ワイ『ダンボールは万の事に使いけり』 ミヤコ『流石です師匠』   作:\コメット/

1 / 21


実はエデン条約編よりもカルバノグの方が好きだったりする。




第一章 カルバノグとホームレス
01 かくして、兎達は浮浪者と出会う。


 

 

巨大学園都市キヴォトスにおいて、連邦生徒会が統治するD.U地区。

 

「ここがいいですね」

 

「ああ。モエ、周囲に人はいるか?」

 

「ちょい待ってね...ん、大丈夫。索敵してみたけど、一人もいないわ。元々人気無いし、丁度良さそう」

 

「ほ、他に怪しい物がないか見てくるね...」

 

その子ウサギ公園にて、ここをキャンプ地とする、と息巻いている少女達は、SRT特殊学園に在籍していた精鋭の一年生、通称RABBIT小隊。

学園を指揮をする連邦生徒会長の失踪により、学園は閉校。

彼女達はそれを撤回せよと訴えるべく、抗議デモを起こそうとこの地にやってきた。

 

「視界も開けているな、見張りもしやすいし籠城にはもってこいだ。ミヤコ、SRTから持ち出した装備一式はその辺に固めて置いておくぞ」

 

「私は通信系統の整備とケーブル周りの補強しよーっと。ドローンも幾つか飛ばして、警戒に当てとくから」

 

「お願いします」

 

小隊長、月雪ミヤコ。

ポイントマン、空井サキ。

オペレーター、風倉モエ。

スナイパー、霞沢ミユ。

以上四名がRABBIT小隊のメンバーであり、学園の閉校を望まないSRTの元生徒達だ。

 

「...やはり、食料が少々心許ないですか」

 

「ああ。デモのために装備は粗方持ち出せたが、その分荷物を圧迫したのが誤算だった。節約して一週間保てば、といったところだろうな」

 

「では、その期間内に成功させないとですね」

 

何をもって成功とするのか。

それは当然、SRT特殊学園の存続である。

各々、真っ直ぐな理由に不純な動機と考えは違えど閉校を撤回させたい気持ちは同じだ。

必ず目的を達成し、憩いの学舎に帰る。部隊間の仲はそれほど良好というわけではないにしろ、ある程度の団結力が彼女達にはあった。

 

「...なあ、ミヤコ」

 

しかし、サキには少し思うところがあるようで。

 

「学園ではおまえが隊長と決まっていたが、それは上が決めたことだ。いつまでそのつもりでいる気だ?」

 

「私はただ、自分の仕事を全うしようと...」

 

「いくら精鋭といえど、私たちがまともな任務をこなす前に学園は閉校した。成績や適正で決められた役割とはいえ、それを実践する前に、な」

 

「...」

 

「今回はおまえに任せる。だが、この作戦が失敗した暁には今一度、この小隊のリーダーを皆で話し合おうじゃないか」

 

「...いいでしょう、わかりました」

 

素直に自分がリーダーをしたいと言えばいいものを、と口にはしない。

失敗したらそれこそこの小隊はお終いでしょうに、とも言わない。

これ以上の関係の悪化は作戦に支障が出ると、ミヤコは判断したからだ。

 

「気を取り直して、サキは引き続き在庫確認をお願いします。私はミユの手伝いに」

 

 

 

「おいおまえ達!誰の許可を得てこんな物騒な物を置いてる!?ここは俺の縄張りだぞ!」

 

 

 

ギスギスした空気、戦前の緊張感、それらは第三者による怒声により霧散した。

 

「ま、待ってくださいいぃ...そっちへ行ってはダメです...っ!」

 

腰の引けたミユを気にすることなく、引き摺りながら声の主はドカドカとミヤコとサキに近づいてきた。

見たところ彼は少年であり、RABBIT小隊の面々と年はあまり変わらなさそうだ。

 

「お、おまえどこから入ってきた!?」

 

「は?元々ここが俺の家なんだから入ったもクソも無いだろ」

 

「おいモエ不審者が入ってきたんだが!?本当に索敵したのか!」

 

「したに決まってるっしょ!私の仕事疑うの...ってちょい待って。あー...ちょうど私らのシグナルと重なってたっぽい。そりゃ気づかないわ」

 

つまりこの男は言葉通り、ミヤコ達よりも前から公園に居座っていたことになる。

そういえば近くにあった簡易ハウスが目に留まり、まさか先住民がいたとはと頭を抱えるサキ。

 

「...いや待て。なぜ公園に住んでいる?」

 

「家が公園だからだ。あそこにある大層素敵なダンボールハウスが見えないか?何度も言わせるな堅物兎」

 

「かたぶ...っ!くっ、この際後回しだ。ということはおまえ、ホームレスだな!?」

 

「そうとも言う」

 

