お待たせしました。お待たせし過ぎたかもしれません。
かもじゃありません、お待たせし過ぎました。死してお詫びします。(自爆霊子崩壊)
初心に返り、またちまちま投稿していきます。お付き合いして頂けたら泣いて喜びます。
多分次の更新は……来月……いや今月中には……きっと……
~ 始める前から決まっている 〜
カレンは試作的に料理を作ることが多い。
村にいる時から有り合わせの物で作ったりはしており、王城に住むようになってからは材料に糸目をつける必要も無くなり、気分によって色んなものを作っていた。
そして本日作ってみたのはドーナツ。いつも最初に食べるのはいつもの四人であるが、毎度の如く好評である。
が、今回は作る数の目算を誤った。
いや、ルシアは少食寄りだし、ヴェルダナーヴァとヴェルグリンドは気分で食べる時と食べない時があるので、いつも深く考えて作ってはいないが。
今回のドーナツが思ったより好評だったせいで、事件は起きた。
「「………………」」
二人が伸ばした手の軌道が重なった。
カレンは今日、ドーナツを15個作った。
現在、ルシア、ヴェルグリンド、ヴェルダナーヴァの三名は二個食べて満足。
ルドラとカレンは四個食べていた。食い意地の張った勇者と聖女である。
つまり、残るドーナツは一個。そしてルドラとカレンは共にまだ満足していない。
結果何が起こるか。
「「…………」」
((また始まった……))
二人は瞬間目を合わせた後、示し合わせたようにスクっと立ち上がった。
つまり、「よろしい、ならば
実はこうなる事は初めてでは無い。それはそうだ、もう100年近く一緒にいるのだから。
この兄妹弟子コンビの間に起こる喧嘩は大なり小なり数知れず。いつしか場合によっての決着方法も自然に決まっていった。
こういう場合の決着法、それは───
「「───最初は、グーッ!!」」
お互い、同時に凄まじい勢いで掛け声と共に右拳を差し出す。
そう、即ちジャンケンである。
元々この世界にも似たような遊びはあったが、「グーチョキパー」でのやり方はカレンが広めた。ルールが簡単なので、年齢層の低い孤児院を中心に城下では日常となっていた。
が、よく考えてみてほしい。
ジャンケンとは心理戦、駆け引きを除けば基本的に運で決まるゲームだが、それはスキルや魔法を使えない一般人における話だ。
この場においてジャンケンをするのは、限界を超越した“聖人”二人。“思考加速”なんて序の口。“英雄覇気”や“並列演算”、“英雄補正”や“森羅万象”、あらゆる権能を行使したスーパージャンケンとなる。
……ということは無い。
なぜなら、ルドラに有利過ぎるからだ。特に“英雄補正”が反則だった。因果律操作でもしてるのかというレベルで、確率も統計もねじ曲げてルドラが勝つのだ。試しにカレンと百戦したら、99勝1敗だった。一勝した時のカレンの喜びようと言ったらなかった。
そういうわけで、二人のジャンケンではスキルの使用は禁止になった。でないとまたカレンが泣くことになる。
だがそれでも、運ゲーでルドラが最強なことに変わりは無い。スキルなんか無くても素でラッキーモンスターなのがこの勇者なのだ。
紆余曲折あり、二人のジャンケンは以下の様相になった。
まずカレンは、「最初はグー」で出したグーでルドラの顎にアッパーをかました。
ルドラはその見え見えの攻撃を笑いながら躱し、チョキにより目潰しを狙う。
……何を言っているんだと思うだろうが、これが二人のジャンケンなのだ。
「最初はグー」と言った瞬間より、戦闘を開始。
「ジャンケンポン」で最終的な手を出すまでの約一秒間。あらゆる手を用いて妨害を行なう。関節封じ、グー固定、目潰し、気絶、人道にもとる(?)手段以外なら何でもありだ。
そして、最終的に「ポン」で出していた手が有効手となる。
緩めの“思考加速”は解禁されているため、この刹那は長時間の攻防となる。
(良い修行になるし見てて面白いけど……完全に蛮族の遊びだよね〜)
そのヴェルダナーヴァの呟きは心の中に留められた。
ルシアにしても同様で、「もっと平和な手段を……」と最初は言っていたが、最初はガチバトルで勝敗を決めようとしていたのだ。それに比べれば幾らかマシと言える。
「「ジャ〜ン……ケ〜ン……」」
物騒ジャンケンも終局を迎え、二人の攻防も激しくなる。
今更だが、二人はこういう時にいつもこんな事をしている。確実にもっと良い方法はあるのだが、何だかんだ二人ともこのジャンケンが楽しいのだ。現に、二人は楽しそうに殴り合っている。
……そして今、決着が着いた。
「「ポン!!」」
カレン:パー
ルドラ:チョキ
勝者、ルドラ!
