結城友奈・曲筆【本編完結】   作:おーたまー

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あとがき

ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました。

以下は駄文+自我丸出しなので、変な人は是非読んでください。興味無いね。って人達は、アンケートだけでも答えていってくだされば!(ポチるだけ!)

あ、いきなりここに来た方!ネタバレ天国なので、気を付けて笑

 

さて。本編が暗いのでゆるくいきますね。

 

いや、まずはね。ほんとに……なんというか、よくここまでついてきてくれましたね?……こんな、独りよがりな二次創作に。

うん。なんというか分かりづらかったと思います。でも、ここまで読んでくれたってことは、それなりに楽しんでくれたんだと……思っときますね!!!

 

あ、まずエピローグ読んで、「これで終わり…?」と思った方。

すいません、これで終わりです。

あのラストにした理由は、最後に書きますね。

さて。

正直、ゆゆゆであって全然ゆゆゆじゃない作品なので、なんか違ったな〜と思って途中離脱した人も結構いたんじゃないかなと。(根性とか友情とか二の次で、なんかずっとジメジメしてるし)、

(あの銀ちゃんが有り得ないぐらい暗いし)、

(それでいて外典や特別描き下ろし、ブルーレイ特典、それに日本神話まで履修していなければならないし)、

(原作と展開が違いすぎるし)、

(一章はほとんど戦闘がないし)、

というのもこの作品、原作のあれをこうしたい!とか、原作のキャラのこういう絡みをみたい!みたいな一般的な二次創作のモチベーションで作り始めた訳じゃないんです。

 

作者は今22歳で、高一か高二くらいにプロットを練り始めました。その時の理想と現実の乖離という思春期特有の悩みを、三ノ輪銀を初めとしたゆゆゆのキャラに委ねて解決しようとし、副次的に出来上がったのが曲筆です。

何がしたかったのかといえば、例えば人を殺したとして、何をすれば許されるのか。絶対的な罪を犯した者の、おぞましくない在り方とはなんなのか。そんなところです。

これは正解が無い普遍的な問題でしょう。さっさと〇ね!ってのも分かる。生きて償え!も分かる。しかし私としては、いずれも本人がそれに満足してしまったのならその時点で気持ち悪いと感じてしまう。

なら悔やみ続ければオッケー?自責の念に飲まれたまま死んでしまえばそれでよし?

うーん。分からん。銀ちゃん的にはどう?

みたいな。そんな感じです。

二章での若葉ちゃんは、「刀」を頼りに悩みを解決しようとしました。私にとってのそれは、「ゆゆゆ」だったのです。

 

なんでそんな作品を公開したのかといえば、「ゆゆゆ」を深く知る人なら、きっと間違い探しのようにして面白さを見いだせるだろうと思ったからです。「曲筆」には至る所に原作へのリスペクトが散りばめられています。「ゆゆゆ」に対する知識や理解度の深さがあればあるほど、面白くなる作品に仕上げたつもりです。

 

そういうわけで、いくつかのキャラクターの中には作者のペルソナがかなり含まれていて、それで原作からかけ離れたパーソナリティになってしまったキャラクターもかなりいたかと思います。ですから、曲筆というタイトルは、原作のキャラクターを捻じ曲げてしまったことへの戒めでもあるのです。

 

でなんで三ノ輪銀なの?と聞かれれば、それは三ノ輪銀が人間として完璧だからです。だからこそ、自分の悩みを三ノ輪銀も抱えていたらどうするんだろうと、彼女に頼ったわけです。

 

つまりこれ、本当に自己満足の塊みたいな作品なんですね。誰かを楽しませたいとか、こんなものを求められているんじゃないかとか、そういった動機は元々はあんまり無くて。それでも、感想を頂けたりするとやっぱり嬉しかったです。ありがとうございました。

しっかし、つくづく変な作品ですねえ!!!笑

 

それから、この作品は作者の大好きな作品のエッセンスがかなり含まれています。FF7、それからFateですね。FF7は、神堕ちしたステラ≒セフィロス(杏ちゃん≒クラウドもかな)が特にそれかなと。明確に意識した訳では無かったのですが、恐らくそれです。

