CRYCHIC交響曲   作:りょーへい

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*前書き*

この話に出てくるテーマパークは架空の施設です。
愛知県豊橋市にあるのんほいパークを元にでっち上げました。
別に恋に敗れる女の子たちとは何の関係もありません。




誕生日祝い④ 睦バースデー 
1番 遊園地エリア 前奏


 

 

 1月14日。

 睦の誕生日に、CRYCHICは東京のテーマパークに来ていた。

 ひだまりパークと呼ばれるそこには、遊園地、植物園、動物園が併設されている。

 有名な芸能人である親の事情でそういったレジャー施設に行ったことのない睦(とついでに祥子も)の希望もあって、誕生祝いで1日遊ぼうという話になったのだ。

 

祥子「入場しましたわ! ここが遊園地から植物園に動物園まである欲張りドリームランドですわね!」お目目キラキラ

 

立希「案の定テンション高いなこのお嬢様……。今日の主役が誰か、ちゃんと分かってんの?」

 

祥子「立希こそ無粋なことを。この私が幼馴染のことを忘れるわけないでしょうに」

 

睦「……祥が楽しそうだと私も楽しい気分になるから、遠慮しなくていい」

 

祥子「ほら聞きまして!? 我が最愛の幼馴染がこう言ってくれるからには、全力で憚ることなく楽しみますわ!」

 

立希「まるで憚るときがあったような物言いやめろ。いつも遠慮無しにはっちゃけるくせに」

 

そよ「はいそこまで。まずはみんなで写真撮ろ? せっかくむつみちゃんが昨日のプレゼント身につけてくれてるんだし」

 

 燈からはワインレッドのベレー帽。

 祥子からはストール。

 立希からはスマホ操作可能な手袋。

 昨日もらったそれらで着飾る睦は、カバンからは可愛らしい動物の小物を取り出した。

 

睦「……そよがそう言うと思って、ガーデンオーナメントも持ってきた」

 

燈「そよちゃんがあげてたのだ! これ可愛くて、すごくいいなって思ってた……」

 

そよ「だよね、私も気に入ってる! 学校の植木鉢につけたら写真送るね?」

 

 そよからは学校で一緒に育てよう、という意味で野菜の種子と、植木鉢に飾る動物の小物を贈っていた。

 

祥子「それではそよ、いつものように写真を撮って……」

 

立希「待った。せっかくテーマパークに来てるんだから、スタッフさんに撮ってもらおう。インカメよりはテーマパーク全体が写っていいでしょ」

 

そよ「気が利くねーたきちゃん。珍しく張り切ってる感じ♪」

 

立希「そんなんじゃないから。……すいませーん! 写真撮ってもらっていいですかー?」

 

祥子「とか言いつつ率先して声かけてますし」

 

燈「ふふっ、いつも以上に優しさが滲み出て微笑ましいね、睦ちゃん」

 

睦「……うん。自然といい笑顔になっちゃう」

 

 睦の言う通り、撮ってもらった写真には立希以外がニッコリいい笑顔でいて、立希はやれやれといった笑みを睦に向けていたのだった。

 

 

 まずは遊園地エリアを楽しむことにしたCRYCHIC。

 これは5つのアトラクションを回る彼女たちの記録である。

 

 

 

○いきなりジェットコースター

 

そよ「一発目からジェットコースターの列に並んでるけど……」

 

立希「見た感じスピードも大したことなさそうだし、丁度いいかもな」

 

燈「良かった。絶叫ってほどじゃないなら、大丈夫かも」

 

睦「……いや。ここのポイントはスピードじゃないと見た」

 

祥子「どういうことですの?」

 

睦「……それは乗ってみてからのお楽しみ」

 

4人(遊園地初心者とは思えないセリフだ……)

 

 

 カタカタカタカタ……

 ……ンゴォォォォォ

 ギュイン! ギュインギュイン、グルングルンゴォォオオオ!