「なんで自信満々に胸を張るんですか」

 

ホームレス、直訳で家の無い人。

家どころか金も職も無い彼らは、側から見れば偏見や哀れみの目を向けられる存在だ。

街に、駅に、コンビニに、公園に、人気のない至る所で確認でき、その数はキヴォトスでも少なくない。

 

「俺は今の自分を誇りに思っている。当然だろう?」

 

「ダメだミヤコ。こいつアレだ、言葉は通じるが話を聞かないタイプの人種だ。放っておくぞ」

 

「待て。おまえ達、人様の敷地を無断で荒らしておいて、その上許可も取らずにこのまま占領するつもりか?あの家が見えないのか?」

 

「許可も何も、そんな権限ホームレスのおまえには無いだろ。邪魔だからあっちに行っておけ」

 

「天下のSRTの生徒が、一般市民をそんな邪険に扱うつもりか?」

 

「な...っ、なぜわかった!?」

 

「会話が丸聞こえだ馬鹿め。隠密は作戦行動の基本と教範で習わなかったのか?」

 

「誰が馬鹿だ!こ、こいつ次から次に癪に障ることを...!」

 

「───失礼しました」

 

「ミヤコ!?」

 

ぐぬぬと少年を睨むサキとは対照的に、ミヤコは彼に頭を下げた。

 

「まさかここがあなたの家とは思わず、拠点を置こうと先走ってしまいました」

 

(そりゃ...)

 

(思わない...)

 

(だろうな...)

 

上から順にモエ、ミユ、サキと、隊長以外のメンバーが揃って同じ顔をする。

 

「部隊をまとめる隊長として、この通りお詫び申し上げます」

 

「...」

 

「ですが、どうかこの場所を貸してはもらえませんか?どうしても、私たちは学園を閉校から守らなくてはならないのです。そのためにデモを行う場所が必要で...お願いします」

 

誠心誠意、少女は熱意を口にし少年を説得しようと試みる。

 

「いいだろう。俺は礼儀のなっているやつが好きだ。部下の非礼も、この際目を瞑ろう」

 

「ありがとうございます。ほら、サキも」

 

「な、なんで私まで...」

 

それに部下というわけでは、と口をもごもごするサキの頭を、強制的に下げさせる。

 

「(たかがホームレスだぞ!?なんだってこんな...)」

 

「(シッ、聞こえていたらまた面倒なことになります。SRT復校のためです、我慢してください)」

 

職無しとは思えない尊大な態度。

満足そうにうんうんと頷く少年の特徴を、改めて二人は分析する。

黒い髪、整った顔立ち。瞳はアメジスト色で背丈はミヤコの頭ひとつ分高い。

側から見れば好青年な彼が、何故ホームレスを?と疑問が湧くが、きっと重たい過去があるのだろう。

追求はまたのちにと、ミヤコは問いかけを控えて自己紹介に移る。

 

「SRT特殊学園RABBIT小隊所属、小隊長の月雪ミヤコです。よろしくお願いします」

 

高城(たかしろ)センだ。無職であり無一文だが憐れむ必要はない。名前も好きなように呼ぶといい」

 

「その馬鹿でかい態度はどうにかならないのか...空井サキだ。ポイントマンをやっている」

 

交互に握手を交わす。

ホームレスと握手か、と抵抗はあったが、いざ彼の手の平を見てみると汚い印象は無い。

格好の方も野宿しているとは思えない小綺麗さだ。

 

「あ、あの...霞沢ミユです...。RABBIT小隊のスナイパーを務めています...」

 

「狙撃手か、道理で気配を消すのが上手いわけだ。さすがSRTの生徒といったところか」

 

「ふえ?あ、ありがとうございます...。影が薄いのはデフォです...そのまま忘れられることもザラで...」

 

「風倉モエ、オペレーターやってるー。よろしくー」

 

「ああ、よろしく。次からは足元もよく見ることだ」

 

「言ってろー」

 

「さて、先ほどの会話からしてどうやら食料に困っているらしいな」

 

「はい。節約して一週間保つかというのが、現状ですね」

 

「歓迎の代わりだ。 野宿にわかのおまえ達にイロハを教えてやろう」

 

「にわかだと?私たちはSRTだぞ、それくらい教範で習っている」

 

「口調と見た目通りの堅物だなおまえは。眉間の皺は歳を取ると苦労するぞ」

 

「なに!?」

 

「この辺りに詳しい俺が教えてやると言っているんだ。素直に聞けばいい。それと...年長者の言葉は聞いておいて損は無いぞ」

 

「年長者って...一つ二つしか変わらないだろうに」

 

「例えばおまえが踏んでいるその草」

 

「わぁ!?」

 