Fateはプロットが八割方出来上がった後に見て、その影響でかなり変更、追加点が生まれました。二章の神の刻印≒令呪、歌野の詠唱≒宝具、銀ちゃんvs銀ちゃん≒士郎vsエミヤといった感じ。実はラストバトル、銀ちゃんバトルは元々無かったんですね。本来は天沼矛を使用しようとする銀vs人間に使わせたくない別天津神、がラストバトルになる予定でした(原作の銀ちゃんが励ましてくれて、天沼矛と現世をクソデカ双斧にする満開を使わせるという)。でも、別天津神とかいうよく分かんないのより、銀ちゃんに戦ってもらう方がずっといいです。ここはFateに大感謝したい気持ちです。

 

あ、あとこの作品、表紙があるのでそこの説明もしましょう。

この表紙、わかる人にはわかると思いますが、「ゆゆゆい」1周年のイベントで銀ちゃんが着ていたドレスです。丁度、その辺りの時期に描いた絵ってことですね。(銀ちゃんが赤いドレスを着ているイラスト、当時これしか無かったんですよ)

原作の銀ちゃんの将来の夢、それは「お嫁さん」です。しかし、この作品では「勇者」に変質し、白無垢は罪という返り血で染まってしまいます。

歪んでしまった三ノ輪銀、その象徴として、赤いドレスを着せたってことになりますかね。

 

とりあえず、ざっくり「日常を痛感させる」のが原作であるのだとすれば、「罪悪感で日常に耐えられなくなる」のが曲筆って感じです。なんでも無い日常に手が届かず、もがき苦しむところは共通しているけれど、曲筆は個人的で自閉的。実はそこが一番原作とかけ離れている部分かもしれません。

 

 

それじゃあ、一章からおさらいでもしましょう。

一章のテーマは、「知らない、戦わない」です。

 

この作品はパラレル世界なので、原作との違いと共通点を織り交ぜつつ、曲筆の世界を理解する為の土台となるところです。オリキャラはアルフレッドとひかげちゃん、それから老婆ですね。(実はひかげちゃんはプロット初期にはいなかった)

 

ひかげちゃんといえば、第四話「上里ひかげ」で、巫女の設定に首を傾げた人いたんじゃないかな。この作者、ゆゆゆ知らねえな?みたいな。巫女が一子相伝の力であるなんてゆゆゆで言われてないですからね。厳密には楔という似て非なる存在だったわけですが、ここでガッカリしてドロップアウトした方、いるかも……

 

アルフレッドに関しては、ゆゆゆの話にメインに絡む男キャラを入れるのは如何なものかと思ったりしたのですが(オリ主作品群をネガってる訳では無い……よ?)、まあ、中身が中身なのでいいか。と。(弥勒さんと全く関係無くてすまぬ)

ひかげちゃんは物語の都合上必要になったキャラですね。折角なのでゆゆゆらしくない、中途半端さのあるリアルにジトジトしたキャラにしました。オリキャラは便利だ。

 

時系列、舞台的には『わすゆ』。原作の三人組は最初から勇者としての自覚があって、一話からバトルが始まるわけですが、曲筆では戦いはおろか、神樹様さえ知らないわけです。そこで、この世界は元の世界とは全く違うことがよく分かったかと思います。どこか少しズレている、とかではなく。

なので、読者と三人組が、ほとんど同じ知識量で読み進めることが出来るというのが、一章の魅力なのかなあと。まあ、要するに考察系ってことです。

 

ただ。戦わせられない以上、物語の起伏に乏しかったのも事実。前述した魅力も、考察をメインにしていない読者からしたら謎が多く、カタルシスがあまりない分ストレス過多だったかもしれませぬ。今後の展開の為の種まきと割り切りつつも、退屈に感じた方も多かっただろうなと思う、そんな第一章でした。

作者お気に入りのギミックは、鷲尾須美=東郷美森が判明するところですね。原作らしさも少しは入れていかないと。

 

それから、ぐんちゃんをガチガチの悪堕ちさせるとか、わっしーを■すとか、かなり反感を買うような展開をしてしまいましたね。すいませんでした。結局日和りましたけど。

 

 

はい、それでは第二章にいきましょう、やりましょう。

 

二章のテーマは、うん、別にないです。そもそもテーマとかいちいち決めてないです(おい)。確かに一章は決めてから作りましたけど、後はプロットに沿って書いた感じなので……

でもまあそうですね、強いて言えば「バトル」かなあ。一章ではやりませんでしたから。

 

若葉ちゃんが凄いジメジメしちゃってますが、ここもパラレルギミックを存分に使っていった結果ですね。銀ちゃんと似たキャラ造形になってしまっているのは、この作品の主人公たる宿命かもしれません。

