バンビーズみんなのバスターでバインバインしたかっただけなのに 作:カナダ次元
アニメ「千年血戦篇-禍進譚」#45の重大なネタバレがあります。視聴がまだという方はどうかそれを考慮した上で御清覧下さい
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実にくだらない結末さ
すべてが、終わった。
しかし黒崎一護と朽木ルキアの二人のみを残した王の座にて、その訪れた悲痛なる静寂を破るのにはそう時間はかからなかった。
「―――――成程、のぅ」
「こう成ったか」
その男。兵主部一兵衛が王の座へ現れるまでは。
「和尚!」
「・・・お、和尚殿」
男の出現により黒崎一護と朽木ルキアの瞳に希望の光が一筋宿る。彼は全ての死神の頭目として君臨する存在。未知数の"叡知"を有するかの存在であれば、たった今目の前で消えてしまった
しかし男の次の行動にて、それは永遠に潰えた。
「え・・・」
朽木ルキアの胸を今も貫く滅却師の王の剣。その柄を兵主部一兵衛が握るとその青く光り輝く剣は瞬く間に黒く染まり、やがてその黒は朽木ルキアの全身を浸食する。
「ぐ、ぐああああああああああ!!!!!」
尸魂界一の美しさを誇るその卍解、白霞罸。その白き姿が黒に染まり、朽木ルキアは苦痛の悲鳴を上げた。
「な、なにしてんだ和尚!?ルキアが――!」
「情は不要」
「なっ・・・!!」
「こやつは霊王と成る身。このぐらいで動揺していては世話はないぞ?」
「何を言って・・・」
「・・・ああ、今のはおんしに向けた言葉ではないぞ、一護」
「このような状況に至ったにも関わらず己の立場を今一つ理解しようとしない愚か者共に対してじゃ」
「理解してるからって言って気に入らねぇモノは気に入らねェんだよ」
零番隊第一官。東方神将、麒麟寺天示郎。
「あたしは理解はしてるつもりだけどねぇ」
零番隊第二官。南方神将、曳舟桐生。
「理解と納得とは別物ってこと
零番隊第三官。西方神将、二枚屋王悦。
「誠
零番隊第四官。北方神将、修多羅千手丸。
王の居ない王座の間に、王属特務の五人が全員ここに揃った。そしてここにきて黒崎一護はようやく理解する。彼らは自分達を助けに来たのではない。まったく別の思惑によりここへ来たのだと。
「あ・・・」
背後に響いていた朽木ルキアの悲鳴がその吐かれた吐息を最後にようやく止んだ。彼女の着物が全て黒の色へと塗り替えられ、その成就をもって彼女の瞳もその光を失った。
「うむ、一先ずはこれで十分じゃろ」
同じく黒に染まった滅却師の王の剣を兵主部一兵衛は朽木ルキアの体から抜く。抵抗もなくするりと引き抜かれた剣の切っ先は、今度は黒崎一護へと向けられた。
「・・・・・・なんでだよ」
「どうして―――」
もう助からない。すべては無意味。それを黒崎一護は理解していながらも、彼は一時は師と仰いだその人物へと己の疑問を投げつけざるを得なかった。
「おんしへの、せめてもの手向けじゃよ」
「朽木ルキアはおんしにとっての全ての始まり」
「ならばその力をもって終わらせてやるのが、わしが与えられるせめてもの手向けじゃ」
黒の力によって朽木ルキアから引き抜かれた力は黒崎一護の胸へ突き刺さり、解放される。その絶対零度の力は瞬く間に黒崎一護の体を凍結させ、血鎖の一護を丸ごと氷の棺へと封じ込めた。
そう、まるで霊王アドナイェウスがかつて封じ込められていた、あの忌々しき水晶のように。
「・・・んで、これからどうするんだ?」
数分の沈黙を経て、己の恐るべき計画を完遂した死神の頭目へと最初に疑問を投げつけて来たのは麒麟寺天示郎だった。
「それについては散々言い聞かせておいたじゃろうに」
「霊王は世界の"鍵"じゃ。霊王無くば瀞霊廷も、現世も、
「新たなる霊王は、この状態ではまだ不安定だと?」
修多羅千手丸の質問に兵主部一兵衛はうなずく.
「今の状態はあくまで一人の死神の霊圧を利用して封じ込めただけじゃからのぅ。いくらかはユーハバッハとの戦いの中で覚醒したとはいえ、目はまだすべて開き切ってはおらん。ならばいくらか他の力を持ってこの霊王様に力を付けてもらえなければな」
「死神、滅却師、そして虚。おあつらえ向きのモノが今霊王宮に全部揃ってるっていう訳だ
二枚屋王悦の唇が愉悦に歪む。
「うむ。全員分の血盟の封印もわしがここに来る前に一時的に解いておいた。おんしらの"真打"の力も存分に振るうがよいぞ」
「全員分の封印解除とは、ほんとに大盤振る舞いだねぇ。ならばあたしの役目は、さしずめ「命の檻」を使って霊王宮にいる連中全員を閉じ込めろって所かい?」
曳舟桐生が確認を求め、それに兵主部一兵衛は是と返す。
「うむ。頼めるか、曳舟?」
「・・・・・・はぁ~、しょうがないね。どうやら例の「霊王の心臓」とやらが大多数の注目を集めてるみたいだし、ある程度のやりようはあるか。わかった。やってみるよ」
「だったら俺は檻の外を」
「そしてちゃんボクは檻の中を担当するって事でいいか
「うむ、任せるぞ。天示郎。王悦」
「妾は何とする?」
「うむ・・・千手丸は現世に向ってくれぬかのう?」
「――――成程。魂魄均衡矯正の為か」
「流石にこれ程大量の隊長格やそれに匹敵する輩がいなくなると、のう」
「重霊地にも多少犠牲になってもらうしかあるまいて」
「了承した」
そして指名を帯びた四神将たちはそれぞれの任務を遂行すべく王の座を去って行く。
一人残された兵主部一兵衛は、氷の中へと封印された黒崎一護を見る。
「―――平和とは、全てそういうものよ」
「のう、ユーハバッハ」
その問いに応えられる者は。
もう、いない。
「追手を全て皆殺し、か」
「素晴らしい力をお持ちのようだね」
「流石は
「・・・・・・また死神?」
「―――いや、あなたは・・・少し違う・・・?」
「そしてその眼が見えないにも関わらず、素晴らしい観察眼だ」
「だが今は私が誰かは重要ではない」
「私は貴女に、取引を持ち掛けに来たのだよ」
「・・・取引?」
「そうだ」
「君は―――」
ご清覧、ありがとうございました。これにて急遽執筆ざるを得なかった幕間は終了です。
いやだってしょうがないじゃないですか。あんなもの(45話)を見せられちゃったら。なんちゅうものを、なんちゅうものを師匠は見せつけてくれたんじゃ。そしてなんといってもね、この物語にもね、この世界線にもつながちゃったんですもの。あまりにも完璧に。だったらもう書くしかないよねってことで書き上げました。
えー、という訳で次回は本来予定していた幕間・・・だったんですけど、アニメの衝撃でちょっとまだ様子見したい気持ちもあるのでちょっとだけまだ遅れるかもしれません。本当にごめんなさい。アニメの次回の内容によってはすぐ投稿できるかもしれませんから!一応ちょっとの手直しで投稿できるまで仕上げてはいるから!でも逆に次回の内容によっては書き直す羽目になるかもだけど!嬉しい悲鳴とは本当にこういう事なのですね
ではまた次回に。やっぱりBLEACHって最高です。