LYRICAL BLADE StrikerS ~BLADE FOREVER~ 作:黒乃ツバサ
剣崎が別世界へと送られ、遭遇した空港での大規模火災から四年の月日が経った。
あの日の翌日、街へと着いた剣崎は生活するためのお金と寝床の確保のためにバイトを探して働き始め、時間がある時にだけ図書館へと訪れ、この世界について様々な事を知った。
ここが別世界であるという事には本人も理解しているが、彼にとって興味に惹かれたのが『魔法』だった。空想上とされていた魔法が当たり前のように日常に存在しており、魔導師と呼ばれる者たちと『時空管理局』という云わば警察のような組織が様々な事柄を取り扱い、ミッドチルダを始めとした様々な異世界を管理しながら守っていた。
さらに、剣崎のような別世界から迷い込んだ人間を保護して元のいた世界へと返すという事も局の仕事として記録されていたが、今の剣崎の帰るべき世界は並行世界の地球にあって、この時空に同じ地球があってもそこは剣崎の知る世界ではないため到底不可能だろう。
今の剣崎に課せられた事は、解放されたスペードスートのアンデッドすべての封印と、ミッドのどこかに隠れている、破壊を望む統制者を見つけ野望を阻止すること。
別世界に来てからの一年目でアンデッドによる事件が起き始め、それによって剣崎はジョーカーの姿となって現場に向かい、その後は四年間で事件に現れたアンデッドを次々と封印し続け、現在の枚数は八枚と集まった。
封印したアンデッドは、ビートル、リザード、ライオン、ボア、ローカスト、トリロバイト、バッファロー、スカラベの八体。数だけ見てしまえば半数以上を封印しているが、剣崎からしてみればあまりに
一つ、剣崎が使っていた必殺技に欠かせない二体のアンデッドが未だに封印できていないこと。
二つ、今の剣崎では決定的な力不足が原因として挙げられるため、上級クラスのアンデッドの封印は現実的にどうにもできないこと。
そして最後、剣崎にとって一番に問題視されているのが、アンデッドを発見する手段が無いことだった。
今までのアンデッドの発見は、『騒ぎのあった現場へといち早く駆けつけ、封印して即立ち去る』という流れで行ってきたが、逃げ足が速い、または姿を現さないなど厄介な者が多く、封印どころか戦闘にすらならない場合がほとんどだった。仮に戦闘になっても、二つ目の結果で返り討ちに遭うことになるだろう。
以上が今の剣崎における悩みであったが、ここで更なる問題が起こった。
「はぁ……これで何回目なんだろう……」
真昼間の公園のベンチにて剣崎は黄昏れながら呟いた。その理由は、先程まで働いていた店で
いくら外見は人間であっても、ちょっとの怪我によってアンデッドしか流れない緑色の血が流れ、職場の仲間からの驚きと恐怖の反応が表れて大騒ぎになってしまう。そのため剣崎は問題が起こる前に働かせてくれた事への感謝だけを伝え、そのまま店を出ていくようにして逃げ去っていた。
怪我によって清掃屋や洋食屋、居酒屋など数々の職を転々する日々を送り続け、今回も剣崎は何回目かによるバイトをまたも辞めて無職となってしまい、最近で住めるようになった安いアパートでの生活費も含め、次はどこで働くのか頭を抱えながら悩み続けた。
「レストランでのバイトのおかげで、料理のスキルが上がって定食屋とか居酒屋でのバイトもできたけど……次の店はどうするか……」
……と、求人雑誌を開いて読み始めようとした時、遠くからパトカーのサイレンが聞こえた。
数によって一、二台の場合は剣崎が関与する問題ではないが五台以上の場合は違う。それは、剣崎の経験上でのアンデッドによる事件か、ガジェットと呼ばれる謎の機械兵器群による事件で、四年間におけるアンデッドの捜索の中で剣崎はガジェットの事件にも遭遇し、アンデッドだけでなくガジェットの対処も行っていた。
