CRYCHIC交響曲   作:りょーへい

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※前書き※
これはyoutubeにも上がっている『キャラクターインタビュー』を元にしたネタ回です。つまり完全な蛇足です。本編だけじゃキャラの扱い具合が物足りなかったので。


番外編1番 小牧嬉歌へのインタビュー動画

 

 

〇きっかけ

 

 時は1月2日。アカペラ部に初めてアカペラを指導してもらってる日のこと。

 パート別練習の後、全体で休憩時間を言い渡されたとき、アカペラ部のムードメーカーさんが、唐突に言い出した。

 

閏「そういえば、みんなのインタビュー動画撮ったじゃん? アレ見よーや、親睦深めるのに丁度いーっしょ!」

嬉歌「えー。恥ずかしいよ……」

結「てか、録画データは渡してるんだし、もう見れないでしょ」

閏「そーだった! なんでバックアップとっておかなかったかなー!」

愛莉「バックアップはないけど見れるよー?」

くま「えっ?」

愛莉「一応学校行事に関わるデータだからね。学校側に提出してるでしょ。ってことは、学校のネットワークにアクセスしてサルベージすればいいだけ」

嬉歌「生徒の立場でそれやっちゃうのって、ハッキン……」

愛莉「心外だなーウタちゃん。ちゃんと正規の手段で侵入してるから、少なくとも違法じゃないよー。前にちょーっとした手違いで、先生がこのタブレット使って私が設置したwifiでアクセスしちゃったから。その履歴を利用してるだけだよー」

 

 言葉とは裏腹に全然悪びれもせず、手に持ってるタブレットPCをヒラヒラする古城先輩。

 

CRYCHIC(……?????)

 

 なんか色々ついていけなくて、私たちは鳩が死角から豆鉄砲食らったみたいな顔を見合わせることしかできなかった。

 

令「みんな、愛莉の偉大さに気付いたみたいだね。その通り、愛莉は可愛い天使ってだけじゃなくて、全能な女神でもあるんだよ」

結「いや驚いてるっというか引いてるんだと思うんですけど」

愛莉「あ、あったよー。それじゃ、タブレッドで再生するねー」

 

うた「そして見るのも決定なんですね……」

くま「私も、自分のインタビューなんて恥ずかしいのに……」

 

睦(……このままじゃおいて行かれる。立希、ツッコンで)

立希(いやどこをだよ!?)

そよ(とりあえず、古城先輩には触れないで置こうか……)

燈「(インタビュー……どんな感じだろ?)

祥子(燈も切り替えの速いマイペースさんですわね)

 

〇説明しよう

 

祥子「そもそもどうしてインタビュー動画撮ったのかと思いましたが……」

立希「学校の音楽イベントに参加するグループがインタビューされた、ってことか」

睦「……それで、トップバッターは小牧さん」

燈「嬉歌ちゃん抜きのジャンケンで、決められてたね……」

そよ(イジめだなぁ……)

 

 といった流れを動画の冒頭で知りながらも。愉快なインタビューが始まった。

 

〇名前の由来は?

 

——父が音楽好きだから。姉も同じ方向性の名前。ちなみにその父親は離婚して出て行った——

 

CRYCHIC「……」

結「ねぇ、親睦深めるどころか逆に気まずくなってるんだけど」

閏「それは……ウータンが悪いってことで」

嬉歌「私が離婚の原因じゃないよ!? 多分……」

クマ「そういうことじゃないから、多分もつけないで……哀しくなる……」

そよ「つ、次の質問聞きたいなー、なんて、あはは……」

 

 胃がねじ曲がるくらい愛想笑いを振り絞った。

 

〇好きな食べ物は?

 

——辛い物好き。スンドゥブとか、結構辛いものまで。理由が、生きてるって感じがするから——

 

睦「……ドMさん?」

嬉歌「違います痛いの嫌いですぐ逃げるくらいダメです」

立希「生きてるの実感するほど辛いのも痛いでしょ」

燈「普段は、生きてるって、思えないの?」

嬉歌「生きてるといいますか、死んでないだけといいますか。私なんていなくてもいいだろうに存在を許されてるだけといいますか……」

祥子「なんというネガティブ……」

そよ「わぁ~」

 

 聞いてるこっちが滅入ってくる卑屈さだった。

 

嬉歌「と、このときは本気で考えてたんですけど。今はほんの少しだけ前向きに生きれてます」

玲音「成長だね」

結「確かに、最近は吐くこともなくなってきた」

閏「とにかく謝罪することもなくなったし!」

くま「うん。うたちゃん、変わったね」

嬉歌「えへへ……そうだと嬉しいな」

 

CRYCHIC(そんなヤバイ人だったのか……)

 

閏「あ、うーたんが怪奇現象って噂されてたころの動画見るー?」

うた「あー! 結局撮ってたの!?」

愛莉「懐かしいねー。私達が初めて会ったころのことだー」

 

CRYCHIC(……人間扱いすらされてなかったなんて……)

 

 当然、彼女の変人っぷりは既にお腹いっぱいだったので、誰もその怪奇現象には触れようとはしなかった。

 

〇占いは信じる?

