汚泥の中で 作:アカネイアの雑兵
まぁ
王国を護る盾であり、外敵を倒す為の槍たる騎士団。
だが、長きにわたる平和は彼等の意識を殺すには充分らしい。
王命を受け、不穏分子となり得る王子や王女。そしてその側に侍る者を始末せんと動き出した。
だが、予期せぬ反撃や頑強な抵抗を受けた騎士団。
聖域⋯否、神域にも等しいパレス内における戦闘。そして抵抗する側は室内戦において、剣を使った。一方、制圧すべく動いた者達は『室内において取り扱いの難しい』槍を所持しており、障害物等を巧みに使った相手に苦戦を強いられる。
相手は大逆の覚悟を決めた者達であり、技量はともかくとして戦意は高い。
何せ自分達を殺すという王命が下されたのだ。
最早生きる道は残されていない。
更に騎士団の中に、王子側に通じる者がおり、結果として騎士団は予想外の被害を受けていた。
本来、この様な場所こそアストリア率いる歩兵隊の得意とするところであり、アカネイア騎士の活躍の場は無かった。
しかし、彼等は『傭兵上がり』のアストリアや騎士でもない兵をパレス内に入れる事を良しとせず、将軍もまたその判断を否定しない。
アカネイアにおいて、貴族や騎士とは特権階級であり、平民や傭兵と同列に扱われる事を厭う。
そういう意味においてならば、ジョルジュやミディアは非凡な人物と言えるだろう。
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さて、目を覆わんばかりの被害と犠牲を出し、その上国王陛下の命をも奪われると言う失態を犯した騎士団。
当然ながら、騎士団のトップである将軍は苦しい立場に追いやられた。
更に凶報が彼の元に届く。
王家の血を守る為、ニーナ王女を王位に就ける。
これはアカネイア王国の存続と正統性を守る為に選択肢などない。
しかし、ニーナ王女はマケドニア征伐やカダイン誅伐に対して否定的との話も聞こえていた。
これは彼女を匿っていたアドリア伯やアドリア伯の属する派閥がそうであった為。
となれば、マケドニア征伐やカダイン誅伐に拘泥している自身と目指す場所がまるで異なる可能性は、高い。
今はまだアドリア伯の領地にあり、王位継承について話し合いを重ねている。
⋯今ならば、まだ
男の内にそんな声が聞こえた気がした。
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アカネイアの惨劇
後世からはそう呼ばれる事になる内乱。
これは隣国であるオレルアンも直ぐに知る事となり
「⋯兄上。
いえ、公。これは本当なのでしょうか?」
「⋯信じたくないが事実だ。」
オレルアンでは信じ難い
⋯いや、あってはならぬ事が起きた事により、オレルアン公も公の弟であるハーディンも遠い目をしながら、重い溜息をつくだけだった。
パレス付近の街に人を置いていたオレルアン。
故に今回の騒動について、オレルアン公は真っ先に知る事が出来た。
元々はこんな事をして無かったが、余りにもアカネイアにおける変化が著しく、読み難い。
その変化の影響を最も受けるであろうオレルアンからすれば、寧ろ当然の判断と言える。
パレスに人を置くとなれば、面倒事を持ち込まれないとも限らない。
その為、オレルアン公はアカネイアにこの事を伝えるつもりは毛頭なかった。
たった一年足らずで騎士団の長が三度も変わる国を信じるのは危険でしかなかったのだから。
人の口に戸は建てられぬ、とはよく言ったもので
パレスの混乱について、既に街へ噂程度のものではあるが届いていた。
「詳細な報告は今しばらく待たねばならぬが。」
「⋯それにしても、酷いものですな。」
ハーディンは最大限アカネイアに配慮した言い方を選んでなお、酷いとしか言えなかった。
今までもアカネイアに振り回されてきたが、それすら生温いと思えるなど
思いたくもなかったものだ。
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「⋯国王陛下も将軍も騎士団も役立たずよな。」
意図せず、次期国王を預かってしまったラングは自室で不満を口にする。
いっその事、総本山も焼き払ってくれれば面倒事も減ったであろうに。
「⋯ニーナ様の戴冠式。
上手くは行かぬであろうな。」
アカネイアにおける戴冠式には諸々のしきたりがある。
その中で、次期国王に王冠を授ける行為。それは『アカネイア最高司祭』の役目。
しかし、その役職は未だに空席。
これはカダインのミロア司祭がその地位を返上して、総本山においてその地位に就こうとする者達による権力抗争が起きているが故。
最高司祭が居なければ、戴冠式は行われまい。
それはつまるところ、王国に対する総本山の影響力が増す事に他ならぬ。
各地の教会にいる神父やシスターであれば、まだ認められよう。
彼等、彼女達は確かに民に寄り添っているのだから。
だが、総本山の司祭共はそうではない。
裏からカダイン誅伐の後押しをしたのは状況を考えるに明白。
仮にニーナ様が滞りなく王位に就いたとしても、必ず総本山の連中は事あるごとに口を出そうとするだろう。
それにニーナ様も今回の一件でアカネイア王家の者であろうと、容易く命を奪われる事が分かっただろう。
ましてや、ニーナ様に付けられていた者達は彼女がパレスを離れる時、皆離れている。
勿論、ニーナ様が王位に就けば素知らぬ顔で廷臣として振る舞おうとするだろうが
間違いなくご不快に思われよう。
更に今回醜態を晒した将軍と騎士団。
それに対してニーナ様が良い感情を持てる筈もなく、またマケドニア征伐やカダイン誅伐の為に選ばれた将軍は何としてもカダイン誅伐を強行しようとするだろう。
「溝が埋まらぬわ、この様な有り様では。」
一応、騎士団の若手に今の状況を不安視している者もいると聞く。
⋯しかし
「若過ぎる。正論で人は動かぬと言うに。」
理想論を説いたところで、それに至る道筋を示さねば意味がない。
変革を望むのであれば、周囲を巻き込んで大きな流れにする他にないのだ。
だが、貴族としての生き方を外れた者に賛同する者は少ない。
名声こそあれど、実績はそこまでのものでもなく
頼るべき家との関係はすこぶる悪いときた。
「何故、こんな事を気にせねばならんのやら。」
自分は周囲と上手くやりながら、狡賢くやるのが性分だと言うに。
アドリア伯ラングの苦悩は続く。
なお、ニーナから「パレスで支えては貰えませんか?」と言われ、筆舌に尽くしがたい感情に支配されかけたとか何とか
なお海の向こうでは
「⋯勝手に壊れたのう。」
「崩れ方も酷いもので。」
と呆れ返っていた者が多数いた模様。
これからニーナやランクは血を吐きそうになりながら、頑張って貰います。
⋯生き残れるかは、保証しませんが
エリスルート完結記念の外伝
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いらない
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そろそろリンダルート書いて、どうぞ?
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そんなことよりチキを出せ
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