 

それからそうですね、二章は主要キャラに対する作者の解釈がかなり色濃く出ていたと思います。解釈違いだ!という声に対し、パラレルだからという言い訳が出来ちゃうもんだから。

誰のことかといったら久美子とひなたの破綻者コンビ。原作ではあまり絡みの無かった二人ですが、曲筆では急接近。外典が出る前からプロットを練り始めていたので、実は飛び入りで無理やり組み込んだキャラなんですね、久美子さん。ですが、なんだかんだ化学反応を起こし、上手く馴染ませられたんじゃないかなあと思っています (少なくとも作者は)。

 

登場オリキャラ、さゆりとステラ。最初は若葉ちゃんの挫折を描くために必要なキャラ達でしたが、結果曲筆のオリジナリティに一役買ってくれた、作者的にかなりお気に入りの二人です。二章だとチョイ役だけど。

 

それから、老人ですね。この作品の賛否に関わるところとして、神を明確な意思を持つ人の形にして出してるってところ、あると思います。原作だと概念的なものとしてしか登場しないからこそ、作者的にもかなり悩みました。けれど展開的にやはり必要だということで、最後の一柱ということにして妥協。うん。実は作者的にはあなた苦手なんですよ。素戔嗚様。ただ、彼のおかげで曲筆世界の大社という存在が、理解しやすくなったんじゃないかな、とも思ってます。

 

あそうそう、この世界のバーテックス最初から完成体問題、星屑に御霊問題がありますが、ここに関してはもう原作とは別物だと考えて下さい。原作では新人類として放たれ、勇者達との戦いを通して進化していき、最終的に御霊を付与されたという流れでしたが、この世界では奴らは兵器に過ぎず、バーテックスも星屑も、それぞれの元となる完全究極体を分解した部品である、というように、もはや別物。その改編を逆手に取り、星屑の中に人間の魂を取り込ませるというギミックを設置しました。

 

あとは……球子。バレてるかもしれないですけど、作者、球子めっちゃ好きなんです。だから■してしまいました。創作者あるあるだと思いますが、思い入れが強いキャラほどそういう力が働くんですね。明るくて真っ直ぐで適当で粗暴で、だけど実は誰よりも周りを見ていて、思慮深い……そんな球子が大好きで。

代わりに杏ちゃんは生き残らせました。良かったと思います。

 

あ、ちなみに「黒百合の姫」というのは、黒百合の花の中で若葉が作り出した“小百合の悪霊”のことであり、その中にいる若葉自身であり、その傍で命を落とした「姫百合をモチーフとした勇者の土居球子」でもあります。

 

 

外典にいきましょう。

 

まずは第一部。

これは物語の補完、まさに外典と呼ぶべき話ですね。この世界の根幹、それがここでかなり大っぴらになったと思います。世界を揺るがす出来事があったのなら、それでどうなったかを描かないと、やっぱり気持ち悪いですからね。

 

それから、二章でスポットを当てられなかった杏ちゃんの救済も兼ねた話になってます。杏ちゃんは、特に原作から乖離してしまったキャラですから、この話できちんと消化しなければ。

ちなみに狼少女というのは、神になりきれなかった人間である彼女を比喩したものです。狼さんは土地神ですからね。髪型的にも狼っぽいと思います。

で、なぜ神になりきれなかったか?つまり、刻印が刻まれなかったかというと、彼女はあくまで「生弓矢」の砲台であり、「生弓矢」自体の継承者は乃木若葉であったからです。なので、若葉の意識が無い状態では、矢の生成は出来てもホーミングはしません。杏ちゃんは刀と弓、近距離と遠距離という役割分担をする為のアシスト役に過ぎず、結果彼女はいわば半神半人のような中途半端な状態になってしまったのです。

 

そして、杏ちゃんは二十四話で、悪霊と化した人間達と一度共鳴しました。世界を壊してやる、と。そして球子を喪った彼女は、巻き付いた悪霊に引っ張られ、自我がかなり引っ込んでしまう。その結果、神という疑似人格が出てくるわけですが、うん、誰かに似てますよね。こうなって誰からも救われなかったのが、あの子だったと。

 

そんなこんなで、一部は世界観の掘り下げが出来、それから結構コミカルな雰囲気も入れられた、本編とは違った面白さがあった話になったかなと、作者的には思ってます。

 

 

