呪いの方陣は透き通る世界でも循環する   作:Another2

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【書こうと思ってタイミングを逃した設定】
 マコラは羽根を形成して飛翔しますが既存の生徒の様な羽根ではなくアン・イシュワルダの様な羽根を形成し先端から呪力を放出する事でバルファルクみたいな挙動で飛びます、めちゃ早いです。
 手の様に動かし物を持ったりは出来ますが正確には掌ではないので掌印としては機能しません。
 因みに羽根を形成する際マコラも腰から生やすのですがその際服を突き破るので彼女はリンの様に背中が開いた服にその上にコートを着込む形で生活してます。


ゲヘナ大集合

 試合終了、というよりはこれ以上戦える様な雰囲気ではなくなったので今回はここまでという形になった、終始向こうに展開を掴まれていた気がするが最後の最後にシロコが術式を使った事が一番大きい……らしい。

 このらしいというのはカヨコがそう言っただけなのでなんとも、今はちょっとした復習の様な物を行っててああでもないこうでもないと皆で言い合った、こういうのは学生らしくて良いと思う。

 ただその場所が何処かと問われると──。

 

「なんでよりによってウチなのよ‼︎」

 

 そう、セリカがアルバイトとして働いているラーメン屋……『柴関』にて行われているというのが主にセリカにとって問題だった様だ。

 

「仕方ないでしょ〜今のアビドスで大人数で集まれてゆっくりできる場所ってここぐらいなんだしさ」

 

「学校で良くない⁉︎」

 

「いやこう見えてもおじさんお腹空いてたんだよ?結構動いたからね〜」

 

 まぁ時間的に見ても結構良い時間だったからな。

 この辺りはまだ砂漠化が進行してないのか無事な所も多く客足もそれなりに見える、アビドス全域がゴーストタウンと化している訳ではないようだ。

 

「アルちゃ〜ん、まだ()()ぶら下げてないとダメ?」

 

 泣き言を言っているのはムツキであの試合が終わった後に【私は仕事の趣旨を理解せずに自爆しようとしました】というプラカードを首に掛けられている。

 一応止めようとはしたのだがどうやらムツキのアレはいつもの事らしく便利屋の中では恒例行事になりつつある様だ、反省してくれ。

 

「さっきの戦闘から見て、今回一番伸びたのはシロコだろう、まさか術式を使えることは流石に知らなかったが」

 

「それに関しては私が止めてたからね〜、半ば無法地帯になりつつあるアビドスでシロコちゃんみたいな能力を持ってるとどうなるかだなんて火を見るより明らかだし」

 

 シロコが使ってみせた術式……マコラは十種影法術と言っていたそれはどうやら影を媒介とした式神術な様で名前の通り十種類の式神がいるらしい、式神を会得するには術者と式神の一対一の対決で行われる調伏の儀とやらで勝つ事で初めて式神を自由に使えるんだとか。

 なんでそこまで詳しいのか聞いたんだが、どうやら百鬼夜行と呼ばれる自治区に取説があるらしい、そんなのあんのかよ。

 

「だけど式神にしては結構強めだったよ?」

 

「だろうな、基本式神は呪符の類の触媒に呪力を篭める事で作られるんだがその際に触媒となる物の質によって式神の強さも大きく変わる、質のいい触媒だと篭められる呪力量も多いからそれなりの式神が作れる、まぁこの辺は術者本人の式神術の腕にもよるんだが……」

 

「十種影法術で呼べる式神は前提として触媒となる物が影故に幾らでも呪力を篭められるから最低限の能力がある、それに式神毎に異なる能力を持ってるしな、まぁ焦らずゆっくり調伏を進めていけばいい、自分の実力以上の式神を呼ぼう物なら即座に殺されるからな」

 

“自分の術式の式神なのに?”

 

「式神に限った話じゃない、さっきのムツキの様に術式ってのは使い方によっては自分すらも被害を被るから普通に死ねる、どれだけ強い術式を持ってても使いこなせないと宝の持ち腐れでね、だから下手な術式より基礎的な呪力操作によるゴリ押しが割と強いんだよ」

 

 俺の疑問に対してカヨコが答える。

 成程、術式にも様々な使い方があるらしい、まぁ戦闘に使うよりは日常生活に於ける痒い所に手を届かせる程度の使い方が一番平和な使い方なんだろうけどな。

 

「呪力強化と言えばセリカの強化率が存外高かったな、出力はそんなでもなかったが、となると今後セリカに欲しいのは結界術辺りだな、防御面を鍛え上げて呪力効率の方も鍛えて行けばかなり化けるぞ」

