最近メタルビルドを初めて買いました。
ストライク最高すぎる。全部揃えたい…でもストライカー高い…。
「…試合終了ーっ!!」
モリタの声と筐体内のアナウンスが聞こえ、ミツキは集中の海から帰ってくる。
「…え、終わった…?」
「ミツキ、ナイス」
「最後の動きらめちゃくちゃ凄かったよっ」
ユウトとコウスケに肩を叩かれたミツキはやっとこさ状況を飲み込んだ。
試合の後半はずっと無我夢中で、自分の活躍がイマイチ認識できない。ただ、どうにかこの試合には勝てたようだ。
ルミナスを回収しようと再び筐体へ近づくと、同じく壊れたバルバトスを拾い上げたアキトと目が合う。ユウトは相手の3人に向かって声をかけた。
「ナイスファイトだったよ。戦ってて最高に楽しかった」
「あァ、そりゃこっちのセリフだ」
「ありがとうございましたっ!…まさか、あの作戦を突破されるとは…」
「いやいや、そちらさんの1試合目をメンテで見逃しちゃってたから、まんまと引っかかったよ。まさかオートマトンを流してくるとは思わなかった」
「にしては対応が早かったなァ。……なァ、もしかしてお前がフラッグに乗ってた…」
「うん、そうだよ。対戦ありがとうございました」
カナタの視線が、フラッグを回収したコウスケに向けられた。試合で話した人物と、今見えてる人物とで乖離が凄まじく、元ネタを知るアキト以外の2人が愕然としている。
そんな中、ユウトは撃墜されて胴体と頭部のみになったウィンダムを拾い上げた。こんなにやられたのは久しぶりだなと、ウィンダムを眺めていると、さっきのバルバトスを操っていたプレイヤーと目が合う。
「…」
「…また今度戦おう」
「…ああ」
そう言い、ミユとカナタの元に歩いていく。その方にミツキ達もいるのでついて行くと、どうやらこの後の機体の話になっているようだった。
「なァ、そっちが良ければ決勝戦まで一緒していいかァ?…同年代でここまでの実力チームはなかなかいないからなァ」
「それは全然構わないけど……。2人の機体を直さないとね」
ルミナスの損傷はほとんど無いが、ウィンダムとフラッグは物の見事に撃墜され修復も不可能だ。これは新しい機体を用意するしかないだろう。
「あ、僕は予備の機体もう一機あるよ」
「ほんと?それなら良かったけど…ユウトは?」
「予備パーツはあるけど、本体丸ごとはなかなかなぁ」
「あー…、確かにウィンダムって最近ないですもんね」
「どっちかと言うと個人練でよく壊すから、キットの消費が早いだけなんだけどな。自業自得っち自業自得だよ」
「…通りでこの店のウィンダムが枯渇してたわけだなァ」
と、なると一から新しい機体を買って組まねばならない。今は準決勝2戦目が始まる前で決勝戦までのメンテ時間も合わせると一機組むなら十分な時間だ。
「…よし、じゃあちょっと選んでくるから、2人も組むの手伝ってく「…それなんだけどな」ん、なんだ?」
ユウトのセリフに口を挟んだのはカナタだった。彼は大破したウィンダムを見る。
「……やっぱり素組みか。…お前さん達が良かったら、俺の作った機体を使ってみるかァ?」
「え」
「カナタにぃ!?」
「ほんと!?」
カナタの作った機体の性能がすごいのは先程戦って身に染みている。ミツキとミユが声を上げ、ユウトは静かに聞き返した。
「……いいのか?」
「あァ。本人の同意があれば大会的にも問題はないしなァ。……それに、それほどの腕で素組みに乗ってるのは勿体ねェ」
「…でも、その機体を今持ってるように見えないんだが」
ユウトの言う通り、今のカナタは修理キットを持ってはいるが手ぶらに近い。今から自宅に行って取ってくるのだろうか。
当然の問いに、カナタは薄く笑う。「ちょっと待ってな」とみんなに言い、モリタの所へ。
「モリタさん」
「ん、ああカナタくん。負けちゃったけど、ナイスファイトだったよ!」
「ありがとうございます。…相談なんですが…」
カナタは何やらモリタに耳打ちをしている。そんな彼らを見てミツキとコウスケは首を傾げた。
「モリタさんに頼んでどうするんだろ?」
「あー、なるほど。……カナタにぃ、楽しくなっちゃってるみたいですね」
不思議そうに見る2人を他所に、ミユは何をするのかがわかったらしい。横のアキトは「だろうね」の顔。
少し待つと、カナタが戻ってきた。その手にはガンプラが握られている。
ミツキはその機体に見覚えがあった。
「あっ、それってお店の見本で置いてあったやつ?」
「あァ。ここの見本大体俺のガンプラだぞ。…お前さんが乗るなら、やっぱコレじゃないか?」
そうしたり顔で差出してきた機体をユウトは受け取る。
「……フリーダム」
「あの動き見ちゃァな。扱いは難しいが…どうだ?」
ZGMF-X10A フリーダム。機動戦士ガンダムSEEDの主人公、キラ・ヤマトが劇中の後半に乗った機体。そのシリーズを見ている者なら知らない人はいない人気で、そして強い。
