められ、気になった私は迅に相談してみることにしたのだ。

 私は隊に入った方がいいのか、否か。

 

「別にいんじゃない?」

「いいのか」

 

 迅の解答は非常にシンプルだった。

私がチームに入ること自体は問題ないらしい。

 

「あー、でもちょっと気をつけた方がいいかもね」

「なにを気をつけた方がいいんだ?」

「複数勧誘されてる未来が見える。織田作有名だからね…。うーん…」

 

少し悩んだ後、迅は言った。

 

「織田作の従姉妹、香取ちゃんだっけ?」

「ああ。香取葉子だ」

「香取ちゃんに強くなってほしい?」

「……?ああ」

 

迅は、だよねと頭を掻く。

 葉子は器用だが、今はまだ弱い。自分の身を自分で守れるようにならなければ、誰かが助けに行くまでに間に合わないかもしれない。

 葉子が強ければ強いほど、生き残る可能性が高くなる。そのため私は迅の言葉を肯定した。

 

「香取ちゃんをどーしても超強くしたいなら、香取ちゃんの勧誘断ってね」

 

 迅から返されたのは、そんな衝撃的な言葉だった。

 

 

 

 

 迅の予知通り、私は複数のチームに勧誘された。

 そのうちの一つが、影浦の隊だった。

 

「コイツはオペの光。俺ら隊作ろうと思っててよ」

「どもー光さんでーす」

「カゲのこと隊長にしようと思ってさ。オダサクも入らない?」

 

 北添と影浦は、オペレーターの仁礼光を連れてわざわざ勧誘に来てくれたのである。

 

「誘いは嬉しいんだが、実は他にも勧誘されててな」

「あー、そうだよねぇ」

「ああ。色々と検討中なんだ。返事が遅くなるかもしれない」

「かまわねェよ。先に作っとくから入りたかったら言えや」

 

影浦は寛大だった。

私の悩みや葛藤を肌で感じていたのかもしれない。

夏休みに結成する隊が多いらしい。

冬のチームランク戦に備えているのだろうか?

 

「おい。織田」

 

意外なことに、風間さんにも話しかけられた。

 

「隊に入ることを検討しているのは本当か?」

「?はい」

「なら丁度いい。実は俺も隊を作ろうと思っている。少し先になるが、お前もどうだ?」

 

風間さんは、最近流行っているカメレオンというトリガーでステルス部隊を作ろうとしているという。

そのために必要な人材を揃えている最中なのだとか。

 

「すみません、今いろんな部隊に勧誘されてるんです」

「それは俺の誘いを断るということか?」

「いえ、検討させてほしいという意味です」

「そうか。なるべく早くしろ」

 

 風間さんはそのまま行ってしまった。

風間さんとはあれから何回かランク戦をしたが、勝率は6:4といったところである。

つまり私が4で、風間さんが6。

私も腕を上げているが、風間さんも鍛錬を怠っていない。勝率は近づいたり離れたりを繰り返している。

 

「……あ!織田作!」

 

聞き覚えのある声に振り向くと、明るい赤毛が立っていた。

 

「電話でなさいよ!ボーダー中走り回っちゃったじゃない!ねぇ他のチームに勧誘されてるってホント!?」

「ああ。いくつか…」

「乗っちゃってないよね!?」

「……乗ってはいない。検討すると言った」

「はぁ!?なに曖昧な答えだしてんのよ断りなさいよ!!」

 

葉子は毛を逆立てた猫のように大声で言った。

私が他のチームに勧誘されていることが気に食わないらしい。

 

「こっち来て!人待たしてるから」

「ああ」

 

 私はそのままランク戦ロビーからラウンジまで引きずられることになった。

 

 

 

 ラウンジには華と、華の従兄弟の雄太、それと色素の薄い髪の眼鏡をかけた少年が待っていた。

 

「葉子。どこ行ってたんだよ」

 

 眼鏡の少年が葉子に声をかける。

どうやら随分待たせていたらしい、三人とも飲み物が空になっていた。

 

「こいつ探してくるって言ったでしょ」

「この人を…?」

 

 葉子の言に訝しげに私を見上げてくる。

私はこの少年をどこかで見かけたことがあるような気がした。

 記憶を探っていると、思い至った。昔は眼鏡をかけていなかったから気が付かなかったのだ。

 

「織田作、こいつは麓郎。うちの兄貴の友達。一回くらい見かけたことある?」

「昔一度家に遊びに来てたな。織田作之助だ。よろしく頼む」

「えっ、はい。若村麓郎です…?」

 

 麓郎のほうは私のことを覚えていないらしい。確かに一度顔を合わしたきりだったし、あまり話した記憶もないから無理もないだろう。

 

「……あ!え!織田作さんってあのときの!?