 

「一年で言えば呪力操作の再度ならアヤネは頭一つ抜けてる、恐らくそう遠くない内に反転術式の習得するだろうし恐らく外部出力(アウトプット)による他人の治療も出来るだろう、これは誇って良い事だ反転術式で他人を治せる奴は希少だからな」

 

「ノノミはセリカと違い出力と効率の良さを感じ取れた、あれだけ撃ち込んでちっとも呪力切れが見えないのは相当効率が良いのだろう、あとは総量を引き上げていくだけだな、シロコは言わずもがな、誰も彼も優秀だよ、正直言ってウチ(連邦生徒会)に分けて欲しいところだ」

 

「おぉ〜?優秀な後輩を持ってわたしゃ嬉しいよぉ〜、あげないからね」

 

“……ところでお前はなんも注文せんの?”

 

「まだ仕事が残ってるんでな、相手方がもう少ししたら到着するはずなんだが……いかんせん距離がある」

 

 どうやらマコラは誰かを呼んでいたらしい、仕事関連で呼ぶとなると結構な立場の人間になるが、果たして誰が来るのか。

 そう思いながら注文を待っていると不意に入り口のドアが開く、マコラの読んだ人でも来たか?

 

「ふむ、賑わいも場所にしては上場と言った所でしょうか、偶には()()()()()の直感に任せて遠方に足を運んでみる物です」

 

 その名前を聞いた瞬間マコラがビクリと肩を震わせた、多分目的の人間じゃねーなこれ。

 

「おぉ〜‼︎良い匂いがする〜‼︎お腹空いた‼︎」

 

「もう疲れたー‼︎早くご飯食べたいー‼︎」

 

 続いて二人の声が耳に入る、その声を聞いて便利屋の皆の表情もどこか浮かない物になっていた、というかカヨコに関してはゲンナリしてる。

 

「うふふ、美味しそうな匂いに釣られて、足を運んでみたら良さげなお店を見つけた挙句に、まさかアナタまでいらっしゃるなんて……これはやはり運命ですねぇ、マコラさん?」

 

 そして最後の声……金髪の角を生やした生徒に声を聞いたマコラは頭を抱えていた。

 

「帰って良いか?」

 

“ダメだろ、仮にも待ち合わせ中だろお前”

 

「マコラ……アンタが呼んだのってアレ……?な訳ないよね」

 

「天地がランバダ踊ってもあり得ねえよ、なんでコイツらを召集する必要があるんだ」

 

「おや、酷いですねぇ……私はこんなにもアナタを愛しているというのに」

 

“え”

 

 金髪の子から放たれた爆弾発言、というか目線がヤバい、獲物を補足した目だぞあれは……

 

「誤解を招く言い方やめろ、お前が愛してんのは“(わたし)”じゃなくて“(わたし)の呪力”だろうが、悪食め」

 

「むう、ですが本能故の愛ならばそれは尊い物では?」

 

“……確かに?”

 

「納得すんな、アイツの言う本能ってだいぶ食欲だぞ」

 

「おや、見慣れない方がいらっしゃいますわね、お初にお目にかかります、私はゲヘナ学園の美食研究会部長黒館ハルナと申します、以後お見知り置きを」

 

“あぁこれはご親切にどうも……”

 

 便利屋の生徒と同じくゲヘナの生徒ではあるらしい、便利屋の時もそうだったがかなり丁寧で行儀が良い、噂ではゲヘナはかなり治安が悪い所と聞いていたのだが案外そうでもないのか?

 

“で?なんでマコラはあの子を毛嫌いしてる訳?”

 

「……鰐渕アカリ、大喰らいなその体質に加えて術式の関係で腹一杯になる事がない、更にアイツの術式は『呪力を食す』……一応アイツが言うには其々味が違うらしいが、正直言って世界で一番聞きたくない食レポだと思ってる」

 

「うーん、私は食した物の味の感想を素直に言っているだけなんですがねぇ」

 

“まぁ美味しく頂かれたならそれで良いんじゃない?下手に不味いとか言われるよかマシだと思うよ”

 

「アンタは食われた事ねぇからそんな悠長な事言えんだよ、普通は引くぞ」

 

 ごもっとも。

 

「なんでもいいけれど、お客として入店したなら何か注文してってよね、オススメは柴関ラーメンよ」

 

 それもそうだ、セリカの言う通りラーメン店に入っておきながらラーメンを注文しないのは世の理に反していると言っても過言ではない、かく言う俺も届くのを待ってる側ではあるんだが。