急にかがみ込み、サキの足をどかして雑草を採取するセン。

ブチっと適当に千切った草を、嗅いでみろとぐいぐい鼻先に突き出される。

 

「これ...ネギか?」

 

「スン...確かに、ほんのりとそんな香りが」

 

「ノビルという。そこかしこに生えているがネギの仲間だ。本来なら土の中に隠れてる...これだ、この球根の部分を食べるが、葉っぱも案外いける。臭み消しにも適しているぞ」

 

似たような形状の葉を持つユリがあるが、アレは毒がある。絶対食うなよ。

そう付け足して、センは電子機器のセッティングをするモエ以外の三人を連れて公園内を歩き回る。

 

「向こうに川があるが、釣りはあまりお勧めしない」

 

「結構緑があるので忘れがちですが、工業地帯ですしね」

 

「ああ。産業廃棄物垂れ流し、とはいかないが軒並み釣れた魚は臭いし不味い」

 

「食ったのか...」

 

「この中で釣りに心得があるのは?」

 

「わ、私が...」

 

恐る恐る手を挙げるミユ。

 

「魚を手に入れたいならここから先の突端へ行くといい。臭い消しと加熱は必須だが、調理次第で化けるぞ」

 

「突端、ということは海ですか」

 

「釣りスポットでも人気のところだな」

 

あくまで魚との駆け引きを楽しみたい者達にとっての人気なので、キャッチ&リリースが主だという。あまり持って帰って食べる人はいないらしい。

 

「そこに生えてるたんぽぽも食えるぞ」

 

「えっと、たしか外来種と在来種があって、前者は苦味が強いから食用には向かないと教範に」

 

「そうだ。見分け方としては...ここ、この下の外弁が下向きになっているのが外来種だ。たんぽぽはいいぞ、花は天ぷらにできるし、根っこ部分は実質ごぼうだ」

 

「...なあ、ためにはなるんだが採取できる量が少なすぎて到底食い繋げるとは思えないぞ」

 

「教範兎は食い意地も張っているのか」

 

「誰が教範兎だ!?...そのうちマニュアル兎とでも呼びそうだな」

 

「That's right.よくわかったな」

 

「殴る!」

 

「サキ、落ち着いてください」

 

ネイティブな発音で煽る少年に掴み掛かろうとするサキを、ミヤコはすんでのところで羽交締めにして取り押さえる。

 

「まぁ今俺が説明しているのは殆ど最後の手段だ。流石に毎日雑草やらで腹を膨らませているわけではないからな」

 

「雑草って言っちゃいましたよ」

 

「昆虫食もイケるが、俺はあまり好まん。貴重なタンパク源とは理解しているが、どうにもあのウネウネとした白い腹が気に食わない」

 

言われて三人は想像する。

腐食した木材を掘ると出てくる、丸々と肥えた恐らくカミキリムシの幼虫。

彼女達も年相応の少女の価値観は持っている。出来れば食べたく無い。

 

「あの...高城さんは、何かお金を稼いだりしているんですか?」

 

「いいや。先ほど言ったように、俺は無職だ」

 

「誇ることでも無いだろう」

 

「金は無い、だが毎日を食い繋ぐ知識はある...そろそろ時間だな。ついてこい」

 

公園を出て、暫く歩くと数十人の人集りに出会した。

例に漏れず薄汚れた格好をしており、センと同じホームレスだということがわかる。

彼らが並ぶ先からは、食欲を唆る良い香りが漂ってきていた。

 

「この香り、味噌汁か?」

 

「惜しいな。微かに肉の匂いもある。豚汁だろう」

 

なんでも、ここでは毎日浮浪者のために配給を行っているらしい。

昼に一度だけ、いくつかの届や申請も必要という話だが、今日はセンの連れということで食べることを許された三人。

 

「お、ついているな。握り飯もある」

 

「...悔しいが美味い」

 

「ですね。しかも塩むすびではなく具も入っています」

 

「お、美味しいね」

 

人参、ごぼう、大根、油揚げ、しめじ、豚肉と具沢山の豚汁。

丹精込められているかどうかは分からないが、形ヨシ固さヨシのおにぎり。

腹を満たすには十分だ。

 

「これでも足りないならスーパーや土産屋の試食コーナーに行け。だが毎日は行くな、出禁にされる」

 

「まるでそうなったかのような言い草ですね」

 

「少々キツめのレビューをしただけだったのだがな...」

 

「引くほど図々しいぞコイツ」

 

買わないくせに大量に食べて難癖をつければ、そりゃ出禁にもなる。

 

「どうだ、これで昼分は賄えただろう」

 

「はい、ありがとうございました」

 

「これはオペレーターの分だ、あとで渡しておけ。───さあ、最後に野宿するには欠かせない代物を教えてやろう」

 

