555ギアを持って、今日も怪人と戦う。
多分ジョジョ学で表現とか何とかが行き詰ったから。
ブリーチも今ネタ思い浮かばない。やるとしたらゾマリが常にたるんどるって叫ぶだけだし。
とりあえず短編。書きたくなったりとか要望があれば書くかも。
てか、誰かかいてよ。
【怪人が町に現れた】
そんなニュースは今までに何回あっただろうか。突如として現れた謎の存在は人間をまるで前世からの因縁のように襲いだした。あるものは体中の水分を吸いだされ枯渇死。あるものはその怪人の高熱の体によって焼死。あるものはその体から発される電撃による感電死。あげたら限が無い。
俺は、そんな存在から人々を護るヒーローに憧れていたんだ。
誰かが襲われる前に、怪人をやっつけて人知れずこの町を護っていくヒーローに。時折人々の前に運悪く現れた怪人を打ち倒し、皆を護るヒーローに。
だが、所詮は憧れだった。憧れは現実にはならなかった。
実を言うと、俺は転生という事をやった人間だ。と言っても皆が想像しているような冥界に行って魂が御仏の元に向かい新たな命として生まれ変わると言った体験を目の当たりにしたわけでもない。
俺は所謂神様転生というものをしたのだ。
神様が目の前で俺に、唐突に第二の人生を謳歌する気は無いか? と問うてきたのだ。勿論行き成りのことで頭がパンクしそうになった。何故今目の前に神様がいるのか、そもそも神様なのか一切分からない。とりあえず第二の人生だと言っているのだから、俺の第一の人生はもう既に終わっているのだと言うことがわかった。
神様は自分に何やら特典というものを渡したいと言ってきた。特典と聞くと何か賞が当たった時についでにと付属されるものじゃなかっただろうか。自分の印象ではそんな感じ。それを神様は願い事を二つ特典として渡すとの事だった。
だから俺は当時願ったのだ。ヒーローになれる特典を。
仮面ライダー555に変身するための555ギアを。
仮面ライダーシリーズでも俺が好きなライダーがこの555だった。主人公はまさかのオルフェノクで、人間の敵だと言うのに、その人間を護るために戦う。更にはオルフェノク側からも裏切り者扱い。そんな板ばさみ状態でも、主人公は人々を護るために戦った。
俺は、そんな姿に憧れを抱いたのだ。
認められなくていい。ただ自分が護りたいと思ったその瞬間に、行動は終わっていたのだ。
主人公は人々を護る。護る人間からの批判など関係ない。あの後姿は俺の瞳に今もなお深く焼きついている。
だからこそ俺はその主人公が使っていた555ギアを所望したのだ。これを使えば、主人公の気持ちを理解できるからだと確信したからだ。
そして、もう一つの特典というのが、555に変身しても死なない程度の頑丈さだ。そうすれば、人のままで555に変身できるからだ。オルフェノクは短命だ。流石に短命では、いつ死ぬか分からないのは辛いもの。
自分だって、恋愛をして結婚をしたいという欲望があるからだ。それは人間としては仕方の無いことじゃないだろうか。
だから俺はその願いを二つ目の特典として所望した。
俺はこれから別の世界で、ヒーローとして活躍するのだ。
そう思っていたのに。
φφφ
町中に響き渡る叫び声。悲鳴。阿鼻叫喚とした地獄に聞こえる苦しみの声が、町には響いていた。俺は手に持った555ギアを睨みつけながらその声の中心に向かって走り出した。
自転車に跨り、全力疾走して数分後だ。逃げ惑う人達の群れにぶつかった。皆一目散に逃げ出して俺のことなど気にはしなかった。まさか、吹き飛ばされるなんて思わなかった。背中から地面に叩きつけられた俺は暫く悶えながらも意識を手放さすに立ち上がることだけを考えた。体を鍛えていると言うのに衝撃が乗用車との衝突を思わせるほど吹き飛ばされたものだから。自分の脆さに呆れ果てる。体が動くようになって俺はすぐに自転車など構わずに人が来た方向に向かって走り出した。
そこはまさに地獄だった。
人々が倒れている。それだけならまだ救いはあっただろう。
だが、その倒れている人間全員が首から下しか存在しないのだ。救いなんて存在はしなかった。
[マダイダノガ。ギザマモ、オレノゴレグジョンニグワエデヤロウ]
そのチミドロ空間の中心に存在する一体の異形の化け物を睨みつける。今回の犯人はこの怪物と言うこと。つまりは俺達人間の敵だと言うことで間違いない。
「ちっ」
