SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について   作:種再燃祭

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そして定期の深夜アップ。
今回は、”議長閣下”よりコノエさんが無茶ぶりされる話ですw

後は”次の戦場”の決定かな?







第93話 嗚呼、上司に命じられれば嫌と言えない宮仕えの哀しさよ ~ザフトだろうと所詮は官僚組織に過ぎないという現実~ 【挿絵入り】

 

 

 

 その時、立場的に許されるなら”ミネルバ”艦長のアレクセイ・コノエは頭を抱えたくなった。

 

「まいったね……まさか、デュランダル議長閣下直々の”()()”が下ると思わなかったよ」

 

 さて、ここで大いに原作との乖離が発生していた。

 まず、状況の違いからだ。現時点での”アーモリーワン”の被害状況は、

 ・カオス、アビス、ガイアが収められていた第6ハンガーで大量の昏倒者が発見された。ただし、症状的には『ただ寝ていただけ』。後遺症もなく、睡眠ガス使用の可能性が疑われるが、現在のところ痕跡は発見されていない。

 ・”アーモリーワン”の中心部にほど近い極小重力領域付近で『コロニーの外壁に”モビルスーツが通れるサイズ”の溶断跡』が発見される。

 ・”アーモリーワン”の港湾ブロックが謎のモビルスーツ×3機に襲撃され、収納されていた艦船ごとブロックが壊滅し、軍港機能を喪失する。

 ・その後に”ネモ・ロアノーク”を名乗る人物から『今回の一件は”プリベンターズ”というPMCによる破壊工作』だという事が告げられる。

 ・カオス、アビス、ガイアの所在は不明。おそらく”プリベンターズ”に強奪されたと推察。

 ・大慌てで定期パトロールから戻ってきた”アーモリーワン”付警備艦隊が機雷と艦砲射撃で壊滅する。

 

 よく見て欲しいのだが、実は港湾ブロックとそこの停泊艦、あとパトロール艦隊の壊滅的被害を除けば、内部で大暴れされた原作よりも”アーモリーワン”の受けたダメージは断然小さいのだ。

 また、最も損傷を受けた宇宙港のある中央継ぎ目部分だが、ここが構造的弱点となることはプラントとて百も承知なので、戦後に建造された軍事コロニーである”アーモリーワン”は、将来的なコロニー雛形として試験的にフェイズシフト素材を大々的に構造材に使っていた。(おそらく”ジェネシス”の建造経験が大きく活かされたのだろう)

 本当に使っていたのは装甲板などではなく構造材だったので、停泊観戦や指令所は甚大な被害を受け軍港機能は喪失したが、構造材はよく耐えてあれだけの内部爆発があってもコロニー自体が崩壊するような危険性は皆無であった。

 そして現在は復旧のめどは立ってないが、中長期的に見れば十分に港湾ブロックの再建可能という試算も出ていた。

 

 そして、この程度の被害状況では『デュランダル議長が”ミネルバ”に避難する』という理由にはならない。

 むしろ、『”ネオ・ノーティラス”を僭称する不明艦、反応ロスト。アーモリーワン周辺宙域から離脱した模様』という結論が出た今となっては、”アーモリーワン”司令部の方がよっぽど安全だろう。

 

 そもそも、原作デュランダルはタリアが艦長をやってるのがわかっていたからこそ、”ミネルバ”に避難した可能性がある。

 そして、この世界線の”ミネルバ”の艦長はむさいオッサン……失礼。アレクセイ・コノエだ。

 

 いや、もっと根本的な事を言えば、現在のプラント最高評議長”ギルバート・デュランダル”は、タリアに執着する……というより、そもそも面識があるのか疑問だ。

 何しろ、この世界線の『かつてギルバート・デュランダルと呼ばれて()()男』は、別れ話の直後に「去り際ロマンティクス(物理)」をタリアに喰らって絞め墜とされ、オーブまで拉致されたのだ。

 そして今は『オーブ国立遺伝子工学研究所所属の博士、ギルバート・()()()()()となって平穏の生活をおくっていた。

 そう、タリアと無事にオーブで結婚して、色々吹っ切れたのかライフワークとなってる遺伝子研究で成果を出し、更には「遺伝的な相性が悪い。タリアとの間におそらく子供はできない」とプラントでの判断に中指を立てるように子作りにも励み、一人息子の”ウィリアム君”まで授かった。