続いて二部。

これは、完全に作者の趣味です。多分、物語的には無くても成立した話だったと思います。

それでも、描きたかった。諏訪湖の上でルビが付いた必殺技を放ち、大相撲する歌野が見たかった。

 

…とはいえ、設定的にはかなり重要な話になっています。

表向き「神婚」が分岐点としていますが、厳密には、本当の分岐点はここにあるのです。

ここの分岐の先に、「神婚する世界」と「神婚しない世界」というポイントがあるイメージですね。

図で解説します。

 

 

【挿絵表示】

 

 

このように、「曲筆」では「歌野の遺体が無い世界」は「神婚しない世界」=原作、「歌野の遺体がある世界」は「神婚する世界」であり、かつ「歌野が転移した世界」=曲筆、という位置付けにしています。つまり、この作品には三つ目の平行世界が存在することになります。(諏訪湖が干上がる世界)

原作は歌野の死に際について直接的な描写はありません。現時点では、辻褄自体はこれで合わせることが出来るわけです。

この辺りの設定、なんかドラゴンボールの人造人間編っぽいですね笑

 

三部。

はい。これも作者の趣味をかなり出しました。お気に入りです。

高嶋友奈を千景ちゃんと同学年のクラスメートとして登場させる為に、捨て子であるとする力業を使いました。結果的に彼女の神秘性を裏付けることにもなったかなと思います。

 

千景ちゃんからは、ゲームもネットも取り上げました。逃げ場も知識も得られず、あらゆる意味で最弱の立場となった彼女。原作にあったトゲトゲしさは、彼女の心を守る為に必要だったと思いますね。

そして、千景ちゃんをどういじめるかというのは、中々頭を悩ませられた部分でした。具体的なシーンを入れるにしても、短編ということもありテンポ的に限界があります。そこで、シャワーシーンで傷だらけの身体を見せるという手段を選択しました。ただ、この作品は一応ゆゆゆですので、流石に一線は越えないようにしています(彼女を殴っていた子が受けていた虐待に関しては、描写をぼかしてはいますがまあそういうことです。モブとて直接的には出来ない)。

 

そして、高嶋ちゃんのキャラ解釈、これも独特なものになりました。あの村に高嶋さんが行ったらどうなるのか?という議論はよくされますけども、作者的にはこれが答えです。

 

そして無粋ですが、最後の決闘で王手を取ったはずの友奈がやられてしまったのは、千景ちゃんの姿をしたものを傷付けられなかったからです。うん。悲しいなあ!

 

てことで、かなり濃厚なぐんたかになったと思います。やっぱりちょっとインモラルな感じがあった方が、この二人はいい。

 

最後に、建依別、というのは高知県のことです。タイトルが他に比べてあまりにも大雑把で、ただ高知県のことだということしか示さなかったのは、高知県というただそれだけが、我々ゆゆゆ民にとって非常に重要なことだからです。

 

 

そして第三章と。

長引いた結果二つに分割するハリポタ形式に。プロット通りにはいかないもんです。

うん、話すことが多すぎる。

 

まずタイトルの燈籠、というのは、神々の遺灰で象られた黒き神樹こと天浮橋のことです。ここに火を付けて、全てを死で染め上げるのだ!

さて、燈籠と言えば、灯篭流しを思い浮かべますよね。ざっくり死者を弔う儀式なわけですが、これは灯篭という炎を用いて死者とつながりを持とうとする生者の願いそのものでもあります。曲筆は、ハツという一人の神様がゴッドスケールの灯篭流しをするお話でもあるんですね。

あ、そうそう。灯篭は灯籠かつ燈籠でもあり、なぜその中で燈籠を採用したのかと言うと、銀のイメージカラーである橙色の「橙」、その左辺を「木」から「火」に取り替えることで、「燈」という字になる……ということですね。火之迦具土神の魂に三ノ輪銀の妹の魂が混ざりあった天神、天暗燈毘墜果を一文字で表現することが出来ます。

 

次、しずく(シズク)ちゃん。ここに関しては、批判は全面的に受け入れます。冒涜と言われても仕方がない。二重人格、悲惨な家庭環境、この二つが揃っていたから、ついやってしまったのです。

ただ、原作のシズクとは、生み出された背景が全く異なるので、ここはもう別人だと考えてもいいでしょう。原作は「しずくの心を守る為」に生み出された人格であるのに対し、曲筆では「反逆の意思」によって生み出された人格です。こういった背景がある為、曲筆においてシズクとしずくは対等ではありません。善のブウよりも悪のブウの方にパワーを吸われてしまったような感じ。