「ッシャア!! ざまぁ見やがれ!」
「クッソがァ!」
勇者にあるまじき勝鬨と聖女にあるまじき悪態が聞こえたが、気のせいであろう。
何はともあれ、こうしてラストドーナツジャンケンはルドラの勝利に終わった。
「くっ……! 最初考案した頃はまだ勝ててたのに……!」
「戦闘センスじゃ、まだルドラには勝てないみたいね」
「……なにか、怪しいんですよね」
慰められるカレンを見てドーナツを食べながら、ルドラは思う。
(開戦前に“英雄補正”を使えば運の底上げもできる……って、いつまでバレねえで使えるかな。ま、悪いな妹弟子よ。勝負ってのは勝ったヤツが正義。そして俺様が正義ってことは、勝負が始まる前から決まってるんだよ)
この少し後、ちゃんとルシアにバレて折檻された。
一位 ヴェルダナーヴァ (余裕)
二位 ルドラ (素の肉体で竜種に勝つ化け物)
三位 ヴェルグリンド (八百長ではない)
四位 カレン (竜種と良い勝負ができる化け物)
五位 ルシア (全員に秒殺)
「(ムク〜)」
「拗ねないでくださいルシア。全員負けず嫌いなんですから、仕方の無いことです」
「そうよ、大人気無いわよお兄様」
「カレン相手にムキになったヴェルグリンドには言われたくないね」
「もう一回だヴェルダナーヴァ席着けやオラァ!!!」
~ 譲れないもの 〜
その日、王城は荒れに荒れていた。
一人の聖女によって。
「早まらないでくださいカレン! 貴女は自分が何を言っているのか分かっているのですか!?」
「ええ、分かっていますとも。ですからそこをどいて下さい、三人とも。ヴェルダナーヴァに会えないじゃないですか」
「ハッ、正気を失った今のお前を、アイツに会わせる訳にはいかねえな」
「カレンのお願いなら極力聞いてあげたいけど、自ら地獄に飛び込もうとするのをみすみす見逃す訳にはいかないものね」
カレンが見据えるは王城の一室。ヴェルダナーヴァが使っている部屋だ。その部屋の扉を、三人が封じている。カレンが中にいるヴェルダナーヴァと話せないように。
普段は和気藹々としている面々だが、だからこそ互いを傷つけたくない為に睨み合いが続く。
すると、扉が内側から開き、ヴェルダナーヴァが出てきた。
「四人とも、少し落ち着こうか。カレンにはボクから話そう」
「ヴェルダナーヴァ様、ですが……」
「大丈夫さ、ルシア。ボクもそこまで鬼じゃない。……さて、カレン」
「ヴェルダナーヴァ……出てきたということは、私の頼みを聞いてくれるということでよろしいですね? たとえ貴方に頭を下げてでも……私は───!」
今までに無い真剣な眼差しを交差させる師弟。
しばらくしてヴェルダナーヴァは、カレンに残酷な一言を発した。
「カレン……残念だけど……」
この世界での卵かけご飯は、流石にやめといたほうがいいよ……
「クッ! 貴方もそう言うのですか! 人間ってのは、あらゆる可能性に満ち溢れているんでしょう!? 卵かけご飯くらいなんですか!」
「そうは言ってもねぇ。確かに昨日はああ言ったけどさ」
昨日の事というのは、カレンがヴェルダナーヴァに何気なく聞いたことだ。
『この世界ってお米あるんですか?』
『そりゃあるさ。ナスカ王国には気候的に自生しないけどね。ここよりもっと東の、確か海の方にお米っぽい植物があった覚えがあるよ』
『よし、今から行ってきます』
『今から? もう夕方だよ?』
『皆さんには暫く帰ってこれないと伝えてください』
『そこまでするかい?もうちょっと調べれば……待って、座標指定も無しに転移は気が早過ぎるって』
こんな事があり、結局本気で飛び出していきそうだったカレンを抑えて、ヴェルダナーヴァが米らしきものを転移で取ってきたのだ。
もうお分かりだと思うが、カレンはかなり筋金入りの米派である。
それはこの世界に転生する前からであり、転生して百幾年、米の無い生活をしていても変わりは無い。むしろこの世界ではずっと主食はパンばかりだったので、心の奥底では密かに米欲が燻っていたのだ。