一向は場所を移し、子ウサギ公園へと戻ってきた。

自身のダンボールハウスへ到着すると、何やらゴソゴソと大量に持ってくるセン。

茶色く、大きく、平べったい形状のナニカ。

 

「平伏しろ、そして崇め奉れ、我々の生活において無くてはならない物、ダンボール様だ」

 

自前のSEでパッパラパーッ!と自身あり気に見せびらかされる、茶色い厚紙。

どちらかといえばおまえの頭がパッパラパーだと、三人は心の中でツッコミを入れる。

 

「「「...」」」

 

「なんだ、驚いて言葉も出ないか」

 

「ああ、ある意味な」

 

「ん?さてはおまえ達、ダンボールを舐めているだろう」

 

そんなことはない、とは言えない。

実際こんな紙切れで一体何ができて何が守れるのだろうか、というのが三人の見解だ。

 

「こんな少し硬い紙材質に、そう価値を感じないが...」

 

「これだからにわかは困る。いいか、これは持論だが、ダンボールは万のことに使いけるんだぞ」

 

「よろず...」

 

「まず一つ目、この資財ならぬ紙材は家になる。見ろ、この見事なまでに佇む我が家を!」

 

「今にも壊れそうですが」

 

「小雨で倒壊するだろ」

 

「夜寒そう...」

 

見てくれは確かに家だが、住みたいかと問われれば勿論住みたくない。見ろ!の時にちょうど入口のダンボールが剥がれかけたので、説得力も無い。

ゼロ、ゼロ、ゼロとそれぞれ最低評価を提示するミヤコ達に、センはこれだからにわかはと肩を竦める。

 

「雨風も凌げて人の視線も遮れるんだ、たかがホームレスが文句を言うな」

 

「私たちはホームレスじゃないですけどね」

 

「職無し公園野宿の時点で民衆の痛い視線が貫通するだろ」

 

こんな欠陥しかない家に一体何を守れるというのか。

 

「二つ目、ダンボールはベッドになる!ただの紙と思うな。この厚さ、辛い夜風すら無効化する優れものだ。使い込めば柔らかくなり、身体にもフィットする」

 

「硬そう」

 

「寝心地悪そうですね」

 

「ね、寝違えそう...」

 

「贅沢な。寝違えるにしても4日に一度くらいだ」

 

「頻繁ですね」

 

「ええいっ、五月蝿い。三つ目だ。ダンボールはな、家具になる」

 

「もう苦しくないか?」

 

ダンボールをテーブル代わりにする、本棚代わりにする、収納代わりにする、といった月々の家賃に頭を抱える苦学生がやりそうなこと。

レビューする男は苦学生ではなく苦労人であり、苦浪人だが。

 

「寒さを凌ぐベッドにも、夜風を遮る家にもなる、生活を彩るインテリアにも家具にもなる。かの英雄、ソリッド・スネークも戦場には積極的にこれを持ち寄ったと聞く」

 

「誰ですかソリッド・スネーク」

 

「にわかめ」

 

「...ミヤコ、もういいだろう。こいつは放っておこう」

 

「そうですね。えー、貴重なお話どうもありがとうございました。あなたの熱弁は大変心に響きましたが、我々にはちゃんとしたテントと寝袋がありますので」

 

「あ、ありがとうございました...」

 

「───待て」

 

粗方の話は聞いたので作業に戻ろうとする三人を、センは引き止める。

 

「なんだ?まだ何か用が...」

 

「なんだとはこっちのセリフだ。そのテントはなんだ!?」

 

「何って、各部隊に支給される拠点作成用のものだが」

 

「ふざけるな!おまえ達、あれだけ俺の話を聞きながら、言うに事欠いてテントだと!?見ろ俺のダンボールハウスを!可哀想だとは思わないのか!?」

 

「はぁ!?おまえさっきまでダンボールのことべた褒めだっただろうが!ソリッドなんたらも泣いてるぞ!?」

 

「ソリッド・スネークだ!そっちはちゃんとした温かい寝床、こちらは硬い紙!まさか目の前で苦しむ人間を見捨てて自分たちはテントで寝るつもりか!?この人でなしめ!」

 

「言いがかりも大概にしろ!そんなうっすい紙切れよりも、耐久性に優れた物があるなら使わない方が阿呆だろう!?それともなんだ、勢いに任せて誤魔化し、私たちから資材を奪おうとでも!?」

 

「はい」(スンッ)

 

「なんて曇りなき目...」

 

「光灯ってないけどね...」

 

「食料について教えてやったんだ。おまえ達の寝床を俺に提供するか、もしくは貴様らもダンボールハウスで寝泊まりすべきだと俺は思う」

 

「理不尽極まりませんね...素直に軽蔑します」

 