 


 

 途中美食研究会が合流するというちょっとした事はあったがそれ以外は特筆すべき出来事もなく時が過ぎていった、強いて言うならアカリって子がとんでもない杯数を食している事くらいか、換算してもう30杯は行ってるな、しかもペースが落ちてない所を見るにマジに底なしの胃袋を持ってるんじゃねえか、すげぇ。

 

 客足もだいぶ捌けて来た辺りに入り口のドアが開き、そこには二人の生徒が居た、二人とも軍服の様な制服を来ており頭部から角が生えている事からゲヘナの生徒だろうか。

 

「げ……」

 

「あら……」

 

 二人の姿を見て顔を顰めたのは便利屋と美食研究会の面々だ、反面マコラは待ちくたびれたと言わんばかりに欠伸をしていた。

 

「やっと来たか、待ちくたびれたぞ、()()()()()

 

 今度こそマコラが呼んだ人物ではあるらしい、マコラの言及から察するに二人はヒナとマコトと言うらしいが生憎どっちがどっちかわからん。

 

「これでも最速最短で向かってきたのだけど……それに今貴女は私達と出会うのは不味いんじゃないの?」

 

「そこは安心しろ、ここはゲヘナの自治区内じゃない、偶然(わたし)がここで休息を取っていたところに偶然お前らがここに来た、それだけだ」

 

「キキッ、態々呼び付けておいて白々しい奴だ、それで何の用だ、我々は例の条約で忙しい、態々呼び掛けたからには相応の事があるのだろうな?」

 

「勿論、アビドスの砂漠の進行が急速に進んでるのは既に耳に入ってると思うが……その原因たる呪霊を近々祓う、まぁそれだけなら態々お前達を呼びつけたりはしない」

 

「当然だな、唯呪霊を祓うだけなら貴様だけで事足りる、それだけではないのだろう?」

 

「まぁな……アビドス砂漠の歴史は古い、従って相応に古い遺物や資源などが埋没してる場所でもある、カイザーはそれを狙って文字通り『宝探し』を企てていたらしいが……悉く失敗、一応埋没した物を発掘はできたらしいんだがその後原因不明の怪死……原因はまぁ呪霊に襲われたか呪殺されたかだろうな、砂漠の呪いには尾鰭が付きものだ」

 

「まわりくどいな、単刀直入に言え、アビドス砂漠に……()()ある?」

 

 マコラはグラスに入った水を飲み干し一息付けると、小さく溢した様に言った。

 

雷帝の遺産の一つが、アビドス砂漠にはある、この件は裏も取れてる」

 

 ──雷帝の遺産、その言葉が発せられた途端に二人の空気が変わった、なんならカヨコの表情も険しくなった。

 

「その情報は確かなのか?」

 

「あぁ、本人から直接聞いた、例の条約を筒がなく完遂させる為にもこういった不安要素は一つでも多く消しておきたい……今後の為にもな」

 

「確かに……雷帝の遺産が齎す影響は計り知れない、可能ならば今すぐにでも撤去しに向かいたいのだけど……他に何かあるの?」

 

「あぁ、ここにいるアビドスの生徒……特に小鳥遊ホシノを重点的に強化したい、まず間違いなく“持ってる側”だからな()()の意味合いも兼ねて、ここらで錆びついてる術式を叩き起こしておきたい、どうやら本人も全くの無関係って訳じゃ無さそうだしな」

 

「貴方が……小鳥遊ホシノ?」

 

「そうだよ〜何処かで会った事あったかな、君みたいに強い生徒忘れる筈ないと思うんだけど」

 

「……直接顔を合わせるのは今回が初めての筈、ただ……噂と大分違いがあると思っただけ」

 

「なになに?もしかして昔のおじさんのこと知ってる口?恥ずかしいからやめてほしいなぁ〜」

 

 関係者間での会話が長続きしている、この状況で雷帝って誰とか絶対聞けないよなぁ、雷帝と言うワードが出た瞬間ゲヘナの生徒の空気がピリついてるし、余程の地雷案件なのかもしれん。

 

「兎に角、本人から聞いた座標を送っとくから事が終わったら処理を頼む、こればっかりはお前たち二人が適任だろう」

 

「一ついい?何故“今”なの?」

 

 ……確かに、例の条約とやらは詳しくは知らないがその雷帝の遺産とかいう危険物の存在と在処を知っているのならすぐに連絡する筈だが、二人の様子から察するにマコラは今初めて雷帝の遺産について話した、とみて良い。