元々食い気はあったのも、米を食べられない反動によるものかもしれない。
もはや無意識に蓋をしていたその食欲の炎が、昨日の何気ない事件により弾け飛んだ。
ヴェルダナーヴァが米を持ってきた瞬間、うろ覚えだった知識を脳に高負荷をかけて思い出し、炊飯に成功。味は少し違うものの、カレンは涙を流しながら頬張っていた。
ヴェルダナーヴァが引く程だったので、食い気の強さは反動に関係なかったらしい。
そして現在、米欲を抑える釜は逆に米欲を炊き続ける釜となり、カレンはノーライスノーライフ状態(?)となっているのだ。
白米にひとまず満足したカレンが求めるは、『お供』。
ならば狙う獲物は前々から決まっていた。常々思っていたのだ。米があったら、もう一度食べたいなぁと。
『鶏卵』。カレンの根底にある日本のソウルのフード、TKGだ。
……というのが、このおかしな状況に至った経緯である。
頭を抱えているのはカレン以外の全員であるため、安心してほしい。当の本人はずっと真顔なので、ルシアはもう怖くなってきていた。
「……もう好きにさせてあげたらどうかな? どうせ状態異常無効があるし、カレンだって今さら鶏の卵程度でどうにかなることは……」
「黙っていてくださいヴェルダナーヴァ様! これは耐性云々の問題ではなく、人間の尊厳の問題です! カレンはこんなんでも女の子なんですよ!? 喜色満面で鶏卵を貪るような子に育てた覚えはありません!」
「地味にヒドイこと言ってるわよ、ルシア」
「ぶっちゃけ俺様も好きにさせたらいいと思うんだがな……。城の料理人にあんな悲痛に泣かれちゃ、流石に黙っとく訳にはなぁ」
「何したのさカレン」
「別に何も。大豆腐らせて納豆を作ろうと、ついでに廃棄予定の魚の肝で塩辛を作ろうとしただけです」
「何としてでも止めますよ!!!」
何故この聖女は、この中世然としたナスカ王国でこうも忌避されるような食材ばかり選ぶのだろうか。塩辛の意味は分からずとも、ルシアは『肝』という単語だけでマトモなものではないだろうと察した。
ちなみに、昨日から今に至るまで、カレンは既に数十杯のご飯を平らげている。百年以上の米抜き生活は、聖人の理性をもってしても耐えられなかったようだ。案外軽いものだな聖人の理性。
ライスバーサーカー状態のカレンに、ルドラは捻り出した案を発する。
「とりあえず、そのコメってのを
「良いわね。見た目はちょっと抵抗あったけど、食べてみたら案外いけたわよね」
「……それはありがたいです。出来なかったらエルシオン聖教会の権威をフルに使って、ナスカ王国をお米大国にしようと思ってましたから」
「今までで一番恐ろしい脅しだな」
「ま、まあ。何はともあれ、理性が戻ったようですね。ひとまずこれで解決……」
「それはともかくとして卵かけご飯は食べますよ? 何としてでも。大丈夫です。皆も食べてみれば分かります。ね? 怖くないですよルシア」
「兄様ァ!!」
「ルシアがこんなに泣きついてくるのも久しぶりね」
「こんな状況じゃなきゃ素直に嬉しかったよ」
平然とした真顔で言い切ったカレンに、ルシアはとうとう三人に泣きついた。
と言っても、ルシアに無理ならルドラもグリンドも手の打ちようが無い。この二人はいざという時にしか頼りにならない。そしてライスバーサーカーなどというふざけたものでは、勿論「いざ」とはならない。
残るは、本当に肝心な時にしか役に立たないし、その肝心な時にもあまり役に立たない創造主(笑)だけだ。
「何処からかヒドイ言われようをされた気がするけど、ここはボクが出よう。これ以上カレンの思念を読み取っていたら、流石のボクでも頭がおかしくなりそうだ」
「こういう時は頼りになるよな」
「こういう時にしかね」
「ボクの扱いが本当に雑になってきてて、逆に嬉しいよハハハ」
乾いた笑い声を響かせたヴェルダナーヴァは、面白そうに笑いながらも少し疲れたように息を吐いた。