 

 ならば、『プラントのギルバートは何者なのだ?』となるが、おそらく間違いなく答えを知ってるのはこの女(アウラ)だ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、そんな『デュランダルが乗り込んでこない”ミネルバ”』に下ったデュランダル直々の命令とは……

 

「このまま”ネオ・ノーティラス”の追撃に参加しろ、ですか? まだお披露目、”進宙式”も済ませてないのに無茶苦茶だ……」

 

 そう苦言を垂れるのは”ミネルバ”の艦載モビルスーツ隊、正確には『インパルス・システム実働試験小隊』隊長のアスラン・ザラだった。

 

「まあ、その通りなのだけどね。”アーモリーワン”の直属の3個艦隊9隻が事実上全滅して、プラント本国から即応で出せるのが長距離哨戒任務中の1個艦隊(3隻)だけだというのだから、如何ともしがたいだろ?」

 

 襲撃者たちの実力を考えれば、まるでそれは『返り討ちにしてください』と言ってるようにも聞こえる小戦力だった。

 

「今になって、”ユニウス条約”の軍縮が響いてきますね。いざという時、戦力不足か……」

 

 

【挿絵表示】

「まあ、軍隊……もとい。ザフトなんていっつもそんなものですよ? 肝心な時に肝心な物がないなんてのは、日常茶飯事です」

 

 多分、マヨイにこのセリフを言わせているのは、先の大戦の経験だろう。

 

「それに気になるのは、情報更新の度に出てくる熱紋反応です。いえ、加速するのにスラスター推力を上げているのはわかるんですが……」

 

 そう意見するメイリンに迷いながら、

 

「メイリンちゃん、そんなのわざと”足跡”を残して『追ってこい』って誘ってるに決まってるじゃないですかぁ。敵さん、”プリベンターズ”でしたっけ?の目的って、ザフトを引っ搔き回す……まあ、現状の対応力や最新兵力の把握みたいですし」

 

 そう言い切るマヨイに、

 

「……マヨイさん、断言するその根拠は何です?」

 

 もし「勘です!」と言われたら、アスランは一言ならず返すつもりだったが、

 

「アスランさん、あそこまで用意周到な準備をして、港にパトロール艦隊と手早く即応の追手となる部隊を念入りに殺した連中ですよ? もし、『モビルスーツの強奪』だけが目的なら、サイレントランをかましてそのまま行方をくらませてますって。連中が本当にPMCなら多分、『商材である強奪モビルスーツの確保と受け取り手への引き渡し』が最優先となりますからそれが正解でしょう」

 

 マヨイはニヤリと笑い、

 

 

【挿絵表示】

「ですが、もしアスランさんの言う通り”ネモ・ロアノーク”と”ムウ・ラ・フラガ”が同一人物だとして、大西洋連邦ないし地球連合の別動隊として動いているのなら……熱紋残しは意図的。その目的は、『即応を潰した後の対応力(フォロー)の確認』が一番妥当でしょう。要するに、伝統的な()()()()って奴ですよ。今回のやり口は少々荒っぽいですが、手段としては西暦時代からよく使われたありふれた物です。『正規軍以外の武力勢力を使う』事も含めてね」

 

 本当にマヨイ・バグジーという女は歴戦、「戦場からの”命がけの学び”を活かせる女」なのだ。

 マヨイの本質的な恐ろしさは、コーディネイターでありながら「一切、ナチュラルを侮らない」ところだ。

 先の大戦で「”アークエンジェル”と遭遇した恐怖体験」、その場で失禁するほどの恐怖(ちなみにその時にコノエにさり気なくフォローされて包容力という大人の魅力にやられたとも……)がその源泉となっているかもしれないが……

 よく、コーディネイターは「コーディネイターの始祖とされるジョージ・グレン誕生以前の歴史に興味はない。無価値と考えている」とされ、それが強ち間違いでもないのが現実だが、マヨイは戦後、可能な限りの戦史資料を集めて学んだのだ。

 人類史とはまさに「戦いの歴史」であり、「戦争は政治の一形態」である以上、逆説的に戦争の背景を探れば政治も見えてくる。

 そしてマヨイは、コーディネイターとしての優秀さを、操舵技術に加えてこの学習にも活かされた。

 

