汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
「あ!おじいちゃんだ!」
「こら!⋯すみません、息子が。」
マケドニアのある日、竜人族の男に子供が飛びつき子供の母親は男に頭を下げる。
「構わぬさ。
坊主、わしはこれから仕事じゃてな。
また今度遊ぶとしようぞ。」
男は軽く笑い、子供の頭をクシャッと撫でる。子供は髪が乱れる事など気にする素振りも見せず
「約束!」
「おお、約束ぞ。」
ととても元気よく笑いかけた。
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さても世の中とは不思議なものよな。
男は竜化すると、今日もマケドニアとドルーアの街道整備に向かう。
遠くには多くの同胞の姿が見え、各々果たすべき事をする為に移動しているのが見て取れた。
男はどちらかと言えば、ドルーアへの移住を渋った方であり、メディウスの呼び掛けにも懐疑的であった。
今更人と我等が分かりあえる筈もない。
メディウスの奸計か遂に狂ったか?
と当時は思ったものだ。
北の僻地に男は居たのだが、近くに住んでいた同胞達も徐々にメディウスの元へ向かっていった。
そして、男の友人が余りにもしつこく誘うので仕方なくこの地に移住する事を選ぶ。
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「⋯なんだ、これは。」
男は目を疑い、己の正気すらも疑った。
男の視線の先には
「落とすでないぞ。」
「これは少し破けておるな。
交換した方が良かろうな。」
「あまり騎竜を酷使するでない。
まだまだ時間はかかるのだ。そなたも今日は休むと良い。」
山の近くで竜化した同胞達がその両手に土砂を抱え、よく分からない布の上に置いていたのだから。
しかも近くの人と親しそうに話しているではないか?
同胞達と人が同じ場で何をしている?
そやつらは我等の敵ではないのか?
疑問が頭の中で行き場のない、出せるはずも無い答えを求め巡った。
そしてメディウスから聞かされたのは『人との共存』
されど、この理想郷をみだりに拡げるに及ばず。だった
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詳しく話を聞けば、納得出来る話。
ドルーアの隣国マケドニア。
このマケドニアの王を支える側近曰く
「
仮に大多数が理解を示したとしても、必ずそれを受け入れぬ。⋯受け入れられぬ者はおります。
その様な連中はあなた方竜人族のガラ空きとなった背後に刃を突き立てる事に躊躇しません。
そして竜人族が反撃すれば、その事実のみを切り取り竜人族の脅威と己等の正しさを声高に叫びましょう。
そうなれば取り返しのつかぬ事となりましょうな。」
との事らしい。
確かにラーマンから神器を盗み出し、その事実を隠す為に我等を追いやった奴等の末裔なればそのくらいはやるだろう。
聞けばその者はこの大陸の者ではないと言う。
その様な者が我等に心を砕くとは皮肉にも程があろうな。
暫くして作業に加わる事となった。
はっきり言って気の乗る話では無かったが、やってみると成る程同胞達が勤しむのも理解出来た。
我等のしている事が確かな形となり、それにより人から感謝されるのだから。
我等が力を振るうのは
そう思っていた。
力があれば、人にも抗えるとも。
だが、それは我等への迫害という形で敢え無く終わり、長く生きていたとしても意味などない。
そう絶望し、人に一矢報いんとした者。
力を渇望し、その力に飲み込まれた者。
我等とて、旧き世においてナーガ様やメディウスと共に戦った。 その時夢見て、泡沫の様に消え去った筈の我等の願い。
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「壊させてなるものか。」
幸いにも姫の伴侶と目されている男は情が深くとも、自身の手の届く範囲を理解している。
血の気に逸る我等を説き伏せるだけの心の強さ。
先を見据え、その為に周囲を巻き込める力もある。
我等としては姫の伴侶となれば、メディウスの跡を継がせても誰もが嬉々として従おう。
⋯そうだな、あの引き篭もりを引き摺って連れてくるべきやも知れぬ。
さぞや愉快な光景が見られる事であろうからな。
男は近いうちに訪れるであろう景色を想像しながら、山を拓き、海で魚を捕る。
それが男の
いや、竜人族達の日常なのだから。
(祝)〇〇ル〇〇ィ引見の場に引き摺り出される。
そのうち書く。
アカネイアとユグドラル大陸史を見ると、どうやらこの時期には聖戦の系譜は終わっているらしいので。
勿論、その辺の話を聞かないと
ねぇ?
エリスルート完結記念の外伝
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いる
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いらない
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そろそろリンダルート書いて、どうぞ?
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そんなことよりチキを出せ
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その他