軽食して休憩したCRYCHICは動物園エリアを回る。
これは、その内の5種類の動物を見たCRYCHICの会話である。
〇レッサー『パンダ』に魅了される女
立希「レッサーパンダ、か。ふん、パンダと名はついてるけど同じくらい可愛いことはないだろうな」
↓
立希「か、可愛い!! なんだアレ、小さい手足で木を登ったりトテトテ歩いたり飛び降りたり……何あの可愛い生物、ヤバイ! フォルムから色合いから動きから全部可愛い!!」
睦「……即落ち2コマ乙」
祥子「キャラが壊れてますわよ」
燈「ふふっ、まるではしゃいでるときの祥ちゃんみたい」
祥子「アレほど壊れてませんわよ!」
そよ「あはは、それはどうかな……。あっ、たきちゃん、なんと触れあいコーナーがあるらしいよ?」
立希「マジ!? 最高に可愛いレッサーパンダと最高に可愛い燈が触れあうシーンが見れる……ってコト!?」
睦「……自分で触れ合うんじゃないんだ……」
燈「わ、私レッサーパンダほど可愛くないよ……」
立希「いやそんなことない! それを私が写真におさめて証明するから行くよ燈!」ガシッ、ビュン!
燈「わっ立希ちゃん引っ張る力が凄いしなんか怖いっ! みんなタスケテ~!」ピュ~……
そよ「う、う~ん……あの目ギラギラな本気たきちゃん邪魔したら、後が怖そうだからなぁ……」
祥子「まぁ燈とレッサーパンダが触れあうというゲキカワシーンが撮られるだけです。放っておいて楽しみに待ちましょう」
睦「……祥は立希の同志なだけでしょ」
〇いずれはカンガルーのように?
燈「カンガルーだ! 初めて見た!」
立希「私も」
そよ「小動物じゃないけど、可愛いね」
睦「……カンガルーってお腹にポケットあるんだよね?」
祥子「遠目からじゃ見えませんわね」
燈「ポケットに子どもいれてたら、もっと可愛かっただろうな」
そよ「ねー! 見たかったな〜」
立希「まぁ私がカンガルーだったら嫌だな。重たい米をお腹からぶら下げるようなものでしょ?」
祥子「ファンシーな気分ぶち壊しですわ」
睦「……でも、いずれ似たような経験する、かもしれない」
そよ「ちょ、ちょっと。現実的で生生しい方向の話はやめようよ……」
燈「うーん、この中で一番お母さんになりそうな人って言ったら……」
立希、睦、祥子「そよ」
そよ「3人でハモらないでよ!」
3人「そしてダメ夫にして苦労しそうなのも、そよ」
そよ「しかも勝手に嫌な展開にしないで! 私そんなダメ男製造機みたいな女じゃないって!」
立希(ホントか?)
睦(……気遣いしい、自分より人のこと優先)
祥子(ツーアウトってところですわね)
燈(や、やっぱりそよちゃんのことは私たちがずっと見守らないと……!)
そよ「4人で何コソコソ話してるの!? 私をハブらないでよー!」
睦(……寂しがり屋でスリーアウト。ダメみたいですね)
〇どっちに似てる? どっちも似てる?
睦「……このシロフクロウ……」
立希「あぁ、そうだな」
睦「……立希に似てる」立希「睦に似てる」
そよ「そこそんな風に被る?」
立希「いやいや睦。このジトーっと暗い感じの眼差しが睦にそっくりでしょ」
睦「……立希こそ何言ってるの。この吊り上がったキツい目尻が立希じゃなくてなんだっていうの」
祥子「双方の言い分どちらもなんとなく分かりますわ……」
2人「いや絶対向こう似だから!」
燈「そっか。両方に似てるんだとしたら……まるでこの子が2人の子どもみたいだね」
2人「な、何変なこと言ってんの燈!?」
祥子「さっきから息もずっとピッタリですし、ほとんど結婚してるようなものでしょう」
そよ「にしても、そっか。籍入れる前に子ども作っちゃってたか。私たち的にはどうお祝いするのがベストなんだろう……」
立希「じょ、冗談も大概にしろー!」
睦「……なんで女子高生の内に子どもがどうとか言われなきゃいけないのか……」
〇ありのままの気持ちを晒しなさい
祥子「このカワウソ然り、なんだかくっついてる動物が多いですわね」
そよ「小動物どうしがくっついてるなんて癒される光景だよね」
燈「やっぱり冬だからかな?」
立希「まぁ普通に考えたら」
睦「……あったかそうだね、燈」ピトッ
燈「ふふっ、そうだね睦ちゃん」ピトッ
祥子「私も混ぜてくださいましー♪」ピトッ
そよ「じゃあ私もー♪」ピトッ
立希「……姦しいな」スン……
4人「キャッキャ、ウフフ……」おしくらまんじゅう
立希「……」ポツン
ムギュッ! 立希が4人の中にねじ入る。
立希「あ~あったかいな。こりゃくっつき合うカワウソの気持ちも分かるな~」
祥子「相も変わらず素直じゃない立希ですわね~」
そよ「自分から混ざってきただけ、素直になった方だよ。これでもね♪」
睦「……最初の頃なら、無理やり巻き込まないと入れなかった」
立希「最初ってもうそろそろ2年経つから! そんな昔の話持ち出すのズルいって!」
燈「ふふっ、立希ちゃんも入ってくれるようになってよかった。嬉しい」
立希「う……うん」顔真っ赤でそっぽ向く
祥子、そよ「照れてる照れてる♪」立希のほっぺツンツン
睦、燈「……可愛い」ほっぺつんつん
立希「…………えーい! 燈以外ツンツンすなー!」
祥子、そよ、睦「出た。燈(ちゃん)贔屓」
立希「日頃の行いだっ。っていうかもう温まったでしょ、次行こう」
燈「うん。少しも寒くないね」
〇兎は寂しいと死んでしまうのよ?
そよ「ウサギだ」
燈「小学校にいたなぁ」
立希「あー、いたいた」
睦「……ウサギは寂しいと死んじゃうの」
祥子「なんですの、そのかまってちゃんなセリフは」
そよ「確か……私たちが生まれる前のドラマが元ネタなんだっけ?」
立希「ドラマが元ネタなんだ。セリフ自体は良く聞くけど、本当のことなの?」
睦「……そんな事実はない、らしい」
燈「そうなんだ……」
睦「……ただ、兎は自分が体調不良になっても隠す習性があるとか。飼い主がそれに気づかなくて、知らない間に悪化して死別、なんてことはあるらしい」スマホスイスイ
祥子「なるほど。そういった話がさっきのセリフに信憑性を加えてるかもしれませんわね」
燈「それじゃ、ウサギを死なせないためには体調隠されても気づけるくらいよく見てないと、だね」
睦「……他人事じゃないよ。CRYCHICはやせ我慢で無理を隠す人が多いから、兎だと思って注視すべき」
そよ、立希、祥子「睦(ちゃん)も自分から話さないでしょ」
燈「それじゃあ、ウサギにならないようにみんなで約束、しよう?」
祥子「……そうですわね。それでも人間ですから、たまには意地も張りますわ」
そよ「そういうときでも気づいて助けられるよう、いつも一緒にいようよ」
睦「……ウサギを寂しがらせないくらい?」
立希「ほぼ毎日一緒にいるんだから、今更でしょ」
5人で顔を見合わせて、誰からともなく笑った。