 

「……色々事情があるんだよ、こっちにもな、だが強いて言うならまぁ……馬鹿の願いに準じてやった、とだけ言っておこうか」

 

「そう……言及するつもりがないならそれでいい、こっちとしては雷帝の遺産を破壊できれば十分だから、呪霊退治の方はそっちに任せて良いのよね?」

 

「外部の馬鹿どもがちょっかいかけて来なけりゃな、呪霊に関しては一切の不足はないが、後先考えない馬鹿共の動きは予測が出来ん、特に()()()()()()からな」

 

「キキッ全くもってその通りだ、話は済んだな?では私はこれで帰らせてもらうぞ‼︎何せイブキにはすぐに戻ると伝えて来たのだからな‼︎寂しくて泣いているかもしれん‼︎」

 

「あぁ、それはご自由に……あぁそれからマコト」

 

「なんだ?まだ何か用か?」

 

()()()についてだが……」

 

()()()()()()だ、残念ながらな」

 

「……そうか、なら良い」

 

 そう言い残すとマコトと呼ばれた生徒は脱兎の如く走り去っていった、雷帝・あの件・手掛かり無し、雷帝とあの件は別口としても二人は組織間だけじゃなくて個人でも繋がりがあるらしい、それにしても。

 

“結構難しい話を長くしてた筈なんだけど……食べるペース変わらないねあの子”

 

「……鰐渕アカリはそういう娘よ、本人が無関心なのも大きいんでしょうけど」

 

「んく……だって政治面のお話とか興味ありませんから、美味しいご飯のお話なら大歓迎なのですけれど」

 

“ブレないねぇ、んでもってヒナ……だっけ、何で君もアカリから距離置いてる訳、まさか君も被害者?”

 

「……一瞬の合間だったわ、反応出来なかった」

 

 嗚呼……実態は知らんがアカリの飯テロに会った被害者がここにも一人……いやあの子の事だからゲヘナの生徒全員にやっててもおかしく無いな、だから便利屋の皆も若干距離置いてんのか。

 

「すまねぇなぁ姉ちゃん、そいつで在庫切れだ」

 

「あら、それは残念です、余りにも美味しい物でしたから遂お箸が止まりませんでした」

 

 馬鹿な……殆ど1人でこの店の在庫分のラーメンを食い尽くしたというのか、どんな食欲だよ。

 

“食べたねぇ……健啖家もここまでくると寧ろ清々しいよ”

 

「おや、貴方は沢山食べる女はお嫌いですか?」

 

“いや別に、寧ろ作り甲斐があって良いと思うよ?作り過ぎるという事がなくなるからな、まぁ気になる点があるとするなら摂取したカロリーは何処に消えたのかという疑問があるんだが”

 

「カロリーはちゃんと摂取されてますよ?ただ私は()()()()()()()()()()()()()()()

 

“あぁマジ?それはまた難儀な体質だな、『太らない』じゃなくて『太れない』ってのは、そりゃキツいものがある、まぁ美味しい物を幾らでも食べれるっていう意味ではある種得なのか……?”

 

「怖く無いんですか?いっぱい食べちゃうんですよ?」

 

“怖い?何で?”

 

 沈黙が流れる、もしや地雷だったか。

 

「あれ本心から言ってますわよね?」

 

「あぁ、だから尚の事性質が悪い、アカリにクリティカルだぜあの発言は」

 

「……アナタがあの大人を気に入った理由がよく分かったわ」

 

“どしたん”

 

「「「いや別に」」」

 

 絶対なんかあったやつじゃん、何かしらの琴線に触れたのか。

 

「まぁ何だ、精々刺されない様気をつけてくれと、忠告しておくわ、うん」

 

「アカリがこんなに顔真っ赤にしてるの初めてみたんだけど」

 

「私も初めて見ますわ、貴重な姿ですわよ、余程嬉しかったのでしょう、お気持ちは分かりますが」

 

「うぅ、まさかこの体質に理解を示してくれる方がいらっしゃるなんて……マコラさん、幸福な内に貴方の呪力下さい」

 

「はいはい、今回ばかりは良かったなという事で、持っていけ幸せ者が」

 

 とか何とか言ってマコラの指先から出た呪力をアカリが文字通り食した、成程こういう仕組みか……

 

「むむ、今回は随分とさっぱりした呪力ですね?何か良いことでもありましたか?」

 

「呪力の味で(わたし)の体調を測るんじゃねえよ、当たりだが‼︎」

 

“呪力って日によって味が変わるのか……”

