SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について   作:種再燃祭

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今夜も深夜アップです。
まあ、予告通りと言いますかサブタイ通りと言いますか……

とりあえず、いつも以上に挿絵マシマシでお送りしますw






第77話 再会のオーブ ~人形から人間に変化した少女にとり、その再邂逅は何を意味するのだろう?~ 【挿絵入り】

 

 

 

 ザフト側の”ミネルバ”のクルーもパイロットもモビルスーツも揃ったようなので、視点を再びオーブに戻したいと思う。

 C.E.73年9月某日、リデラード・トラドールは、”南アフリカ統一機構”名義のパスポートを用いてオーブへと入国していた。

 ”南アフリカ統一機構”は政治的には大西洋連邦寄りで、入手難易度が低い割には入出国ガードの固いオーブへの渡航申請がおりやすいという判断からだった。

 実際、観光目的で同地にあるオーブ領事館に申請を出したら、すんなり通った事にリデラードは拍子抜けしたくらいだ。

 この観光申請が通らなければ、『別人の学術短期留学の申請』も用意していたのだが、それも無駄になってしまったようだ。

 

「それにしても、”常夏の国オーブ”って言うだけあって、ホントに相変わらず暑いわねぇ……もう9月、しかもまだ朝だってのに」

 

 ※ちなみにオーブの年間平均気温は25℃前後で、ほぼ1年中変わらない。

 

 

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(さて、どこから調査したものかな……)

 

 リデラード・トラドールがオーブへ潜入した理由、それは遺伝子的特性から見る職業適性診断(DNAワーク・イコライジング)の調査、その実情を現地で探るためだった。

 まあ、こうして現地であるオーブにまで来れたのは、姉のお節介のせいでもあるのだが……

 何しろ姉、イングリット・トラドールは……

 

 

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『リッちゃん、世界は会いたい誰かを探し出すには広すぎる場所だけど、偶然を期待できる程度には狭い場所だってお姉ちゃんは思うんだ。だって私もオルフェと出会えたから、ね?』

 

 という言葉と共に送り出してくれたのだから。

 ただ、トラドールにはその意図はどうも完全には伝わってなかったらしく、

 

(お姉のアレ、どんな意味だったんだろ?)

 

 ま、まあトラドールにしたところで恋愛初心者というか……まだまだ情操が始まったばかりと言いますか。

 

(とりあえず、国立図書館辺りから探ってみますか)

 

 ついでに諜報員としても初心者だ。

 何というか、割と行き当たりばったりな感じがしないでもない。これも”アコード”の能力ごり押しで、ある程度は何でも何とかなってしまっていた弊害だろうか?

 とりあえず、基本的な方針と大雑把な予定を立てながら街を歩いていると……

 

 

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「へっ……? もしかしてリデラード、なのか?」

 

 いきなりのエンカウントである。

 もしかして”運命の神様”とやらのイタズラだろうか?

 

 

【挿絵表示】

「ふえっ!? ちょ、噓っ!? シン!? どうして居るのぉっ!?」

 

「どうしてって……今日、公休日だし。普通にオーブに住んでるし。暇だから街をぶらついていたんだけど?」

 

 どうやら本日はマユは忙しいようだ。

 

「そ、そうなんだ……そうだよね。あの、まだ私のこと覚えていたんだね?」

 

「当然だろ」

 

 当たり前のようにそう返してくるシンの何気ない仕草が記憶の中の彼と変わって無くて、それが何だか嬉しくて……

 

「久しぶりだなぁ~。2年ぶりくらいだっけ? ところでリデラードこそ、どうしてオーブにいるんだ? たしか外国人だったよな? またラクスさんのコンサート……ってそりゃないか。そういう予定ないし、なんか近々プラントにツアー行くとかって話だし」

 

「あっ、うん。今回は観光ってよりお仕事っていうか……オーブの政策調査?」

 

「はぁ? そういえば、リデラードって眼鏡してたっけ?」

 

 シン、何気に記憶力が良い。

 あと細かい変化に気づくのは何のとは言わないが、ポイント高いらしいぞ?