俺は555ギアを腰に巻く。そして555フォンを開き、5のボタンを三回押し、エンターをプッシュした。
[Standing by]
「変身ッ!」
ベルトに555フォンを差し込む。これで俺は555に変身できる。
[Error]
しかし、次の瞬間俺に襲ったのは、555の使用についての情報ではなく、人を吹き飛ばすほどの電流だった。
そう、俺は神様に555ギアを貰ったと言うのに、変身しても耐えられるからだというのに。
俺は変身できる才能が無かったのだ。
吹き飛ばされた俺の体をまず襲ったのは背中に掛かる衝撃だ。先ほどと同じ場所を強打され、苦しみ悶える。その姿を見て、怪物が高らかに嗤う。
[グブブッ、バガナヤヅダ。ナニヲジニギダノガマッダグワガランナァ]
「・・・・・・そのカタコトを聞くたびに俺は酷く腹が立ってくるんだよなぁ。クソ化け物」
消え入るように、俺は毒を吐き立ち上がる。俺は変身することが出来ない。例え変身できると言われている[変身一本]を使おうとも変身できない。
変身一本は一回だけ仮面ライダーに変身出来る特別製のドリンクだ。しかし、飲んで変身すれば一回限り。変身を解けば体が耐えられずに灰となって消えるのだ。そんな諸刃の刃を使ったとしても俺には変身できなかった。
この555ベルトと俺の適正値は全くの0。これ以上下がることの無いと言われる0だ。
今手元にある変身一本はまさに一本しか存在しない。以前使用してもうまくいかなかったのだ。今ここでこのドリンクを無駄に消費してしまうのは全く持って賢くない選択。
だからこそ、俺の今の使命はただ一つ。
「どこだ。変身数値の高い人は!」
この555ベルトを扱える人を探し、変身一本を飲んでもらい、戦ってもらうことだ。
勿論、戦いが終われば死んでしまう。
そんな覚悟を持った人を探さなくてはいけない。そんな人がいる筈もない。自分の命を擲ってまであの怪人と戦おうと思う人がいるだろうか。
すると俺は逃げ遅れた人の集団を見つけた。
その中で一際目立つ高数値の人間。その数は3人。
俺は一目散にその集団の下へと向かった。人々は怪物に気がつかれたと逃げ出す人もいたが、すくんで動けない人なども多々いた。俺はそんな人達の中から数値の高い人を見つけた。髪の毛を金髪にした現代社会の若者と、少し年老いたサラリーマン。そして見た目好青年。この三人が高数値を出す人間だった。
「すみません。貴方達にお願いがあります。貴方達三人にです!」
突然呼び止められた所為か驚きを隠せない三人に俺は簡潔な自己紹介をした。
「自分は国家機関、国家公安特殊警察機構【φ’s】に所属しているものです。貴方達三人はこのベルトとの適正値が一際高い。どうかお願いです。このベルトを使ってアーマーを纏い、あの怪物と戦っていただけませんか!」
俺は自身が巻いていたベルトを三人に見せながら、そう叫び土下座をした。この三人に変身をしてもらわなければ今の状況を打破できない。皆殺しにされるのがおちなのだ。
「ちょ、ちょっとまてよ。あんたがさっき変身しようとした時、電流走ってふっとんだじゃんかよ。そんなもん使えるかよ」
金髪の若者が尤もな事を言った。勿論三人とも同じ意見らしく、少し状況に怯えながらも、頷いている。無理もない、それこそ目の前で起こったことを目の当たりにしたのだ。誰だってしたくない。でも。
「自分とこのベルトの適正値が全く持ってないんです。変身する際はこの変身一本というドリンクを飲んでもらい、それから先ほど自分がしたような事をしていただきたいのです! お願いします! このままでは大勢の命が!」
こういうしかないのだ。俺に出来るのはこれしかなかった。
「だ、だが危なくないのか? それをもし私達が扱ったとして、何とかなるのか?」
「はい。あの怪物には弱点があり、体内に直接ある毒素を注入すると消滅するんです。ですが我々では近づくことも出来ず。ましてや空気感染を試みましたが効果はなし。もうこの方法しか存在しないんです」
「え、えと、それ、つけるとどうなっちゃうんですか?」
サラリーマンの質問に答えていると、青年が震えながらもそんな質問をしてきた。凄く怯えていて、その表情を見るだけで罪悪感に押しつぶされそうになる。だが俺は伝えなくてはならない。黙っていては信用などされはしない。
「はい。勝利しようと、敗北しようと戦いが終われば・・・・・・灰となって消滅します」