「やめろ、そんな目で俺を見るな。泣くぞ、何なら泣いてやろうか?いいぞ?閑静な公園に響き渡るほぼ成人男性の号泣生放送を聞くか?」

 

「ごめんなさい、やめてください」

 

「ふっ、あまちゃんが...」

 

「勝ち誇るな」

 

ミヤコのセンを見る目がゴミを見る目に変わる。

社会のゴミというのは逃れられない事実だが、美少女の蔑視線は中々にクるものがあったようで。

致し方ないと、ゆっくり膝を突き黄金比の土下座を形成しながら、頭を下げた。

 

「このところただでさえ夜は寒くて死にそうなんです助けてくださいお願いします」

 

「おまえにプライドは無いのか!?」

 

「ない!そんなものは家と共に捨てた!」

 

「だから誇るな!」

 

癇癪から土下座へと驚くほどスムーズに移行するこの男、変なところでは自尊心を発揮するくせに楽な手段があるとわかれば平然と地面に頭を擦り付ける。呆れを通り越していっそ清々しい。

 

(...先ほどはあまりの情けなさに引きましたが)

 

些か気になることがあると、ミヤコは土下座を継続するホームレス少年に問いかける。

 

「あの、質問いいですか」

 

「なんだ」

 

「違っていれば失礼ですが、あなたの口調といい仕草といい、ある程度の育ちの良さを感じられます。生まれながらのホームレス、というわけではないと私は考えているのですが」

 

如何でしょう、と首を傾げるミヤコ。

 

「───流石にSRT一個小隊の隊長を任されるだけある。中々の観察眼だ」

 

「土下座したまま格好付けるな。ほら立てって」

 

「すまない」

 

サキに手を貸され、ゆっくりと少年は立ち上がる。

土や草を払う所作もどこか優美で、ミヤコの指摘はおそらく正しいのだろう。

 

「昔のことだ...あれは2年前」

 

「言うほど昔か...?」

 

「結構最近ですね」

 

「...住んでいた家を温泉開発部に爆破された」

 

「「「心中お察しします」」」

 

彼もなりたくてホームレスになったのでは無いとわかり、少しは労わってやろうとRABBIT小隊は思った。

 

 

 

********************

 

 

 

目の前で家が粉微塵に爆散し、その下から温泉が盛大に噴き出した光景は、今でも彼の脳裏に焼き付いている。

 

辛く、苦しく、耐え難い仕事を中等部ながらこなし、ようやく溜まった給料で、ようやく買えたマイホーム。

 

新しい新居に胸を躍らせ、いざ中へ入ろうとした瞬間、家は吹き飛んだ。

 

その後もアパートやらマンションやらに居住を移すも、尽く爆破に巻き込まれた彼。

 

何度建てても破壊される新居、就いていた仕事のストレスも相まって、精神的に追い詰められ、

 

『あ、もういいや』

 

そう全てを投げ出し、彼はホームレスになった。

 

 

 

 

 

 

辺りも暗くなり、RABBIT小隊とセンは焚き火を囲い夕飯に勤しむ。

互いの食料を持ち合い、親睦を深めようというミヤコの提案だ。

小隊からは鯖缶とカンパンを、少年からは干物と期限間近の惣菜パンがそれぞれ提供された。

 

「建てては爆破され、建てては爆破され...ならもう家なんていらないと思い、この公園にたどり着いたわけだ」

 

「想像を絶する境遇ですね」

 

「ああ...だが同情よりも俺は鯖缶が欲しいぞ」

 

「ほんっと図々しいなコイツ...私の少しいるか?」

 

「施しは受けん」

 

「狼少年?」

 

「いらないならいいが」

 

「食べる」

 

「素直じゃないな...ほら」

 

「助かる」

 

「わ、私もあげます...」

 

「すまない」

 

サキとミユから一切れ貰い、味わって食すセン。

久々に味の濃ゆい物を食べたのだろう、見るからに感動して箸を動かしている。

 

「この惣菜パンは?」

 

「パン屋と親しくてな。余ると提供してくれる」

 

「道理で美味いと思った。私メロンパン好き」

 

あむあむと頬張るモエ。

少しシナシナになろうと、メロンパンはメロンパン。それも本職パン屋が作った代物だ。多少味は落ちるだろうが、この生活の中においては贅沢品だ。

 

「俺の方の話はもういい。おまえ達、何故デモを行おうとしているんだ?SRTといえば、連邦生徒会お抱えの特別組織だろう。それが解体とは」

 

「ホストである連邦生徒会長が失踪したのは、ご存知ですか?」

 

「ああ───そういうことか」

 

「はい。命令権を持つ彼女がいなくなり、そこには驚異的な武力と武装を持った私たちが残りました。連邦生徒会はこのことを重く見て、SRT特殊学園を閉校。以降はヴァルキューレへ併合させる形で事態の収拾を図りました」