何だかんだ言っても、カレンという人間を一番理解しているのはヴェルダナーヴァだ。カレン本人すら知らないことさえ知っているレベルだが、今日のようになるのは予想外だった。カレンの食への執着を舐めていた。
尻拭いとカレンへの日頃のご褒美も兼ねて、今日は少しだけ奮発しよう。
ヴェルダナーヴァはカレンの意識の間を縫って近づき、そっと耳元で囁いた。
「──────」
「っ!」
何を言ったのかはルシア達に隠匿されたが、聞かされたカレンはピクっと動くと、ヴェルダナーヴァが離れるなり転移で消えてしまった。
「……だ、大丈夫なんですよね? ヴェルダナーヴァ様。ヴェルドラの時のようなことがあれば、本気で反省させますよ?」
「あの時反省したからこそだよ。大丈夫。ボクも見ておくし、無茶はしないよ」
「何言ったんだよ、ちょっと目に理性戻ってたし」
「……なに、魚を与えるんじゃなくて、魚を釣る方法を教えたんだよ。ちょっとズルしてね。……あとゴメンねルドラ。これからナスカ王国の食文化に大革新が起きるかもしれない」
「………………良い革命なら歓迎するよ」
「たっぷり迷ったわね」
─── この後、ナスカ王国でその後の歴史に刻まれる革命が起こった。
それはナスカ王国が国土を広げ、数千年が経っても色褪せることはなく……
「お? どうしたシンジ。変な顔して」
「いやさ、レイモンド。ガドラさんが教えてくれた帝国の伝統料理……えらく見覚えがあるなって。こう、郷愁的な意味で」
そう言う少年の手には、黄色い丸が落とされたホカホカの白米の茶碗があったとか。
この偉業により、かねてからエルシオン聖教会の間で呼ばれ始め、王国中に広まりつつある《
「いや何その二つ名。初耳なんですけど」
「いいじゃないか、可愛くて」
「うるさいですね創造主(笑)が」
~ あの時の三人 ~
とある日、俺は故郷の教会に帰り、そこの墓地に来ていた。
村の教会のシスター的な人が毎日来ているらしいし、そもそも聖霊属性があるから苔がむすことなく清潔なままだ。
その綺麗な墓地の中でも、特に新しめの墓の前に俺はしゃがみこんでいた。
「久しぶりです、シモンさん」
そう墓石に呟くも、勿論あの喧しい過剰な聖女上げは聞こえてこない。
だが、正直少し期待も込めていた。こうして俺が言えば、骨のまま「お久しぶりです聖女様!!!」と起き上がってくるんじゃないかと。
まあそれもありえないんだけどな。彼の亡骸は、俺が自ら
エルシオン聖教会の教祖にして、初代司教にして、唯一の大司教。
俺を聖女にしやがってくれた、かなりイカれてて、かなり喧しくて、ちょっと……いや、かなり怖くて、そして気持ちの良いくらい善意に溢れた好青年。
この世界基準で見ても前世基準で見ても圧倒的長寿な、105歳という化け物じみた歳で去年亡くなった。
エルシオン聖教会の実質的なトップとして、本当に長い間頑張ってくれた。本人は100%の俺への純粋な信仰心で滾っていたので、頑張るとはまた違うかもしれないけど。
でも実際、エルシオン聖教会が組織として成り立ってくれたのは、間違いなくシモンのおかげだ。
とそこで、俺の
「ほお、あの人間が死んだのですか。惜しいことを。タイミングさえ言ってくれれば、私の眷属にしてやってもよかったのに」
「シモンさんを貴方のような腐れ悪魔に渡してなるものですか。そうなれば私が責任を持って滅ぼしますよ」
「クフフ、彼なら逆に喜ぶのでは?」
否定しづらい意見はやめろ。言ってるの想像できちゃうから。ただでさえヤベー人だったのに、これ以上不名誉な属性を生やさないであげてやれ。
もうお気づきだろうが、その声の主は
笑っていても身動きが取れないのは不愉快なのか、不満タラタラですという視線をこちらに向けてくる。ざまぁ。
「チッ……。それで? あの人間の最期はどのようなものでした?」
「穏やかなものでしたよ。私と、彼を慕うたくさんの人達に看取られながら、安らかに大往生です。やっぱり頑張ってきた人がああやって報われるのは、寂しいけれど悪い気はしませんね」