当然、ユウトも好きな機体だ。そこで疑問に持つ人もいるだろう。何故フリーダムではなくウィンダムなのか。
ユウトがこの好きな機体をGPDで使っていない理由はふたつ。
1つ目は、HGのフリーダムのキットがそのまま使うなら改造必須なこと。旧神の2つあるキットの中で、まともに戦えるのは新キット。しかしそのフリーダムは、盾を保持するのに手持ちのグリップのみという欠点があった。腕にシールドが着けられないとなれば、動きの幅が狭まる。改造が不得手且つ素組みを沢山用意してプレイヤースキルで戦うスタイルのユウトには致命的な欠点だ。
そして2つ目。これはGPDが発足した当時に全員が試して、全員が同じ結論に至ったもの。
好きな機体が動かせる。そう聞いた時に皆、自分の好きな機体やら、主人公が乗っている最強格の機体を組んで実際に戦い、大多数の者が「使いにくい、難しい」と感じたのだ。それもそのはずで、劇中で活躍している機体は大抵パイロットをそのキャラに限定して開発したり、カスタマイズしたりして出来たもの。ニュータイプだったりスーパーコーディネーターだったり、Xラウンダーやらイノベイターだのの上位種用にチューンされた武装構成だ。使いにくいのにもうなずけた。
そして、フリーダムも半分その域に入ってしまっている。
ユウトは渡されたフリーダムを詳しく見た。
「……すげぇ、シールドがちゃんと着いてる」
「手持ちしかできないならバトルにおいては片手がないのと同じだからなァ…。こいつはHGストライクのシールド取り付け基部をそのままフリーダムの肘アーマーと取り替えてる。見た目は本家と少し違うがフリーダム自体、ストライクやら連合の機体参考に作られたし、独自解釈ってことで納得してくれよなァ」
「いや、完璧だ。ヤバいなこれ」
確かによく見るとフリーダムのものと前腕が違うが全然気にならない。改造の方向も元の機体の設定を崩さないように、それでいて自然だ。
それ以外の部分もスミ入れだったりデカールだったりの完成度上げも完璧。バトルに使うのが少し勿体ないと感じてしまうほどだ。
恐らく、今のユウト達では間違いなく作れない、現時点で最高性能のガンプラだ。
「……ああ、ありがたく使わせて貰うよ」
「おうよ。試合が始まるまでに調整しないとなァ」
展示用のガンプラなので一度整備が必要らしい。フリーダムを1度カナタに返すと、筐体の方で歓声が上がった。準決勝が終わったようだ。
「わ、終わるの早いね」
「はい、まぁあの人達なら当然ですねっ」
「あの人たちって、知り合いなの?」
見ると準決勝を制したのは中年のおじさん達のチームだった。ミツキが聞くと、カナタが答える。
「砂漠の虎の常連だ。特に真ん中のカシワギさんはこの街でも武装作りに関しちゃァピカイチって噂だぜェ」
「カシワギ…?」
ユウトは聞き覚えのある苗字に反応した。確か、前に来ていたノゾミの友達がそんな名前じゃなかっただろうか。
「ん、どうした?」
「…いや、……ちょっと覚えがある名前だったからな。……もしかして、あのカシワギさんって娘さんいたりする?」
「なんで知ってんだァ?…見たことはねェが、よく砂漠の虎で話してるのを聞いたなァ。ジオニストに出来なかったのが悔しいって」
「……あー……」
多分、恐らくその娘さんに宛が着いた。モリタさんの知り合いということでもしやと思ったが、やはりあのカシワギさんはこの前来たリンのお父さんらしい。
世間は狭いなぁと遠い目をしていると、そのカシワギさんチームがメンテブースにやってきた。目が合ったのでミツキ達は会釈をする。
「や、お疲れ様。決勝戦はよろしく頼むよ」
「あっ、いえっ。こちらこそよろしくお願いしますっ」
「いやぁ、試合を見てたけどいいチームワークだったね。こりゃこっちも危ないかな?」
そうにこやかに言うカシワギ・サトル。ユウトやコウスケ、カナタ達にも労いの言葉をかけると、ブースの端の方へ歩いていった。
「前から思ってたけど、ここの人ってみんないい人ばっかだよね」
「だね。なんかアットホームで、戦う敵って感じがしないや」
「ガノタは皆仲間ってことだな。………そういや俺ら、また対戦相手の試合見てねぇぞ」
「「あ」」
1回戦目はカナタチームの対策を考えるのに時間を使って見逃し、今回は機体の話をしていて見逃した。肩を落とす3人に、カナタとミユが声をかける。
「…あー、なら俺たちが教えとくか?…俺らも今乗ってる機体はわからねェが、砂漠の虎で見た機体ならわかるぜェ」
さっきと同様、周りに聞いて回るのはやめにしておこうという方針だが、流石に3人は頷いた。席に座ったカナタ達を見て、そういえば名乗ってなかったとミツキは思い出す。
「あ、そういえば自己紹介がまだだったね。俺はソラザキ・ミツキ。ガンプラはガンダムAGE-1【ルミナス】だよ」