 

それからアルフレッド。身体は素戔嗚、中身は若葉。

でした。

ずっと傍で子孫を見守る御先祖様だったわけですね。

ちなみに国津神の肉体に寿命はありますが、その長さは何を司るかによって変わります。桜の神なら、桜の樹くらいといった感じ。戦神は結構長めですが、戦いの中で命を落とす為、あんまり意味なかったり。

 

伊予島柚希。土居環。

百合です。

オリキャラ同士の恋愛は、需要なかっただろうなあ。でも必要だったんです。

そして原作での大人達同様、柚希も少女を生贄に捧げてしまう。主要キャラがこれをすることで、この作品が原作とは根本的に違うということを示すシーンでもありました。

 

ちなみに柚希と柚木友奈ちゃんとはなんの関係もありません。

あそうそう。ふゆゆ組を出さなかったのは、ふゆゆが原作に特化しまくった、あまりにも限定的なお話だからです。私が何をやっても、結局似たような話になってしまうでしょうから、改めてやる意味は無いと判断しました。花本ちゃんも同様です。(ふゆゆ、物凄く好きなんですけどね……)

 

ゆゆゆい組も、出すにしてもあまりフォーカスを当てられず中途半端な感じになっちゃうと思ったので……すいません(中立神=月の神とするなら天馬美咲ちゃんを出せないことも無かったと思いますが)。

 

さて、話を戻して。

オリキャラのステラと小百合、それからひかげちゃん。

この子達はオリキャラである以上、掘り下げるのが大変でした。特にひかげちゃんの魅力は中々伝わりづらいのではないかと。実はこのキャラ、「物語シリーズ」の「老倉育」というキャラクターに影響を受けています。物語シリーズのキャラクターは、どの子もどこか人間離れした神秘性があるのですが、老倉育だけはスケールが小さくて、その分リアルな歪みが凄く引き立っています。そういったものを曲筆でもやりたかったのですが、上手くできたかと言われると正直自信ないです(そもそも曲筆のキャラクターってあんまゆゆゆっぽくないし)。

ステラは、前述の通りセフィロスですね。セフィロスを知っていれば、ステラも理解出来ると思います。ただセフィロスとの明確な違いは、小百合という近親憎悪の対象がいた事。小百合というキャラクターは、いい感じに気持ち悪くなったなあと我ながら感心しています。でも、彼女のせめて好きな人の役に立って死にたいという消極的な願望は、凄く共感出来る部分ではあります。そういう人達にとって、死は無価値な自分の生を価値あるものに変換する魔法のように見えてしまうのだ……。

 

それから、カラス。はい、久美子さんですね。

疑問点は、なんでカラスになれたのか。それは彼女の魂が邪悪すぎて神樹が完全な一体化を拒んだからです笑。カラスという肉体をワンクッションにして妥協、という感じになったようです。

 

そして〜わっしーです。

生きてました。

ここは原作らしく、爽やかになりましたね。ついでにゆうみもを捩じ込んでやったぜ。これぞ気合と根性。

そして彼女の「救世主」という設定は、ビジュアルファンブックの特典小説、「その後の園子」にて言及されていたものですね。彼女は巫女と勇者、両方の素養が非常に高い。で、それで何が嬉しいのか?って話ですが、彼女は唯一、神樹という絶対者に対して一方的な要求を取り付けてきたという実績があり、それが救世主たる所以なのではないか、ということですね。(この辺りについて細かく解説されているnoteの記事があるので、もっと詳しく知りたい、という方はそちらで)

 

・自分に関する情報を世界から消して貰った

・神婚をドタキャンさせた

 

こんな無茶を通せるのって、彼女が救世主だからなんじゃないの?ってことですね。私はこの考察が大好きで、ウキウキで採用させてもらいました。

とはいえ、神樹を顎で使えるって訳でもないと思いますので(神樹を顎で使う東郷さんという面白すぎる絵図)、何らかの条件はあるんだと思います。まあそこに関しては文字通り神のみぞ知るって感じですが、このファジーさに救世主や神樹の神聖さがあるんだと思うんで、それでいいんじゃないかな〜と。

 