無論四年前での空港火災のように似た災害があった場合でも人助けをしているけれど、この世界では管理局という組織が市民を守っているため彼らの仕事を奪うような事をしたくないと、彼なりの想いもあってどうにもならない時だけ手助けするとそう決めている。
「数は四……いや五だ」
サイレン音の数を聴き取り、剣崎は後ろに停めてある愛機のバイクへと跨りエンジンを起動させた。
そしてアクセルを回してパトカーの音が聞こえる方角へと向かい、アンデッドあるいはガジェットのいる現場へと加速させた。
少し遡って、とある駐屯地の食堂――
「はぁ~! おいしかったぁ!」
青い髪をしたボーイッシュな少女がもう何杯目なのかという程の多く重ねられたお皿を前にして満足に言い、そんな彼女の前に座っているオレンジ色の髪をしたツインテールの少女は呆れていた。
「スバル、いっつも思ってるけどさ……アンタ食べすぎよ。もうっちょっとどうにかなんないの?」
「何言ってるの、ティア! これぐらい食べれなきゃ『仮面ライダー』みたいに強くなれないよ!」
「ハイハイ、わかったわかった……好きなだけ食べるといいわ」
青髪の少女、スバルは胸を張るように言って食べ終えた皿を片付け、オレンジ髪の少女のティアナも手伝うようにして片づけた。
四年前に起きた空港火災の頃、そこで火災に遭遇したスバルは姉のギンガと一緒に救助された後、自身を助けてくれた『仮面ライダー』と名乗った
訓練校に入学してから同室パートナーとなったティアナと出逢いコンビとして組み、卒業後は陸士部隊での災害担当に所属し、後に新たに設立された部署の司令からのスカウトでティアナと共に配属され、現在は『古代遺物管理部・機動六課』へと籍を置いて憧れであるなのはが隊長として務めるスターズ分隊のフォワードチームで『フロントアタッカー』を務めていた。
一方、理由は違えどスバルと同様に魔導師となり、執務官を目指しているティアナも訓練校の頃から彼女とコンビとなっていろいろ苦労し続け、喧嘩もありながら冷静な判断力と戦術的な思考で困難を乗り越え、スバルと同じフォワードチームの『センターガード』を務めていた。
そんな二人が昼食を終えてその後の時間をどうするか思案していた時、突然サイレンが鳴り出した。
『市街地にガジェット出現! スターズ三、四は市街地での迎撃のため先行して出撃! 同じくスターズ一、二は散開した敵部隊を叩いてください!』
「行くわよスバル!」
「オーケー!!」
緊急連絡により二人はすぐさま走り出し、送信された座標データを下に現場へと向かった。
数分後、現場へと到着したスバルとティアナは視線の先に見えた十数体のロボット兵を確認して迎撃に向かった。
「ガジェット確認! スバル!」
「まかせてっ!」
カプセルに似た円錐型の謎の機械兵器群、『ガジェット』と呼ばれるロボット兵の一体へとスバルが突撃して叩き落とし、その次に接近してきた一体を後方からティアナが銃口を向け、狙いを定めて正確に撃ち落としていった。
前衛と後衛における二人の連携や能力にはなのはの他、歴戦のエース達が『素質ある』と認める程に評価されており、瞬く間に二人のコンビネーションによってガジェットが次々とスクラップ化されていた。
……が、現実は決して甘くはなかった。
「ティア! 後ろっ!」
「え……?」
スバルがティアナへと声を掛けた直後、彼女の背後に突如と現れた影によって蹴り飛ばされ、地面に数回跳ねられた。
「ティア! 大丈夫⁉」
「こ、これぐらい平気……よ! でもアレは、一体……」
蹴り飛ばされる直前で一時的に防御態勢を取っていたティアナは、ふらつきながら膝に手をついて出現した影を確認した。