 

「あっ、これは……学術調査だから、雰囲気作り?」

 

「なんだそりゃ?」

 

 そう苦笑するシンに、リデラードは心の底でポッと火が灯ったような暑さとは違う暖かさを感じていた。

 

「う~ん……立ち話もなんだし、リデラードは朝飯食ったか?」

 

「えっ? いや、まだだけど……」

 

「んじゃあ、俺の行きつけのカフェに行かね? 再会記念ってことでオゴるぜ」

 

 

 

 

 

⌚⌚⌚

 

 

 

 

 

(えっ? 噓? これまるでデートじゃん! いや、でもあそこで頷いた私、悪くないよね?)

 

 そう、つい頷いてしまったリデラードは、シンに言われるままに近所に止めていたらしいクルーザータイプの大型バイクにタンデム乗り、要するに背中からシンに抱きつくような体制で、そのまま海沿いの市街地へ向かうことになったのだ。

 さて、着いたのは毎度おなじみの……

 

 

【挿絵表示】

「いらっしゃいませー♪」

 

 何となく最近、”アロウズ(ARROWS)”のパイロットご用達になりつつある気がするお店、Cafe”Southern Cross(サザンクロス)である。

 

「エミリアさん、ちょっと奥のボックスシート借りたいんですけど、いいですか?」

 

「いいわよ♪」

 

 などと店長のエミリア・クルゼーロの許可を取りつつ、リデラードを連れて奥の席に陣取るシンだった。

 そして、リデラードの事情を聞くに……

 

「ああ、公共職業安定所(フィットワーク)が提供してる”DNAワーク・イコライジング”かぁ~」

 

「そうなのよ。どっから調査の手を付けようかと思ってさぁ」

 

「多分、図書館とかにその手の資料はあると思うけど……俺たちにとってはあの適性診断ってもう当たり前になってるけど、他国じゃそうじゃないってことか」

 

 

【挿絵表示】

「当たり前じゃない! アレ、結構画期的な社会システムなのよ? 適材適所って人材に余裕がない国であればあるほど、死活問題になるんだから。あのね、私の国だと将来的に失業率とか結構、洒落にならないことになりそうなのよ……オーブ人のシンにはしっくりこないかもしれないけど、職にあぶれた人間が集まって貧民街(スラム)とかできるのが確実視されてるって言うと、深刻さが伝わるかな?」

 

「スラムって不法滞在者の巣窟とかって奴じゃないのか? ほら、違法な手段で入ってきて職につけなかった外国人が勝手に住みついた~みたいな」

 

 これもまたオーブ人らしい見解だった。

 かつての宗旨国であった日本、その衰退と滅亡を鮮明な記録として継承しているオーブは、不法滞在者を極端に嫌う傾向がある。

 あくまでも「お客様」である旅行者なら、滞在期間が有効な限り「お客様」としてもてなしもする。

 国が許可した移民・難民ならオーブの法と秩序、価値観を遵守する限りは、国民として受け入れることも吝かではない。

 しかし、誰の許可も得ずに国土に住みつくのであれば、あるいは許可した期間を過ぎて居座るのであれば、それは違法であり即座に「犯罪者」として判定されるのがオーブだった。

 オーブは国の法と目が届かない場所が国内にあることを、決して許しはしない。必要であれば、如何なる強硬手段を躊躇いなく使うのもまたオーブである。

 『優先すべきは自国民の生命と財産』、これは建国以来首尾一貫していた。

 かつての宗旨国の衰退の一因が、『自国民より外国人を優先した売国政治家の暴挙』であることをオーブなら義務教育で叩き込まれる。

 故に国家国民に対する『裏切り・背信行為』の罪は極めて重くなる。

 

「やっぱり恵まれてるね、この国は。自国民だって貧困層が増えれば、簡単にスラムはできるよ? そして、自国民だろうが外国人だろうがスラムは犯罪の温床になる。国の法と目が届かないところからスラムはでき始めるんだから当然だね。そして、国の経済が悪化すれば貧困層は増えてスラムは拡大し、治安は悪化の一途を辿る……悪循環だよ。そうなれば、国はどこかの時点で治安悪化を食い止めるために強硬手段にでざるえなくなるんだ」

 

 原作劇場版の『スラム街でのナチュラルと思わしき逃げる住民に治安部隊が発砲し射殺する』シーンは、あの場面だけ見れば『ファウンデーション王国のナチュラルに対する非道』だと見えるかもしれない。

 だが、視点を変えて、もしあれが『国外退去処分を命じられたのに従わない不法居住者の取り締まり現場』で、『あのシーンは治安部隊の捕縛から逃亡を図る者達への発砲』と考えたらどうだろうか?

