パーパルディア皇国 エストシラント市街地
外交官を救出するために4機のオスプレイが発艦する少し前のこと。皇国の陸軍が高級車のセンチュリーに魔導砲を撃ち込んだ後である。
「う…、」福原がうめく
(体が痛い、くそ…。)
視界がぼやける
(事故?いや、一瞬だったが砲声がした気が…。)
頭からは血を流している
(そう言えば、藤元さんは?)
ぼやけた視界で隣を確認しようとする
「ふ、藤元さん…、大丈夫ですか…?」力を振り絞って言う
反応はない
「藤元さん?大丈夫ですかって。」体を揺するが反応がない
動いたと思ったら力が抜けたように横に倒れる
「し、死んでいる…。」
あの大先輩だった部長が、目の前で死んでいる
「大丈夫ですか!?」後続の警護隊が駆け寄る
「あぁ私は平気だ。だが、藤元さんが…。」
「既に救助要請をしています。ここから離れましょう!」
「いやだが、」
話しているうちに車体に銃声が響く
「くそ!外交官がいるんだぞ!」SPの1人が言う
「今そこから出しますね!」ドアを鍛えられた筋肉で吹き飛ばす
足を引きずっている福原
ひとまずは裏路地に繋がる建物の壁に寄りかかるように座る福原
「周囲からの攻撃に備えろ!死んでも福原さんを死守せよ!」リーダー格のSPの人が言う
「はっ!」
「お前達はトランクからありったけの武器を持って来い!」
「はい!」
インカムで何かを知るリーダー
「福原さん、安心してください。今さっきいせから連絡がありました。救助のためのオスプレイが向かっているそうです。」安心させようと微笑む
「そうか、最後まですまない。」
「いえ、それが我々の仕事です。あと10分程で到着するようです。」
腕時計を確認するリーダー
「それまでは持ち堪えてみせます。」
「あぁ。ありがとう。」顔は暗い
3人が駆け寄る
「ありったけの武器、取ってきました!」
「おう、全員に配れ!」
標準装備のデザートイーグルは腰にしまい、黒いダッシュケースを開けてP90短機関銃を取り出す。
「おい、俺こんなの用意しとけと言った覚えは無いのだが…?」
「念のためですよ〜。」
入っていたのはパンツァーファウストⅢだった。
「こんなとこに敵の戦車があるわけないだろうよ。」呆れ気味に言うリーダー
一応ケースからは出しておく
「マガジンは?」
「4つです。」
「あの空箱を前に積んでおけ!遮蔽物にしろ!」
いつ敵が来ようと、万全の準備で挑む
「皇国軍の兵士を視認!およそ20!」
「20?たったのか?こっちは50人近くいるんだぞ?」
「慢心しているんですかね。」
一定距離を保って隊列は停止する
「お前達は完全に包囲されている!大人しく投降しろ!」皇国軍の中から降伏勧告が言われる
「我々は日本国の外交使節団である!武器を持たぬ人に、銃を向けるのなど大変失礼であろう!」
「何を持ってしてこのような愚行に走ったのか、問いたい!」大破したセンチュリーで身を隠しながら言うリーダー
しばらく沈黙が続く
「レミール殿は皇国に挑発的な発言をしたフクハラとフジモトは我が皇国に対する侮辱行為と認識している!今引き渡せばお前達の命は保証しよう!」
「え?そんなこと言えば引き渡すとか本気で思っているんすかね。」最近入ってきた新人SPが呟く
「どうやら本当に皇国は私たちを舐めているようだな。」P90を構えながら言う
周囲に緊張感が漂う
「我々の使命は外交官を安全に本国に帰すこと!お前達に引き渡すなど、毛頭ない!」
リーダーの声が周囲に響く
すると手前で地面が爆発する。
「奴ら、大砲撃ってきやがった!」
「応戦しろ!ただ建物にはなるべく当てるな!住民がいる可能性があるからな。」
「10分だけ耐えろ!反撃!反撃!」
護衛のSPは持っていたP90短機関銃を連射し始める
乾いた音が次々と皇国軍の兵士に命中、血を吹き出しながら足元から崩れ落ちる。
「砲弾来ます!」
「伏せろ!」
今度はかなりの至近弾だ。負傷者も多数発生する。
「まさか本当に使うことになるとはな!おい、対戦車ミサイルをお見舞いしろ!」
「了解!」
手に取り肩に担ぐ
「1発しか無いからしっかり狙え!」
「はい!」
筒の後方から白い煙を出し、先頭にあった弾頭が飛んでいく。弾頭は魔導砲に命中し爆発四散した。
「よくやった!」
劣勢になったのを悟ったのか、味方の亡骸をあとに撤退していく皇国軍
「ひとまずは耐えたか!総員、負傷者がいないか報告!」
死者、重症者はいなく手に火傷程度の軽傷者のみで安心する
「リーダー!まもなく到着するとのこと!」
「わかった!お前ら、撤退の用意だ!」
しばらくしてオスプレイが到着する
「大丈夫ですか!!」プロペラの音で掻き消されないように大声で質問する特殊部隊員
「我々は平気だが、外務官が1人亡くなっている。丁重に運んでやってくれ!」
全員乗り込み、離陸を始めるオスプレイ
「連絡では4機出動したと聞いたが、残りの3機は?」リーダーが聞く
「詳細は言えませんが、残りは海保の職員をはじめとする人質救出に向かっています。」
「奴らの首都にある監獄にか?大胆なことになったな。」腕をテーピングしながら話す
「あれご存知ないのですか?皇国と日本国は本格的な戦争状態に突入したのですよ。」淡々と言う