そうそう、それと忘れてはいけないのが犬吠崎姉妹。

この世界の救いというか、バランスとして、彼女らの両親は健在なんですね。

原作の本当に残酷な部分は、この姉妹周りにあるんじゃないかと個人的には思ってたりします。両親の死の原因が瀬戸大橋の戦いによるものだなんて、よくもそんなこと考えつきますよね。そして考えれば考えるほど風先輩が人間的に強すぎるし不憫すぎる。

流石にこの世界でまで二人をいじめることは出来ませんでした。

それから、「あんタマ犬吠崎姉妹転生説」に則れば、柚希と環の存在は矛盾するのでは?と一瞬思いますが、彼女らはあくまで「子孫」であって、転生先では無いんですね。ま、転生説も公式に明言されているわけではないのですが。

 

あとは夏凜ちゃんと防人組か。

チョイ役ですまん。特に夏凜ちゃん。でも、ずっと柔らかくて余裕のある彼女も中々オツなもんだと思うわけです。

ちゅん助は相変わらず清涼剤。メブもあんまり変わらんですね。この辺りは、真っ当な二次創作としての側面が出ている気がします。

「精霊弾」は、「ペルソナ3」のペルソナ召喚です。はい。あれかっこいいんで。

玉藻の前は、元々戦闘に関する伝説は無いので悩みましたが、半径○○m殺生石スプラッシュにしました。これは強い!

 

防人に関連して夕海子とあやや。

ええ、実は髪色似てますよね二人。幼少期はそっくりだったのでは?なんて改めて思うわけです。

てことで何故か勇者壱号の幻影を投影されてしまったあやや。けれど彼女も原作と余り変わらない感じになりましたね。こういう言い方はあれですが、ギミックとして消費する形になってしまったキャラに関しては、変に弄ると掘り下げコストが増えてしまうので、仕方なかったりするのです。

弥勒さんは……アルフレッドがいるのにセリフのひとつも無かったですね。はい。わざとです。はっはっは。でも勇者壱号ですよ。誉れ高いと思いますよ。……さりとて、原作で生きていたキャラを明確に死なせてしまったので、そこは申し訳ないと思ってます。

 

そしてそして、園子。

この子は裏の主人公ですね。数ある二次創作でも、かなりキャラクターの幅がある不思議かつ便利な子。かなり暴れさせましたが、それでも最後まで原作らしさを損なわなかった。というか、損なわせない恒常性みたいなものがありますよね。原作の偉大さというか、このキャラクターに込められた業というのは、凄まじい力があるなあとしみじみ思います。

とはいえ、何もかも持っている立場であるがゆえに、失った経験のある者に寄り添えないという葛藤は、原作では出来ない展開。曲筆を書いた大きな意義になったと思います。

 

あ、そういえばお月様(ツクヨミ)いましたね。本当に一瞬しか出てこないので、ロリババアという強烈な属性を付与しました。曲筆ではツクヨミ=かぐや姫とし、その為地上での思い出から人間を好いているということにしています。一応鉄男君を蘇生してくれましたが、目覚めることはなく……と、ここは一期の友奈ちゃんのオマージュでもあります。

それから、これは流石に解説しないと分からないと思うので解説しますが、ツクヨミおばあちゃんの知られざる功績は、銀に「竹の子の丘」を食べさせたことです。これは一種の黄泉竈食であり、銀の身体にはツクヨミの残存神力が流れるようになりました。現世を握った銀がヒトの身体を喪わずに済んだのは、既に一柱の神としての神格を獲得していたからなのです。

まあ、お月様は無くなってしまったので、この状態には時間制限があります。エピローグでの銀ちゃんは純正のヒトです。

 

あとは、天照。

はい、この人は結城友奈ちゃんです。プロローグがここに繋がるわけですね。結城友奈・曲筆の「結城友奈」は、「勇者であるシリーズの代名詞としての結城友奈」に加え、「結城友奈という特異点によってねじ曲がった世界の話」という意味も含ませてあったということです。

では、少し解説します。

曲筆の解釈では、結城友奈は神婚によって、樹木を依代とした神樹のように、少女の肉体を依代とした神々と人間達のよすがとなりました。それらの存在の根拠は、彼女の魂と肉体に有ると。結果、神格において彼女は天照を凌駕し、腐り落ちていく世界において、天沼矛を使用する権利を得ました。またみんなと会いたい、と願いながら、彼女は世界にそれを突き刺し。しかし、世界のデータベースそのものでもある彼女は、再構成される世界が破綻しない為の軸となり(楔と似ている)、天照大御神という最重要神としての役割を宛てがわれてしまいました。槍に込めたその願いは、もはや別人となった彼女では無く、「新たな世界の結城友奈」に適用されてしまうという。さ、詐欺……