「「「!?!?」」」
三人ともがこの事実を知って目を見開く。それはそうだろう。死ぬって分かってしまった以上。そんな危ないものを使えるわけもない。
「ふ、ふざけんな! 何でそんな死ぬ前提のもんを俺等に使わせんだよ! そんな危ないもん警察に使わせろよ! あいつ等一応国家公務員だろうが!」
「既に使用しております・・・・・・93名中、84名は警察所属の公務員で、既に殉職なさっています」
「そ、そんな」
若者が食って掛かるようにまくしたてる中、青年が絶望した表情を見せた。後ろの足音がどんどんと近づいてくる。もう駄目なのかもしれない。
「無理を承知でお願いします! この555ギアを使い、555となり、我々人類を救ってください! お願いします!」
「変わりに死ねってか!? 馬鹿にすんな! 俺の人生をここで終わらす気かよ! テメェが死んで来い!」
「自分は既に38回生死を彷徨いました。それは自分だけのうのうと生きたくないからです! 自分の身勝手につき合わされて死んでいった人達のサポートを全力でするために自分も戦いました。これからもそうです!」
正真正銘真っ直ぐな気持ちを三人に送った。自分の顔の傷は整形でなんとか傷を隠して入るが、酷いものだった。この頑丈な肉体のおかげで今もなお生きているようなものだ。例の焼死事件の時も、俺の顔は焼け爛れてしまったのだから。
すると、サラリーマンの男が、すっと、一歩前に出てきた。右手を出し、貸しなさい。と優しく言ったのだ。
「私には、今年の春に高校三年生になる息子がいる。三人家族だ。私が死んだ後、あの子達の未来を護ってくれるかい?」
「・・・・・・はい。全力でサポートします。絶対に護り抜いてみせます」
「そうか、それが分かれば私が戦おう。この子達はまだ若い」
ベルトをつけると、スーツの裏ポケットから一枚の名詞を俺に渡してきた。そこには会社名、そして役職・・・・・・彼の名前もあった。
「死ぬのはいつだって老いた順だ。君も若い、命は大切にしないと」
[Standing by]
先ほどの行動を見ていたのか、5のボタンを三回おし、エンターをプッシュした。これでいいんだね? と聞かれたため、俺は少し戸惑いながらも首を振り肯定した。
そして俺は変身一本を渡した。
「これを飲んでください。そうすれば555は答えてくれます」
「そうか・・・・・・ところで、一つ聞きたい事がある」
サラリーマンは穏やかな表情で俺を見据えた。近づく怪人など眼中にないといった表情で、彼は俺を見た。
「私は、万年中間管理職だ。息子に自慢できる事などない。寧ろ家では煙たがられてる。私がいないときだけがあの子の安らげる空間だ。尊敬できない親を持つと、そうなってしまうのが子供だ」
「そんな、そんなこと」
彼の言葉に俺はとっさに口を挟もうとして、そしてやめた。何故なら彼が笑っていたからだ。まるで自分の子供に言い聞かせるように、まるで今目の前にいる俺を我が子のように彼は言ったのだ。
「最後に、私はあの子の誇りになれただろうか」
「・・・・・・なります。絶対になれます。貴方は、人類の希望なんです」
俺は、心のそこから思った言葉を彼に言った。裏なんて一切ない真っ直ぐな言葉を俺は京何度目になるか分からない正直を載せて言葉を送った。
「・・・・・・そうか。それはよかった」
[Compete]
その言葉を最後に、彼は555フォンをベルトに差し込んだ。するとどうだ。赤いラインが彼の戦う姿を模り、そして君臨したのだ。
赤いラインが特徴の黒き戦士。顔の部分は黄色の円を割った兜。全身装甲のその姿はとても異型だった。だが、それでいて、恐怖など一切抱かない。そんな姿だった。
「・・・・・・俺があいつの動きを何とか止めます。ですから貴方はその隙を狙って自分に構わず攻撃を打ち込んでください」
俺はそう言って、怪人に向かって走り出した。ここまで悠長に聞いていた怪人にお礼と言う名の反撃をするために。
しかし、それは555にとめられた。肩を押さえられ、俺は徐に後ろに吹っ飛ばされた。
「ここは年寄りに任せて、君はその子達を護ってはくれないか? 戦い方はこの555が教えてくれる」
彼はそう言うと、怪人に向かって走り、そして飛び蹴りをかました。あまりの衝撃に、怪人はお退きを隠せないまま、近くに存在したビルに衝突した。
[グッ、ギザマバナニモノダ!]