 

「しかし、そうはならなかった」

 

テント横に配置された多くの兵器を見て、彼は一人納得する。

 

「行き着いた先がデモか。だが理由は分かる。異常者の集まりなので解散させます、でムカつかない方がおかしいからな」

 

「誰が異常者だ」

 

「身内に毒キノコを食そうとした奴がいるだろ」

 

「えっへへ」

 

「「照れるな」」

 

数時間前、モエも含めて野草採取に出向いた時。

 

『いいかおまえ達、このキノコは毒だ!食べるとハッピーハッピーハッピーで猫ミームになるから絶対食べるなよ!絶対だからな!』

 

『パクッ』

 

『話聞いてんのか女ァ!』

 

あろうことかこのオペレーターは、フリでもないのに毒キノコを躊躇なくパクついたのである。

流石に吐き出させたが、咀嚼して飲み込むまでしそうな勢いにセンも戦慄した。

 

「消化器官に入らなきゃ大丈夫だって。私としてはベニテングダケを食べてみたいんだけど...ニシシ」

 

「グルタミン酸の10倍の旨み成分を味わった後に猛毒で果てたいなら止めんが、あんなもの山奥にしか自生しないぞ」

 

「ちぇーっ」

 

「モエのコレは今に始まったことではありません。お気になさらず」

 

少しは気にしろよ、と思いながら焚き火に薪を足す。

パチチッと弾け、そよ風により揺れる炎。しばしその赤黄色の光景に浸りつつ、手元の食事に手を付ける五人。

一人はこの行いの成功を信じ、一人は必ずや学園を取り戻すと決心し、一人はネガティブながらも自分にできることをしようと覚悟を決め、一人は早くミサイル撃ち込みたいとほくそ笑み、一人は久々の焚き火も悪くないと目を細める。

 

「こうしていると、訓練漬けの日々を思い出すな」

 

「...そうですね」

 

それぞれの鯖缶が空になり、パンも無くなったところでサキが在校時のことを振り返り、ミヤコはそれを肯定する。

 

「...早く帰りたいね、学校」

 

「ええ。だからこそ、我々はデモを成功させなければいけません」

 

「ひとつ聞きたい」

 

スッと、センが手を挙げる。

 

「なんでしょう」

 

「学び舎が無くなる、確かにこれは耐え難い、受け入れ難い事実だ。抵抗する気持ちも分からなくはない。だが、ヴァルキューレに統合された後も、おまえ達はおまえ達のままRABBIT小隊を続けることはできたのではないか?」

 

たとえSRTという名が失われようとも、その誇りを胸に活動を続けることが、少女達には可能だったはず。

センはそう考えていた。

 

「それは違うぞ」

 

否定したのは、サキ。

 

「理由を言ってみろ、空井」

 

「ヴァルキューレ警察学校とSRT特殊学園は、根付いた根幹が違うんだ。厳格な規則と、常在戦場の気概が求められるSRTと比べて、ヴァルキューレは弛んでいる。同じ環境下にあっても私はそうならない自信はあるが、やる気のない奴らと同じ空気を吸うのは御免だ」

 

「...ふむ、それがおまえの理由でいいんだな?」

 

「ああ」

 

真っ直ぐで、芯の通ったバカ真面目。

筆記や実技ではほぼ満点を叩き出している彼女には、エリートとしてのプライドがある。

市民を守るべく、自身という刃を研ぎ続けてきた、誇りがある。

そんな自分を形成してくれた学園が無くなるというのは、サキにとってあってはならないことなのだろう。

 

「霞沢、おまえは?」

 

「え!?わ、私...ですか」

 

「いきなり聞いてすまない。だが、話してくれ。必要なことだ」

 

「...怖いんです、誰かと仲良くするのが。高城さんならわかると思いますが、この小隊間の仲はあまり良いとは言えません」

 

「そうだな」

 

「おい、私達を見るな」

 

「失礼ですね」

 

ムッと頬を膨らませる兎二人は置いといて、ミユの言葉に耳を傾ける。

 

「でも、ある程度の居心地の良さというのは、やっぱりあって...ミヤコちゃんも、面倒見てくれるから。そんな、ようやく構築できた関係が...併合されるとまたリセットされちゃう。元々影が薄い私に話しかける人なんて、きっといないから...」

 

「霞沢は、知らない人間と接するのが怖いのか?」

 

「いいえ...それもあるのでしょうけど、一番は人から忘れられるのが、怖いんです...」

 