「なんだって?だからあいつらは車列を攻撃したのか、いやでも、流石にそれは外交的に良くないよな?」
「SPのリーダーらしいので言っておきますが、この世界では国際法なんかありゃしません。前世界の常識は捨てた方がいいです。」悲しそうに言う副機長
「…、忙しくなりそうだな。」窓からエストシラントを見下ろすリーダーであった
パーパルディア皇国 エストシラント 皇都陸軍基地
皆さんは謎に思ったであろう。なぜ4機のオスプレイが易々と皇都上空に侵入できたのか。
それはもちろん、護衛艦隊から放たれた数十発の対地ミサイルで皇都陸軍基地を完全に無力感化したからである。
これは着弾する十数分前のこと。
「おい聞いたか?皇国と日本国が戦争状態に入ったらしいぞ?」
「やっとかよ。デュロをめちゃくちゃにしやがった国はどうなるのか、痛い目見るぞ〜。」
休憩をとっている人達が雑談を交わす
「てか、結局ニホンってどんな奴らなんだ?」
「さぁ、そこは情報局の仕事だからなぁ。」
皇国は現在、日本国についての情報はほとんどつかめていない。2日でデュロを高速の鏃と鉄の像で占領したことしか認識されていない。もっとも、上層部の混乱を恐れた外交部などによる情報統制ではあったが。
「…、魔力値異常なし。魔信良好、と。」1人仕事に励む魔信技術士のパイ
定期連絡でレーダーの状態を報告していた。
「さて、私も休憩を取ろうかなぁ。」そう言って両腕を上にストレッチする
すると担当していたレーダーに、わずかに光点が反応する。
「あれ、こんな時間にオーバーロードなんか飛行していたかしら?」画面を見て確認しようとする
その光点は、徐々に数を増やしていき、こちらに近づいてきていることがわかる。その数およそ20。
「一応確認取るか。」そう言って内線魔信機を手にして下層の管制塔に連絡を入れようとしたその時、
ズドォーーン
基地全体が揺れる
「な、なんなの!?」驚くパイ
基地内はアラームが鳴り響く
「敵襲だ!敵の攻撃を受けているぞ!」
「なんだって!?監視員は何をしていたんだ!」
「とてつもなく高速な何かだったとのこと!」
「はぁ!?」
外から轟音が響く
航空自衛隊のF-2戦闘機だ。
「敵の飛行機を確認しました!赤い丸です!ニホン軍です!」
「先制攻撃か!ワイバーン部隊は直ちに迎撃に上がれ!」
「ダメです!滑走路は先ほどの攻撃で完全に破壊されました!離陸できません!」報告にあがった通信士
「なにぃぃ!?奴らは戦い方を熟知しているのか!?」
皇都防衛のために建設された陸軍基地は、なす術もなくただ飛行しているF-2戦闘機を傍観することしかできなかったのである。
日本国 首都東京 作戦室
一つの部屋に囲むように丸型の机を中心に各大臣、首脳部が集まって会議を開いていた。
「交渉に向かっていた外務官2人のうち、外務部長の藤元さんの死亡が確認されました。皇都軍による攻撃だったそうです。」怒りに満ちた顔で報告する外務大臣
周囲はざわつく
「交渉人を殺しただと?」
「ますます野蛮な国だ!」
驚きと悲しみが周囲に漂う
「彼は良くやってくれた。私は彼の死を無駄にはさせない。」腹を括ったと言わんばかりの顔で言う石間総理
「例の作戦ですか。」財務大臣が言う
「そのことでですが、人質の救出は成功しました。これで皇国にいる邦人は全員脱出できたと言うことになります。」防衛大臣が言う
「よくやった。」
「はい、これで我々は本格的な反撃に入れます。」
一瞬静かになる
「皇国に血を流してもらうことは避けられないか…。」
「はい、彼らは外務官を殺し宣戦布告を宣言しています。戦争は避けられません。」防衛大臣が言う
「はぁ。」かけていたメガネを外す
「ムー国からは?」
「既にムー国人の避難命令が出ています。周辺国の邦人は国外に避難を開始していることでしょう。」
「そうか。では、仕方がないか。」何かを決心する石間
「防衛大臣、これは首相命令である。直ちに敵の都市をミサイル攻撃せよ。」
「はっ!」
「場所は構わない。ただ首都は避けて欲しい。降伏してもらうためには、存在する必要があるからな。」
「わかりました。」
「そうだな、ただのミサイルでは恐怖を理解してくれない可能性があるな。」
「放漫な皇国ならあり得るでしょうな。」国交大臣が言う
「苦しみと恐怖…、そうだ!あれがまだあったはずだ!」
「VXミサイル…ですか。」農水大臣がぼそっと言う
「それだ、あれは長期間残留するはずだ。それで皇国に恐怖を植え付けようではないか。」
場がまた静かになる
「私は、賛成です。この争いは早期に終わらせる必要がある。そのための攻撃です。」国務大臣が言う
「皇国民には申し訳ないが、仕方がないな。」環境大臣も賛成する
全員の意見が一致する
「では防衛大臣、頼んだ。」
「はっ、全ては日本国存亡のために!」敬礼をし部屋を後にする
山系新聞
『パーパルディア皇国が宣戦布告!戦争状態に突入!』
旭新聞
『人質全員救出も、外務官1名死亡』
東京経財新聞
『ムー国政府、周辺国に邦人避難を通告。ム皇関係悪化へ』
さぁ楽しくなって来ました!
書いてる僕もウキウキです。
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