生存報告のためですので、加えて短めです。
また、読み飛ばしでも全く問題はありません。
のほほんとした昼下がり、欠伸をしながら外を眺める。
つい先程、片付けが終わり、仕事も一段落をしたためだった。
ふと、一本の老木に目が止まった。
それを見ていれば、かつての友達を思い出す。
シア・アトウッドという可愛らしい少女。
栗毛の髪の毛に、少し小さなその姿、どれをとっても可愛らしい少女だった筈だ。
今となっては、少し記憶も薄れている。
最後にあったのは、何十年も前の話だ。
彼女は今、一体何をしているのだろうか?
たぶん、幸せそうにしているだろう……。
彼女は、多少抜けているところもあるが、恐ろしい少女だったのだ。
達観していたわけではない。
そして、別に天才というわけでもない。
けれど、幼い私は彼女が嫌いだった。
友達としては好きだったが、人としては嫌いだったと言うのが最適だろうか?
小狡いというのは違う。
だが、賢い少女だった。
何かを自己解決して、けれどその労を誇らない。
しかし、それを人に才能だとは思わせない。
あくまで時間を掛け、努力だと思わせる。
彼女は酷く賢かった。
その賢さが、私の目には恐ろしく思えた。
彼女は天才ではなかったと思う。
けれど、決して凡才でもなかった。
何処までも努力家だった。
そして、努力を徒労にしない才能があった。
「手紙でも書こうかしら?」
そう思ったが、きっと迷惑だろう。
過去の、それも忌むべき過去の残滓ほど憎らしいものはない。
忘れた頃にやってくる過去の呪縛、これは往々にして良いものではないのだ。
……思い出したが、彼女は随分変な子だった。
ぼーっとするのが好きなのか、それとも何か考え事をしているのか、彼女はよく木陰で座っていた。
時に勉強をサボって、時に手伝いから逃げて。
……ふと、当時の彼女が何を見ていたのかが気になった。
あの木陰の下、そこから眺められる景色。
それに何か彼女を惹きつけたものがあった。
もしやそれは何か特別なものではないか……。
くだらない考えだろうと思う。
けれど、気になってしまえば、それを抑えることは出来なかった。
「少し散歩してくるわ」
奥に声を掛け、老木の方へと歩いた。
「此処よね」
声を零しながら、彼女が昔座っていた場所を見つめた。
そこには歪んだ木の根があった。
それに何とはなしに腰を掛ける。
ヒンヤリとした木に驚きつつも、空を見上げた。
空には木葉が踊り、太陽によって透かされていた。
……確かに綺麗だと思った。
けれども、過度にこれをみたいかと言えば、それは違った。
飽き飽きとするような情景、いわば退屈だった。
かつての友人の心情を理解したくとも、どうもそれは叶いそうにはなかった。
「はあ」
小さく溜息をつき、適当に辺りを散策する。
また何かないものかと思ったのだが、結局何も見つけれず、再び木の根を見つめた。
その時、強い春風が吹いた。
それに巻き上げられ、木葉が中を舞う。
一枚の葉は木を掠め、元あったところへと戻ろうとしている。
それを見ていると、私はふと気付いた。
目前の老木は苔むしている。
ただし、先程まで私が座っていたところを除いて。
そこはまるで魔法が掛けられたよう、そう、
余談ではありますが本話の主人公ちゃんは没のキャラです。
第一話か二話で登場させる予定でしたが、最初の方でなかったことになりました。
訳としては、二章からは登場させることが難しいからです。
でも、もっとも大きな理由は名前を考えるのが面倒だったからです。
一応、名前は考えはしたのですが、気に入らなくて没になりました。