デカくなってて気づかなかった…」

 

 どうやら覚えていてくれたらしい。

昔、麓郎と葉子、葉子の兄と一緒にゲームをしたことがあった。チーム分けをした際私が下手すぎて葉子に怒られたのをよく覚えている。

 

「最近こいつ竹みたいに伸びてんのよ。声変わりもしたしわかんないかもね」

 

 私以外は中学生のため、頭二つ分も小さい。少し前まで葉子とは背が近かったから、最近は背が小さくて気付かないなんてことがよくある。

 

「雄太は会ったから知ってるわよね?もうちょっとしたら二人ともB級に上がるの」

「そうか。そしたらお祝いに行こう」

 

 また焼肉でいいか?と聞くとなんでもいいわよとおざなりに答えられた。

葉子は急かすように私を椅子に座らせ、こう切り出した。

 

「雄太と麓郎がB級に上がったら、華と私も入れて隊組むことになったから。織田作も入って」

「……」

 

 予想通りの言葉だった。

私は迅の予知に従うべきか否か、そこで再度迷った。

 断らなければならないのだろう。しかしここで断ればどうなるか。容易に想像がつく。

 

「すまないが、断る」

「はあ!?」

 

 だが、私は目的を違えるわけにはいかなかった。葉子を強くする、その目的のために迅の言うとおり、ここできちんと断っておく。

 

「なんでよ!?」

「いやその…一身上の都合だ」

「いっしんじょうの都合!?ふざけないでちゃんと説明して!!」

 

 私の胸ぐらを掴んで葉子は爆発した。

予想通りの反応に、私は言葉を詰まらせる。どう説明したものだろう。

 

「織田作さん、なにか理由があるんですよね?」

 

華が冷静に尋ねた。

雄太と麓郎はおろおろと私たちを見守っていた。

 

「実は他のチームにも勧誘されていて…」

「他のチームには検討するって答えたんでしょ!?なのになんで私のチームは即お断りなの!?」

「葉子、目立ってるわよ」

 

 華がそう言うと、葉子は私の胸ぐらを掴んだままぴたりと黙った。

 ラウンジにいる他の隊員にも心なしか注目されている。ここまで大声で揉めていたら当然だろう。

 私は他の隊の勧誘を理由に断ろうとしたが、葉子を誤魔化すことはできなかった。しまった、検討すると言えばよかっただろうか。

 

「とりあえずここから離れて、落ち着いて話せるところにいこう」

 

 華が立ち上がって言った。

 

「雄太。ランク戦ブースを一つ確保してきて」

「う、うん!」

 

雄太は慌てた様子で走っていった。

私はしがみついたままの葉子をなんとかひきずるように歩き出した。

 

「葉子。織田作さんにも色々事情があるんだろ。あんまり困らせるなよ」

「だってこいつっ!」

 

 麓郎も援護してくれたが、葉子はこうなると燃え尽きるか、違う何かに興味を持つまで暴れ続けるだろう。

 廊下を歩きながら、華が言った。

 

「織田作さんは、ボーダーでなにかやりたいことがあるんですよね?」

「…ああ」

「その達成のために、私たちの隊に入るわけにはいかないということですか?」

「……」

 

 私はその問いに答えることができなかった。

 迅に言われたのは、私が葉子の隊に入るのを断れば、葉子は強くなる、という一点のみ。

 どういう因果関係で強くなるのかは私にはわからないからだ。

 

「あ、華。こっちこっち!」

 

 ランク戦ロビーにつくと、雄太が一つの部屋の前で待機していた。

 華は冷静に全員を中に入れてからドアを閉めた。

 

「ここでなら騒いでも大丈夫」

「葉子ちゃん、織田作さんにだって色々事情があるんだと思うよ」

 

 葉子はブースに入った途端、大声で叫んだ。

 

「華のいとこの雄太が入るのになんで織田作が入んないの〜!?私のチームに入んのが筋ってモンでしょ!?やだやだやだやだ〜〜!」

「葉子ちゃん…」

 