そこには、機械的なボディーがあってガジェットではあるはずが、他に展開されているガジェットとは根本的に異なる部分があった。
「あれって……」
「人型……?」
二人の目の前には、人の形をしたガジェットらしきものが立っていた。
人型のガジェットの確認は今までの事件にはされておらず、未知の『ソレ』の出現に二人は戸惑いを隠せずにいたが、人型ガジェットは自身に下されたプログラムに従うままレンズの先に映るスバルへと狙いを定め再び攻撃を仕掛けた。
「っ! プロテクション!」
攻撃を仕掛ける人型ガジェットにスバルは防御魔法で対応した。……が、相手の一撃が重くかかり、防御の甲斐もなく後方へと吹き飛ばされてしまい、ガジェットはそのまま追撃をかけていった。
「スバル!」
飛ばされたスバルをティアナはサポートに入ろうとした。
しかし、彼女も先程の蹴りの一撃を受けたことで立っているのがやっとの状態だったため、自身の持つデバイスの銃口を向けるもふらついていて、今の状態では正確な射撃ができずにいた。
「くっ……ガハッ!」
その間にもスバルはガジェットによって攻撃され、着ているバリアジャケットもボロボロになっていた。
どうにかして反撃しようと人型ガジェットの動きを見て拳を突き出した。だが、その攻撃も容易く避けられ後ろへと回り込まれてしまった。
「スバル! 危ない!」
ティアナの声が響き、スバルが振り返った直後、今にも振り上げた拳を叩きつけようとする人型ガジェットが立ち、この瞬間でスバルは死を覚悟した。
「(これ……さすがに、もうダメかな……。あの人にもう一回だけでも、会いたかった……)」
諦めたスバルは目を閉じ、人型ガジェットの拳がそのままスバルへと振り下ろした。
――次の瞬間だった。
『ガキーン』
金属のぶつかり合う音が現場に響き渡り、それに反応したスバルは閉じていた目蓋をゆっくりと開き、視線の先に見えた光景を目の当たりした。
そこには黒と青を主体としたボディに、肩と腕、胸と脚に歪な銀色の鎧が身に纏われ、バックル中央部にはスペードのマークが模られた
「あ……」
様々な大事件で現れては人々を助け、『仮面ライダー』と名乗ったことで世間に知られた異形の戦士。彼の後ろ姿を見て、スバルは四年前の光景が重なって見えた。
空港火災の中で目の前に倒れてきた石像を受け止め、自身を助けてくれた正義の異形。姿と形は違うけれど、その目で見た後ろ姿は決して忘れていなかった。
「ウオオオオ!」
人型ガジェットの拳を受け止めた異形の戦士、ブレイドジョーカーに変身している剣崎はそのまま強く蹴り飛ばした。
蹴りを受けた人型ガジェットが飛ばされ、それ以外の円錐型ガジェットの集団が剣崎へと狙い定めて動き出し、剣崎も狙ってくる近くのガジェットに向かって走り出した。
「ハッ! ハァッ!」
スバルとティアナ、二人以上の早い動きで身近なガジェットへと接近し、向かってくる攻撃を剣で斬り落とし、間合いに入ったら一刀両断で破壊する。その後、たった一人で次々と円錐型ガジェットが倒されるのを見て、スバルは尊敬の目を、ティアナは驚きの目をしていた。
「あれが、仮面ライダー……」
「やっぱり……カッコイイ!」
円錐型ガジェットの集団が破壊された直後、蹴り飛ばされた人型ガジェットが攻撃を仕掛け、剣崎はそれに反応してジャンプで回避し、そのまま人型ガジェットへと斬撃を二回、三回と繰り出して怯ませた。
その後、バックル中央部のラウザーを取り外して剣へとコネクトし、右腰にあるカードケースから一枚のラウズカードを取り出してラウズした。
<キック>
電子音が鳴り響き、ラウズしたローカストアンデッドの能力が剣崎へと付与された。そして剣崎は、ブレイドの時での必殺キックを放つ際の構えを取り、そして……
