プレイスピリット〜精霊がいるカードゲーム世界で普通のバトルがしたかった男〜 作:匿名S
【
「私のターン、ドロー!手札を1枚マナゾーンに置いて、《一番槍》を召喚!《突撃》を持っているから場に出たターンでも攻撃できます!プレイヤーを攻撃してターンエンドです!」
【
「ドロー、マナを増やしてターンエンド」
俺も《一番槍》を引いてるから出してもいいんだけど、今回は温存して有効に活用できるチャンスを待っておこう。
【
「ドロー!マナを増やして戦闘力2の《天界の兵士》を召喚!《一番槍》でプレイヤーを攻撃してターンエンドです!」
【
「ドロー、マナを増やして《雇われの兵士》召喚、ターンエンド」
ちなみに今回練習用に使っているデッキはお互いに透明のシンプルなカードをメインにしつつ、俺が黒でマシロちゃんが白を混ぜたデッキだ。こういう基礎の基礎みたいなバトルの経験も案外侮れないものだよ。
【
「ドロー!マナを増やして戦闘力3の《
「阻止はしないよ」
「ターンエンドです!」
【
「ドロー、マナを増やして戦闘力3の《脱獄ゾンビ》を召喚、ターンエンド」
《脱獄ゾンビ》は面白い効果を持ってるアニマなんだけど、今回は効果を使うことはないかな。
【
「ドロー!マナを増やして《重装歩兵》を召喚!《軽騎兵》でプレイヤーを攻撃!」
「受ける」
「ターンエンドです!」
《重装歩兵》は4コストで戦闘力が3と低めに設定されている代わりに、相手のアニマに攻撃するなら一時的に戦闘力が5になるアニマだ。使い方によっては意外と強いけど、今回は練習のために入ってる感じだ。普通は自分の色に合わせたカードを使った方がいいからね。
【
・黒川マシロ
ライフ20/手札2/マナ4
場:《一番槍》(戦闘力1)
《天界の兵士》(戦闘力2)
《軽騎兵》(戦闘力3)(インアクティブ)
《重装歩兵》(戦闘力3、相手のアニマに攻撃するならターン終了まで戦闘力をプラス2)
・真常シンイチ
ライフ13/手札5/マナ3
場:《雇われの兵士》(戦闘力2)
《脱獄ゾンビ》(戦闘力3)
さて、いい立ち回りだね、マシロちゃん。基本的に一番戦闘力が高いアニマだけで攻撃することで阻止で一方的にアニマを取られるのを防いでいる。それを相打ちで阻止したら今度は他のアニマに攻撃されるから結局ライフは削られるし、俺のアニマは減る。
【
「ドロー、マナを増やす。後攻の権利を使ってもう1枚マナゾーンにカードを置く。5コスト《鼓舞する戦士長》召喚。このアニマの効果で他のアニマの戦闘力は1上がる」
マシロちゃんがしまったという顔をした。このゲームの後攻は一度だけマナゾーンにカードをもう1枚置けるから、こういう戦況を変えるカードを先に出せる。
効率がいいライフの削り方ができていたとしても、こうなっては仕方ない。
「戦闘力4になった《脱獄ゾンビ》で《重装歩兵》を攻撃」
《重装歩兵》は相手のアニマに
「阻止はしません」
「戦闘力3になった《雇われの兵士》で《天界の兵士》を攻撃」
「……あっ」
気づいたらしい。そういうこともあるよね。
「《一番槍》で阻止します!」
マシロちゃんがなにに気づいたのかはわかる。どうせ
プレイヤーに攻撃するならライフで受ける選択も取れるが、直接アニマを狙われたなら代わりになるべく質の低いアニマを差し出すしかなくなる。そしてそうするなら一番質の高いアニマである《重装歩兵》を残せた。
「ターン終了時に後攻の権利でマナゾーンに置いたカードは消失する」
【
・黒川マシロ
ライフ20/手札2/マナ4
場:《天界の兵士》(戦闘力2)
《軽騎兵》(戦闘力3)
・真常シンイチ
ライフ13/手札3/マナ4
場:《雇われの兵士》(戦闘力2+1)(インアクティブ)
《脱獄ゾンビ》(戦闘力3+1)(インアクティブ)
《鼓舞する戦士長》(戦闘力3)
備考:後攻のマナ追加の権利使用済み
【
「ドロー!マナを増やして《飛翔する天使》を召喚!」
出た、白のふたつめの固有能力『飛翔』を持つアニマだ。
『飛翔』の効果は単純明快。『阻止されない』それだけだ。『透過』と違って相手のアニマの攻撃を阻止できる上位互換能力。まあ『透過』を持つ《透明人間》はコストの色指定がないから仕方ないよね。
《飛翔する天使》はその代表格、5コストで戦闘力4と低めになってる代わりに『飛翔』を持つ。上手く使われるとめんどくさいんだこれが。
「《軽騎兵》で《鼓舞する戦士長》を攻撃!」
そしてマシロちゃんは冷静だ。しっかり戦況の鍵を握る《鼓舞する戦士長》を取ってくる。
「《天界の兵士》でプレイヤーを攻撃!ターンエンドです!」