 

そして、「曲筆世界の結城友奈」ですが、原作と同様、神樹に取り込まれた「高嶋友奈の生き写し」であることに相違はありません。神樹の本体の近くで取り込まれたか、そうでないかってことぐらいですね。

天照との乖離を示す為にも、結城友奈は原作同様、極めて優しい女の子になってます。そんな彼女が喧嘩した「ハルちゃん」ですが、ここは一期ブルーレイ特典エピソードのオマージュです。「ハルちゃん」という名前は彼女の中の人から取ってきました。まあ中の人と喧嘩させるならいいか〜みたいな。

 

次に、ハツ。

火之迦具土神、三ノ輪銀の妹、二つの魂が混ざった転生神。

はい。この作品は、未知のラスボスが最後に出てくるタイプだったんですね。この世界の天の神の目的は人類の粛清じゃなくて、ただ母に会いたいというありふれた願いに過ぎなかったわけです。神様が人間らしい、それが日本神話。

てか、なんで銀ちゃんの妹という設定を組み入れたのかと疑問に思われた方がいると思います。

これはですねえ。作者のセルフオマージュです。はい。僕自身は末子ですが、産まれて来れなかった妹がいました。二章の「神屋楯比売」に登場した大腸を患った球子の祖父もそうです。他にも実は色々とあります。まあ、作者の屈折した思いをキャラに託したのがこのお話ですから……なんでそんなもん読まされてんだという声が聞こえてきた気がします笑 すいません!!!

作品的な意味合いとしては、銀はどこまでいっても「姉」なんだから、妹なんて斬れるわけないだろ!ってことになります。

 

そして最後。

原作の銀ちゃんを出しました。

この作品が何を目的としたものなのか、その答え合わせですね。

何も手に入らなくても、何もかも思い通りにならなくても、何一つ上手くいかなくても、ただ、生きるのだということです。幸せになる為に生きるのではなく、生きる為に生きる。みなさんは分からないですけど、私はこんな感じの考えに最終的に落ち着きました。まあ、テキトー人間ですし、まだまだわかぞーなんでどうなるかわかんないすけどね。

ですから、最後、あんな終わり方でガッカリした方も居たでしょうけれど、弟という全てを失っても生きる選択を曲筆の銀がしてくれたことが、希望の蕾になるんです。幸せの持続は存外短いものです。だから未来に繋ぐ絶望で締めるべきなんです。彼女がここで何もかも終わらせなければ、これはバッドエンドではありません。カメラマンが帰宅しただけなんです!そもそも鉄男君が永遠にこのままなんて、言ってないですから!!!(でもK監督ならこの終わり方にはしないだろうなあ笑)

 

一応設定的な話をすると、鉄男くんが帰ってくる為に必要なのは気合と根性です。滅びかけていた月の残りの力では、離れかけた魂の再定着は難しく、彼の魂は根と肉体の間でさまよっています。果たして戻って来れるのか。まあ、銀ちゃんの弟分ですし、頼りない姉を置いていきはしないんじゃないかな……と思いたいですけどね。

 

あ。最後の最後、これは完全に余談ですが、作者的に読者に読み取られていると嬉しいというか、流石!ってなるのは、神になった人間は軒並み生きることに対しての執着があんまり無いってことですね。

・若葉

・歌野

・球子

・(杏)

・ステラ

・(銀)

 

上記が神様リストです。拝。

 

……なにはともあれ、日常の尊さを教えてくれたゆゆゆが、今の作者を支えています。

これからも、なるべく、大抵、の精神で生きていきます。

 

勇者、しゅっぱーつ!

 

追記

「蛇足編」は、本編を書き上げた後に考えた話である以上、オール後付けです。本編と分けて考えるのもひとつの読み方でしょう。

そして何より未完を覚悟しておいて下さい。

作者の遅筆は尋常ではありませんので…

一番好きな章はどれですか?

  • 第一章 歪曲の果て
  • 第二章 黒百合の姫
  • 第一部 狼少女、神世紀元年に立つ
  • 第二部 諏訪の大湖が干上がる日
  • 第三部 建依別にて
  • 第三章(最終章) 瀬戸の燈籠・燃
  • 第三章(最終章) 瀬戸の燈籠・焼
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