「付け加えるのなら、『最新鋭モビルスーツ強奪の意図』はザフトが機密にしている軍事先端軍事技術力の解析と把握。必要なら対抗策を練るためにですね。後は今回の騒ぎの幕引きをどうするかによって政治的対応力、言ってしまえば議長や最高評議会の政治能力を見るってのも入っていそうな気はしますね」

 

「なるほど……ならばその解釈を加味して、今後の動きと作戦を考えましょう」

 

 アスランは自分が”FAITH”であることと支払われたサラリーを忘れていない。

 だからこそ、”ミネルバ”の意思決定を司る一人として真剣に方針を考える。

 アーサー? 彼は成長途上で、今は未来の艦長となるべく学ぶ時期だ。

 

「いずれにせよ議長直々の命令ともなれば、拒否する訳にもいかんからな。では、粛々と出航、いや……」

 

 コノエは制帽をかぶり直し、

 

「”出撃”準備をするとしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

「さてさて、果たしてどんな愉快な”猟犬”が来るかな?」

 

 サングラスを外して愉悦を隠そうともしないネモに、

 

 

【挿絵表示】

「ネモ、流石に不謹慎ですよ?」

 

 そう苦言を呈する同じくサングラス無しVerのナディア。いや、まあ、この二人の素顔はどう見ても……

 

「そうかい? いいじゃないの。このミッションが終わるまでは俺達はただの宇宙海ぞ……わかったわかったPMCな」

 

 ナディアに一睨みされて慌てて訂正するネモである。

 

「もう……”()()()()()”、装うのも演じるのも任務に必要なので止めはしませんが、”大西洋連邦軍人の本分”だけは忘れないでくださいよ?」

 

「わかってるさ、”()()()”。誓ってお前を悲しませるような真似はしないって」

 

「……そうであるなら良いです。ところで、どこで迎え討つつもりですか?」

 

「んー? この近所に丁度良いデブリ帯があっただろう? 先の大戦で出来た新鮮な奴が」

 

「ああ、”ジェネシス”の砲撃で全滅したユーラシア連邦と東アジア共和国の連合艦隊の残骸が集まったあそこですか」

 

 そう、あの戦いから2年……原作では”ヘリオポリス”の成れの果てだったが、この世界線では”ヘリオポリス”は宇宙要塞化され未だにオーブの宇宙拠点として健在。

 故に”ネオ・ノーティラス”が舳先を向けるべきは、”ジェネシス”の2度にわたるガンマ線レーザー砲撃で壊滅したユーラシア連邦と東アジア共和国の宇宙艦隊の成れの果てがヤキン・ドゥーエが自爆した時に剝離した思われる岩塊(小惑星)の周辺に集まり、新たなデブリゾーンを形成している宙域だ。何やらデブリ帯の出来方と素材にとても皮肉を感じる。

 

「あの辺りは馴染みがあるだろ?」

 

「そうですね。悪くはない迎撃計画だと思います。デブリ帯なら、ザフトの現行モビルスーツの性能や宙間戦闘能力も判別しやすいでしょう」

 

 こうして、次なる戦いの予定は決まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




実は全登場ザフトキャラで、一番議長に向いてるのはマヨイな気がしてきた……(挨拶

いや、何というか「コーディネイターらしからぬ深く考える慎重さがあり、能力への過信はせず、相手を侮らない」辺りが。次点でコノエさんw
ただマヨイちゃんの当面の目標って、「コノエ艦長に嫁入りして寿退役」なので、政治家ルートはないかなぁ?

まあ、とりあえず『ネオ・ノーティラスを僭称する敵性不明艦に対する追撃命令』は発令されたようです。
ええ、議長直々に。
どうもこのデュランダルって、レイやアスランには思うところありますが、原作と違って”ミネルバ”に特別な思い入れは無さそう。
むしろコノエやマヨイとは合わないというか、むしろ「煙たい存在だけど、これ以上の適任が居ないので手駒に使えるなら可」とかロクでもない事思っていそうなんですよね~。

あとやっぱり、この世界線でも”デブリゾーン・ファイト”は起きそうです。
まあ、”ヘリオポリス”の残骸でできた暗礁宙域じゃない分、まだ原作よりマシ?

さて次回は……バトルの準備回かな?

次回もどうかよろしくお願いします。
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