「俺はカミヤ・ユウトだ。いつも乗ってる機体はウィンダム。SEED系が多いな」
「僕はアイノ・コウスケ。フラッグに乗るとちょっと変になっちゃうこと以外は普通のプレイヤーだよ」
「変にって、ほぼグラハムだったけどなァ…?…俺はトガ・カナタ。どっちかっつうとビルダー側だ」
「わたしはヒイラギ・ミユって言いますっ。乗るのは大体スナイパーですね」
「…コドウ・アキト。ガンダムのことはあまり知らないけど、バトルは好きかな」
自己紹介をするミツキ達に、カナタ達も名乗る。見たところ同年代のようなのでお互いに年齢を聞くと、なんとミユ以外は同い年だったことがわかった。
「…あァ、もしかして3人とも或美学園の1年か?」
「…うん、そうだよ。…ってことは2人も?」
「俺もコイツもそこの1年だ。で、ミユは中等部3年」
「あれま。世間って狭いね」
「…カナタと俺は中等部から上がったけど、そっちは3人とも外部入学っぽいから覚えてないのも仕方ない」
「まだ入学して2ヶ月経ってないからな。クラス違うともうわからん」
まさかの同級生だった。それならとミツキは首を傾げる。
「でも、2人ともそこまでGPDの腕があるのに、模型部には入ってないんだ」
「まァな。…そっちも入ってねぇんだろ?大体同じだ」
「なるほどね」
ミツキは一瞬この2人をチームメンバーに誘いたいと思ったが、今は大会中。まずはそっちに集中用と意識を切り替えた。
「で、そのカシワギさんは強いのか?」
「ああ、かなり強い。確かジオン機使いだったなァ。こん中だとミユは戦ったことあるぜェ」
「そうだねぇ…。クロスレンジが凄く得意みたいで、狙い撃つ間もなく詰められて滅多斬りにされました」
「…ということは、ジオンの近接機……グフとイフ改か?…
「まちまちだ。ただ基本モノアイのある機体に乗ってる事が多いなァ」
カナタとミユが、わかりやすいように一言で言うなら「ブラックナイトのシヴァ」と答え、ユウトとミツキがなるほどと頷いた。ピンと来てないコウスケには「お前に似た声の、二刀流の早くて強いやつ」とは伝えておく。
「他の2人は?」
「何回か砂漠の虎で見たくらいだな。機体は……あんま覚えてねェな「確か2人とも1つ目のガンプラだった」…だそうだ」
砂漠の虎でバトルを見ることの多いアキトが覚えていた。ミツキは頷き、ユウトとコウスケの方を向く。
「……ってなると、空中から仕掛けられる俺たちが有利ってことかな?」
「普通に考えればそうだけど、多分向こうもそこはわかってるし油断はできないな。全員速い機体ってなると連携も取りづらいだろうし、最悪分断して各個撃破か」
「うん、そうなるね。文壇は任せてよ」
「……な、なァ、お前さんほんとに何者なんだァ?」
やっぱり今と試合のギャップに耐えられなくなったカナタが尋ねるが、コウスケは「ただのグラハムだよ?」とにこやかに返す。再び「どういうこと?」の視線をカナタとミユから頂戴するユウトとミツキだが全力で無視した。
「ねぇ」
「…ん?…えっと、コドウ…だっけ?」
「アキトでいいよ。…カミヤ?」
「それなら、俺もユウトでいい」
大抵の方向性を決め、ミツキ達は外の自販機へ行った。ひとりでフリーダムの可動の確認していたユウトは、アキトに話しかけられる。
「…久しぶりに、互角の相手と戦ったよ」
「ああ、俺もだ。あんな型破りな戦いをするプレイヤーには初めて会った」
「ガンダムを知らないから、そう見えるだけなんじゃない?」
「だからって、ジャミングで撒いたオートマトンぶん投げてくるのはすげぇよ。勉強になった」
「それは俺の方も。背負いものを壊させて、それを利用するってどんな操作制度だよ」
「ありゃただの一か八かだよ。……それに、ライフルや大剣を使ってたけど、ホントのスタイルは最後に見せたやつなんだろ?」
そういうと、アキトはユウトを一瞥して「まぁね」と返した。そのまま「今度はそっちの方で戦いたいね」と言い、戻ってきたミユ達の方へ歩いていく。
「……格闘が得意なのに狙撃ライフル。……なかなかいい癖してんじゃん」
確か、カナタが今回の大会の機体はほぼ素組みだと言っていた。是非ともフルカスタムで戦ってみたい。
ユウトは自分の口角を上がるのを実感しながらフリーダムを再び見詰つめた。
戦闘描写、どうですか?
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文を読んで想像しやすい。
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ガンプラの動きや戦法がかっこいい
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ちょっとわかりにくかった……