黒崎一護なオリ主と五条悟   作:ラムセス_

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エピローグ

 

 死滅回游は結界の崩落と共に無事終了した。

 

 避難民の多くがようやく帰宅して、日常を取り戻している。

 しかしやはり消え得ぬ傷は残り、多くの死者を出した大災害として日夜ニュースではこの事件について持ちきりだ。

 

 被災者支援をどうするか。破壊された街の復興はどうするか。

 

 それだけではない。

 死滅回游中の犯罪の取り扱いについても議論が盛んに行われている。

 極限状態の中、自分の命のために殺戮をしたとして、それは罪に問えるのだろうか。

 心のケアが必要だとして、これほどの数の被災者にどのように届ければいいのか。

 

 それ以上に、呪術という超能力を手に入れてしまった被災者をどうすべきか。

 

 全国十ヶ所もあるコロニーの中で起きた惨劇に、世間では風評被害も多く出ている。

 問題は山積み、としか言いようがなかった。

 

 

 また、俺たちは死滅回游対処から解放されたものの、やはり忙しい毎日を送っていた。

 

 死滅回游で人員も失った。

 真依は鹿紫雲一との戦いで命を落としており、その他窓等の人員も含めればかなりの数の人命が失われていた。

 

 呪霊も爆発的に増えている。

 術師拉致を企んだ米国と日本の間で軋轢は増しており、そちらも重大な問題となっている。

 邦人誘拐は長年日本が取り組んできた非常に重い問題だ。

 それを最大の同盟国が企んだとあっては日本としても対処には慎重にならざるを得ない。

 

 米国は人道支援の目的で投下した米軍が壊滅的打撃を与えられた、と日本に賠償を要求する構えだ。

 まさに、救われぬ者たちとはこのことである。

 

 

 さて。

 それでは俺について、話をしよう。

 

 あの後、死亡した俺の体を回道で治して、ダメ元で入ってみたのだが。

 無事俺は元の身体に戻ることができたのだ!

 

 ほぼダメだと思っていたから嬉しい誤算だ。

 

『だよね。まぁ私が魂だけで張り付いて臓器が傷まないよう反転術式をかけていたからだけど』

「……しゃべらないでくれねーか。頭が痛い…」

『頭が痛い?それは大変だ。肩の血流の関係かな。反転術式かけるかい?』

「いらない」

 

 俺は大きなため息をついて額に手を当てた。

 体が無事だった理由は、しぶとく俺の体に残っていた羂索が反転術式をかけ続けていたかららしいのだ。

 

 どうももう悪さを働く気は無いらしく…というより、本人曰く「別に私が働かなくともこれから最高に面白いものが見られそうだし」とのことで。

 一応は無害なまま俺の中で暮らしている。

 

 虎杖の死刑も撤回された。

 というより、呪術界が表社会へ出ざるを得なくなった結果、少しばかり体制を変えざるをえなくなったのだ。

 

 秘匿死刑やら何やらは、現代社会の法制度とはとても馴染まない。

 その結果、制度自体に批判が集まる可能性も捨てきれないからだ。

 呪術界も昔のままではいられない、ということなのだろう。

 

 死滅回游は終わったが、復興こそが本番だ。

 呪霊の多発する被災地に、恐れにより増加する呪霊達。

 

 それでも、俺たちはささやかながらパーティを開く。

 今後への希望を込めた戦勝記念パーティだ。

 

「祝、死滅回游終了!!そしてこれからの復興に力を入れ直す会!始まるわよ!!」

 

 釘崎が寿司のてんこ盛りになった皿を持って叫ぶ。

 

 虎杖は紙コップを配っている。

 それを自然な様子で受け取る呪胎九相図の兄弟三人……。

 

「って、僕と一護が殺した奴じゃん。なんで生きてんの?つかなんで当然ですみたいな顔して混じってんの???」

「話せば長くなる。俺達はあの後、憎き黒崎一護を探して死滅回游を」

「あっ、長くなるならいいよ」

 

 ぴしゃりと五条が話を打ち切った。

 どうも、あの時呪胎九相図は生きていたらしいのだが、雑魚ということで五条の注目を浴びなかったのが生死を分けた。

 そのまま生き延びた兄弟達は虎杖と遭遇戦となり、そのまま紆余曲折(?)あって家族になったとか。

 

 どんな紆余曲折があれば敵が家族になるんだ。

 東堂マジックか?

 

「僕が仙台から帰ったら、その血塗とかいうのが呪術高専の部屋でまったりしてたんだ。流石に祓いそうになったよ」

「兄者……俺本当に怖かった…」

 

 乙骨がため息をつく。

 七海も「あなたもでしたか」と同意するような様子を見せた。

 特級術師と一級術師に狙われてよく血塗とやらも生きていたものだ。

 

 部屋の隅では西宮が無言で俯いている真希に「大丈夫?気分が乗らないなら別室で寝ててもいいと思うよ」と聞いている。

 妹を失って、やはり沈む心は誤魔化しきれないのだろう。

 狗巻が「しゃけ」と真希の肩に手を置く。

 

 それでも料理は運ばれてくる。

 取り寄せたグラタン、ピザ、パスタ、肉料理から海鮮まで。

 豪勢に机いっぱいに並べられた料理の数々に、思わず腹がなりそうになる。

 

 まだまだ、事件の解決の兆しは見えない。

 次から次へと押し寄せてくる問題達を精一杯捌き切って、俺たちは日々を生きるのだ。

 

 虎杖が名店の手羽先にむしゃぶりつく。

 苦手なピーマンだけ選り分けて七海の皿へと移す五条を、伏黒がため息をついて横で見ている。

 

 皆が皆、楽しそうに料理を楽しむ姿を見て、俺は少しだけ笑った。

 

「何笑ってんのよ、黒崎。シースー無くなるわよ?」

「サーモンは残しておいてくれ。あとで俺も食べる」

「ごめん、もうサーモンないわ」

「嘘だろおい、開始してまだ10分だぞ」

 

 そんなこんなで、呪術高専での日々はすぎてゆくのである。

 




END
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