 

CRYCHIC(また唐突だな……)

 

——占いが好きというより、関連グッズが好きで、特に日めくりカレンダーを持ち歩いている。

これ持ってなかったらもっと最悪になってたかもしれないって思えるから、良いことしかない——

 

燈「あれ?」

立希「どうしたの、燈?」

燈「家のカレンダーだと、アカペラ部がライブした昨日は、仏滅だったような……」

うた「はい……なので、めちゃくちゃ緊張しまして……」

令「本番前はまた顔青くしてたよね」

愛莉「歌い出したら元気だったのにー」

睦「……六曜少女」

祥子「縁起を担ぐというより、担がれて翻弄されてるみたいですが」

そよ「わぁー、本末転倒♪」

立希「そよ、外面と素が混ざってんぞ」

そよ「コホン。変わ……面白い子だねー♪」

うた「も、もう遅い、です……」

立希「んで、睦はスマホで何してんの?」

睦「……小牧さんの、マイナス思考でポジティブに捉える考えに名前ありそうだから調べてみた」

愛莉「面白そ~♪」閏「ですねー!」

そよ(そんな明け透けに面白がることなのかな……皆さん的にはもう今さらなのかな)

閏「んでむっつん、何か見つけたー?」

睦「……小牧さんに一番似合いそうな字面で……」

嬉歌「あ、防衛的悲観主義、かな? 物事を悪い方向に想定することで、気持ちを整える心理戦略、だよね?」

睦「…………合ってる」

燈「難しい言葉知ってるんだね、嬉歌ちゃん」

令音「ウタはちょいちょい知的な言葉選びするんだよ」

閏「流石、学力テストで学年9位~!」

CRYCHIC「えっ!?」

嬉歌「え、みなさんでハモるほど意外!?」

結「まぁ見えないっちゃあ見えないでしょ」

閏「おむすびが202位なのもなー」

結「今私のこと関係なかったでしょ!」

立希(熊井さん熊井さん。1学年何人?)

クマ(……220人)

立希「プギャー! こいつ澄ました顔して相当なバカだ!」

結「あぁ!? どーせアンタも成績良くないしょ!」

立希「ハァ!? 決めつけんな、お前よりは順位マシだし!」

そよ「はいはい、そろそろ次の質問いこうねー」

立希、結「ガルルルル……」

 

 睨み合う2人の間の仲裁に入りながら思った。たきちゃん、成績悪いのは否定しなかったな。

 

〇部活のメンバーでお父さんにするなら?

 

そよ(女の子しかいないのに?)

 

 ちょいちょい質問の方向性が独特なのが、ちょっと面白かった。

 

——愛莉部長。お父さんのイメージとして、一家の大黒柱として、何があっても動じない。部長が一番それに近そう。いつもニコニコ見守ってくれてそうなところが。……家庭の危機でも——

 

祥子「一家の危機に浮ついた表情されるお父様は、無神経で嫌になりますわね」

燈「う、うん……」

立希「まぁ……家族の形なんて、それぞれ違うもんでしょ」

嬉歌「あ、確かに……」

玲音「どこの家庭でも大変なところはあるよね」

閏「2人が言うと重く聞こえんなー」

くま「み。宮崎さん、触れちゃダメだよ……」

そよ「……」

睦「……」

愛莉「……」

結「黙ってる組の沈黙も重いんだけど」

嬉歌「い、インタビューの続き見よう!」

 

 どうして不穏な家庭事情をちょいちょい聞かされなきゃいけないのか。一周回って憤慨してきた。流れ弾が傷抉ってくるんですけど!?

 

〇好きな四文字熟語は?

 

——闊達無碍(かったつむげ)。思いのままにのびのびしてる、という意味に憧れがある——

 

睦「……出た。学年9位の知性」

燈「いい言葉だね。私も好き」

祥子「燈もマイペースを貫いて生きてると思いますが……」

立希「燈はそれでいーんだよ」

そよ「隙あらば肯定するたきちゃんは置いといて。小牧さんは頭いいんだね。」

嬉歌「いや、違うの! 私は復習とかしないと授業についていけるか心配で心配で……」

玲音「それで結果テストで良い点取れてるんだから、良いことだよ」

愛莉「誰かさんも見習うべき真面目さだよね~」

結「アンタ、言われてるよ」

閏「いやどこをどう見てもお前のことでしょおむすび!」

 

〇アカペラのどこが好き?

 

——1人じゃないって感じるから。コーラスとハモるときに、特に強く感じる。1人だと歌えないけど、みんながいるなら大丈夫かなー、って——

 

4人(……なら合唱部とかもできそうだけど)

燈「合唱部とかは、考えなかったの?」

4人(聞きづらいこと口に出して聞いてるー!?)

燈「合唱部はなんだか人多そうだし、青春というよりは軍隊、みたいなイメージがあるから……」

立希「そうか?」

そよ「軽音とかよりも演奏人数多いし、その上で全を重んじるし、声の高さも大きさもパートごとに完全に揃えるじゃない? たぶん、そういう組織的で堅苦しそうなところを言いたいんじゃないかな」

祥子「確かに、言われてみると合唱部は軽音部などに比べると青春っぽさを感じませんわね」

睦「……陽キャ思考なのか陰キャ思考なのか、中途半端」

うた「完全に陰キャです生意気に青春なんて口にしてごめんなさい!」

立希「こら睦。どれがネガティブスイッチ入れるかよく分かんないんだから、自重しな」

睦「……失礼」

結「いや、アレが過剰に反応してるだけだから」

閏「うちのウータンがごめんなー。慣れたらいい味に思えるからさ!」

くま「うん。私には大事な、ネガティブ仲間……」

うた「くまちゃーん! 私もだよー!」

 

CRYCHIC(愛されてるなー)

 

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