影が薄いのがコンプレックスで、誰からも認識されなくなったらと思うと、ついつい泣き出してしまう。

人は怖いが、人と接さずにはいられない。

一見面倒な子ではあるが、それは自身の抱える短所が織りなす繊細さによるもので。

ミユは、そんな自分を変えようとSRTに入学したという。

ならば併合を機会に新たな自分にチャレンジしてみても、と思ったがそれには心の準備が必要だろう。無理強いも強制も、彼女には毒だ。

 

「風倉は?」

 

「私は単純だよ。SRTは特殊な武装がジャンジャン使えるからね。ヴァルキューレや他の学園なんか目じゃないくらい、超超強力な兵器が大量にあんの!街の一角を一瞬で吹っ飛ばせる爆弾やら、エデン条約の時に使われた程ではないにしろ、高火力なミサイルもあるわけ。そんな兵器を好き勝手扱えるSRTを出ていくなんて、死んでも嫌だね」

 

「不純だな」

 

「見損なった?」

 

「元よりおまえへの評価なんて地の底だ。これ以上どう下げろと?...だが、おまえらしい」

 

「褒め言葉として受け取っとくー」

 

一歩間違えればテロリストだったのではないかと思えるくらい、モエの動機は汚れている。

学園内でも異端として扱われていたに違いない。

だが、その正直さや好きなことを隠さず夢中になれる心情は、賞賛に値する。

 

「はぁ...なんだいきなり、面接みたいなことを始めて。らしくないぞ」

 

「今日会ったばかりの俺のことを、知ったふうに言うじゃないか」

 

「クズでケチなプライド皆無のホームレスだろ?それぐらい分かっている。もう私は寝るぞ」

 

「待て」

 

「待たん。明日も早いんだ」

 

「おまえ、風呂に入らないつもりか?」

 

ピタッ

 

背を向けテントへ去ろうとしていたサキの足が止まる。

 

「昼に動き回って汗を掻き、あまつさえ焚き火の煙を浴びたというのにそのまま就寝とは。今時の女子高生は身体も洗わないのか?」

 

「し、仕方がないだろ!身体を流そうにもシャワーも湯船も無いのでは...!」

 

「だとしても身体を水拭きするぐらいはできるだろうに。なんだ?堅物とガサツは同義なのかちょっと待てそれはシャレにならないぞ銃を構えるんじゃない話せばわかる!」

 

「おまえはあの世でデリカシーを少しは学んでこい!!」

 

怒りと羞恥で赤面するサキ愛用の機関銃が火を吹き、銃弾がセンへと殺到する。

ズガガガガッ!!と着弾音が響いた後、ハッと我に帰るポイントマン。

生身の人間に銃撃など、本当に死んでしまってもおかしくない。

女子に対して無遠慮な指摘だったとはいえ、流石にやり過ぎた。

 

「サキ!」

 

「や、やってしまった...おい!大丈夫...って」

 

そこには、

 

「ふぅ、やれやれ。危うく死にかけたな」

 

RABBIT小隊の心配を裏切る、無傷の少年の姿があった。

 

「ば、バカな!?確かに私はおまえを...っ!」

 

「ああ、直撃だったな。これが無ければ」

 

ドヤ顔と共に見せびらかされるのは、着弾痕の付いた平たい物体。

即ち、

 

「ダンボール!?そんな薄っぺらい紙切れで防いだというのか!?」

 

「にわかめ。言っただろう、万のことに使いけると」

 

「...そういえば聞いたことがあります。キヴォトスで使われるダンボールは、強盗対策のために強度が底上げされていると」

 

「す、すごい...」

 

「さぁ、崇めろ!そして叫べ!ダンボール最強!ダンボール最強!さぁ!さぁ!」

 

「だ、ダンボール最強」

 

「声が小さい!ダンボール最強!!」

 

「だ...ダンボール最強ぉ!」

 

(助けてくれミヤコ!)

 

(諦めてください)

 

目線で訴えるも、首を振られるサキ。

身から出た錆とはいえ、自覚がありながら夜中に奇行に奔るのは些かキツイ。

 

(これ、使えますね)

 

アタフタするミユ、面白がって爆笑するモエとは違い、今度のデモに活かせないか使用案を模索する小隊長。

 

(ほう?)

 

見る目がある、と掛け声を止め、ダンボールを観察するミヤコを観察し出した。

 

「い、一応こちらに非があったのは認める!けど、もうおちょくるんじゃないぞ!」

 

そう言い残し、サキは寝袋のあるテントへ去っていく。

 

「私も寝るかなー。あ、パンはご馳走様」

 

「私も...ありがとうございました」

 

釣られてモエとミユも、就寝のためサキに続く。

取り残されたのは、ミヤコとセンの二人のみ。

 

「おまえは寝ないのか?」

 

「少し、興味が出てきました」

 

「ダンボールに?」

 

「それもありますが、あなたに」

 

薄い紺色の瞳が、少年を射止める。

 

「煽てても何も出ないぞ」

 

