汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
父であるアカネイア王の命を受けた騎士団が自分達を殺しに来る。
その予想もしなかった凶報に王子や王女は困惑し、戦慄し
そしてその理不尽に怒りを感じた。
国王は寵姫にうつつを抜かしており、最早アカネイアの政は文官達が取り仕切るところにあるのは誰の目にも明らかだ。
何もしなかった王が自分達を排除する為に動く。
マケドニア征伐やカダイン誅伐に動きを見せている王子達。
彼等は父であるアカネイア王を内心侮蔑しており、自分のしている事はアカネイアを良くする事である。そう信じて疑わない。
また周囲に動かされた王女達は降嫁させられるとしても、家格の高い家に嫁ぎ今までと変わらぬ生活を送りたい。
⋯いや、送るのが当然。そう思っていた。
その為、周囲に担がれた訳だが。
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そもそも、平和というぬるま湯に浸かりきったアカネイア騎士団。
確かに訓練はしているものの、それが王国の治安維持に寄与している訳では無い。
言ってしまえば、実戦経験皆無でありながら精強と自負している様なもの。
血を見る事すらほぼ無い彼等。
粛清などという血なまぐさい事をするには覚悟も自覚も何もかもが足りていなかった。
だからこそ、騎士団の中から王子や王女達に情報を流す者も居たのである。
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アカネイア王より遠ざけられたニーナ。
彼女はこの時、パレスを離れアドリア伯の元に身を寄せていた。
アドリア伯ラングは彼女を丁重にもてなしはしたものの、内心どうしたものかと苦悩の中にあったが。
教会の司祭、ボアからの要請についてもラングは慎重な姿勢を崩さない。
確かに教会にも派閥はあろうが、それが教会。総本山の意思に真っ向から対立する道を選べると思える程、彼の教会に対する信用は高くなかった。
まぁ使者として来たエレミヤとやらは今の教会総本山のあり方に不満を持っているのは感じられたが。
ラングを始めとした所領を持つ貴族の大多数はマケドニア征伐やカダイン誅伐に否定的だ。
そんな事に使える
故に彼はパレスから物理的に距離を取り、不本意ながら領内統治に精を出していた。
本来、自分の様な者がマトモに領主をするなどいかがなものか?
そう思いながら。
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「⋯それは、間違いないのか?」
「間違いないかと。」
そんなラングの元に急報が舞い込む。
それは耳を
自分の正気をも疑いたくなる様な惨事の報せだった。
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王の命を知った王子のひとりは反撃を試みた。
如何にアカネイア王の命であろうとも、寵姫に溺れる様な人物に大陸秩序の要たるアカネイアを任せてはならぬ。
確かに若い頃の父は聡明で勇猛果敢だったと聞く。
だが、今の父は寵姫を推薦した者を将軍に就けるなど到底マトモとは思えない。
しかも、一度マケドニア征伐を勅を出しておきながら、それを一度前将軍の時には撤回した。
それではアカネイアの国威を悪戯に損ねるだけ。
マケドニアはアカネイアから手を差し伸べられ、その手を頼り救われたのだ。
にも関わらず、マケドニアは態度を一変させた。
マケドニア
我等は王の勅を遂行する為に協力しているだけ。それを反逆と言われるのであれば
是非もない。
彼は自身に従う者を集め、檄を飛ばし鼓舞した。
そして、国王の命を奪わんと兵を挙げる。
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騎士団側は予想外の反撃に少なくない犠牲を出し、相手は王族である事から槍を付ける事を誰もが忌避した。
結果、廷臣達をも殺し国王にその刃を届かせた。
その場に居合わせた寵姫もまた例外になく、パレスは血に彩られる。
しかし、国王を弑された事で騎士団は相手が王族であろうと容赦を捨て
結果、パレス内で血に塗れなかったのは文官達のみとなった。
これは王子や王女達もアカネイアの政を司る彼等を排してアカネイアを動かせる自信が無かった為。
実際に国王に刃を向けた第二王子。それ以外は当初、積極的に動く事はなかったが、それもパレス内で騒ぎが起きた事で第二王子に加担する動きを見せた事で俄に便乗する動きを見せた。
アカネイアの中心たるアカネイア・パレス。
その中で起きた反逆。
騎士団の対応は遅れ、国王は殺され、将軍を始めとした騎士団の指揮官クラスの者は過去類を見ない状況に戸惑い
騎士達は血に酔いしれた。
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騒動が収束したと判断された時には、既にパレス内においてアカネイアの王族は無く
国王や王子達はヴァルハラへ旅立ち、王女達もまた処分されねばならなくなった。
しかし、幸運にも難を逃れた王族がいた。
ラングの元に身を寄せていたニーナ。
彼女は政よりも寵姫を重んじる様な国王に意見をし、その結果遠ざけられた。
パレスを離れ、一時的にアドリア伯領へ滞在している。
当然ながら、今回の騒動と無関係であろう。
⋯まぁアドリア伯については怪しむべき人物であると思われてはいたが。
今回の騒動、⋯⋯いや内乱により王家の血は一気にその数を減らした。
となれば、『アカネイア唯一の王族』としてニーナを戴かねばならない。
そうでなければ、偉大なる建国王アドラ一世から続く尊き血筋は絶えるのだから。
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ラングから話を聞いたニーナであったが、彼女は王位継承に前向きではなかった。
彼女は知っているのだ。
『アルテミスのさだめ』を
そこに至るまでの経緯は異なれど、結果として王女1人に王家の存続がかかっているのは変わりない。
⋯それに彼女は先王の勅であるマケドニア征伐に賛同しかねるのだから尚更。
さりとて、アカネイアの国体を維持する為にはニーナ以外に適任者は居らず、暫くの間パレスとアドリア伯領を使者が行き来する事となる。
なお、この動きに苛立つ者がおり
その者の動きが更なる混乱の呼び水となる。
エリスルート完結記念の外伝
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いらない
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そろそろリンダルート書いて、どうぞ?
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そんなことよりチキを出せ
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