 

「この人だけですよ?ヒナさんの呪力は冷んやりしたり熱っぽかったりする非常に食べ応えのある呪力をしています、一方マコラさんの呪力はその日によって味が変わるので飽きが来ないんです」

 

 アカリの食レポを聞いて周囲がドン引きしてるのが分かる。

 成程確かに自分の一部を勝手に食われて勝手に食レポし出すのは……まぁ確かに聞きたくも無いというのは分かる。

 というか人間の負の感情から滲み出た力が美味いって、それはそれでどうなのよ、とは思わなくも無いが、本人が幸せそうなので言葉にするのは無粋だろう。

 

「因みにゲヘナで呪霊被害が出てないのはアカリさんのお陰でもありますわ」

 

“じゃあ良いじゃねーか”

 

「「それとこれは話が別」」

 

 それもそうか。

 

「兎も角、砂漠に潜む呪霊は特級相当で間違いない、そいつに今のアビドスをぶつけてもまず勝てんから、これから一週間程(わたし)やゲヘナの風紀委員会の連中とひたすら戦っては休んでを繰り返す」

 

「うげ、君とぉ⁉︎」

 

「ちょっと、聞いてないんだけど」

 

「まぁ聞け、最近呪いのレベルが急激に上がってきてる、万が一(わたし)になにかあったらその時は他の連中に事の処理を頼みたくてな」

 

「……もしそんなことがあったらキヴォトスの終わりだと思うけど」

 

「そうならない様に鍛える、特にホシノ……っていうかこれは皆なんだけど、皆には(わたし)に勝てる位強くなってほしいんだよ、潜在能力(ポテンシャル)は十分にあるわけだしな」

 

“俺はまだマコラの強さの実感沸かねえけども、それでも一人だけ強くても意味ねえもんな”

 

「その通り、ワンマンプレイだとどうしても限界が来る、一人だけ突出してても他が伸びてなけりゃそこを突かれる、だから全体的に底上げをする、その為には生徒同士を戦わせたりするのが手っ取り早い、呪霊の強さもピンキリだしな」

 

「はぁ……分かった、風紀委員の皆には私から伝えておく」

 

 そんなこんなで解散する形となった、会計は自分が持つ事になったがラーメン屋にしてはとんでもない金額になっていた、いやまぁ払えなくは無かったので何も問題はなかったが。

 

「じゃあ明日から、鍛錬を始める」

 

 それはそれとして翌日に予定を埋め込むのは流石にどうかと思う、思い立ったが吉日じゃねーんだぞ。




Q雷帝って誰?

カヨコ:……知らなくていいよ

マコト:今聞くか⁉︎もっと他に聞くことがあるだろう⁉︎

アカリ&ハルナ:私あの人嫌いです

ヒナ:ゲヘナの前生徒会長よ、それだけ知ってれば良いわ

・マコラ
 結構色々考えてる、口には出さない、言葉にして出せ。
 実は雷帝の遺産を一つくすねている。

・先生
 無意識の内にアカリにとってクリティカルな言葉を踏み抜いた男、ワカモが後方腕組み理解者面をしている。

・アビドス
 またしても何も知らされていないアビドス生の皆さん、伸び代は抜群にあるので明日から愉快なブートキャンプの始まりだ。

・便利屋68
 ゆっくり反省会してたらいきなり美食研究会が凸かましてきたからご飯どころではなかった人達、その後によりによってマコトとヒナが同時に来訪したのでさらに混乱した(主にアルが)

・美食研究会
 アカリの術式体質によって齎される幸福と不幸を全て知って尚付き合い続けてる。
 アカリの術式は暴食家と書いてグルメと読む、呪力を食す事が可能で呪霊にも適応される、味は其々異なるらしい。
 通常の食物ではアカリの腹は膨れないが呪力の食事なら腹が膨れる、一戦につき一発の切り札として溜め込んだ呪力を打ち出す事が出来るがその後は空腹になる。
 先生が思慮した通りゲヘナの生徒は全員アカリの被害を受けている。

・マコト
 忙しい(ガチ)中態々アビドスまで足を運んだ人、雷帝関連じゃなかったら帰ってた、例の条約に関しては比較的真面目に取り組むつもりではある。

・ヒナ
 忙しい(ガチ)中態々アビドスまで足を運んだ人、ホシノが噂と変わり過ぎてて本人と断定するのに時間が掛かった、かなり強化が入った便利屋がゲヘナで頂点を取れてない原因、故に特級。

・雷帝
 そのうち出る
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