「何もないですからね」

 

「おい」

 

「冗談です...ふふっ」

 

今のジョークはツボを突いたようで、彼女は彼と邂逅して初めて、その鉄仮面のような表情を破顔させた。

 

「なんだ、ちゃんと笑えるじゃないか」

 

「よく言われます、無愛想と。無表情で何を考えているのか分からないと」

 

「無愛想なのは否定しないが、おまえほど分かりやすい奴もそういない」

 

「そうでしょうか」

 

「常に隊員に気を配っているだろう、霞沢に対しては特に。空井からどれだけバッシングを受けようと、最終的には任せられる一定の信頼も得ている。風倉を制御できているのも評価に値する。無表情の裏にある優しさがおまえの取り柄だ。隊長に抜擢した上司は見る目がある」

 

「ありがとう、ございます」

 

まさかのべた褒め。

目を大きく開き呆気に取られていると、彼はそのまま続ける。

 

「故に聞こう、月雪ミヤコ。おまえはなぜヴァルキューレとの併合を嫌う?」

 

昼間の情けなさが嘘のように、少年は少女を見据える。

ただならぬ雰囲気を感じたが、それに気圧されるようなミヤコではない。

 

「SRTの掲げる正義を、守るためです」

 

「...」

 

「キヴォトスの治安維持を図るヴァルキューレ。彼女達にも彼女達なりの正義があります。ですがそれらは本当の正義では無いと、私は考えています」

 

「続けてくれ」

 

「正義とは、理に適った正しい道理です。相手間との利害関係、その場の状況で改変されるようなものでは、断じて無いのです。SRT特殊学園はそういう、真っ直ぐで屈強な一つの正義を常に追求する組織でした」

 

「...なるほど」

 

「私はそんな学園の在り方に憧れて、門を叩きました。その学び舎が今、閉校という窮地に立たされている...動かない理由はありません」

 

「最後に聞く。おまえの敵はヴァルキューレか?それともその上にいる連邦生徒会か?」

 

「どちらも違います。他の三人は分かりませんが、私の敵は常に、自分勝手な道理を振り翳し市民に仇なす悪しき者達です」

 

つくづく、この少女を隊の一角に据え置いた上司には賞賛を贈りたいとセンは思った。

まだ幼く、実戦での経験は無くとも、彼女は自身が掲げ、憧れた正義に見合った信念を実直に抱いている。

とても真っ直ぐで、危うさはあれどそこに後ろめたい感情や嘘は一切無い。

 

「やはり、おまえは隊長の器だ」

 

「褒めても鯖缶はもうありませんよ」

 

「いらんわ戯け」

 

「クスクス」

 

「...フッ」

 

焚き火の炎が弱まる。

夜の静けさが、辺りを侵食し始める。

赤い灯り火を囲う二人の口から、打ち解けた証として笑いが溢れた。

 

「そうだ、先ほどおまえはダンボールに興味あり気だったな。この際だ、俺が素晴らしさをレクチャーしてやろう」

 

「では、お願いしましょうか」

 

「後悔はさせん」

 

 

 

 

 

 

-翌日-

 

 

 

 

 

 

「ダンボールは、万のことに使いけり」

 

「流石です、師匠」

 

「いやなにがあったッ!!??」

 

RABBIT2の困惑した声が、早朝の公園に響き渡った。

 




《主人公プロフィール》
高城セン:タカシロ セン
年齢:16歳
誕生日:6/13
職業:無職
身長:178cm
好きな食べ物:期限切れ惣菜パン(特にチョコ系)
嫌いな食べ物:虫
趣味:中古書店で長時間立ち読み
cvイメージ:福山潤様

《名前の由来》
cvイメージ福山潤様の演じるアルバート・ハインラインより
ハインライン→High Line →高い 線→高城 セン

《外見》
ほぼルルーシュ。

《現在の関係》
セン→ミヤコ:見る目がある。素質十分、今後の成長が楽しみ。師匠呼びか、悪くない。
セン→サキ:堅物。真面目馬鹿。マニュアル人間。優秀さは認める。一皮剥けて欲しい。
セン→ミユ:狙撃の腕を見て、勝手にエース扱い。気に入り具合はミヤコとどっこい。ただ、もう少し自分を出してくれれば。
セン→モエ:危険人物。触れるな危険。デーモンコア。こいつがSRTで本当に良かった。

ミヤコ→セン:師匠。
サキ→セン:なんだこいつ。
ミユ→セン:変な人だけど悪い人では無さそう...?
モエ→セン:おもしれー奴。

前作はシリアスと純愛ボーイミーツガールをふんだんに書き殴っていたのに、何がどうなってこの作品が生まれたんだ...私には分からない。

ルルーシュ語録は次回以降ですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。