 

立希「うおおおお!?」

そよ「え、遠心力に引っ張られる!?」

祥子「キャ〜〜〜!!(楽しそう)」

燈「〜〜〜〜!?!!」

睦「……ふふっ♪」

 

 

立希「コース短そうだから油断してた。カーブの連続で左右に引っ張られるし…」

 

そよ「アップダウンがはげしいところ、一瞬フワって浮かなかった!? 安全装置つけてもちょっと怖かったんだけど!?」

 

祥子「スリリングで楽しかったですわね! もう1回乗りましょう!」

 

燈「も、もう1回は……体がバラバラになっちゃうよ……」

 

睦「……ふふ、流石ジェットコースター。ちゃんと絶叫物だった」

 

 

 

○ロンド・コーヒーカップ・ロンド

 

睦「……次はコーヒーカップに行こう」

 

燈「よくあるやつだね。こっちはのっびり楽しめるといいな」

 

立希、そよ「同感」

 

祥子(私はのんびりより刺激が欲しいですわ……)

 

 

祥子「回るカップに乗ってるだけですが、何が楽しいのでしょう? 遠心力?」

 

睦「……祥。コーヒーカップとは、真ん中のハンドルを回すとより速く回るらしい」

 

祥子「そうなんですの?」

 

睦「……ググった」

 

立希「コーヒーカップをググるやついたんだな」

 

そよ「現代お嬢様って感じだね~」

 

祥子「そんなことはどうでもいいですわ! 限界まで速くしてみましょう!」ギュルギュル

 

燈「ちょ、ちょっと祥ちゃん! 私速くされちゃったら絶対酔うから、やめて……」グググ……

 

睦「……そこをあえて。限界に挑戦してみよう、燈」ギュルルル

 

立希「ふざけんな箱入りお嬢共! 燈の三半規管は私が守る!」ググググッ……

 

そよ(拮抗してるな~……私はこのまま傍観してよ)

 

睦「……私、このコーヒーカップを素敵な思い出にしたいな。手伝って、そよお姉ちゃん?」ウルウル上目遣い

 

そよ「……しょうがないなぁ~♪」ギュルギュルギュルギュル

 

燈「わわわっ、どんどん速くなる~! た、立希ちゃん助けてっ!」ダキッ

 

立希「お前らサイテーだなありがとう!」ギュッ

 

3人「どっちなの……」

 

 

 

○自業自得なメリーゴーランド

 

睦「……燈の回復も兼ねて、定番モノのメリーさんに乗ろう」

 

立希「ホラーな略し方すんな。世界観ぶち壊しでしょ」

 

燈「これも回るやつだけど、流石に大丈夫そうかな? ……変なイタズラされないし……」

 

そよ「ともりちゃんにしては珍しく嫌味言ったね〜♪」微笑ましい

 

祥子「煌びやかに装飾された馬といい、見た感じメルヘンなアトラクションですわね」

 

そよ「まぁ子ども向けの乗り物だからね」

 

睦「……高校生でも乗るからには楽しみたい。ということで立希、一緒に乗ろう」

 

立希「どういうことなんだよ。ってまさか、2人で同じ馬に乗ろうって意味じゃないよね?」

 

睦「……同じ馬車に、って意味だったのに。立希ってば、そこまで私と一緒になりたかったなんて……」

 

立希「えっ、いや違っ……!」

 

祥子「あらあらあらあらあら〜〜〜! これは言い逃れできませんわよ〜立希~!」

 

そよ「うふふふふっ♪ たきちゃん、むつみちゃんのこと大好きだね〜♪」

 

立希「だからっ! こいつなら言いかねないって思っただけで……!」

 

燈「ふふっ、もう私たちの順番来たよ? あっ2人とも、あそこの白いお馬さん空いてるよ!」

 

睦「……ナイス発見、燈」

 

祥子「さぁさぁさぁさぁ! せっかくですから白馬の王子様らしく手を取ってあげたらどうですの?」

 

そよ「いいねさきちゃん! さぁたきちゃん、本日主役のお姫様がお待ちしてますよ〜?」

 

睦「……ポッ」恥じらう素振りで手を差し出す

 

立希「お前はお前で変な雰囲気作らなくていいんだよ!」ガシッ、ツカツカ……

 

燈「なんだかんだ言ってちゃんと付き合ってあげる立希ちゃん、優しくて好き」

 

そよ「あーあ、たきちゃん今の聞いてたら嬉しかっただろうになー」

 

祥子「さて、私達は馬車にのって2人のじゃれつきを見守ってましょうか」

 

 

 

立希「お、おい。恥ずかしいからあんまくっつくなって……」

 

睦「……同じ馬に乗ってくっつくなは無理がある」

 

立希「だからって思いっきりもたれ掛からなくてもいいでしょ!」

 

睦「ふふっ、照れない照れない」

 

立希「こんな人前でリラックスしてるお前が羞恥心ぶっ壊れてるんだよ!」

 

 

立希(くっ……いくら睦の誕生日だからって、なんて恥ずかしい真似を……。でもこいつの家庭事情考えたら、今日だけは邪険にできないし……。ちくしょう、しょうがないよなぁ……)

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