「そうですか。てっきり最期まで貴女への熱烈な言葉を叫び散らしているのかと。つまらないですね」
「あぁ、それは命日の前日までに夢に出るほど聞きましたから。鼓膜破れちゃうんじゃないかってくらいデカイ声で。あれのせいで多少寿命縮んだんじゃないですかね」
「前言を撤回します。やはりあの男、私の眷属にすべきでした」
どこにあんな体力があったんだろうな。ボケてんのかとも思ったが、俺関連以外のことは全く正常なんだわこれが。最後の最後まで進化するんじゃないかって期待しちゃったわ。
ルドラも「え?アイツ進化してなかったの? アレで?」って言ってた。ヴェルダナーヴァですら「ああいう子がいるから、人間って飽きないよね」と言ってた。いやもう、聖女として大司教がそんなん言われて鼻が高いわ、ハハ。
……ホント、可笑しいヤツをなくしたよ。
「……フッ。貴女という人は、実に面白面倒臭い人間ですね」
「ただただ面倒臭い貴方に言われたくありません。また沈めてあげましょうか」
「クフフフフ、私が二度も同じ手を食うとでも? 逆に貴女をこの地に眠らせてあげましょうか?」
「そんな格好で言われてもちっとも怖くないんですよね〜」
俺が感傷に浸っていると、また右下から茶々が入れられた。けどイライラはしない。珍しくあの
地中に頭以外が埋まった状態で。
事の経緯はこうだ。
俺がシモンのお墓参りに来たところ、何故か待ち構えているコイツがいた。ので、反射でここをコイツの墓場にしてやろうと思い、接近→アイアンクローからの垂直埋め。
で、冒頭の「久しぶりです、シモンさん」ということだ。
「一つお聞きしても? この私が多少全力に近い力を出してもピクリとも動かないのですが、何か細工を?」
「別に? 私がお墓参りに来る度に、この地に私の聖霊属性をとーっても強力に付与しているだけですよ。そろそろ焼けてくる頃では?」
「クフフフフ、私を焼き芋扱いですか。面白い」
煙が出てきた黒を枝でツンツンしていると、急に煙が止まった。聖霊属性の浄化が止められたのか。
「チッ、こんな事のために多重結界ですか。貴方って案外プライドとか無いんですね」
「いえいえ、貴女に敬意を評しての事ですよ。雑多にこんな面倒はかけません。それに、この状態の方が今は貴女が話に乗ってくれそうなので」
コイツに見透かされるのは腹立つが、実際この墓地で戦闘はしたくない。近くに村もあるし。そもそも今日はそんな気分じゃない。
それに、俺は今いつでもこの腐れ悪魔を滅ぼせそうに見えるが、コイツの事だしのらりくらりと逃げられるのが関の山だ。
せっかくだし、最近の愚痴でも吐くか。
「……最近、困ったことがあってですね」
「ほう、貴女から話してくれるとは珍しいですね」
「最近ナスカ王国の近くで動きが見られた白いのと黄色いのと紫の、貴方何か関わって……あっゴラァ!! 逃げんな卑怯者!! 責任から逃げるなぁっ!!」
「クッフフフフフ!! 私は何も知りませんねぇ!!」
「で、この不届き者はまぁた自分だけ彼女に会いに行ったのかい? 殺されたいのかな?」
「いいわよ
「ボクもやるよ。一回三人で
「クフフフフ、そこまでするなら抜け駆けでも何でもしたらいいでしょうに。まあ貴女達では彼女からの第一印象は最悪でしょうけれどねぇ」
「お前「貴方「キミにだけは言われたくない」」」
ステータス
名前: カレン
種族: 人間 ─ “聖人”
加護: 星王の紋章,闇の精霊の加護
称号: “
(“
魔法: 聖化魔法,神聖魔法,元素魔法,物理魔法
精霊魔法
『
『
耐性: 物理攻撃無効,自然影響無効,状態異常無効,
精神攻撃耐性,聖魔攻撃耐性
「そろそろ頃合いだと思うんだ」
「いいぜ、ソイツに俺様を認めさせればいいんだろ?」
「相棒の私が行かない道理は無いわよね」
「兄様の道は、私が拓きますから!」
「じゃあ早速、魔王をぶっ飛ばしに行きましょうか」