 実際、その後に逮捕・連行のシーンがあるが、あれらの罪状は作中では明かされない。

 

 無論、『そんな末期的な状況』になってしまったこと自体、貧富の格差を是正できなかったこと自体が国の失策であることは間違いないのだが。

 

 

 

「シン、”自国民によるスラム化”を防ぐには、0にすることは無理でも『スラムを作られない程度まで貧困層を減らす』のが最も有効策なのよ。だけど、”今の方針”だと職にあぶれる者が増える……『無能なナチュラルは皆殺しにしてしまえ』なんてコーディネイターだって珍しくない世の中だから、こう色々難しいんだよ」

 

「国民が飢えない程度の雇用の創出は、国家の義務じゃないのか?」

 

 ごもっともなシンの意見だが、

 

「それは国民の三大義務、『教育の義務、勤労の義務、納税の義務』が徹底されている国だから言えることだよ。世界の多くの国や地域でそこまで手が回ってないのが現実ね」

 

「なあ……リデラードって前はモビルスーツのパイロットって言ってなかったか?」

 

「それも間違ってないし、今でもそのつもりなんだけど……」

 

 リデラードは困ったように笑い、

 

「人手不足なのよ。だから今は『官僚の真似事』みたいなこともしてるの」

 

 厳密には官僚ではなく、”閣僚”だが。

 

「そういうもんなのか……良かったら俺、手伝おうか?」

 

「えっ!? いいの?」

 

「さっきも言ったけど、暇してるからいいよ」

 

 

【挿絵表示】

「やった♪」

 

 本当にリデラードは嬉しそうに微笑んだ。

 それがどんな感情の発露なのか、彼女自身にもよくわかっていなかったのだが。

 

「ところでさ、リデラード」

 

「なに?」

 

「話は変わるけど、その分厚いワーカーズジャケットか? それ、暑くね?」

 

「あー、うん。まあね。でも国からこんな感じのしか持ってきてないのよ。なら、」

 

 リデラードは何か「いいこと思いついた♪」みたいな表情になり、

 

「せっかくだから、シンが私に似合う”オーブファッション”選んでくれるとかって……なんてどうかな?」

 

 最後はつい小声になってしまうリデラードだったが、

 

「いいぞ」

 

「いや、そのちょっと言ってみただけでさ」

 

 何か誤魔化し始めたが……

 

「だから、俺でよければ別にいいぞ?」

 

 だが、シンには通用しなかった。

 

「ほ、ホントに?」

 

「ああ。妹の買い物によく付き合わされてるし、荷物持ちなら慣れてるぞ」

 

 どうやら唐突にデートイベントが始まったようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




リデラード、無事にシンと再会(挨拶

という訳で、前作60話のラストより約2年早い再会、結果としてミスリードになってしまいましたw

もしかして、前作よりリデラード幸運値が上がっているのかも?
まあ、姉のアシスト&サポートはありましたが、割と自分の行動で勝ち取ってるような気も……
まあ、ロマンチックさやドラマチックさは減ってしまった気もしますが、早めに再会できたのはリデラード的にはよかったのfではないかなぁ~と。
とりあえずどうやら数話、このリデラードとシンの再会は続くみたいですよ?
皆様、砂糖を吐く準備はよろしいか?

そして、隠しテーマとしては「リデラードの成長」でしょうかねぇ~。
まあ、シンを目の前にすると妙にリデラードが可愛くなってしまうのはご愛敬でw

次回は今回のラストに記したようにデートイベントみたいですよ?

次回もどうかよろしくお願いします。
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