「ウオオオオォォォォ! ウェイッ!」
左手に持った剣を地へと突き刺し、ゆっくりと起き上がる人型ガジェットに狙いを定めて素早く跳び上がった。空中で一回転して蹴りの姿勢を作り、そのまま人型ガジェットに目掛けて一気に飛び蹴りを放った。
「ウェェェェェェェェイ!」
剣崎の強力なキックが人型ガジェットの装甲を貫き、貫かれた人型ガジェットはそのまま倒れて爆発した。
これによって現場で暴れまわっていたガジェットの集団は全滅し、戦い終えた剣崎は突き刺していた剣を回収して停車している愛機へと向かった。
「あっ! ま、待ってください!」
途中から出現した剣崎の活躍で傍観していたスバルは我に返り、その場を立ち去ろうとした剣崎へと声を掛けて近づき頭を下げた。
「助けていただいて、ありがとうございます! あの! 私のこと……覚えてますか?」
不安げながら自身の事を問い出したスバルはまっすぐな目で剣崎を見つめ、それを見た剣崎は異形の姿から元の人間の姿へと戻って笑顔で答えた。
「あぁ、覚えてるよ。大きく……なったな」
その一言を聞いて、スバルの目から涙が溢れてきてそのまま剣崎へと抱きついた。
突然の事に剣崎は驚いて戸惑うが、スバルは剣崎に抱きついたまま涙を流しながら言った。
「あれから、あなたみたいに……強くて優しい人になるために、たくさん、たくさんっ……努力……してっ……」
鼻声ながらうまく話せずにいたスバルの話を聞いて、剣崎は自分に対して目指してたという事に喜ぶべきか、悲しむべきかとよくわからない表情をしていた。
けれど、それでも自分を目標にしてくれたことに嬉しくも思い、今も泣き続けているスバルの頭を優しく撫でた。
「……私、置いてかれてるのよねぇ」
少し離れてる所で空気状態にされていたティアナは呟いた。しかし、彼女の声は誰にも届かないまま風に流されていった。
突然と現れた剣崎の活躍でティアナとスバルは命を救われたが、感動の再会でスバルは泣きながら今も剣崎に抱きついたまま離れようともせず、剣崎は困った表情を浮かべながらスバルをどうにか離そうとしていた。
そんな中でティアナは置いてけぼりになっていたためこの状況をどうするべきかと思っていたが、それを打破したのは遠くから飛翔してきた一人の女性だった。
「そっちも終わったみたいだね……って、どういう状況?」
スバルとティアナの上司であり、二人がいるスターズ分隊の隊長にして管理局の『エース・オブ・エース』と呼ばれている存在、高町なのはの一声でその場にいた三人は反応した。
「ん? あ、あの時の……」
「「なのはさん!」」
剣崎がスバルを離した所でなのはに気づいた二人は振り向き、剣崎も四年前と同じ見覚えのある彼女に気づき、スバルと同じ空港火災以来の再会となった。
「あ……あー! あの時の人!」
なのはもスバルの近くにいる剣崎に気づき、そこから四年前の記憶を思い出してそのまま剣崎へと詰め寄った。
急接近してきたなのはに剣崎は思わず身構えるが、なのはは彼の目の前に立って背筋を伸ばし、両足を揃えて勢いよく頭を下げた。
「あの時は……ごめんなさい!」
「……え?」
なのはからのいきなりの謝罪に剣崎は呆然とし、彼女の謝罪する様子を見たスバルとティアナは驚いていた。
「その……あなたの姿を見て、怖いって思っちゃって……」
「あぁ、そういえばそんなこともあったな……」
事情を聴いて剣崎は理解した。
空港火災の時、幼かったスバルとギンガの救出を優先させるためになのはともう一人の少女が自身を追うのを避けるため、剣崎はあえてジョーカー姿となって恐怖を抱かせ、その場から立ち去ったのだった。
そして今、なのはが謝っていたのはその時での『相手に恐怖を抱いたこと』と『それでも止めなかった自分』への悔いていた事だった。