 雄太が暴れる葉子を宥めようとしたが、葉子はしまいには泣き出しそうな顔をした。

 

「やりたいことってなに!?私のチームに入るより大事?」

「大事、というか…目的を達成するためには、断る必要があったんだ」

「意味わかんない。目的ってなに?」

「……それは…」

 

 葉子は怒りから悲しみに感情が移行したのか、腕を組みながら言った。

 私が葉子の勧誘を断る理由。それは一つしかなかった。

 

「葉子を強くすることだ」

「ハ…?」

 

 涙が引っ込んだのか、葉子は顔を上げる。

他の面々も驚いた顔をした。

 

「織田作さんは、葉子に強くなってほしいから、勧誘を断るんですか?」

「ああ。そういうことになる」

 

 華は納得いったのか、なるほど、と頷いた。しかし、葉子は納得できないのか、私に詰め寄った。

 

「なにそれ。織田作が隊に入ってくれれば、私もっと強くなると思うんだけど」

「いや…。俺がいないほうが、葉子は強くなるらしい」

「らしいってなに!?」

 

 こればかりは伝聞なので説明のしようがない。

 どう伝えたものか悩んでいると、葉子は叫んだ。

 

「もういい!アンタとは絶交だから!私の隊に入れてくださいって土下座するまで話さないから!!」

 

そういうわけで私は三日ほど無視されることになった。

 

 

 

 

 

03

 

 

「なるほどなァ」

 

 こういった経緯で、織田作之助は弓場拓磨に相談するに至った。弓場を選んだ理由は、彼に妹がいるという噂を聞いたかららしい。

 

「迅の予知もある。土下座するわけにもいかないが、無視されるのも悲しくてな….」

 

 織田曰く、香取葉子は家でもボーダーでも話さず、それどころか最近は朝早く出かけていて顔も合わせていないらしい。

 

「織田よォ、迅には聞いてみたのか?」

「ああ。だが『良い未来に進んでいる』とだけ教えられた」

「はっきりしねェな。テメェは従姉妹の隊に入ンのを断ったって話だが、他の隊に入る気あんのか?」

「それもまあ…悩んでいる」

 

 確かにこの間に別の隊に入れば、一生口を聞いてもらえないだろう。

 弓場は腕を組んだまま、少し考えた。

 

「わかった。他でもねェ師匠の頼みだ。ちょっくらここで待ってろ」

「……?ああ」

 

 弓場はラウンジに織田を置いて、C級ランク戦ブースへ向かった。

 

 ーー予想通り、ランク戦ブースには香取葉子が戦っている姿が映し出されていた。

朝から晩までここに入り浸っているのだろう。

 

「香取葉子ってのはお前だな」

「……なに?なんか用?」

 

 ブースから出てきたところを話しかけると、香取は不愉快そうに眉を顰めた。

 

「俺ァ弓場拓磨だ。ちょっと聞きてえことあんだけどよォ、一戦やろうや」

「……。いいわよ。何本?」

「5本」

 

 香取は何も言わずランク戦ブースに入っていった。

 弓場も空いている部屋に入り、早速5本のランク戦を始めた。

 

 

 

 結果、葉子は1-4で負け越した。

当たり前だ。経験値が違う。場数が違う。

なにより弓場はタイマンを得意とする銃手だ。ランク戦ではあの太刀川とも渡り合えるのだから。

 ランク戦を終え、弓場は香取に飲み物を奢った。

 

「随分がむしゃらじゃねえか。ここ三日、ランク戦やりまくってるんだろ」

「……。聞きたいことってなに?私忙しいんですけど」

 

 香取はコーラを受け取りながら弓場を見る。弓場隊の隊長が、自分に話しかける理由が分からなかったからだ。

 

「織田がよォ、テメェに無視されてるって俺に相談しに来てんだ。だからなんで無視してんのか聞きに来たんだろーが」

 

 葉子は赤い髪を指先で弄りながら弓場をじろりと睨みつける。

 

「織田作と弓場さんってどーゆー関係なわけ?」

「師匠と弟子に決まってんだろォが」

「じゃあ織田作があんな強いのって、弓場さんのせいってこと?」

「いや、俺が弟子だ」

「はあ?」

 