「私か? 私はその今君のいるビルで働いている、中間管理職だよ。ただ」
555はベルトのサイドにつけていた高性能ポインター[555ポインター]に555フォンに取り付けてあったミッションメモリーを差し込んだ。そのポインターを右脚部についてあるエナジーホルスターに装填する。
「子供の誇りになるついでに、世界を救う、つまらん年寄りだよ」
[Excide charge]
ベルトから赤い光がポインターに向かってライン沿いに光る。
555は飛び上がり、空中で前転をし、目標を定めた。すると怪人に赤い円錐状のナニカが映し出され、その鋭い部分が突き刺さった。
「ハァッ!」
短く切られた叫びと共に、その円錐に蹴りをいれる。
【クリムゾンスマッシュ】それは555の必殺蹴りで、これを食らえば並大抵の敵は簡単に死ぬ。それこそ偽りのない[必殺]、これこそ、555の必殺技なのだ。
円錐状に形成されていたソルティックブラストが回転をしながら、怪人を555と共に貫いた。すると、怪人の背中に、Φの赤く光る文字が現れ、そして灰となって消失した。
φφφ
「・・・・・・ありがとうございました」
簡潔に終わった戦闘ののち、俺は改めて彼にお礼を言った。もう変身を解けば彼は灰となって消える。それはもう変えられない運命なのだ。何もしてあげられないからこそ、俺は今お礼を言うことしか出来ないでいた。
「別に構わない。あの子達を保護してくれる約束だからね」
「はい。必ず約束は果たします」
「なら君が気に病むことはない。人生50年。昔の人はよく言ったものだ。私ももう50を越えた。いつ死んだって可笑しくなかった。だが、私は最後に、あの子の誇りになれた。もう心残りはないよ」
ベルトからファイズフォンを抜く。するとどうだ、足からゆっくりと灰になって風化していくのが目でわかる。何度目になるか分からないその光景に、慣れる事はないだろうと悔しくなりながら、俺は彼の言葉を聞いていた。
「あぁ、あるとすれば。あの子が大人になって、良い嫁さんを見つけて、結婚式に呼んでもらえないのが、少し心残りかな」
「っ!?」
涙が止まらない。俺はまた一人、人の人生を無理矢理奪ったのだ。胸が押しつぶされそうになる。もう生きていくのが辛くなってくる。
腰まで来た。灰となった所為で、555ギアがコトリと地面に落ちる。それが余計に俺の涙を加速させた。
そんな情けない俺を見て、今まさに死にそうな彼は笑顔のままだった。無駄に生きている俺を励ますために、本当なら死ぬことに恐怖を持つはずなのに。
彼は、優しい笑顔でこう言ったのだ。
「やらずに後悔よりも、やって後悔。だが私のやった事に後悔はない」
そう言って、彼は全てを灰にして、この世を去った。
俺はその灰を集める為、近くにあった紙をつかい簡易的な袋を作った。勿論、彼をお墓に埋葬するためだ。彼の家族に報告するためだ。
彼の生き様を風なんかに吹き飛ばさないためにもだ。
俺は、今日も何も出来ず絶望に打ちのめされていた。
神様、俺は後悔をしている。
主人公 転生者
555ギアを所持する。だが変身出来ない。
変身に耐えられるほどの肉体を所持。
物語の主人公。転生先はオルフェノクと言う概念の無い世界。お陰で変身出来る存在がいない。さらに変身一本を使っても適正がないとうまくいかない。本人がまさにそれであり、自分が戦えないというやるせなさと絶望感のなか、人を怪人から守るために今日もギアの適正を持つ存在を探している。国家機関、国家公安特殊警察機構【φ′s】に所属。
夢は555に変身して人々を救うこと。しかしその夢もなく、今は夢を守る為に足を走らせる。