そしたら俺の場にはアクティブのアニマがいなくなるから、攻撃も通る。
【
・黒川マシロ
ライフ20/手札1/マナ5
場:《天界の兵士》(戦闘力2)(インアクティブ)
《飛翔する天使》(戦闘力4・『飛翔』)
・真常シンイチ
ライフ11/手札3/マナ4
場:《雇われの兵士》(戦闘力2)
《脱獄ゾンビ》(戦闘力3)
備考:後攻のマナ追加の権利使用済み
【
「ドロー、マナを増やして《合成ゾンビ》を召喚。ターンエンド」
【
「ドロー!マナは増やさないで《一番槍》と《天界の兵士》を召喚!《飛翔する天使》でプレイヤーを攻撃!」
「当然受ける」
「ターンエンドです!」
【
・黒川マシロ
ライフ20/手札0/マナ5
場:《天界の兵士》(戦闘力2)
《飛翔する天使》(戦闘力4・『飛翔』)(インアクティブ)
《一番槍》(戦闘力1)
《天界の兵士》(戦闘力2)
・真常シンイチ
ライフ7/手札2/マナ5
場:《雇われの兵士》(戦闘力2)
《脱獄ゾンビ》(戦闘力3)
《合成ゾンビ》(戦闘力3)
備考:後攻のマナ追加の権利使用済み
【
「ドロー、マナは増やさない」
もうリソースが尽きるから並べられるだけ並べたってところかな?まあ勉強はここからだよね。
「スペル《怨霊の祟り》発動。相手の戦闘力2以下のアニマを全て破壊する」
「えっ……!」
出せるから、念の為って思って不用意にアニマを並べるとこういうこともある。まあ時と場合によるけどね。
「《雇われの兵士》《脱獄ゾンビ》《合成ゾンビ》でプレイヤーを攻撃してターンエンド」
「ぐぅっ……」
【
「ドロー!《
《神告の天使》。自身をデッキに戻して次の自分のターン開始時に同名カード以外の白色を持つアニマ1体を召喚するアニマだ。
この練習試合ではパワーカードをお互い外しているから出るのは《飛翔する天使》だろう。まあ、さすがにもう遅いかな。
「《飛翔する天使》でプレイヤーを攻撃してターンエンドです!」
あ、詰んだ。悪いね、これも勉強のためだ。
【
・黒川マシロ
ライフ12/手札0/マナ5
場:《飛翔する天使》(戦闘力4・『飛翔』)(インアクティブ)
備考:次のターン開始時《神告の天使》の効果でデッキから白のアニマを1体召喚する。
・真常シンイチ
ライフ3/手札2/マナ5
場:《雇われの兵士》(戦闘力2)
《脱獄ゾンビ》(戦闘力3)
《合成ゾンビ》(戦闘力3)
備考:後攻のマナ追加の権利使用済み
【
「ドロー、スペル《怨嗟の叫び》を発動。場のアニマ1体を選択して、そのアニマが黒色を持つなら戦闘力をプラス3する。《合成ゾンビ》の戦闘力をプラス3」
ちなみに黒色を持たないならマイナス3する、《炎の贈り物》の色違いカードだ。
「3体のアニマでプレイヤーを攻撃、8点に《怨嗟の叫び》で上がった3点を加えて11点」
「ぐっ……でも、まだ1点残ってます!」
「《一番槍》を召喚」
「あっ……」
「《一番槍》は『突撃』を持っているから召喚したターンでも攻撃できる。プレイヤーを攻撃」
惜しかったね。
「《神告の天使》の効果を使ったのは明らかにミスでした……それに小型のアニマを並べてまとめて除去されたのも……」
「うん、そうだね」
「最後の《一番槍》、残しておいたんですよね?」
「そうだよ。コストが低くて『突撃』を持ってる代わりに戦闘力が低くてすぐ取られるから、有効に使えるチャンスを待ってた」
まあそれがよかったかはわからないけどね。
ただ、もし俺が1ターン目から《一番槍》を使っていたらマシロちゃんの《一番槍》と相打ちさせてたわけだけど、多分《飛翔する天使》にライフを削られ続けて負けてたと思う。《神告の天使》の効果もあったし。
それに最後の1点を詰めることもできなかったから、結果的に残しておいてよかったと言える。まあそれはマシロちゃんが上手な阻止を失敗したからというのもあるから、多分この試合は本来なら負けてた。
《怨嗟の叫び》で《飛翔する天使》を弱体化させても、それは《神告の天使》の効果でもう1体《飛翔する天使》を出せばなんとかなる話だ。
いや、正直難しいからはっきりこうだとはいえないし俺も見落としがあるかもしれない。言い訳だけど、二年もブランクがあるとやっぱり錆びるものだ。
でもまあ、こういう試合で勝ちを落とすか拾えるかは結局のところ大事なことだから、マシロちゃんにはそれに向き合ってもらわないと。
「まあ、基礎はできてるからケアレスミスをなくしていこう。ここからは普通のデッキで」
それからはテュールが作ってくれた時間ギリギリまでバトルと感想戦をして、時間が近づいてきたからだれにも見つからないように退散することにした。
マシロちゃんはいつも