「いいんだ。あの反応が普通なんだし……」
剣崎はスバルを少し見てそう言った。
彼が過ごしたこの四年間、スバルたち姉妹のように自身の姿を見ても気にしない人もいたが、それでも大半は剣崎が変身する異形の姿を見て怯えていた。そのため四年前に見たなのはの反応はある意味で正しいことでもあった。
「それでも! あの時の貴方は、悲しい顔をしてたから……」
「(……気が付いてたのか)」
なのはからの指摘を聞いて、剣崎は大規模火災の状況下で離れていたとはいえ自身の表情にまで気にかけていた事に内心舌を巻く気持ちだった。
「それでもいいよ。俺は気にしていないし」
「でも……」
「いいんだ!」
少しだけ力強く言う剣崎になのはは黙ってしまった。
すると、スバルが怖ず怖ずと二人の前へと進み出てこんなことを言った。
「あの、なのはさん……この人にも、協力してもらいませんか?」
「……え?」
意外な質問になのはは気が抜けるような声を出し、スバルの隣にいたティアナは驚いて討論した。
「何言ってるのバカスバル⁉ いくら助けてもらったって言ったって、得体のしれない相手に……⁉」
ティアナからの聞き捨てならない発言を聞いてなのはとスバルは睨んだ。特に、なのはからの威圧ある睨みに討論したティアナは途中で止めざるを得ず黙ってしまった。
その後、剣崎へのあれやこれやと話し合いが起こってしまい、その場に放置されてしまった剣崎は留まるのはまずいと思い、立ち去ろうと三人に背を向けて言った。
「そ、それじゃあ、俺はこの辺で……」
そう言って停車していた愛機へと着いて跨ろうとした瞬間、背後からとてつもない殺気を感じた。
「今回は……逃がさないよ?」
剣崎が振り返った視線の先に、笑顔で人差し指を向けてくるなのはの立ち姿が見え、その背後にはスバルとティアナが互いに抱き合って震える姿があった。
アンデッドの直感……ではなく、剣崎の直感が危険だと伝えてきて、なのはは続けるようにこう言った。
「抵抗しなくても逃げれると思ってるだろうけど、動けないようにして連れて行っても……いいんだよ?」
「(……⁉)」
可愛らしい女の子から放たれた有るまじき言葉に、剣崎は考えていた事が読まれてしまい背筋に悪寒が走った。
自身がアンデッドであるため軽い怪我はしても魔導師の攻撃には問題無いと思い高を括っていたが、明朗快活で裏表のない性格のため表情が読まれやすいのが問題だった。
「あなたとは、まだ『O☆HA☆NA☆SHI』ができてないんだけどなぁ……来てくれるよね?」
笑顔を向けながらとてつもない威圧と何かが浮かんで見えるようなオーラらしきモノを感じ取り、剣崎は冷や汗を掻きながら立ち去る考えを捨て、上官に従う兵士のように背筋を伸ばして両足を揃えた。
「は、はい……」
「ん? 返事は……?」
『はいっ!』
先程まで抱き合って震えていたスバルとティアナも同様に揃えて返事をした。
自分たちに向けたわけではないけれどもなのはからの威圧がこもった言葉に反応してしまい、剣崎の返事を聞いたなのはは納得して普通の笑顔に戻った。
「うん、よかった! 来てくれなかったらどうしようかと思ってたの」
『(そうなったらどうなってたんだ……⁉)』
殺気を消したなのはの発言に三人は同じ思いを浮かべていたが、当の本人は露知らずで後ろを向いて歩き出した。
そんな彼女を見た直後で、剣崎は元いた世界での唯一逆らってはいけない女性の事を思い出していた。
「広瀬さんと同じだ……」
「なにか言ったかな?」
「いえッ! なにも!」
立ち尽くしていた剣崎たちも、なのはの後を追うようにして歩き出した。
上空からヘリが降りてきて着陸し、剣崎は愛機共々なのは達が乗るヘリに乗せられ、そのまま空へと飛翔して彼女たちが配属している駐屯地へと運ばれた。