 意味がわからない、という顔をしながらも、香取は怒鳴ったりはしなかった。

 織田に聞く香取の印象と随分違うと、弓場は内心意外に思った。

 

「じゃあ、織田作より強い人って知ってる?」

「織田より?そりゃあ太刀川さん、風間さんとかじゃねェか」

「……トップ攻撃手ばっかじゃない」

 

 クソ、と悪態をつく香取は、非常に焦っているように見えた。

 確かに香取は器用だった。タイマン最強と名高い弓場相手に、最後の一本をなんとか取ってみせた。

 強さとは一朝一夕で身につくものではない。このまま努力しつづければ、香取葉子は強くなるだろう。

 なのに、どうしてこんなにも焦っているのだろうか。

 

「なにをそんなに焦ってんだ?」

「……。織田作は、私が弱いからチームに入ってくれないんでしょ」

 

 香取は目をギラギラさせ、コーラのプルタブを開けながらこう続けた。

 

「てことは、アイツのことぶっ倒せば(・・・・・)私の隊に入らせることができんのよね?」

「……!」

 

 弓場は、これか(・・・)、と思った。迅の言っていた予知はこういうことかと。

 香取はがむしゃらだった。

 香取は、織田を自分のチームに入れるためには、自分自身で織田作之助を倒すことで、強さを証明するしかないと考えていたのだ。

 

「香取ィ。本気なのか?」

「本気も本気。あのふざけた顔殴ってやらなきゃ気が済まない。……でも早く強くならないと、他の隊に入っちゃうかもしれないでしょ」

 

 だから急いでんのよ、と言い、コーラを一気飲みした香取はゴミ箱に缶を投げ入れた。

弓場は、思わず口角を上げる。

 

「気に入った。根性あるなテメェ」

「?」

「だから教えといてやる。織田と同じやり方してもアイツには一生勝てねぇぞ」

「……わかってるわよ。でも、じゃあどうすればいいの?」

 

 香取は銃手として入隊した。それから数ヶ月、織田作之助の指導を受けてここまで強くなったのだ。

 しかしそのままでは織田の下位互換でしかない。

 

「決まってんじゃねーか。一人で勝つのが難しいなら、複数人(・・・)でやれ。

 それと、テメェにボーダーのトップ攻撃手を紹介してやる」

 

 香取葉子は目を丸くした。

 しかし弓場の言いたいことがわかったのか、よろしくお願いします、と珍しく頭を下げた。

 

 

 

 

04

 

 

織田作之助が弓場に相談してから数日後、葉子は久々に織田の前に顔を出した。

 

「織田作」

「葉子」

 

 葉子の背後には、同じ隊服を着た面々が立っていた。麓郎と雄太である。

 特徴的な真っ赤なデザインの隊服だ。他の二人も、B級に上がったらしい。

 葉子は、織田作を睨みつけながらこう切り出した。

 

「私のチームでアンタのことぶっ倒すから!そしたら私のチームに入りなさいよね!!それまでに他の隊に入ったら殺すから!!」

 

「あと無視して悪かったわよ!!」

 

 そう宣戦布告すると、葉子は気恥ずかしくなったのか、走ってで逃げてしまった。

 華は苦笑しながら、織田作に声をかける。

 

「織田作さん、葉子は本気なので」

「そうみたいだな。麓郎も雄太も、それでいいのか?」

 

香取隊はこれから、織田作之助を倒すことを目標に活動する、という葉子の指針に、彼らはついていけるのだろうか。

 

「隊長の葉子ちゃんが決めたことだし…それに、織田作さんを倒せるくらい強くなれるなら、それってすごいことですし」

「俺は正直ピンと来てないですけど……織田作さんが強い人ってことはわかってるので。それに勝つことを目標にすんのに否やはないです」

 

 織田作は突然の宣戦布告に驚きながらも、思わず口角が上がるのを感じていた。

 迅の予知が当たったこともそうだが、葉子が良いチームメイトに恵まれていることに安心したのである。

 

 

「それなら、俺も本気で挑ませてもらう」

 

 

 こうして織田作之助と香取隊は、頻繁にランク戦をすることで、ボーダー内で非常に名が売れることとなる。

 

 

 

 

 





香取ちゃん、パワーアップするの巻
香取ちゃんは才能マンなわけですけど、努力の仕方がわからない、と言っておきながら気づかないうちに努力してるとは思う
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